有価証券報告書-第36期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/21 10:10
【資料】
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【項目】
136項目
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体に亘って事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、成長性及び収益性の向上を最優先課題としております。目標とする経営指標は、売上高経常利益率5%を継続的に確保することを当面の目標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開してゆくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。
(4)経営環境および課題と対応
当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、足許においても新型コロナウイルス感染症拡大によりその動きが一気に加速されたことなどにより、当社グループもここ数期間にわたり比較的順調に業績を伸ばすことができました。今後の経営環境につきましては、変異型を含む新型コロナウイルス感染症拡大の動向、新型コロナウイルスワクチン集団接種進捗状況などにより景況感が逐一変化していくものと思われ、不透明な状況が当分続くと思われますが、社会におけるデジタルトランスフォーメーションはポストコロナ後も継続し、情報産業市場(IT市場)も一定程度の成長を続けていくものと認識しております。
セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。
① 出版事業
2020年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆6168億円、前年比4.8%増と2年連続のプラス成長となり、紙ベースの出版は前年比1.0%減と小幅なマイナスだったのに対し、電子は28.0%増加で電子化が引き続き進んでおります(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2021年1月公表)。
このようなマーケット認識を背景に当社グループは、最新のITテクノロジーやITエデュケーション、デジタルビジネスやオンラインビジネスなど、将来にわたって需要が予想されるコンテンツに特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディアなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。
新型コロナウイルス感染症拡大に対しては、緊急事態宣言による書店の休業や消費の一時的な落ち込みなどで一定の期間影響を受ける可能性が引き続きあるものの、コロナ禍に対応した業務のオンライン化の加速などによって当社グループの競争力は一層向上する可能性があると考えております。
② コーポレートサービス事業
2020年の日本の総広告費は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、4-6月期を中心に大幅に減少し、7月以降は徐々に回復の兆しを見せ、10-12月期には前年並みに回復しつつあったものの、通年で6兆1,594億円(前年比88.8%)と、9年ぶりのマイナス成長となりました。その中で、コロナ禍によるデジタルトランスフォーメーション加速化により、インターネット広告費が先行して回復し、通年では2兆2,290億円(前年比105.9%)とプラス成長になりました(㈱電通広報局広報部2021年2月公表)。
このような背景から、当社グループとしては、業種にこだわらず広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートをクライアントに提供することにより業容拡大の機会があると考えております。
新型コロナウイルス感染症拡大は、クライアントの広告宣伝費削減やイベント延期・中止、対面営業活動の制限などを通じて、引き続き業績に一定の影響を及ぼす可能性があると認識しております。コロナ禍収束以降は、一層のオンライン化、デジタル化に関連したサービス提案を行うことで成長の機会があると考えております。
③ ソフトウェア・ネットワーク事業
2019年の国内のモバイルコンテンツ市場は2兆3,378億円、(対前年比105%)(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2020年7月公表)と引き続き成長を続けており、コンテンツも多様化を続けております。当社グループとしてはコンテンツの提供からコンテンツ制作や運営サービスなど多層にわたる事業展開により、競争の厳しいコンテンツ市場において安定した成長を目指しています。
また、新型コロナウイルス感染症拡大による社会不安で需要が拡大し2021年には768億円規模(恋活マッチングサービスを含む。前年比23%増加。㈱タップル2021年1月公表)と言われるオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、事業の多様化による成長機会の拡大にも取り組んでおります。
新型コロナウイルス感染症拡大は、運営するゲームセンターの一時休業や時短営業などを通じて業績に一定の影響を及ぼすものと認識しておりますが、コロナ禍収束後はオンライン化の一層の加速によりビジネスチャンスの拡大の可能性があると考えております。
④ 教育・人材事業
当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む2019年度の企業向け研修サービス市場は前年度比0.8%増の5,270億円と推計され、2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大のマイナス影響を通年受けて企業業績が悪化、研修予算削減圧力の高まりで前年度比1.3%減の5,200億円と予測されております((株)矢野経済研究所2020年9月公表)。
また、医療関連人材紹介を含む2019年度の業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、前年度比7.2%増の4兆398億円、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大による事業活動の制限や人材需要減少が見込まれる業界が散見されることから前年度比4.9%減の3兆8,426億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2021年1月公表)。
このような市場環境を背景に、当社グループは、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上、コロナ禍に即応したオンラインサービスの早期導入などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいりました。
新型コロナウイルス感染症拡大は、研修事業や採用サービスにおいてはクライアントのコスト削減などにより業績に一定の影響を及ぼすものと認識しております。
⑤ 投資運用事業
世界の株式時価総額は、世界的な金融緩和政策や新型コロナウイルスワクチン接種の進捗期待などを背景に過去1年間で約6割増加し、2021年3月末現在約106兆米ドル(2021年4月2日付日経記事)に達するなど、市場が景気回復を先行して織り込んできた結果、当連結会計年度を通じて市場環境は概ね順調に推移しました。当社グループは世界経済の長期成長をベースとした長期投資を行っており、当連結会計年度においては、円安進行の影響を一定程度被ったものの、保有資産の時価回復と安定収入確保を再実現しております。
(5)グループとして対処すべき課題と対応
上記(4)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。
① 将来に向けた事業会社各社の成長基盤構築・整備
当社グループは持ち株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、各事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しております。
② 新規収益基盤の創出
当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進してまいります。
③ 事業会社経営人材の拡充と育成
当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長につながるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えております。
④ 外的環境要因に耐性のある事業基盤整備
今般の新型コロナウイルス感染症拡大も含め、環境変化や市場の変化は従来よりその速度や変化率を上げていると考えており、常に環境の変化に対して柔軟かつ適応力のある、すなわち、環境変化に耐性のある企業集団でありたいと考えております。

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