有価証券報告書-第107期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」には、事業活動を通じて、世界中の人々への心豊かで快適な暮らしにつながる「やさしい未来」を提供したいとの想いを込めています。
当社グループは経営理念の実現に向けて、以下の4つの柱に重点を置いて、全社一丸となって課題解決に取り組んでいます。
<経営理念 4つの柱>1.ものづくりへのこだわり
現場・現物・現実に基づいた新たな商品と付加価値の創造・提供を通じて、国際社会から信頼される企業グループであり続けます。
2.地域社会とのきずな
各国・各地域の発展に寄与するために、「良き企業市民」として高い倫理観をもって地域社会との調和ある成長を目指します。
3.安全で働きがいのある企業風土
持続的な企業価値の向上を図るために、安全で働きがいのある企業風土づくりに取り組み、社員相互の信頼関係に基づいた一体運営を推進します。
4.地球環境への貢献
地球環境と調和したグローバルな事業展開を通じて環境問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
グループ経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」のもと、長期ビジョン「戦略的に事業ポートフォリオを変革し、持続的に成長し続ける企業グループへ」を掲げ、10年後には、売上高8,000億円~1兆円規模(ホーム&パーソナルケア(以下、「H&PC」という。)事業の構成比50%以上、H&PC海外事業の構成比30%以上)を目指します。
2018年度から2020年度までの3年間を対象期間とする第3次中期事業計画(以下、「第3次中計」という。)では、急激な外部環境変化に対応可能な強靭な企業体質への革進とともに、長期ビジョンを見据えた成長戦略を果敢に実行します。
① テーマ 「Move on 革進と飛翔」
② 業績計画
第3次中計
事業別計画
設備投資計画
2020年度までの3か年合計で戦略投資 1,150億円、合理化・維持投資430億円、合計1,580億円の設備投資を実行します。
(注)1.CNF:セルロースナノファイバー
2.FIT制度:固定価格買取制度
(3) 会社の対処すべき課題
① 紙・板紙事業とH&PC事業を横断した抜本的な構造改革
(a) 当社の強みを活かした製紙事業の生産構造改革
三島工場が持つ以下3つの強みを活かし、生産ポートフォリオの変革を強力に推進します。
1つ目の強みは、競争力のあるクラフトパルプです。針葉樹パルプ(国内最大の生産量)、広葉樹パルプ(国内2位の生産量)を併せ持つ三島工場は、臨海立地であることから木材チップ調達コストも優位性があります。また、2020年7月にクラフトパルプ増産改造工事が完了し、収益性をさらに高めます。
2つ目の強みは、国内屈指の難処理古紙(通常の古紙処理設備では容易にパルプ化できない古紙等)の選別・パルプ化技術です。当社グループ会社の保有する金属・プラスチック・色物の自動選別技術を古紙処理設備に組み込み、安価に集荷した難処理古紙を有効活用することで、競争優位なコスト構造を確立します。将来的には、この技術を磨き、板紙生産における難処理古紙の使用比率を40%まで高める目標です。
3つ目の強みは、国際貿易港に隣接した三島工場の立地です。三島川之江港から中国の上海港までの輸送コストは東京までと大差なく、三島工場を衛生用紙、板紙、クラフト紙の輸出拠点とします。中国をはじめとするアジア諸国を当社にとっての新市場と捉え、アジア市場での新たなマーケット創造を視野に入れています。
(b) 紙・板紙事業の構造改革~「メディア用途の紙」から「梱包・包装用途の紙」へのシフト
ⅰ 新聞・印刷・情報用紙などのメディア用途の紙の安定供給体制
三島工場のスイングマシン(複数品種を生産可能な抄紙機)の特性を活かし、ユーザーへの安定供給体制を維持します。これまで推進してきた品種シフトや「サクラテラス」加盟卸商との協業に継続して取り組むとともに、工場では生産効率とコスト競争力を高め、競争優位性を強化します。
ⅱ 「梱包・包装用途の紙」の生産体制の強化と輸出拡大
需要構造の変化に対応するため、「生産性の高い生産設備」で「難処理古紙を多く使用する」ことによるコスト競争力の高い板紙の生産体制と、クラフト紙の増産体制を構築します。
・三島工場の洋紙生産設備を国内屈指の競争力を有する板紙生産設備に改造(2020年4月予定)
・子会社の大成製紙株式会社(以下、「大成製紙」という。)の板紙生産設備を停止し、大成製紙で生産している白ライナーの生産を三島工場に移管
・三島工場の板紙・特殊クラフト紙の生産設備をクラフト紙生産へシフト
板紙とクラフト紙の増産分は、需要が旺盛な中国をはじめとするアジア諸国への輸出を強化します。板紙の輸出は、当社H&PC海外工場で使用している段ボール需要をベースとして、近い将来、H&PC海外工場の近隣地で段ボール事業を展開していく布石でもあります。
なお、大成製紙は、現状の衛生用紙生産に加え、ウェットティシュー等の加工機を設置して、H&PC国内事業に特化した生産工場へと事業転換します。
② H&PC事業のグローバルな事業拡大と収益力強化
(a) 衛生用紙
2018年10月の川之江工場(注)の衛生用紙生産設備稼動後、原反を当社中国法人である大王(南通)生活用品有限公司(以下、「EICN」という。)に輸出し、EICNでプレミアムトイレットロールに加工して中国市場で販売します。ベビー用紙おむつで確立した「エリエール」「大王(ダーワン)」の高級ブランドイメージから、現在中国で実施しているテスト販売は非常に好評で、中国でのプレミアムトイレットロール販売は当初想定よりも早いスピードで拡大すると見込んでいます。
中国での拡販にあわせて川之江工場の衛生用紙を中国等アジア向け輸出に振り替えていく結果、国内市場向けの衛生用紙が不足するため、可児工場に衛生用紙生産設備を新設(2020年4月予定)し、H&PC事業の収益力向上と衛生用紙のリーディングカンパニーとして供給体制を一層強化し、国内で圧倒的シェアNO.1を確立します。
(注)川之江工場は三島工場に隣接しており、配管及び送電線で繋がっています。三島工場からコスト競争力の高いクラフトパルプを川之江工場に流送するとともに、蒸気・電力などのエネルギーも供給します。 三島工場と川之江工場は一体運営します。
(b) 吸収体事業
ⅰ 国内事業
当社の大人用紙おむつ「アテント」は業務用ではトップクラスであるという強みを活かし、厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」の枠組みの中で、医療介護専用の多職種連携SNSである「メディカルケアステーション」を通じて当社オリジナルアプリを提供する取組みを開始しました。生活者が病院、在宅を循環する社会に対応することにより、業務用紙おむつから市販用紙おむつへのリレーションを強化し、売上・収益の拡大を図ります。
また、アクティブな中高年の生活者の不安を解消して快適な生活をサポートするための軽失禁対応商品(「ナチュラ」ブランド)、少子化の進行に伴い高品質(肌への優しさ、吸水性能など)が求められるベビー用紙おむつ(「GOO.N」ブランド)は、品質への徹底的なこだわりと幅広い商品ラインナップにより、拡販を実現します。
ⅱ 海外事業
中国では、ベビー用紙おむつのスーパープレミアム品の拡販に加え、大人用紙おむつでは、北京と華東地区で高級施設への提案活動を行うなど本格販売を開始しました。また、前述のとおりプレミアム衛生用紙の市場創造も進めており、複合事業化を加速させます。これら販売増加に対応していくための生産体制を強化するため、EICNの既存工場の隣接地を第2工場の用地として2018年度に取得し、第3次中計期間内に稼動させる計画です。
タイではベビー用紙おむつ、フェミニンケア用品、ウェットティシューを生産しており、当社H&PC海外工場の中で最も早く複合事業化をスタートさせました。インドシナ半島を一つの市場と捉え、タイ国内、ベトナム、マレーシア、ミャンマー等への拡販を推進しています。
インドネシアでは、ベビー用紙おむつの需要増加に対応して、生産設備をさらに増設する計画です。市場全体の3割を占める伝統小売店舗(ワルン)や、市場が急激に拡大するEC等の販売チャネルでの拡販も推進しており、生産体制を強化するため、第2工場建設を検討しています。
中東地域の大国であるトルコに2017年9月に出張所を開設し、ベビー用紙おむつの販売を開始しました。生活者から好評を得ており、将来の現地生産を見据えた工場建設の検討に着手しています。
韓国、台湾、ロシアなどの輸出販売国は、各国の消費者マインドの傾向・変化を素早く掴んで商品開発に反映し、販売エリアと複合事業化をさらに拡大します。
③ H&PC国内事業の成長を支える物流改革
H&PC国内事業の成長を支えるため、運送会社から選ばれる荷主へと変わっていくことで、衛生用紙トップメーカーとして商品の供給体制を一層強化するとともに、販売店の売上・収益拡大を強力にサポートする体制を構築中です。
2018年4月以降、愛媛県四国中央市、岐阜県可児市、静岡県富士宮市の主要生産拠点3か所で大型物流センター4棟(延床面積は4棟合計で約52,000坪)を順次稼働させ、保管効率を約10%改善します。また、専用パレット開発等により、手積み手降ろしからパレット輸送化を推進し、荷役時間を約75%削減します。
④ 新規事業(CNF、FIT制度を活用したバイオマス発電他)
CNFの早期事業化を中心とした新規事業の創出を強化し、第3次中計では、素材開発と電化製品、化粧品等への用途開発を加速させます。また、量産化技術確立とコスト低減に取り組み、第3次中計期間内のCNF関連商品の販売開始を目標としています。
なお、FIT制度を活用したバイオマス発電は2020年7月に事業を開始する予定です。
⑤ 持続的成長のための基盤構築
(a) ESGへの取組み
環境・社会・ガバナンスそれぞれの課題に対して、事業活動を通じて積極的に課題解決に取り組むことで、企業としての持続的な成長を実現します。
(b) 業容拡大を見据えたIT投資による業務改革の推進
グループ基幹システムとしてERP(Enterprise Resource Planning:業務統合パッケージ)を導入し、グループ経営の効率向上に取り組みます。さらに、BPR(Business Process Re-engineering:業務プロセス改革)により共通業務の標準化に継続して取り組み、今後の業容拡大を見据えたIT投資による業務改革を推進します。
(c) 働き方改革
グループ全社員の働き方を抜本的に見直し、一人ひとりの生産性・効率性を向上させ、成長分野へ経営資源をシフトします。当社基幹工場の三島工場では製造や物流業務に従事する女性社員が増加しているため、安心して働けるよう、2018年4月に事業所内保育所「GOO.N すくすくはうす」を開設しました。今後も女性活躍の環境づくりの取組みを強化します。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」には、事業活動を通じて、世界中の人々への心豊かで快適な暮らしにつながる「やさしい未来」を提供したいとの想いを込めています。
当社グループは経営理念の実現に向けて、以下の4つの柱に重点を置いて、全社一丸となって課題解決に取り組んでいます。
<経営理念 4つの柱>1.ものづくりへのこだわり
現場・現物・現実に基づいた新たな商品と付加価値の創造・提供を通じて、国際社会から信頼される企業グループであり続けます。
2.地域社会とのきずな
各国・各地域の発展に寄与するために、「良き企業市民」として高い倫理観をもって地域社会との調和ある成長を目指します。
3.安全で働きがいのある企業風土
持続的な企業価値の向上を図るために、安全で働きがいのある企業風土づくりに取り組み、社員相互の信頼関係に基づいた一体運営を推進します。
4.地球環境への貢献
地球環境と調和したグローバルな事業展開を通じて環境問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
グループ経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」のもと、長期ビジョン「戦略的に事業ポートフォリオを変革し、持続的に成長し続ける企業グループへ」を掲げ、10年後には、売上高8,000億円~1兆円規模(ホーム&パーソナルケア(以下、「H&PC」という。)事業の構成比50%以上、H&PC海外事業の構成比30%以上)を目指します。
2018年度から2020年度までの3年間を対象期間とする第3次中期事業計画(以下、「第3次中計」という。)では、急激な外部環境変化に対応可能な強靭な企業体質への革進とともに、長期ビジョンを見据えた成長戦略を果敢に実行します。
① テーマ 「Move on 革進と飛翔」
② 業績計画
第3次中計
| 2017年度実績 | 第3次中計 2020年度計画 | (参考)長期ビジョン | ||||
| 売上高 | 5,313 | 億円 | 6,350 | 億円 | 8,000億~1 | 兆円 |
| 営業利益 | 111 | 億円 | 320 | 億円 | 800~1,000 | 億円 |
| (営業利益率) | (2.1 | %) | (5.0 | %) | (10 | %) |
| H&PC海外売上比率 | 7.7 | % | 15 | % | 30 | %以上 |
| ROE | 2.2 | % | 8 | % | 12 | %以上 |
| ネットD/Eレシオ | 1.6 | 倍 | 1.6 | 倍 | 1.0 | 倍未満 |
| (参考)純有利子負債 | 2,800 | 億円 | 3,500 | 億円 | - | |
| ※前提条件 | ||||||
| 為替 | 110.9 | 円/ドル | 112 | 円/ドル | - | |
| ドバイ原油 | 56 | ドル/バレル | 62 | ドル/バレル | - | |
事業別計画
| 2017年度実績 | 2020年度計画 | |||||
| 売上高 (億円) | 営業利益 (億円) | 売上比 | 売上高 (億円) | 営業利益 (億円) | 売上比 | |
| 紙・板紙事業 | 3,136 | 7 | 0.2% | 3,200 | 100 | 3.1% |
| H&PC事業 | 1,970 | 81 | 4.1% | 2,910 | 200 | 6.9% |
| (内訳) 海外事業 | 411 | △13 | - | 1,000 | 70 | 7.0% |
| 国内事業 | 1,559 | 94 | 6.0% | 1,910 | 130 | 6.8% |
| その他事業 (調整額を含む) | 208 | 23 | 11.1% | 240 | 20 | 8.3% |
| 合 計 | 5,313 | 111 | 2.1% | 6,350 | 320 | 5.0% |
設備投資計画
2020年度までの3か年合計で戦略投資 1,150億円、合理化・維持投資430億円、合計1,580億円の設備投資を実行します。
| [戦略投資 1,150億円の内訳] | ||
| 紙・板紙事業の構造改革投資 | 370 | 億円 |
| H&PC事業の成長投資・構造改革投資 | 520 | 億円 |
| 新規事業 (CNF(注1)、FIT制度(注2)を活用したバイオマス発電他) | 190 | 億円 |
| IT投資 (NEXT.DAIOプロジェクト) | 70 | 億円 |
| 戦略投資 合計 | 1,150 | 億円 |
(注)1.CNF:セルロースナノファイバー
2.FIT制度:固定価格買取制度
(3) 会社の対処すべき課題
① 紙・板紙事業とH&PC事業を横断した抜本的な構造改革
(a) 当社の強みを活かした製紙事業の生産構造改革
三島工場が持つ以下3つの強みを活かし、生産ポートフォリオの変革を強力に推進します。
1つ目の強みは、競争力のあるクラフトパルプです。針葉樹パルプ(国内最大の生産量)、広葉樹パルプ(国内2位の生産量)を併せ持つ三島工場は、臨海立地であることから木材チップ調達コストも優位性があります。また、2020年7月にクラフトパルプ増産改造工事が完了し、収益性をさらに高めます。
2つ目の強みは、国内屈指の難処理古紙(通常の古紙処理設備では容易にパルプ化できない古紙等)の選別・パルプ化技術です。当社グループ会社の保有する金属・プラスチック・色物の自動選別技術を古紙処理設備に組み込み、安価に集荷した難処理古紙を有効活用することで、競争優位なコスト構造を確立します。将来的には、この技術を磨き、板紙生産における難処理古紙の使用比率を40%まで高める目標です。
3つ目の強みは、国際貿易港に隣接した三島工場の立地です。三島川之江港から中国の上海港までの輸送コストは東京までと大差なく、三島工場を衛生用紙、板紙、クラフト紙の輸出拠点とします。中国をはじめとするアジア諸国を当社にとっての新市場と捉え、アジア市場での新たなマーケット創造を視野に入れています。
(b) 紙・板紙事業の構造改革~「メディア用途の紙」から「梱包・包装用途の紙」へのシフト
ⅰ 新聞・印刷・情報用紙などのメディア用途の紙の安定供給体制
三島工場のスイングマシン(複数品種を生産可能な抄紙機)の特性を活かし、ユーザーへの安定供給体制を維持します。これまで推進してきた品種シフトや「サクラテラス」加盟卸商との協業に継続して取り組むとともに、工場では生産効率とコスト競争力を高め、競争優位性を強化します。
ⅱ 「梱包・包装用途の紙」の生産体制の強化と輸出拡大
需要構造の変化に対応するため、「生産性の高い生産設備」で「難処理古紙を多く使用する」ことによるコスト競争力の高い板紙の生産体制と、クラフト紙の増産体制を構築します。
・三島工場の洋紙生産設備を国内屈指の競争力を有する板紙生産設備に改造(2020年4月予定)
・子会社の大成製紙株式会社(以下、「大成製紙」という。)の板紙生産設備を停止し、大成製紙で生産している白ライナーの生産を三島工場に移管
・三島工場の板紙・特殊クラフト紙の生産設備をクラフト紙生産へシフト
板紙とクラフト紙の増産分は、需要が旺盛な中国をはじめとするアジア諸国への輸出を強化します。板紙の輸出は、当社H&PC海外工場で使用している段ボール需要をベースとして、近い将来、H&PC海外工場の近隣地で段ボール事業を展開していく布石でもあります。
なお、大成製紙は、現状の衛生用紙生産に加え、ウェットティシュー等の加工機を設置して、H&PC国内事業に特化した生産工場へと事業転換します。
② H&PC事業のグローバルな事業拡大と収益力強化
(a) 衛生用紙
2018年10月の川之江工場(注)の衛生用紙生産設備稼動後、原反を当社中国法人である大王(南通)生活用品有限公司(以下、「EICN」という。)に輸出し、EICNでプレミアムトイレットロールに加工して中国市場で販売します。ベビー用紙おむつで確立した「エリエール」「大王(ダーワン)」の高級ブランドイメージから、現在中国で実施しているテスト販売は非常に好評で、中国でのプレミアムトイレットロール販売は当初想定よりも早いスピードで拡大すると見込んでいます。
中国での拡販にあわせて川之江工場の衛生用紙を中国等アジア向け輸出に振り替えていく結果、国内市場向けの衛生用紙が不足するため、可児工場に衛生用紙生産設備を新設(2020年4月予定)し、H&PC事業の収益力向上と衛生用紙のリーディングカンパニーとして供給体制を一層強化し、国内で圧倒的シェアNO.1を確立します。
(注)川之江工場は三島工場に隣接しており、配管及び送電線で繋がっています。三島工場からコスト競争力の高いクラフトパルプを川之江工場に流送するとともに、蒸気・電力などのエネルギーも供給します。 三島工場と川之江工場は一体運営します。
(b) 吸収体事業
ⅰ 国内事業
当社の大人用紙おむつ「アテント」は業務用ではトップクラスであるという強みを活かし、厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」の枠組みの中で、医療介護専用の多職種連携SNSである「メディカルケアステーション」を通じて当社オリジナルアプリを提供する取組みを開始しました。生活者が病院、在宅を循環する社会に対応することにより、業務用紙おむつから市販用紙おむつへのリレーションを強化し、売上・収益の拡大を図ります。
また、アクティブな中高年の生活者の不安を解消して快適な生活をサポートするための軽失禁対応商品(「ナチュラ」ブランド)、少子化の進行に伴い高品質(肌への優しさ、吸水性能など)が求められるベビー用紙おむつ(「GOO.N」ブランド)は、品質への徹底的なこだわりと幅広い商品ラインナップにより、拡販を実現します。
ⅱ 海外事業
中国では、ベビー用紙おむつのスーパープレミアム品の拡販に加え、大人用紙おむつでは、北京と華東地区で高級施設への提案活動を行うなど本格販売を開始しました。また、前述のとおりプレミアム衛生用紙の市場創造も進めており、複合事業化を加速させます。これら販売増加に対応していくための生産体制を強化するため、EICNの既存工場の隣接地を第2工場の用地として2018年度に取得し、第3次中計期間内に稼動させる計画です。
タイではベビー用紙おむつ、フェミニンケア用品、ウェットティシューを生産しており、当社H&PC海外工場の中で最も早く複合事業化をスタートさせました。インドシナ半島を一つの市場と捉え、タイ国内、ベトナム、マレーシア、ミャンマー等への拡販を推進しています。
インドネシアでは、ベビー用紙おむつの需要増加に対応して、生産設備をさらに増設する計画です。市場全体の3割を占める伝統小売店舗(ワルン)や、市場が急激に拡大するEC等の販売チャネルでの拡販も推進しており、生産体制を強化するため、第2工場建設を検討しています。
中東地域の大国であるトルコに2017年9月に出張所を開設し、ベビー用紙おむつの販売を開始しました。生活者から好評を得ており、将来の現地生産を見据えた工場建設の検討に着手しています。
韓国、台湾、ロシアなどの輸出販売国は、各国の消費者マインドの傾向・変化を素早く掴んで商品開発に反映し、販売エリアと複合事業化をさらに拡大します。
③ H&PC国内事業の成長を支える物流改革
H&PC国内事業の成長を支えるため、運送会社から選ばれる荷主へと変わっていくことで、衛生用紙トップメーカーとして商品の供給体制を一層強化するとともに、販売店の売上・収益拡大を強力にサポートする体制を構築中です。
2018年4月以降、愛媛県四国中央市、岐阜県可児市、静岡県富士宮市の主要生産拠点3か所で大型物流センター4棟(延床面積は4棟合計で約52,000坪)を順次稼働させ、保管効率を約10%改善します。また、専用パレット開発等により、手積み手降ろしからパレット輸送化を推進し、荷役時間を約75%削減します。
④ 新規事業(CNF、FIT制度を活用したバイオマス発電他)
CNFの早期事業化を中心とした新規事業の創出を強化し、第3次中計では、素材開発と電化製品、化粧品等への用途開発を加速させます。また、量産化技術確立とコスト低減に取り組み、第3次中計期間内のCNF関連商品の販売開始を目標としています。
なお、FIT制度を活用したバイオマス発電は2020年7月に事業を開始する予定です。
⑤ 持続的成長のための基盤構築
(a) ESGへの取組み
環境・社会・ガバナンスそれぞれの課題に対して、事業活動を通じて積極的に課題解決に取り組むことで、企業としての持続的な成長を実現します。
| ・環境面 | FIT制度を活用したバイオマス発電の開始(2020年7月予定) |
| 植林・難処理古紙の有効活用・廃棄物の削減等 | |
| ・社会面 | チリの植林地に橋・道路等インフラ整備 |
| 「地域包括ケアシステム」の枠組みの中での在宅介護者支援等 | |
| ・ガバナンス面 | 持続的成長の基盤となる健全なガバナンス体制の整備 |
(b) 業容拡大を見据えたIT投資による業務改革の推進
グループ基幹システムとしてERP(Enterprise Resource Planning:業務統合パッケージ)を導入し、グループ経営の効率向上に取り組みます。さらに、BPR(Business Process Re-engineering:業務プロセス改革)により共通業務の標準化に継続して取り組み、今後の業容拡大を見据えたIT投資による業務改革を推進します。
(c) 働き方改革
グループ全社員の働き方を抜本的に見直し、一人ひとりの生産性・効率性を向上させ、成長分野へ経営資源をシフトします。当社基幹工場の三島工場では製造や物流業務に従事する女性社員が増加しているため、安心して働けるよう、2018年4月に事業所内保育所「GOO.N すくすくはうす」を開設しました。今後も女性活躍の環境づくりの取組みを強化します。