有価証券報告書-第126期(平成28年10月1日-平成29年9月30日)

【提出】
2017/12/22 11:58
【資料】
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【項目】
74項目

対処すべき課題


出版とデジタルへの両面対応
雑誌・書籍の市場は依然として厳しい状況にあります。一方でインターネットやスマートフォンを通じたデジ
タル市場は、さらに勢いを増している感があります。これに対して当社は、出版事業など伝統分野へテコ入れを図ると同時に、「東洋経済オンライン」の成長を背景にした新規事業分野の強化と、両面での事業基盤の拡充に取り組んでいます。
いずれの分野においても、基本はメディア企業として高品質で優良なコンテンツを発信することにあります。フェイクニュースがあふれる時代だからこそ、きちんとしたジャーナリズムの精神と手法に基づいた記事や情報が求められ、大きな価値を生むと考えます。当社は120年超の間に培ってきたブランド力を活かし、伝統的な紙媒体だけでなく、新しいデジタルメディアにおいても、企業理念に基づいた報道や情報発信を強化していくことを基本方針としています。
ただ、事業としての成長性はデジタル分野にあります。「東洋経済オンライン」の地位を保持し、さらなる成長を目指すためには、激しい技術革新のなかにあって、常に世界の最先端の動向を注視しながら、進化を続ける努力が必要です。外部の知見を取り入れ、新たな人材を積極的に確保するなど、着実にデジタル事業としての収益力を高める施策を進めてまいります。
伝統的な紙媒体の分野では、ネット時代においても読者が雑誌や書籍に求める企画を見極め、出版物の新しい形やあり方を模索しています。さらに、出版市場の縮小に伴う需要の減退に対しては、積極的なプロモ
ーション活動などによるマーケティング施策が重要だと考えます。特に多くのユーザーを抱える「東洋経済オンライン」を活用し、関連する記事による情報拡散を展開すると同時に、さまざまな販売促進活動に取り組んでいます。
このように、出版界への逆風に対し、当社はメディア企業としての新しい姿を探りながら、会社の発展に邁進していく所存です。