有価証券報告書-第38期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/26 10:23
【資料】
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【項目】
146項目
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体に亘って事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、成長性及び収益性の向上を最優先課題としております。目標とする経営指標は、売上高経常利益率5%を継続的に確保することを当面の目標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開していくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。
(4)経営環境および課題と対応
当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、足許においても新型コロナウイルス感染症蔓延によりその動きが一気に加速されたことなどにより、当社グループもここ数期間にわたり比較的順調に業績を伸ばすことができました。今後の経営環境につきましては、ロシアのウクライナ侵攻を主因としたインフレに伴うコスト増加やコロナ特需の終息などにより一定程度のマイナス影響を受ける可能性があるものの、人口減少傾向下の日本社会におけるデジタルトランスフォーメーションは今後も継続・加速し、情報産業市場(IT市場)は全体としてプラス成長を続けていくものと認識しております。
セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。
① 出版事業
2022年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆6,305億円、前年比2.6%減と4年ぶりのマイナス成長となりました。内訳は、紙の市場が同6.5%減、電子出版が同7.5%増。電子は前年までの2割前後の伸びから、一桁台と急速に鈍化しました。22年は、20年、21年と出版市場を支えてきたコロナ特需が完全に終息し、物価高も、趣味・娯楽品のひとつである出版物に影響し買い控えが発生しました。(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2023年1月公表)。
一方、当社グループでは、最新のITテクノロジーを中軸に、エデュケーション、ビジネス・カルチャー、パーソナルコンピューティング・デザインなど、将来にわたって需要が予想される質の高い実用コンテンツの制作、提供に特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディア、イベントなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。
上記のような厳しい経営環境ではありますが、今後共、デジタルトランスフォーメーションの潮流と親和性のある上記コンテンツ提供の継続や、コロナ禍で社会インフラとして定着した業務のオンライン化の加速などによって、当社グループの競争力維持・向上が可能であると考えております。
② コーポレートサービス事業
2022年の日本の総広告費は、通年で7兆1,021億円(前年比104.4%)となり、コロナ禍前の2019年を超え、1947年に推定を開始して以降、過去最高となりました。上半期は、コロナ禍からの回復に伴う行動制限緩和や北京2022冬季オリンピック・パラリンピックなどにより好調であり、下半期は、ウクライナ情勢や欧米の金融政策の転換による経済環境の大きな変化、新型コロナの再拡大などの影響を受けたものの、社会・経済活動の緩やかな回復に伴い広告需要が高まりました。特に、社会のデジタル化を背景に、好調なインターネット広告費(3兆912億円)(前年比114.3%)によって広告市場全体が成長しました(㈱電通2023年2月公表)。
このような背景から、当社グループとしては、業種にこだわらず広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートをクライアントに提供することにより業容拡大の機会があると考えております。
ウクライナ情勢に伴う原材料費高騰、景況感悪化などを通じて、クライアントの広告宣伝費削減やイベント縮小などが、引き続き業績に一定のマイナス影響を及ぼす可能性があると認識しておりますが、コロナ禍収束後や停戦などウクライナ情勢の本格的好転後は、一層のオンライン化、デジタル化に関連したサービス提案を行うことに業容拡大の機会があると考えております。
③ ソフトウェア・ネットワーク事業
2021年の国内のモバイルコンテンツ市場は2兆8,224億円(対前年比107%)(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2022年7月公表)と引き続き成長を続けており、コンテンツも多様化を続けております。当社グループとしてはコンテンツの提供からコンテンツ制作や運営サービスなど多層にわたる事業展開により、競争の厳しいコンテンツ市場において安定した成長を目指しています。
また、新型コロナウイルス感染症蔓延による社会不安などで需要が拡大し、2026年には1,657億円規模(恋活マッチングサービスを含む。2021年比約2.2倍。㈱タップル2021年1月公表)と予測されているオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、事業の多様化による成長機会の拡大にも取り組んでおります。
コロナ禍収束後においても、社会ニーズにマッチしたデジタルコンテンツの企画・開発・運用・提供により、ビジネスチャンスの拡大の可能性が引き続きあると考えております。
④ 教育・人材事業
当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む企業向け研修サービス市場は、2022年度ではオンラインを活用した研修などコロナ禍に対応した研修サービスが普及・定着、新規需要も取り込みながら前年度比2.1%増の5,320億円とプラス成長の継続が予測されております((株)矢野経済研究所2022年8月公表)。
また、当社グループが手掛ける医療関連人材紹介を含む業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、2022年度では依然としてコロナ禍が継続しているものの、医療人材サービスを含む各市場とも回復・拡大での推移が見込まれ、前年度比5.0%増の4兆907億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2022年12月公表)。
このような市場環境を背景に、当社グループは、引き続き、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上・拡充や他社との差別化、コロナ禍で定着したオンラインサービス提供などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいります。
⑤ 投資運用事業
世界の株式市場は、当連結会計年度前半においてはロシアのウクライナ侵攻や欧米各国におけるインフレ進行に伴う利上げ政策などにより大きな調整局面となりましたが、年度後半に入るとインフレ鎮静化、利上げペース鈍化を受けて持ち直しの動きとなりましたが、足許では米欧の金融不安を受けて荒い展開で推移いたしました。当社グループでは、従来より分散投資及び長期投資を行っており、特に年度前半の急激な円安進行によるプラス影響もあり、総じて安定収入の確保が実現出来たものと考えております。
(5)グループとして対処すべき課題と対応
上記(4)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。
① 将来に向けた事業会社各社の成長基盤構築・整備
当社グループは持株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、各事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しており、足許では緩やかに構築・整備が進んでいるものの一層の準備が必要と認識しております。
② 新規収益基盤の創出
当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進しております。現状、創出レベルは不十分であり、今後、中長期的視点での創出の成果が必要と認識しております。
③ 事業会社経営人材の拡充と育成
当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長につながるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えており、現状、成果が見られる事業会社と見られない事業会社が混在しており、今後は各事業会社で成果が見られるようにし、又、ミドルマネジメントレベル人材の育成にも取り組んでまいります。
④ 収益基盤の質の多様性による長期成長基盤の充実
GAFAをはじめとする米大手テック企業のポジションの変化やロシアによるウクライナ侵攻やインフレ進行、金融環境の変化など、より多くの事業環境の不確実性などもふまえ、事業の多様性や投資収益の拡充など多様な質の収益基盤を持つことにより、より安定的な長期成長を実現したいと考えております。

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