有価証券報告書-第77期(令和3年10月1日-令和4年9月30日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、2009年10月1日をもって持株会社体制に移行しました。
当社取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を目指し、グループ企業価値の向上により株主の正当な利益を最大化するようグループ企業を統治することが、責務であると考えております。また、中長期的な観点からグループ企業価値を向上させるためには、株主以外のステークホルダー、即ち顧客、取引先、地域社会、従業員などへの配慮が不可欠であり、これらのステークホルダーの利益を図ること、及び企業に求められている社会的責任(CSR)を果たしていくことも、経営上の重要な課題であると認識しております。
かかる認識は、「学研グループ企業行動憲章」でも述べているとおりです。当社グループの中核事業である教育分野や医療福祉分野の事業は、顧客の立場に立ち、良質な商品やサービスを適正な対価で提供することを使命としており、それ自体が社会的責任を担っているものと考えております。
また、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、当社は、株主総会をはじめとして、株主との間で建設的な対話を行うよう努めるとともに、その基盤となることも踏まえ、適正な情報開示と透明性の確保にも努めてまいります。
このようなことを実現する中で、当社は、以下にご報告するガバナンス体制のもと、企業倫理と遵法の精神に則り、透明で効率的な企業経営を目指してまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役会設置会社であり、業務執行、監査等を担当する各機関の概要は本報告書提出日現在以下のとおりです。
取締役会は、取締役11名で構成され、うち4名が社外取締役(うち3名は女性)であり、会社法で定められた事項のほか、会社の重要な業務全般について意思決定を行い、かつ、取締役の業務執行を監督しております。
(取締役会の構成員)
議 長:代表取締役社長 宮原 博昭
構成員:専務取締役 福住 一彦 ・ 常務取締役 小早川 仁
取締役 安達 快伸 ・ 取締役 五郎丸 徹 ・ 取締役 百田 顕児
取締役 山本 教雄
社外取締役 山田 徳昭 ・ 社外取締役 城戸 真亜子 ・ 社外取締役 伊能 美和子
社外取締役 Caroline F. Benton
監査役会は、監査役4名で構成され、うち2名が社外監査役であります。監査役会はすべての監査役で組織し、議長は互選により監査役会で決定しています。各監査役は独立した立場で取締役の職務執行を監査しています。
(監査役会の構成員)
議 長:常勤監査役 景山 美昭
構成員:常勤監査役 小田 耕太郎 ・ 社外監査役 山田 敏章 ・ 社外監査役 松浦 竜人

③ 企業統治に関するその他の事項
a.リスク管理体制の整備の状況
当社グループは、リスク管理に係る社内規程及び組織を整備するとの基本方針に基づいて、「学研グループリスク管理基本規程」を定め、リスクの管理にあたる統括組織として、内部統制委員会の下に、各種リスクの評価及び対応並びにコントロールを検討・実施するリスク管理部会を設置しております。
事業上のリスクとして認識している各種リスクのカテゴリーとしては、個人情報の管理、情報システムの障害、高齢者福祉事業の運営、子育て支援事業及び教育サービス事業の運営、出版市場の動向や販売制度、無体財産権及び海外への事業展開に関するリスクがあり、それぞれのカテゴリーごとに、当社及びグループ会社において、具体的に有効な管理体制を構築しております。またリスクが顕在化した場合の危機管理体制を構築するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
個人情報の保護についての当社の考え方は、当社グループの商品、サービスの企画、制作販売などのあらゆる過程において、多くの個人情報に接しており、これらの個人情報の取得、保存、利用、処分等にあたっては、法令の順守はもとより、規程、ガイドライン、マニュアル等を制定し、その保護に万全を期すよう努力しております。
サステナビリティ委員会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重などの取り組みを、内部統制委員会リスク管理部会は自然的リスクも含めた広義のリスクマネジメントの推進を、同情報セキュリティ部会は情報セキュリティポリシーの順守状況について審議しております。
b.内部統制システムの整備状況
当社グループは、「学研グループ企業行動憲章」を定めておりますが、かかる行動規範に基づいて業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を構築することが経営の責務であることを認識し、2006年5月1日開催の取締役会で内部統制システム構築の基本方針を決定し、次いで2006年10月16日には、当社の内部統制全般についての方向性を決定する組織として内部統制委員会を発足させ、同委員会の下に、後述する4つの部会(コンプライアンス部会、財務報告統制部会、リスク管理部会、情報セキュリティ部会)を設置しております。
さらに、数度に及ぶ基本方針の見直しを経て、2017年7月28日開催の取締役会において、主に企業集団における業務の適正を確保するための体制を改訂いたしました。
以下、基本方針に則り、ご報告いたします。
ア 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・当社及びグループ会社は、取締役の職務執行の法令及び定款適合性を確保するため、取締役会を定期的に開催する等、取締役の相互監視機能を強化するための取組みを行うとの基本方針に基づいて、取締役会における審議の充実に努めております。
・コンプライアンスに係る社内規程と組織を整備するとの基本方針に基づいて、具体的にはコンプライアンスの基本理念である「学研コンプライアンス・コード」を定め、当社及びグループ会社の取締役及び使用人への浸透を図るとともに、法令等順守の統括組織として、内部統制委員会の下に、コンプライアンス部会を設置しております。
・全社的に法的リスクを評価して対応を決定し、コントロールすべきリスクについては有効なコントロール活動を行うとの基本方針に基づいて、今後もそのための体制の整備に努めてまいります。
・当社は、通常のラインとは別に、コンプライアンスに関する相談・報告窓口を設けるとの基本方針に基づいて、「コンプライアンス・ホットライン」を設けております。この「コンプライアンス・ホットライン」につきましては、同運用規程が制定されており、通報者のプライバシー保護や不利益取扱の禁止等が定められております。
・法的リスクが顕在化した場合の危機管理体制を構築するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
・財務報告に係る内部統制につきましては、金融商品取引法及び関係法令並びに東京証券取引所規則への適合性を確保するため、内部統制委員会の下にある財務報告統制部会を統括組織として十分な体制を構築するとの基本方針に基づいて、今後も、その整備に努めてまいります。
・市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは、取引関係その他一切の関係を持たず、反社会的勢力から不当要求を受けた場合には、組織全体として毅然とした態度で臨み、反社会的勢力による被害の防止に努めます。
イ 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制並びにグループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
・取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する基本方針に基づいて、「学研グループ文書規程」「学研グループ営業秘密管理規程」「学研グループ情報セキュリティポリシー」等の社内規程を整備し、責任部署を定めております。
・取締役又は監査役が求めたときは、いつでも当該情報を閲覧できるようにするとの基本方針の下に、社内規程の定め等に基づき、かかる体制の整備に努めております。
・グループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関し、当社及びグループ会社は、「学研グループ会社管理規程」「学研グループ情報開示規程」を順守し体制を整備しております。
ウ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社の取締役会は、原則1ヶ月に1度開催し、経営の基本方針の決定及びグループ各社の重要決定事項の承認を行うとともに、取締役の職務執行を監督しております。また、グループ会社の取締役会は、原則1ヶ月に1度開催し、経営の基本方針の決定及び傘下のグループ各社の重要決定事項の承認を行うとともに、取締役の職務執行を監督するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
・代表取締役社長は全業務を統括し、その他の社内取締役全員がグループ全体の戦略策定を担当し、効率性確保に努めるとの基本方針に基づいて体制の整備に努めております。
・取締役会の決定した戦略方針に基づき、当社の取締役及び執行役員が主要会社の取締役に就任して業務執行を行い、戦略実現に努めております。
・内部統制の実施状況を検証するために、内部監査室は「学研グループ内部監査規程」に基づき内部監査を行い、その結果を代表取締役社長及び監査役会に対して報告するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
・内部統制システムを含む当社のガバナンスの状況について、半期に1度、第三者機関であるガバナンス諮問委員会(当社の社外取締役4名、社外監査役2名と、弁護士・公認会計士各1名により構成)に報告し、取締役会に対して答申をいただいております。
エ 企業集団における業務の適正を確保するための体制
・当社グループの業務執行の効率性と公正性を確保するため、当社がグループ会社に対して有効かつ適正なコントロールを及ぼすとの基本方針に基づいて、当社の取締役及び執行役員が主要会社の取締役に就任するほか、当社監査役が主要会社の監査役を兼務し、さらに、一定の経営上の重要事項に関しては、「学研グループ会社管理規程」に基づき、持株会社である当社の承認手続を要することとするなど、体制の整備に努めております。
・当社代表取締役が主宰し、原則1ヶ月に1度開催するグループ会社社長会には、グループ会社社長に加え当社取締役、執行役員、部門室長が出席し、グループの課題、対策の共有を図っております。
・同様に、グループ会社役員に加え当社取締役、執行役員、部門室長が出席するグループ会社役員会を原則として年に2度開催しております。
・当社代表取締役が指名した取締役が主宰し、原則1ヶ月に3度開催する戦略会議には、当社取締役、執行役員、戦略部門室長が出席し、グループ会社の重要事項の決定、当社各部門の施策検討、事業ユニットからの計画進捗報告等を協議しております。
・このほか、社外取締役および社外監査役の全員をもってこれを構成する社外役員連携会議を原則年に2度開催しております。
c.反社会的勢力排除に向けた取組みに関する事項
・反社会的勢力への対応を検討、実施する統括組織をリスク管理部会とし、反社会的勢力に関する情報の収集・管理に努めております。
・反社会的勢力からの不当要求等への対応については、外部の専門機関(弁護士、警察署、警視庁管内特殊暴力防止対策連合会など)との連携により実施する体制を整えており、今後も、その一層の充実に努めてまいります。
・反社会的勢力への対応については、「学研コンプライアンス・コード」に「反社会的勢力との関係断絶」という項目を設けており、当社グループの全従業員を対象とするコンプライアンス研修を通じて、その周知徹底を図っております。
d.社外取締役及び社外監査役との責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、会社法第425条第1項の定める限度まで限定する契約を締結しております。
e.役員等賠償責任保険契約
当社は当社および子会社の取締役、監査役および執行役員を被保険者とした役員等賠償責任保険契約を保険会社と締結し、株主代表訴訟、第三者訴訟等の損害を当該保険契約により填補することとしております。なお、保険料は全額当社が負担しております。
f.財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、終戦直後の1946年、創業者の「戦後の復興は教育をおいてほかにない」との信念のもと設立されました。以来、「教育」を基軸とし、月刊学習誌『科学』『学習』を中心に多くの人々のご支持を得ながら、多岐にわたる出版事業を手がけ、幼児・小学生・中学生・高校生、そして一般社会人へと対象を広げ、さらには、雑誌・書籍の出版に限ることなく、各種の教材や教具、教室事業、映像製作、文化施設の企画・施工などにも幅広く取り組んでまいりました。近年では、少子高齢化社会・女性の社会進出への変化に対応するため、高齢者福祉事業や子育て支援事業への参入も果たすなど、単に短期的利潤の追求に留まらず企業の社会的責務をも重視しつつ事業展開を図ってまいりました。
そして、創業から70有余年、当社グループは、創業精神に裏打ちされたグループ理念(「私たち学研グループは、すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」)を根底に置きながら事業を展開するとともに、多くの顧客・取引先・従業員そして株主の皆様等のステークホルダーとの間に築かれた関係の中で、各種事業の成長を遂げてまいりました。
現在の企業価値は、グループ各社におけるそのような日々の企業活動の結果として生み出されたものであり、様々なステークホルダーへの還元が実行されるに至ったものと認識しております。
このような当社グループの成長過程に鑑み、当社取締役会は、今後将来にわたり、当社グループの企業価値および株主共同の利益を確保し向上させるためには、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、ⅰ. 短期的な視野に偏ることなく、中長期的な視野から経営を行い、適法かつ適正な利益を追求する、ⅱ.企業の社会的責務を十分に尊重し、株主の皆様はもとより、顧客、取引先、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーとの関係基盤が企業価値を生み出す源泉である、これらの点を十分に理解する者であることが必要不可欠であると考えております。
② 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上場会社である以上、何人が会社の財務および事業の方針の決定を支配することを企図した当社の株式の大規模買付行為を行っても、原則として、これを否定するものではありません。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値・株主共同の利益を損なう懸念のある場合もあります。
当社は、いわゆる事前警告型の買収防衛策として、2006年3月20日開催の当社取締役会において、大規模買付行為への対応方針およびそれに基づく事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を導入し、これについて、同年6月29日開催の第60回定時株主総会において出席された株主の皆様の総議決権数の3分の2を超えるご賛同をいただきました。
その概略は、買付者からの十分な情報の収集・開示に努める体制を整備し、かつ第三者機関(特別委員会)の助言、意見または勧告を最大限に尊重することを前提に、当社の企業価値を防衛するため、しかるべき対抗措置をとることがある旨を事前に表明しておくというものでありました。
その後、数度の改正を経て、2010年12月22日開催の第65回定時株主総会においては、当社が定める会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に則り、持続的な成長が可能な企業体を目指すための大規模買付ルールを継続することとするほか、法的な安定性を高めるために、大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動を、当社の取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠規定を定款に新設することにつき、株主の皆様のご賛同をいただきました。
さらに、2022年12月23日開催の第77回定時株主総会においては、大規模買付ルールを継続することにつき、株主の皆様のご賛同をいただき、現在に至っております。
なお、この買収防衛策の詳細につきましては、当社の下記公開ウェブサイトに掲載しております。
https://data.swcms.net/file/gakken-ir/ir/news/auto_20221110563357/pdfFile.pdf
③ 上記②の取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
当社取締役会は、以下の理由により、上記②の取組み(以下「本取組み」といいます。)は、上記①の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値または株主共同の利益を損なうものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。
ⅰ. 本取組みは、経済産業省および法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)および企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を充足しております。
ⅱ. 本取組みの有効期間は2年であり、2年ごとに、定時株主総会において、株主の皆様のご信任を得ることとしております。
ⅲ. 本取組みは、独立性の高い社外者(特別委員会)の判断を重視し、その内容は情報開示することとしております。
g.定款における取締役の定数や資格制限等
当社の取締役は15名以内とする旨を定款で定めております。また当社は、取締役の選任決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。当社の取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
h.定款の定め
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和するものであります。
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款で定めております。これは株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、2009年10月1日をもって持株会社体制に移行しました。
当社取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を目指し、グループ企業価値の向上により株主の正当な利益を最大化するようグループ企業を統治することが、責務であると考えております。また、中長期的な観点からグループ企業価値を向上させるためには、株主以外のステークホルダー、即ち顧客、取引先、地域社会、従業員などへの配慮が不可欠であり、これらのステークホルダーの利益を図ること、及び企業に求められている社会的責任(CSR)を果たしていくことも、経営上の重要な課題であると認識しております。
かかる認識は、「学研グループ企業行動憲章」でも述べているとおりです。当社グループの中核事業である教育分野や医療福祉分野の事業は、顧客の立場に立ち、良質な商品やサービスを適正な対価で提供することを使命としており、それ自体が社会的責任を担っているものと考えております。
また、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、当社は、株主総会をはじめとして、株主との間で建設的な対話を行うよう努めるとともに、その基盤となることも踏まえ、適正な情報開示と透明性の確保にも努めてまいります。
このようなことを実現する中で、当社は、以下にご報告するガバナンス体制のもと、企業倫理と遵法の精神に則り、透明で効率的な企業経営を目指してまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役会設置会社であり、業務執行、監査等を担当する各機関の概要は本報告書提出日現在以下のとおりです。
取締役会は、取締役11名で構成され、うち4名が社外取締役(うち3名は女性)であり、会社法で定められた事項のほか、会社の重要な業務全般について意思決定を行い、かつ、取締役の業務執行を監督しております。
(取締役会の構成員)
議 長:代表取締役社長 宮原 博昭
構成員:専務取締役 福住 一彦 ・ 常務取締役 小早川 仁
取締役 安達 快伸 ・ 取締役 五郎丸 徹 ・ 取締役 百田 顕児
取締役 山本 教雄
社外取締役 山田 徳昭 ・ 社外取締役 城戸 真亜子 ・ 社外取締役 伊能 美和子
社外取締役 Caroline F. Benton
監査役会は、監査役4名で構成され、うち2名が社外監査役であります。監査役会はすべての監査役で組織し、議長は互選により監査役会で決定しています。各監査役は独立した立場で取締役の職務執行を監査しています。
(監査役会の構成員)
議 長:常勤監査役 景山 美昭
構成員:常勤監査役 小田 耕太郎 ・ 社外監査役 山田 敏章 ・ 社外監査役 松浦 竜人

③ 企業統治に関するその他の事項
a.リスク管理体制の整備の状況
当社グループは、リスク管理に係る社内規程及び組織を整備するとの基本方針に基づいて、「学研グループリスク管理基本規程」を定め、リスクの管理にあたる統括組織として、内部統制委員会の下に、各種リスクの評価及び対応並びにコントロールを検討・実施するリスク管理部会を設置しております。
事業上のリスクとして認識している各種リスクのカテゴリーとしては、個人情報の管理、情報システムの障害、高齢者福祉事業の運営、子育て支援事業及び教育サービス事業の運営、出版市場の動向や販売制度、無体財産権及び海外への事業展開に関するリスクがあり、それぞれのカテゴリーごとに、当社及びグループ会社において、具体的に有効な管理体制を構築しております。またリスクが顕在化した場合の危機管理体制を構築するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
個人情報の保護についての当社の考え方は、当社グループの商品、サービスの企画、制作販売などのあらゆる過程において、多くの個人情報に接しており、これらの個人情報の取得、保存、利用、処分等にあたっては、法令の順守はもとより、規程、ガイドライン、マニュアル等を制定し、その保護に万全を期すよう努力しております。
サステナビリティ委員会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重などの取り組みを、内部統制委員会リスク管理部会は自然的リスクも含めた広義のリスクマネジメントの推進を、同情報セキュリティ部会は情報セキュリティポリシーの順守状況について審議しております。
b.内部統制システムの整備状況
当社グループは、「学研グループ企業行動憲章」を定めておりますが、かかる行動規範に基づいて業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を構築することが経営の責務であることを認識し、2006年5月1日開催の取締役会で内部統制システム構築の基本方針を決定し、次いで2006年10月16日には、当社の内部統制全般についての方向性を決定する組織として内部統制委員会を発足させ、同委員会の下に、後述する4つの部会(コンプライアンス部会、財務報告統制部会、リスク管理部会、情報セキュリティ部会)を設置しております。
さらに、数度に及ぶ基本方針の見直しを経て、2017年7月28日開催の取締役会において、主に企業集団における業務の適正を確保するための体制を改訂いたしました。
以下、基本方針に則り、ご報告いたします。
ア 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・当社及びグループ会社は、取締役の職務執行の法令及び定款適合性を確保するため、取締役会を定期的に開催する等、取締役の相互監視機能を強化するための取組みを行うとの基本方針に基づいて、取締役会における審議の充実に努めております。
・コンプライアンスに係る社内規程と組織を整備するとの基本方針に基づいて、具体的にはコンプライアンスの基本理念である「学研コンプライアンス・コード」を定め、当社及びグループ会社の取締役及び使用人への浸透を図るとともに、法令等順守の統括組織として、内部統制委員会の下に、コンプライアンス部会を設置しております。
・全社的に法的リスクを評価して対応を決定し、コントロールすべきリスクについては有効なコントロール活動を行うとの基本方針に基づいて、今後もそのための体制の整備に努めてまいります。
・当社は、通常のラインとは別に、コンプライアンスに関する相談・報告窓口を設けるとの基本方針に基づいて、「コンプライアンス・ホットライン」を設けております。この「コンプライアンス・ホットライン」につきましては、同運用規程が制定されており、通報者のプライバシー保護や不利益取扱の禁止等が定められております。
・法的リスクが顕在化した場合の危機管理体制を構築するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
・財務報告に係る内部統制につきましては、金融商品取引法及び関係法令並びに東京証券取引所規則への適合性を確保するため、内部統制委員会の下にある財務報告統制部会を統括組織として十分な体制を構築するとの基本方針に基づいて、今後も、その整備に努めてまいります。
・市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは、取引関係その他一切の関係を持たず、反社会的勢力から不当要求を受けた場合には、組織全体として毅然とした態度で臨み、反社会的勢力による被害の防止に努めます。
イ 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制並びにグループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
・取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する基本方針に基づいて、「学研グループ文書規程」「学研グループ営業秘密管理規程」「学研グループ情報セキュリティポリシー」等の社内規程を整備し、責任部署を定めております。
・取締役又は監査役が求めたときは、いつでも当該情報を閲覧できるようにするとの基本方針の下に、社内規程の定め等に基づき、かかる体制の整備に努めております。
・グループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関し、当社及びグループ会社は、「学研グループ会社管理規程」「学研グループ情報開示規程」を順守し体制を整備しております。
ウ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社の取締役会は、原則1ヶ月に1度開催し、経営の基本方針の決定及びグループ各社の重要決定事項の承認を行うとともに、取締役の職務執行を監督しております。また、グループ会社の取締役会は、原則1ヶ月に1度開催し、経営の基本方針の決定及び傘下のグループ各社の重要決定事項の承認を行うとともに、取締役の職務執行を監督するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
・代表取締役社長は全業務を統括し、その他の社内取締役全員がグループ全体の戦略策定を担当し、効率性確保に努めるとの基本方針に基づいて体制の整備に努めております。
・取締役会の決定した戦略方針に基づき、当社の取締役及び執行役員が主要会社の取締役に就任して業務執行を行い、戦略実現に努めております。
・内部統制の実施状況を検証するために、内部監査室は「学研グループ内部監査規程」に基づき内部監査を行い、その結果を代表取締役社長及び監査役会に対して報告するとの基本方針に基づいて、かかる体制の整備に努めております。
・内部統制システムを含む当社のガバナンスの状況について、半期に1度、第三者機関であるガバナンス諮問委員会(当社の社外取締役4名、社外監査役2名と、弁護士・公認会計士各1名により構成)に報告し、取締役会に対して答申をいただいております。
エ 企業集団における業務の適正を確保するための体制
・当社グループの業務執行の効率性と公正性を確保するため、当社がグループ会社に対して有効かつ適正なコントロールを及ぼすとの基本方針に基づいて、当社の取締役及び執行役員が主要会社の取締役に就任するほか、当社監査役が主要会社の監査役を兼務し、さらに、一定の経営上の重要事項に関しては、「学研グループ会社管理規程」に基づき、持株会社である当社の承認手続を要することとするなど、体制の整備に努めております。
・当社代表取締役が主宰し、原則1ヶ月に1度開催するグループ会社社長会には、グループ会社社長に加え当社取締役、執行役員、部門室長が出席し、グループの課題、対策の共有を図っております。
・同様に、グループ会社役員に加え当社取締役、執行役員、部門室長が出席するグループ会社役員会を原則として年に2度開催しております。
・当社代表取締役が指名した取締役が主宰し、原則1ヶ月に3度開催する戦略会議には、当社取締役、執行役員、戦略部門室長が出席し、グループ会社の重要事項の決定、当社各部門の施策検討、事業ユニットからの計画進捗報告等を協議しております。
・このほか、社外取締役および社外監査役の全員をもってこれを構成する社外役員連携会議を原則年に2度開催しております。
c.反社会的勢力排除に向けた取組みに関する事項
・反社会的勢力への対応を検討、実施する統括組織をリスク管理部会とし、反社会的勢力に関する情報の収集・管理に努めております。
・反社会的勢力からの不当要求等への対応については、外部の専門機関(弁護士、警察署、警視庁管内特殊暴力防止対策連合会など)との連携により実施する体制を整えており、今後も、その一層の充実に努めてまいります。
・反社会的勢力への対応については、「学研コンプライアンス・コード」に「反社会的勢力との関係断絶」という項目を設けており、当社グループの全従業員を対象とするコンプライアンス研修を通じて、その周知徹底を図っております。
d.社外取締役及び社外監査役との責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、会社法第425条第1項の定める限度まで限定する契約を締結しております。
e.役員等賠償責任保険契約
当社は当社および子会社の取締役、監査役および執行役員を被保険者とした役員等賠償責任保険契約を保険会社と締結し、株主代表訴訟、第三者訴訟等の損害を当該保険契約により填補することとしております。なお、保険料は全額当社が負担しております。
f.財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、終戦直後の1946年、創業者の「戦後の復興は教育をおいてほかにない」との信念のもと設立されました。以来、「教育」を基軸とし、月刊学習誌『科学』『学習』を中心に多くの人々のご支持を得ながら、多岐にわたる出版事業を手がけ、幼児・小学生・中学生・高校生、そして一般社会人へと対象を広げ、さらには、雑誌・書籍の出版に限ることなく、各種の教材や教具、教室事業、映像製作、文化施設の企画・施工などにも幅広く取り組んでまいりました。近年では、少子高齢化社会・女性の社会進出への変化に対応するため、高齢者福祉事業や子育て支援事業への参入も果たすなど、単に短期的利潤の追求に留まらず企業の社会的責務をも重視しつつ事業展開を図ってまいりました。
そして、創業から70有余年、当社グループは、創業精神に裏打ちされたグループ理念(「私たち学研グループは、すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」)を根底に置きながら事業を展開するとともに、多くの顧客・取引先・従業員そして株主の皆様等のステークホルダーとの間に築かれた関係の中で、各種事業の成長を遂げてまいりました。
現在の企業価値は、グループ各社におけるそのような日々の企業活動の結果として生み出されたものであり、様々なステークホルダーへの還元が実行されるに至ったものと認識しております。
このような当社グループの成長過程に鑑み、当社取締役会は、今後将来にわたり、当社グループの企業価値および株主共同の利益を確保し向上させるためには、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、ⅰ. 短期的な視野に偏ることなく、中長期的な視野から経営を行い、適法かつ適正な利益を追求する、ⅱ.企業の社会的責務を十分に尊重し、株主の皆様はもとより、顧客、取引先、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーとの関係基盤が企業価値を生み出す源泉である、これらの点を十分に理解する者であることが必要不可欠であると考えております。
② 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上場会社である以上、何人が会社の財務および事業の方針の決定を支配することを企図した当社の株式の大規模買付行為を行っても、原則として、これを否定するものではありません。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値・株主共同の利益を損なう懸念のある場合もあります。
当社は、いわゆる事前警告型の買収防衛策として、2006年3月20日開催の当社取締役会において、大規模買付行為への対応方針およびそれに基づく事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を導入し、これについて、同年6月29日開催の第60回定時株主総会において出席された株主の皆様の総議決権数の3分の2を超えるご賛同をいただきました。
その概略は、買付者からの十分な情報の収集・開示に努める体制を整備し、かつ第三者機関(特別委員会)の助言、意見または勧告を最大限に尊重することを前提に、当社の企業価値を防衛するため、しかるべき対抗措置をとることがある旨を事前に表明しておくというものでありました。
その後、数度の改正を経て、2010年12月22日開催の第65回定時株主総会においては、当社が定める会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に則り、持続的な成長が可能な企業体を目指すための大規模買付ルールを継続することとするほか、法的な安定性を高めるために、大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動を、当社の取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠規定を定款に新設することにつき、株主の皆様のご賛同をいただきました。
さらに、2022年12月23日開催の第77回定時株主総会においては、大規模買付ルールを継続することにつき、株主の皆様のご賛同をいただき、現在に至っております。
なお、この買収防衛策の詳細につきましては、当社の下記公開ウェブサイトに掲載しております。
https://data.swcms.net/file/gakken-ir/ir/news/auto_20221110563357/pdfFile.pdf
③ 上記②の取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
当社取締役会は、以下の理由により、上記②の取組み(以下「本取組み」といいます。)は、上記①の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値または株主共同の利益を損なうものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。
ⅰ. 本取組みは、経済産業省および法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)および企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を充足しております。
ⅱ. 本取組みの有効期間は2年であり、2年ごとに、定時株主総会において、株主の皆様のご信任を得ることとしております。
ⅲ. 本取組みは、独立性の高い社外者(特別委員会)の判断を重視し、その内容は情報開示することとしております。
g.定款における取締役の定数や資格制限等
当社の取締役は15名以内とする旨を定款で定めております。また当社は、取締役の選任決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。当社の取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
h.定款の定め
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和するものであります。
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款で定めております。これは株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。