有価証券報告書-第71期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 16:32
【資料】
PDFをみる
【項目】
118項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策の効果もあり、雇用・所得環境の改善が見られ、緩やかな回復基調となっているものの、世界各地での地政学的リスクの高まりによる世界情勢の不安定化や米国新政権の政策運営、英国のEU離脱問題、さらに資源国および新興国経済の動向等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループは、「TPS(トータル・パッケージング・ソリューション)提案」をスローガンに新製品開発や機能改良、最適包装の提案に努め、顧客満足を徹底的に追求するとともに、全社をあげてイノベーション活動に取り組み、業績向上に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は、主に工業品向けパルプモウルドの需要減、中国・アセアン経済成長の減速や円高の影響による海外商品の販売金額減等により、172億46百万円(前期比3.9%減)となりました。利益については、国内の高付加価値製品の売上増加および固定費削減や原燃料安による原価改善効果により、営業利益は13億77百万円(前期比24.8%増)、経常利益は15億33百万円(前期比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億76百万円(前期比11.7%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(緩衝機能材事業)
パルプモウルド部門は、畜産・農業分野では鶏卵用トレーが好調だったものの、トマトトレー等の需要減の影響もあり減収となり、畜産・農業分野全体で減収となりました。また、工業分野では事務機器向けの需要減の影響で減収となり、パルプモウルド部門全体で減収となりました。
段ボール部門は、農業分野は熊本地震、春先の天候不順および夏場の雨不足等の影響もあり減収となりました。一方、工業分野では大型ケース拡販やシート拡販等が奏功し増収となり、段ボール部門全体で増収となりました。
この結果、当事業の売上高は76億74百万円(前期比2.1%減)となりましたが、セグメント利益は8億24百万円(前期比13.0%増)となりました。
(包装機能材事業)
樹脂部門は、樹脂袋は肥料需要の減少により減収となりましたが、食品容器用フィルムが大幅に伸長し、機能性フィルムも好調で、フィルム部門全体で増収となりました。
紙袋部門は、国内は合成樹脂や化学薬品の輸出用袋の需要増および飼料向けの積極的な拡販により増収となりました。海外は中国・アセアン経済成長の減速や円高の影響等により減収となりました。
この結果、当事業の売上高は91億39百万円(前期比5.1%減)となりましたが、セグメント利益は14億4百万円(前期比18.3%増)となりました。
(その他)
売上高は4億32百万円(前期比9.1%減)となり、0百万円のセグメント利益(前期は22百万円のセグメント損失)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ8億6百万円増加し、当連結会計年度末には52億69百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、17億87百万円(前期比27百万円の増加)となりました。主な収入項目は、税金等調整前当期純利益15億18百万円、減価償却費6億9百万円、主な支出項目は、法人税等の支払額3億34百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、9億20百万円(前期比5億7百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9億76百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用した資金は、32百万円(前期比2億52百万円の減少)となりました。主な収入項目は、長期借入れによる収入3億25百万円、主な支出項目は、長期借入金の返済による支出1億62百万円及び、配当金の支払額1億88百万円であります。