有価証券報告書-第72期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

【提出】
2020/05/29 10:56
【資料】
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【項目】
146項目

業績等の概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グル-プは「深い知性と燃える情熱をもって新しい価値の創造に努め、社会に貢献する」との企業理念のもと、その実現に努めております。この理念を実現するために「良い品はお徳です」をモットーとして、使う人すべてにやさしいユニバーサルデザイン商品の開発を重点的に行い、より高品質の製品を通じて顧客、株主、社員及び取引先の満足度を高め、経営の効率化、コーポレート・ガバナンス体制の強化、財務体質の改善などを図り、堅実経営を行うことを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略
本業の事務用品等事業の売上高11,000百万円と営業利益1,000百万円の達成を当面の数値目標としております。
当社グループにおきましては、持続的、永続的な会社の成長を経営課題とし、この目標達成のために次の事項を経営戦略として掲げております。
①新製品の開発力の一層の強化を図り、市場のニーズを敏感に捉えた独自性の高い製品を提供し続ける、②販売チャネルの開拓と周辺市場への拡充、並びに海外市場への取組強化により業容の拡大を図る、③社員の能力開発や適正配置を通じて、組織力の強化や生産性の向上、収益性の改善を図る。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
次期の経済環境につきましては、新型コロナウイルスの収束時期が現時点では予測困難であり、その動向次第で景気の行方が左右される不安定な状況下にあります。加えて、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題も収束の見通しが立っておらず、これらが深刻化することにより、世界経済並びに国際政治情勢は更に悪化していく可能性があります。
日本経済におきましては、東京オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド需要拡大の期待感が薄れるとともに、世界経済の悪化に伴う輸出の減速や消費税率引き上げの影響により、景気後退局面に入るリスクが懸念されます。
事務用品業界におきましては、パーソナル需要が拡大かつ多様化していく一方で、法人需要は減退し価格競争が激しくなっていくものと予想されます。また、流通・販売チャネルの構造的な変革とともに業界内での淘汰が進み、メーカーから小売に跨る業界再編の動きが加速していく可能性があります。
当社におきましては、このような環境のもと、お客様のニーズを的確に捉え真にご満足いただける製品の開発により一層注力していくとともに、国内外のマーケットへの積極的な開拓を推進してまいります。そのために当社として対処すべき課題は以下の3点と認識しております。
①製品開発
当社の製品開発については、本社並びに東京支店の2ヶ所に専門部署を設置し、それぞれ機能性やデザイン性など市場の特性・ニーズに合わせた開発に当たる体制としております。特にパーソナル需要に対しては、お客様の価値観やライフスタイルの多様化に伴い、ユーザーの視点に立った付加価値の高い製品が求められており、これまでもSMART FIT PuniLaboシリーズやSMART FIT ALTNAシリーズなどの新製品を積極的に投入してまいりました。引き続き市場のニーズを敏感に捉え、事務用品という枠組みに囚われない独創的な発想で製品ラインナップの拡充に取り組んでまいります。
②市場の開拓
国内の事務用品市場は成熟化しつつあり、更なる市場の拡大はもはや期待できない状況にあります。こうした中で企業として発展していくには、販売チャネル拡充による周辺市場の開拓、並びに海外市場への取組強化を推進していく必要があります。販売チャネルにつきましては、一般の文具小売店ルートに代わって量販店や通販ルートにシフトしていく傾向にあり、こうしたルートにおける地域性や購買層といった幅広い顧客ニーズに応えていくことにより、事務用品という範疇を超えた周辺市場にも参入してまいります。これまでSMART FITシリーズの縫製品や机収納シリーズの机上台などを展開してまいりましたが、今後もルートに合った製品や販売方法の企画・提案活動に注力してまいります。海外市場については未だ売上拡大の余地は大きく、当社としても更に強化していく分野と考えております。現在、海外営業部門のスタッフを逐次増強しており、販売先も米国や東南アジアを中心とした地域から欧州等へと着実に拡がりつつあります。また実店舗だけでなくEC市場の開拓にも注力しており、与信管理に留意しつつ引き続き海外売上の増強を図ってまいります。
③生産性の向上
企業を取り巻く経済環境が厳しさを増す中で、法人向けの既存製品やOEM製品の価格競争もより一層激しくなっていくことが予想されます。一方で、海外での生産や調達は新興国における人件費等の上昇に伴いその優位性も失われつつあることから、今後は生産性の更なる向上や調達先の多様化が不可欠になると思われます。このような課題に対処すべく、当社は前期より「生産本部」を立ち上げ、静岡事業部・購買部・LIHIT LAB. VIETNAM INC.を一体として統括管理することにより、全社的な生産性向上と生産バランスの適正化、並びに海外調達ルートの強化を推進しております。
以上のような課題の解決を鋭意進めることにより、更なる売上の拡大並びに収益力の強化を図ってまいります。