有価証券報告書-第162期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
有報資料
当社は14年8月、過去の慰安婦報道について吉田清治氏(故人)の証言に基づく記事を取り消した。また、東京電力福島第一原発事故の政府事故調査・検証委員会が作成した吉田昌郎所長(当時、2013年死去)に対する聴取結果書である「吉田調書」に関する一部の記事を取り消し、14年9月11日に謝罪の記者会見を開いた。慰安婦報道をめぐる池上彰氏の連載記事掲載見合わせを含め、一連の問題に関する経営責任を明確にするため、14年12月5日の臨時株主総会で木村伊量・代表取締役社長(当時)が取締役を辞任。同総会後の臨時取締役会で、渡辺雅隆取締役が代表取締役社長に、飯田真也取締役が代表取締役会長に就任し、新しい経営体制に移った。
15年1月5日に、渡辺社長が記者会見し、「信頼回復と再生のための行動計画」を発表。損なわれた信頼を取り戻すべく、全社で行動計画の実現に取り組んでいる。
(1) 新聞出版の事業
①新聞事業
読者の信頼を回復するためには、新聞の商品力を高め、他紙にない良質な情報を発信し続けることが欠かせない。このため引き続き調査報道の分野に力を注いでいく。当社の「徳洲会から猪瀬直樹・前東京都知事への5千万円提供をめぐる一連のスクープ」が14年度の新聞協会賞を受賞し、編集部門で3年連続の受賞となった。
また、一連の問題の反省に立ち、行動計画に掲げた「公正な姿勢で事実に向き合う」「多様な言論を尊重する」「課題の解決策をともに探る」という三つの理念のもと、ジャーナリズムの原点に立ち返り、読者に正確で役に立つ記事を届けることに努めている。
販売では、一連の問題で購読を止めたお客様には、紙面の変化を感じ取ってもらうため、読者モニターをお願いするなど、朝日新聞との接点を途切れさせないように営業努力を重ねている。また、朝日新聞販売店(ASA)と協力し、優位性のある持続可能な販売網を構築して部数シェア拡大を図る販売構造改革を進めている。
広告は、朝日新聞デジタルやテレビ朝日、ビーエス朝日、朝日新聞出版などとの共同セールスやコンテンツ保有者との連携など、クロスメディアによる営業を強化している。米ニューヨークタイムズ社の高級無料誌の日本版「T JAPAN」を集英社と共同で創刊するなど、新聞広告の商品価値を拡張する試みに取り組んでいる。
印刷・輸送では、同業他社との間で印刷の相互受託・委託や共同輸送などを進め、生産・流通コストの一層の削減に努める。
②デジタルビジネス
電子新聞「朝日新聞デジタル」は、急増するスマートフォンからの利用に対応するため、15年3月にアプリ版の大幅なリニューアルを実施した。有料課金モデルを推進するため、他企業の会員組織と連携、タブレット端末とのセットコースや格安スマホとの組み合わせ販売などを始めた。15年3月末の有料会員数は17万6千人に達し、無料会員も含めた総会員数は196万人を超えた。14年7月には、若年層向けの新しいサイト「withnews(ウィズニュース)」を立ち上げ、新たな読者層の開拓に着手した。
③教育事業
教育事業への取り組みを強化するため、14年4月に「教育総合センター」を「教育総合本部」とした。㈱ベネッセコーポレーションとの共同事業「語彙・読解力検定」は4年間の累計受験者数が18万人を超えた。㈱学情との提携事業では、就活情報サイト「あさがくナビ」などが好調で、売り上げ増となった。教育分野での先進的な活動を支援する「朝日みらい教育賞」を創設、グローバル、デジタル、新聞活用の3分野で5団体を表彰した。
④企画事業
朝日新聞文化財団の助成による修理完成記念で企画した「国宝鳥獣戯画と高山寺展」を14年10月から11月に京都で開き、20万人余りが来場し好評を博した。15年4月からは東京・上野でも開催した。世界屈指の近代美術コレクションを国内巡回させた「チューリヒ美術館展」は14年9月から12月の東京展が30万人超を集めた。朝日新聞社が長く提携関係を築いている大英博物館の展覧会は、15年春から1年かけて、東京、福岡、神戸を巡回する。
⑤出版事業
朝日新聞出版では、子ども向け科学まんが「サバイバルシリーズ」が好調を続け、08年の発刊から累計360万部を突破した。下期にDVDコレクション「コンバット!」や、朝日新書「創価学会と平和主義」(佐藤優著)がヒットした。
(2) 賃貸事業
大阪・中之島再開発プロジェクトでは、12年11月に完成した東地区の中之島フェスティバルタワーに続き、西地区に建設する新ビル「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」を14年6月に着工した。完成は17年春の予定で、当社創業者・村山龍平のコレクションを擁する香雪美術館(神戸市)が分館として「中之島・香雪美術館(仮称)」を設置するほか、㈱ロイヤルホテルが、高級ラグジュアリーホテルを開業する。建て替えを進めている銀座朝日ビル(仮称)は、ラグジュアリーホテルを核とし、下層階に物販店舗を配置する新ビルの建設を15年3月に発表し、17年秋竣工をめざして解体工事に着手した。
(3) その他の事業
電波事業
系列テレビ局とコンテンツを核にした多角的な連携を進めている。14年夏の全国高校野球選手権大会では、地方大会で系列局が中継している決勝戦などの映像のうち、13地方大会分を朝日新聞デジタルでライブ配信した。熊本朝日放送㈱では、当社の総局記者が撮影した動画を活用したテレビ番組を企画・制作。北陸朝日放送㈱では、同社が撮影した動画を静止画にして朝日新聞石川版に掲載するなど連携が進んでいる。
14年4月にホールディングス化した㈱テレビ朝日とは、メディア業界の激変を視野に戦略的な連携を新段階に進めていくことで合意し、デジタルメディア開発プロジェクトを設けて新規事業や新たなコンテンツ活用の具体策の検討を進めている。
15年1月5日に、渡辺社長が記者会見し、「信頼回復と再生のための行動計画」を発表。損なわれた信頼を取り戻すべく、全社で行動計画の実現に取り組んでいる。
(1) 新聞出版の事業
①新聞事業
読者の信頼を回復するためには、新聞の商品力を高め、他紙にない良質な情報を発信し続けることが欠かせない。このため引き続き調査報道の分野に力を注いでいく。当社の「徳洲会から猪瀬直樹・前東京都知事への5千万円提供をめぐる一連のスクープ」が14年度の新聞協会賞を受賞し、編集部門で3年連続の受賞となった。
また、一連の問題の反省に立ち、行動計画に掲げた「公正な姿勢で事実に向き合う」「多様な言論を尊重する」「課題の解決策をともに探る」という三つの理念のもと、ジャーナリズムの原点に立ち返り、読者に正確で役に立つ記事を届けることに努めている。
販売では、一連の問題で購読を止めたお客様には、紙面の変化を感じ取ってもらうため、読者モニターをお願いするなど、朝日新聞との接点を途切れさせないように営業努力を重ねている。また、朝日新聞販売店(ASA)と協力し、優位性のある持続可能な販売網を構築して部数シェア拡大を図る販売構造改革を進めている。
広告は、朝日新聞デジタルやテレビ朝日、ビーエス朝日、朝日新聞出版などとの共同セールスやコンテンツ保有者との連携など、クロスメディアによる営業を強化している。米ニューヨークタイムズ社の高級無料誌の日本版「T JAPAN」を集英社と共同で創刊するなど、新聞広告の商品価値を拡張する試みに取り組んでいる。
印刷・輸送では、同業他社との間で印刷の相互受託・委託や共同輸送などを進め、生産・流通コストの一層の削減に努める。
②デジタルビジネス
電子新聞「朝日新聞デジタル」は、急増するスマートフォンからの利用に対応するため、15年3月にアプリ版の大幅なリニューアルを実施した。有料課金モデルを推進するため、他企業の会員組織と連携、タブレット端末とのセットコースや格安スマホとの組み合わせ販売などを始めた。15年3月末の有料会員数は17万6千人に達し、無料会員も含めた総会員数は196万人を超えた。14年7月には、若年層向けの新しいサイト「withnews(ウィズニュース)」を立ち上げ、新たな読者層の開拓に着手した。
③教育事業
教育事業への取り組みを強化するため、14年4月に「教育総合センター」を「教育総合本部」とした。㈱ベネッセコーポレーションとの共同事業「語彙・読解力検定」は4年間の累計受験者数が18万人を超えた。㈱学情との提携事業では、就活情報サイト「あさがくナビ」などが好調で、売り上げ増となった。教育分野での先進的な活動を支援する「朝日みらい教育賞」を創設、グローバル、デジタル、新聞活用の3分野で5団体を表彰した。
④企画事業
朝日新聞文化財団の助成による修理完成記念で企画した「国宝鳥獣戯画と高山寺展」を14年10月から11月に京都で開き、20万人余りが来場し好評を博した。15年4月からは東京・上野でも開催した。世界屈指の近代美術コレクションを国内巡回させた「チューリヒ美術館展」は14年9月から12月の東京展が30万人超を集めた。朝日新聞社が長く提携関係を築いている大英博物館の展覧会は、15年春から1年かけて、東京、福岡、神戸を巡回する。
⑤出版事業
朝日新聞出版では、子ども向け科学まんが「サバイバルシリーズ」が好調を続け、08年の発刊から累計360万部を突破した。下期にDVDコレクション「コンバット!」や、朝日新書「創価学会と平和主義」(佐藤優著)がヒットした。
(2) 賃貸事業
大阪・中之島再開発プロジェクトでは、12年11月に完成した東地区の中之島フェスティバルタワーに続き、西地区に建設する新ビル「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」を14年6月に着工した。完成は17年春の予定で、当社創業者・村山龍平のコレクションを擁する香雪美術館(神戸市)が分館として「中之島・香雪美術館(仮称)」を設置するほか、㈱ロイヤルホテルが、高級ラグジュアリーホテルを開業する。建て替えを進めている銀座朝日ビル(仮称)は、ラグジュアリーホテルを核とし、下層階に物販店舗を配置する新ビルの建設を15年3月に発表し、17年秋竣工をめざして解体工事に着手した。
(3) その他の事業
電波事業
系列テレビ局とコンテンツを核にした多角的な連携を進めている。14年夏の全国高校野球選手権大会では、地方大会で系列局が中継している決勝戦などの映像のうち、13地方大会分を朝日新聞デジタルでライブ配信した。熊本朝日放送㈱では、当社の総局記者が撮影した動画を活用したテレビ番組を企画・制作。北陸朝日放送㈱では、同社が撮影した動画を静止画にして朝日新聞石川版に掲載するなど連携が進んでいる。
14年4月にホールディングス化した㈱テレビ朝日とは、メディア業界の激変を視野に戦略的な連携を新段階に進めていくことで合意し、デジタルメディア開発プロジェクトを設けて新規事業や新たなコンテンツ活用の具体策の検討を進めている。