有価証券報告書-第41期(2025/04/01-2026/03/31)
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体にわたって事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。
(2)中長期的な会社の経営戦略
市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開していくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。
(3)経営環境及び課題と対応
当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、新型コロナウイルス感染症蔓延によりその動きが一気に加速されることになりました。足許の経営環境につきましては、ウクライナ情勢長期化・中東情勢緊迫化などを遠因としたインフレ傾向に伴うコストの増加、及びコロナ特需の終息などにより、業績面に一定程度のマイナス影響を受けておりますが、人口減少傾向下の日本社会におけるデジタルトランスフォーメーションは今後も継続・加速し、情報産業市場(IT市場)は全体としてプラス成長を続けていくものと認識しております。
セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。
① 出版事業
2025年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆5,462億円、前年比1.6%減と4年連続のマイナス成長となりました。内訳は、紙の出版が同4.1%減、電子出版が同2.7%増。紙の出版は、書籍がわずかに前年を上回り健闘、雑誌は1割減と対照的な結果となりました。電子出版は引き続き伸長しましたが、これまで市場を牽引してきた電子コミックの伸び率鈍化が鮮明になっています(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2026年1月公表)。
一方、当社グループでは、最新のテクノロジーを中軸に、エデュケーション、ビジネス・カルチャー、パーソナルコンピューティング・デザイン、Eコマースという4つのテーマのもとで、将来にわたって需要が予想される質の高い実用コンテンツの制作、提供に特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディア、イベントなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。
上記のような厳しい経営環境ではありますが、今後共、デジタルトランスフォーメーションの潮流と親和性のある上記コンテンツ提供の継続や、コロナ禍で社会インフラとして定着した業務のオンライン化の加速などによって、当社グループの競争力維持・向上が可能であると考えております。
② コーポレートサービス事業
2025年の日本の総広告費は、通年で8兆623億円(前年比105.1%)となり、4年連続で過去最高を更新しました。日本の広告市場は、企業の好業績によるデジタル投資の加速や、大型イベントの開催などが成長を後押しして、動画やSNS広告が伸長し、「インターネット広告費」が総広告費に占める構成比は50.2%となり、初めて過半数に達しました。「マスコミ四媒体広告費」は、2兆2,980億円(前年比98.4%)とほぼ横ばいとなりました(㈱電通2026年3月公表)。
このような背景から、当社グループとしては、進展する社会のデジタル化を背景に業種にこだわらず今後共広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートを内外のクライアントに幅広く提供することにより業容拡大の機会があると考えております。
③ ソフトウェア・ネットワーク事業
2024年の国内のモバイルコンテンツ市場は3兆2,458億円(対前年比111%)とゲーム・ソーシャルゲーム等市場(オンラインゲーム、SNS等での課金コンテンツ)中心に前年比拡大しました(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2025年7月公表)。当社グループとしては、このような事業環境の中、デジタルコンテンツ、インターネットサービス及びITソリューションの企画・開発・運用・提供など多層多岐にわたる事業展開により、競争の厳しいソフトウェア市場において安定した成長を目指しています。
また、2028年には860億円規模(恋活マッチングサービスを含む。2023年比9%増。㈱タップル2023年6月公表)と予測されているオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、社会ニーズにマッチした事業取組みによる成長機会の拡大にも取り組んでおります。
今後共、社会のデジタル化進展を背景に、社会ニーズや個人の嗜好にマッチしたデジタルコンテンツなどの提供により、ビジネスチャンスの拡大の可能性が引き続きあると考えております。
④ 教育・人材事業
当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む企業向け研修サービス市場は、人的資本経営に取り組む企業増加とリンクする形でプラス成長が継続し、2025年度(2026年3月期)では、前年度比4.6%増の6,130億円に拡大すると予測されております(㈱矢野経済研究所2025年8月公表)。
また、当社グループが手掛ける医療関連人材紹介を含む業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、2025年度(2026年3月期)では、5市場いずれも拡大する見込みで、前年度比3.7%増の4兆5,124億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2025年11月公表)。
このような市場環境を背景に、当社グループは、引き続き、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上・拡充や他社との差別化、コロナ禍で定着したオンラインサービス提供などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいります。
⑤ 投資運用事業
当連結会計年度における世界の株式市場は、時価総額が大きい欧米市場においてはインフレ鎮静化などを背景に総じて堅調な値動きで推移いたしましたが、期末近くになって中東情勢の緊迫化に伴う原油高やインフレの長期化懸念が重荷となり、不安定な動きに転じました。当社グループでは、従来より分散投資及び長期投資を行っており、運用量・株式配当収入の増加やマーケット状況を勘案した一部保有株式の売却益計上を主因に、収益確保が実現出来たものと考えております。
(4)グループとして対処すべき課題と対応
上記(3)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。
①事業会社各社の再建
当社グループは持株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しておりますが、現状は事業会社ごとに再建への取組内容に大きな差が見られ、その成果は近い将来において示現する見込みであると認識しております。
② 新規収益基盤の創出
当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進しております。現状、創出レベルは不十分であり、今後、中長期的視点での創出の成果が必要と認識しております。
③ 事業会社経営人材の拡充と育成
当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長に繋がるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えており、現状は、拡充について未だ達成できていない一方、育成については一部実現しつつあると認識しております。
④ 収益基盤の質の多様化による長期成長基盤の充実
昨今の事業環境の不確実性などもふまえ、単一事業に依存するリスクを避け、事業の多様性や投資収益の拡充など多様な質の収益基盤を持つことにより、より安定的な長期成長を実現したいと考えております。足許においては投資運用収益が引き続き成長しております。
⑤ 経済環境、経営環境への適応と将来への準備
今後の労働供給制約下における産業構造の転換や、生成AIの進展による大幅なスキル需要の変動、ビジネスモデルや業務プロセスの変化などの新たな経済・経営環境を的確に認識し、足許では、来期以降の新たな事業展開・収益基盤構築の準備を進めることが必要と認識しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体にわたって事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。
(2)中長期的な会社の経営戦略
市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開していくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。
(3)経営環境及び課題と対応
当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、新型コロナウイルス感染症蔓延によりその動きが一気に加速されることになりました。足許の経営環境につきましては、ウクライナ情勢長期化・中東情勢緊迫化などを遠因としたインフレ傾向に伴うコストの増加、及びコロナ特需の終息などにより、業績面に一定程度のマイナス影響を受けておりますが、人口減少傾向下の日本社会におけるデジタルトランスフォーメーションは今後も継続・加速し、情報産業市場(IT市場)は全体としてプラス成長を続けていくものと認識しております。
セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。
① 出版事業
2025年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆5,462億円、前年比1.6%減と4年連続のマイナス成長となりました。内訳は、紙の出版が同4.1%減、電子出版が同2.7%増。紙の出版は、書籍がわずかに前年を上回り健闘、雑誌は1割減と対照的な結果となりました。電子出版は引き続き伸長しましたが、これまで市場を牽引してきた電子コミックの伸び率鈍化が鮮明になっています(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2026年1月公表)。
一方、当社グループでは、最新のテクノロジーを中軸に、エデュケーション、ビジネス・カルチャー、パーソナルコンピューティング・デザイン、Eコマースという4つのテーマのもとで、将来にわたって需要が予想される質の高い実用コンテンツの制作、提供に特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディア、イベントなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。
上記のような厳しい経営環境ではありますが、今後共、デジタルトランスフォーメーションの潮流と親和性のある上記コンテンツ提供の継続や、コロナ禍で社会インフラとして定着した業務のオンライン化の加速などによって、当社グループの競争力維持・向上が可能であると考えております。
② コーポレートサービス事業
2025年の日本の総広告費は、通年で8兆623億円(前年比105.1%)となり、4年連続で過去最高を更新しました。日本の広告市場は、企業の好業績によるデジタル投資の加速や、大型イベントの開催などが成長を後押しして、動画やSNS広告が伸長し、「インターネット広告費」が総広告費に占める構成比は50.2%となり、初めて過半数に達しました。「マスコミ四媒体広告費」は、2兆2,980億円(前年比98.4%)とほぼ横ばいとなりました(㈱電通2026年3月公表)。
このような背景から、当社グループとしては、進展する社会のデジタル化を背景に業種にこだわらず今後共広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートを内外のクライアントに幅広く提供することにより業容拡大の機会があると考えております。
③ ソフトウェア・ネットワーク事業
2024年の国内のモバイルコンテンツ市場は3兆2,458億円(対前年比111%)とゲーム・ソーシャルゲーム等市場(オンラインゲーム、SNS等での課金コンテンツ)中心に前年比拡大しました(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2025年7月公表)。当社グループとしては、このような事業環境の中、デジタルコンテンツ、インターネットサービス及びITソリューションの企画・開発・運用・提供など多層多岐にわたる事業展開により、競争の厳しいソフトウェア市場において安定した成長を目指しています。
また、2028年には860億円規模(恋活マッチングサービスを含む。2023年比9%増。㈱タップル2023年6月公表)と予測されているオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、社会ニーズにマッチした事業取組みによる成長機会の拡大にも取り組んでおります。
今後共、社会のデジタル化進展を背景に、社会ニーズや個人の嗜好にマッチしたデジタルコンテンツなどの提供により、ビジネスチャンスの拡大の可能性が引き続きあると考えております。
④ 教育・人材事業
当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む企業向け研修サービス市場は、人的資本経営に取り組む企業増加とリンクする形でプラス成長が継続し、2025年度(2026年3月期)では、前年度比4.6%増の6,130億円に拡大すると予測されております(㈱矢野経済研究所2025年8月公表)。
また、当社グループが手掛ける医療関連人材紹介を含む業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、2025年度(2026年3月期)では、5市場いずれも拡大する見込みで、前年度比3.7%増の4兆5,124億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2025年11月公表)。
このような市場環境を背景に、当社グループは、引き続き、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上・拡充や他社との差別化、コロナ禍で定着したオンラインサービス提供などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいります。
⑤ 投資運用事業
当連結会計年度における世界の株式市場は、時価総額が大きい欧米市場においてはインフレ鎮静化などを背景に総じて堅調な値動きで推移いたしましたが、期末近くになって中東情勢の緊迫化に伴う原油高やインフレの長期化懸念が重荷となり、不安定な動きに転じました。当社グループでは、従来より分散投資及び長期投資を行っており、運用量・株式配当収入の増加やマーケット状況を勘案した一部保有株式の売却益計上を主因に、収益確保が実現出来たものと考えております。
(4)グループとして対処すべき課題と対応
上記(3)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。
①事業会社各社の再建
当社グループは持株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しておりますが、現状は事業会社ごとに再建への取組内容に大きな差が見られ、その成果は近い将来において示現する見込みであると認識しております。
② 新規収益基盤の創出
当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進しております。現状、創出レベルは不十分であり、今後、中長期的視点での創出の成果が必要と認識しております。
③ 事業会社経営人材の拡充と育成
当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長に繋がるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えており、現状は、拡充について未だ達成できていない一方、育成については一部実現しつつあると認識しております。
④ 収益基盤の質の多様化による長期成長基盤の充実
昨今の事業環境の不確実性などもふまえ、単一事業に依存するリスクを避け、事業の多様性や投資収益の拡充など多様な質の収益基盤を持つことにより、より安定的な長期成長を実現したいと考えております。足許においては投資運用収益が引き続き成長しております。
⑤ 経済環境、経営環境への適応と将来への準備
今後の労働供給制約下における産業構造の転換や、生成AIの進展による大幅なスキル需要の変動、ビジネスモデルや業務プロセスの変化などの新たな経済・経営環境を的確に認識し、足許では、来期以降の新たな事業展開・収益基盤構築の準備を進めることが必要と認識しております。