訂正有価証券報告書-第14期(2020/04/01-2021/03/31)

【提出】
2024/06/21 10:09
【資料】
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【項目】
151項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、従来から一貫して経営理念を「ユニークで存在感のある企業集団として、社会と環境に貢献する」と定め、経営方針としては、「ユニークな中堅メーカーとしての強みを生かして、顧客満足度の最大化を推進し、利益の最大化を目指す」としております。株主を中心とし、更に従業員、取引先、地域社会、環境面での様々なステークホルダーに貢献し、その活動を通じて当社グループの企業価値の向上を追求することをもって経営方針としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社が経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標としては、収益稼得水準の観点から営業利益を最も重視しており、これに持分法による投資損益等を反映した経常利益や、株主に対する還元の基準となる親会社株主に帰属する当期純利益についても重要視しております。加えて、投下資本の生産性を示す指標としてROAやROEについても、重要な経営指標と考えております。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループは、将来目指すべき姿として長期目標(営業利益100億円、ROE8%)を定め、更なる成長の機会探索と既存事業の体質強化に取り組んでおります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、発表を延期しておりました第5次中期経営計画は、第4次中期経営計画で探索し始動した成長分野の取り込みを本格的に進めていく期間とし、中計の対象期間は変更せず、2020年度から2022年度の最終年度とした第5次3ヶ年計画を策定いたしました。
第5次中期経営計画の最終年度においては、売上高825億円、営業利益45億円、ROE6.5%を目指し、その中で「成長戦略施策」としては、
①偽造防止機能や意匠性等を付与した高付加価値の「パッケージ分野の強化」
②特殊機能紙における既存/新技術を活かした「環境対応型製品の開発」
③合成繊維・セルロースナノファイバー等の付加価値の高い「高機能シート分野での上市・拡販」
④固形燃料事業の拡大や廃棄物の再資源化を目指した「廃棄物利活用事業の強化・新規立上げ」
⑤環境対応樹脂(生分解性)を使用したラミネート技術での「新ブランド『NatuLami(ナチュラミ)』の立ち上げ」
などを掲げております。
上記の成長戦略に加えて、アフターコロナの新常態における市場変化に対応するべく、当社グループの「既存事業の体質強化」の施策として、
⑥日本製紙株式会社と連携した「段原紙・クラフト紙の生産体制の強化」
⑦全社的な「業務プロセスの見直し」による収益基盤の安定
⑧特殊素材事業での「工場設備・生産体制の見直し」によるコスト削減
などを重点に取り組んでまいります。
(4)経営環境
①企業構造
当社は、2010年、特種製紙株式会社と東海パルプ株式会社を吸収合併することで設立され、主たる事業である製紙業においては「産業素材事業」「特殊素材事業」「生活商品事業」、製紙以外の事業領域については「環境関連事業」によって構成されております。また、横の連携も円滑に行うことを目的とした“事業本部制”を採用することにより、各セグメントが持つ技術や生産力をより相乗的に発揮できるように運営を行っております。
「産業素材事業」は、段ボール原紙やクラフト紙等の産業用紙事業において日本製紙株式会社と合弁事業を行っており、当事業の売上については、その大半が持分法適用会社である日本東海インダストリアルペーパーサプライ株式会社向けのものです。したがって、当事業の業績は主に持分法利益の取り込みにより経常利益に反映されることになります。
「特殊素材事業」は、ファンシーペーパー等の特殊印刷用紙及び特殊機能紙など高付加価値製品の製造・販売を行っており、事業の主体は特種東海製紙本体となります。
「生活商品事業」は、子会社2社により構成されており、業務用ペーパータオルや食材紙、トイレットペーパーといった衛生用紙、ラミネート紙及びコート紙の製造・販売を行っております。
「環境関連事業」は、当社保有の南アルプス社有林の有効活用を目的とした自然環境活用事業、当社サプライチェーンを起点としたリサイクルビジネスの拡大を目的とした資源再活用事業によって構成され、今後の新規事業の要の一つとしてさらなる拡大を進めてまいりたい事業分野であります。
以上のように、規模の経済が働く事業分野においては他企業との合弁事業にて、独自の強みを活かすことのできる「多品種・小ロット・高付加価値」事業である特殊素材事業については、特種東海製紙本体により事業を推進、他のセグメントについては基本的に子会社による事業展開を行う体制を採っており、この事業本部制は適切に機能していると判断しております。
②市場環境・顧客動向
a.産業素材事業
当事業においては、段ボール等包装材に用いられる段ボール原紙、クラフト紙の製造を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一時的な需要の減少があったものの、生活様式の変化に伴う宅配ニーズの増加や巣篭りニーズの増加等、根強い需要が見込まれ、加えてアジアを中心とした底堅い段ボール需要も想定されており、産業用包装素材の需要については今後も堅調に伸長するものと認識しております。
b.特殊素材事業
当事業においては、出版向けやハイエンドパッケージ向けファンシーペーパー、特殊機能紙など、小ロット多品種・高付加価値・高価格製品の製造・販売を行っております。従来からのデジタル化の流れによる出版部数の伸び悩みに伴って、出版向けファンシーペーパー等の特殊印刷用紙については、市場が縮小傾向にあるとともに、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により需要が減少いたしました。一部では需要の回復はみられるものの市場縮小傾向の流れは変わらないと考えております。他方で、特殊機能紙については、特殊印刷用紙と同様に、一時的な需要の落ち込みはあったものの、中国をはじめとする海外需要も回復に向い、またコロナ感染をきっかけとした社会構造の変化による新たな潜在的ニーズもあり、これらの動きに伴う商機を追求していきたいと考えております。
c.生活商品事業
当事業が主に扱っているトイレットペーパーにつきましては、国内人口減少に伴う需要減少がある反面、インバウンド需要の高まりから業界では堅調な伸びとなっておりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大以降、海外からの観光客が減少したことに伴い、これまで伸長してきた商業施設向け商品のインバウンド需要が減少しました。他方で、ペーパータオルについては、社会全般の衛生意識の向上に伴って需要増加の傾向にあります。
また、ラミネート等の加工品は新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う経済活動の低下によって一時的な需要が大きく減少いたしましたが、厳しいながらも需要の回復が見え始めております。
d.環境関連事業
当事業においては、資源リサイクルを積極的に推進すべく産業廃棄物中間処理業等を営む中で、主に廃プラスチック等を有効活用した固形燃料(RPF)及び原燃料用木質チップの製造・販売等を行っております。足元では、新型コロナウイルスの影響による経済活動の停滞により、業績にも一時的な影響が出ておりますが、中長期的には国内の社会課題解決に向けた動きとともに、環境負荷低減を目指した資源リサイクルの活動は重要性を増し、関連する事業のニーズは今まで以上に伸びるものと認識しております。
③競合他社の状況
当社グループは製紙業を主たる事業としており、事業セグメントごとに異なった競合他社が多数存在します。いずれの事業セグメントにおいても、総需要に対して生産能力が超過気味であるという構造になっており、業界全体での競争は厳しさを増しているということが、共通認識となっております。その中で、比較優位にある分野を強化しつつ如何に差別化できる業務を行っていくかが極めて重要であると認識しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①紙製品への需要減退
国内人口の減少、少子化およびデジタル技術の発展に伴う電子媒体の利便性向上等の構造変化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、情報媒体としての紙製品への需要は大幅に減退しており、当社グループはこれに対処するべく、以下の4点の課題解決に取り組んでまいります。
a.既存事業の体質強化
急速な市場変化に対応するため、業務プロセスの全社的な見直しをはじめとした既存事業の体質強化を進めてまいります。ウィズ/アフターコロナにおける新常態で想定される事業環境に向け、コストダウンのための生産体制の効率化と原価低減に加えて、財務体質の一層の筋肉質化により、安定した収益基盤の獲得を目指してまいります。
b.環境対応型紙製品の開発
脱プラスチック・脱炭素化への社会的要請が紙製品の新たな需要を生む可能性があると見込んでおります。環境対応樹脂を使用した製品、リチウムイオン二次電池のセパレータ向けCNF製品等の開発およびプラスチック容器に代替するウェットモウルド事業の推進により環境負荷低減に努めてまいります。また、今後注力するパッケージ分野においては、当社グループが培ってきた様々な技術を複合的に活用することで紙製品需要の新規開拓に努めてまいります。
c.製紙以外の新たな事業領域の拡大
新たにセグメント化された環境関連事業は、成長市場かつ当社グループ保有の経営資源を活用可能な分野として認識しております。当セグメントでは、南アルプス社有林の有効活用を目指すとともに、資源再活用事業における固形燃料の生産体制の強化および産業廃棄物処理等の領域拡大に取り組むことで、製紙以外の新たな収益基盤の構築を図ってまいります。
d.優位性のある紙製品の拡大
高水準な品質管理と技術力により他社との差別化を図ってまいります。高い品質が求められる特殊機能紙については製品への異物混入を極めて低位に抑えることでシェアの維持・拡大に努めてまいります。また、兼ねてより開発に注力しております非セルロース系繊維素材については、継続的な機能性強化に取り組むとともに、多様な顧客ニーズに対応した拡販を推進してまいります。
②持続可能な社会に向けた対応
カーボンニュートラルをはじめとした持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進し、脱プラスチック化に関わる新たな紙素材の開発に加え、化石燃料使用量のさらなる削減により製造に関わる化石燃料起源CO₂の発生減少に努めてまいります。また、グループ内の廃棄物ゼロエミッション化を目指し、ボイラーから発生する廃棄物の再資源化の検討を進めてまいります。
③経営資源の有効活用
企業価値の最大化という目的を達成するために、中長期的な目線に立ち、積み上げられた財務余力、人材および知的財産を成長分野へと向けて、M&Aも視野に入れた事業ポートフォリオの変更・再構築とともに、新たな事業の創出を目指してまいります。

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