有価証券報告書-第56期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 9:18
【資料】
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【項目】
107項目

対処すべき課題

当社グループの取引は、国内大手電機メーカーグループとの取引が中心であります。
これら大手電機メーカーにおいては、熾烈な価格競争に勝ち抜くため一層のコスト削減を狙い、自社の生産拠点の海外移転や中国・台湾系の巨大EMS(生産受託会社)への生産委託を加速させ、さらに部材の現地調達化を進めております。この結果、当社の得意とする家電メーカーとのシール・ラベル取引は海外へ移転し、国内市場の縮小が続いており、当社グループを取り巻く事業環境は一段と厳しさを増しております。
このような状況のもと、当社グループは当面、新規分野であるタッチパネル関連製品を受注拡大の柱とし、この分野への経営資源の投入を図り、また需要に応じた生産体制の見直しにより、経営効率を重視した会社運営を目指してまいります。
国内市場におきましては、大手電機メーカー向けを中心にシール・ラベル需要は縮小が予測されますので、これに対応するため、昨年12月末に関東圏のシール部門3工場を千曲川工場(新名称、長野工場)に統合し、今後はより一層の効率化を図ってまいります。また、一方で国内外において、デジタルカメラ、カーナビゲーション向け等の部材を中心としたタッチパネル関連製品の需要は拡大することが予測され、案件毎により高度な知識・技能が必要となります。これに対応するためには、国内外の製造販売拠点のより一層の連携強化が必要であり、このため本年4月に海外営業部を新設し、国内外の事業所の連携を強化し、この分野の受注の拡大を目指してまいります。さらに、医療分野等の新規市場の開拓を通じ、収益の多様化を図ってまいる所存であります。
海外事業展開につきましては、中国及びアセアン地域の海外現地法人で厳しい状況が続いており、生産・営業体制の立て直しが急務となっております。これについて、今後もアセアン地域においては、セットメーカーの生産シフトは続いていくものと思われますので、タッチパネル製品及び海外移転したシール・ラベル製品においても取りこぼしのないよう、新設した海外営業部を中心にアセアン地域の中核拠点であるサンコウサンギョウ(マレーシア)SDN.BHD.及び昨年5月に設立したサンコウサンギョウ(バンコク)CO.,LTD.との連携を強化し、受注の拡大と生産の効率化により原価低減を図り、業績の早期回復を推進してまいります。また、中国地域においては、当社グループの中国の生産拠点である燦光電子(深圳)有限公司の生産能力・技術力のより一層の強化を図り、営業拠点である香港の光華産業有限公司と国内営業部門との連携を密にして積極的な営業活動を展開し、業績の回復を加速してまいる所存であります。