有価証券報告書-第116期(2024/01/01-2024/12/31)
3.重要性のある会計方針についての概要
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。
支配とは、当社グループがその会社の財務及び経営の方針を決定する能力を有している状態をいいます。
当社グループは、投資先に対する支配を獲得した日から連結を開始し、支配を喪失した場合にはその日に連結を終了しております。子会社が適用する会計方針が当社の会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。当社グループ内の債権債務残高、取引高及び当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
連結子会社のうち、一部の子会社の決算日は3月31日であり、連結決算日に実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
その他の連結子会社の報告期間の末日は親会社の報告期間の末日と一致しております。
子会社に対する支配の喪失を伴わない持分変動については資本取引として会計処理しております。持分変動に伴い生じる非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させております。
一方、持分変動の結果、当社グループが子会社の支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営の方針に対して重要な影響力を有するが支配はしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。なお、当社グループが保有する議決権が20%未満であっても、役員の派遣や取引により重要な影響力を有していると判断される場合には関連会社に含めることとしております。
共同支配企業とは、契約上の取り決めにより当社グループを含む複数の当事者が共同して支配しており、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。
当社グループは、関連会社及び共同支配企業への投資について重要な影響力又は共同支配を獲得した日から持分法の適用を開始し、それらを喪失した場合には持分法の適用を終了しております。
連結財務諸表の作成にあたり、現地法制度上又は株主間協定等で当社グループと異なる決算日が要請されていることにより決算日を統一することが実務上不可能であり、また、事業の特性やその他の実務上の要因によって当社グループの連結決算日をもって仮決算を行うことが実務上不可能な一部の投資先については9月30日に終了する会計年度の財務諸表を用いております。これらの投資先の決算日と連結決算日との間に生じた重要な取引又は事象については連結財務諸表に反映しております。
(2)企業結合
企業結合の会計処理は取得法によっており、取得の対価は被取得企業の支配と交換に譲渡した資産及び当社グループが以前から保有していた持分(取得日の公正価値)の合計として測定されます。また、取得関連費用は発生時に費用処理しております。
取得の対価と非支配持分の合計額が被支配企業の純資産の公正価値を上回る場合はその差額をのれんとして計上し、下回る場合にはその差額は直ちに純損益として認識しております。
当社グループは、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、「IFRS第1号」といいます。)の免除規定を適用し、2023年1月1日より前に発生した企業結合について、IFRS第3号「企業結合」(以下、「IFRS第3号」といいます。)を遡及適用しないことを選択しております。従って、2023年1月1日より前の取得により生じたのれんは従前の会計基準(日本基準)に基づいて認識していた2023年1月1日時点の金額を引継ぎ、これに減損テストの結果を反映した価額で連結財政状態計算書に計上しております。
(3)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する、容易に換金可能で価値変動のリスクが低い短期投資からなっております。
(4)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業の個別財務諸表は、それぞれの機能通貨で作成しております。また、当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。
② 外貨建取引
外貨建の取引は、取引日における直物為替相場又は為替に著しい変動がある場合を除き、それに近似するレートにより機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。但し、FVTOCIの金融資産及び適格キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
③ 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レートにより、収益及び費用項目は為替に著しい変動がある場合を除き、期中平均為替レートにより日本円に換算しております。この在外営業活動体の財務諸表の換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(5)金融商品
① デリバティブ以外の金融資産
デリバティブ以外の金融資産はその当初認識時に償却原価で測定する金融資産、FVTPLの金融資産及びFVTOCIの金融資産に分類しております。売上債権等は発生日に当初認識し、その他の全ての金融資産は契約条項の当事者となった日に当初認識しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
以下の要件をいずれも満たす金融資産は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有しております。
・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのキャッシュ・フローのみが特定の日に生じます。
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に、当該金融資産の公正価値に取得費用を加算した金額で測定しております。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しております。また、当初認識後は実効金利法による償却原価(減損損失控除後)で測定しております。
(b)FVTPLの金融資産
売買目的で保有する資本性金融資産及び償却原価で測定する金融資産に分類されない負債性金融資産はFVTPLの金融資産としております。FVTPLの金融資産は当初認識時に公正価値で測定し、当該金融資産の取得費用は発生時に純損益として認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
(c)FVTOCIの金融資産
売買目的以外で保有する資本性金融資産は当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能の選択を行いFVTOCIの金融資産としております。FVTOCIの金融資産は、当初認識時に、当該金融資産の公正価値に取得費用を加算した金額で測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。FVTOCIの金融資産の認識を中止した場合には、その他の包括利益累計額を利益剰余金に振り替えております。なお、FVTOCIの金融資産からの配当については純損益として認識しております。
(d)金融資産の認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合又は金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値を実質的に全て移転した場合には、当該金融資産の認識を中止しております。
② 金融資産の減損
売上債権及びその他の債権に関する予想信用損失に係る貸倒引当金については、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かを評価しております。当該金融資産について、信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。但し、売上債権については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。
信用リスクの著しい増大の有無は、支払期日の経過情報のほか、債務者の経営成績の悪化の情報等の債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があり信用リスクが著しく増大しているか否かの評価を行う際には、支払期日の経過情報のほか、債務者の経営成績の悪化の情報等も考慮しております。金融資産の全部又は一部について回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行と判断しております。債務不履行に該当した場合、又は発行者もしくは債務者の著しい財政的困難が存在する場合、信用減損しているものと判断しております。なお、預金及びデリバティブは、いずれも信用度の高い金融機関との取引であることから、それらの信用リスクは限定的であります。
予想信用損失は、金融資産に関して契約上支払われるキャッシュ・フロー総額と、受取りが見込まれる将来キャッシュ・フロー総額との差額の割引現在価値を発生確率により加重平均して測定します。支払遅延の存在、支払期日の延長、外部信用調査機関による否定的評価、債務超過等悪化した財政状況や経営成績の評価を含む、一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損が生じた金融資産として個別的評価を行い、主に過去の貸倒実績や将来の回収可能額等に基づき予想信用損失を測定しております。信用減損が生じていない金融資産については、個別に重要な場合は個別評価、それ以外の場合は信用特性が同一であるため、主に過去の貸倒実績に必要に応じて現在及び将来の経済状況等を踏まえて調整した引当率等に基づく集合的評価により予想信用損失を測定しております。
売上債権及びその他の債権に関する予想信用損失については、帳簿価額を直接減額せず、貸倒引当金を計上しております。予想信用損失の変動額は減損損失として純損益に認識しており、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。なお、金融資産について、全ての回収手段がなくなり、回収可能性がほぼ尽きたと考えられる時点で、金融資産の全体又は一部を回収するという合理的な予想を有していないと判断し、直接償却しております。
③ デリバティブ以外の金融負債
デリバティブ以外の金融負債は、主に償却原価で測定する金融負債に分類しております。発行した負債証券についてはその発行日に当初認識し、その他の金融負債は取引日に当初認識しております。
当社グループは、デリバティブ以外の金融負債として、社債及び借入金、仕入債務等を有しており、公正価値から取引費用(発行費用等)を控除した金額で当初認識し、当初認識後は実効金利法を用いた償却原価により測定しております。
金融負債が消滅した場合、つまり契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合には、その金融負債の認識を中止しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループでは、為替変動リスク、金利変動リスク及び材料の価格変動リスクをヘッジするために、為替予約取引、通貨オプション取引、通貨スワップ取引、金利スワップ取引、コモディティスワップ取引及び商品先渡取引等のデリバティブ取引を行っております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。但し、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
当社グループでは、ヘッジ開始時にヘッジ会計を適用しようとするヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理の目的及び戦略について、文書化しております。また、ヘッジ手段がヘッジ対象の公正価値やキャッシュ・フローの変動に対して相殺効果があると見込まれるかどうかをヘッジ対象期間中継続的に評価しております。
(a)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定したデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象の公正価値の変動とともに純損益として認識しております。
(b)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジの効果が有効である限り、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブの公正価値の変動は、その他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が棚卸資産等の非金融資産(の認識)を生じさせる予定取引の場合においては、その他の包括利益として認識した金額は資産の取得原価の調整として処理しております。ヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合にはヘッジ会計の適用を中止しております。また、予定取引の発生が見込まれなくなった場合、その他の包括利益として認識していた金額は即時に純損益に振り替えております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しております。棚卸資産の取得原価は、主として総平均法に基づいて算定しております。また、正味実現可能価額とは、通常の営業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除したものをいいます。なお、当社グループの保有する棚卸資産の一部は、価格変動の著しい経済環境の影響を受ける傾向にあるため、市場価格が下落した場合には、損失が発生する可能性があります。特に原油価格が著しく下落した場合や黒鉛電極の需要が急激に減少した場合には、棚卸資産の評価減の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(7)有形固定資産
有形固定資産の測定については原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、将来の解体、除去及び原状回復費用を含めております。
有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって、定額法により減価償却を行っております。主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 2年から75年
・機械装置、運搬具及び工具器具備品 2年から22年
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)無形資産
① のれん
当初認識時におけるのれんの測定方法は「(2)企業結合」に記載しております。当初認識後は、取得原価から減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
② その他の無形資産
無形資産の測定については原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定しており、企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法により償却を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できる無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・自社利用ソフトウェア 主として5年
・マーケティング関連無形資産 主として20年
・顧客関連無形資産 主として20年
・技術関連無形資産 主として7年
(9)リース
(借手)
当社グループでは、主に不動産を賃借しており、原資産を使用する権利である使用権資産と、リース料を支払う義務であるリース負債を認識し、リースに関する費用を使用権資産の減価償却費及びリース負債に係る支払利息として認識しております。なお、短期リース及び少額資産のリースについては、IFRS第16号第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しております。
① 使用権資産
使用権資産の測定については原価モデルを採用し、リース開始日における取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって「有形固定資産」及び「無形資産」に含めて計上しております。
取得原価には、リース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接コスト等を含めております。各使用権資産は、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定額法で減価償却を行っております。リース期間については、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリースの延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しております。
なお、耐用年数又はリース期間に変更があった場合は、会計上の見積りの変更として扱い、将来に向かって適用しております。
② リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率又は借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。リース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利費用は、リース負債の残高に対する毎期一定の率をリース期間にわたり純損益として認識しており、連結損益計算書の「金融費用」に含まれております。
(10)非金融資産の減損
期末日毎に減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候がある場合、減損テストを実施しております。
減損テストは、資産又は資金生成単位ごとに回収可能価額を見積り、帳簿価額と比較することによって行っております。資金生成単位は、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額をいいます。使用価値は、税引前の見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定されます。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その資産について減損損失を認識しております。
のれん以外の資産又は資金生成単位に関しては、過年度に認識された減損損失について、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が認められる場合、当該資産又は資金生成単位を対象に回収可能価額の見積りを行います。その結果、見積られた回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、過年度に減損損失が認識されなかったと仮定した場合に計算される、減価償却費(又は償却費)控除後の帳簿価額を上限として減損損失の戻し入れを行っております。
(11)売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、主に売却により回収が見込まれる非流動資産又は処分グループのうち、現在の状態で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高い場合には、売却目的で保有する資産として分類しております。
売却目的で保有する資産は、減価償却又は償却を行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定しております。
(12)退職後給付
① 確定給付制度
当社及び一部の子会社は確定給付制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額を連結財政状態計算書で資産又は負債として認識しております。確定給付制度債務の現在価値は予測単位積増方式により算定しており、割引率は確定給付制度債務と概ね同じ満期を有する優良社債の利回りを使用しております。
確定給付資産又は負債の純額の再測定差額は、発生した期にその他の包括利益として一括認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。
また、過去勤務費用は発生した期に純損益として認識しております。
② 確定拠出制度
当社及び一部の子会社は確定拠出年金制度を採用しております。確定拠出年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的義務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出年金制度への拠出は、従業員が勤務を提供した期間に費用処理しております。
(13)引当金
過去の事象の結果として、法的義務又は推定的義務を有しており、当該義務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該義務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を計上しております。当該見積りについては、報告期間の末日における義務を決済するため、又は義務を第三者に移転するために要する支出の最善の見積りに基づいて測定されます。計上された引当金は、決算日における義務に関するリスクや不確実性を考慮に入れた、義務の決済に要する支出の最善の見積りに基づいておりますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって重要な影響を受ける可能性があります。
なお、義務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間的価値が重要である場合には、決済時に予測される支出額の現在価値により引当金を測定しております。現在価値の算出には、貨幣の時間的価値及び当該義務に固有のリスクを反映した税引前の割引率を使用しております。
(14)収益認識
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で収益を認識する。
当社グループは、半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルの各製品の製造、販売を主な事業としており、これらの製品の販売については、顧客との契約に基づき、主に顧客に製品を販売し検収を受けた時点において支配が移転し、履行義務が充足されることから、検収時点において収益を認識しております。
これらの製品の販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。
また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。リベートなどの見積りは過去の実績などに基づく最頻値法を用いており、収益は重大な戻入れが発生しない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
取引価格の算定においては、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で測定しております。
なお、製品の販売契約における対価は、履行義務の充足時点である製品の引き渡し後、概ね1年以内に受領しており、重要な金融要素は含めておりません。
また、当社グループは、本人又は代理人のいずれとして取引を行っているかを、顧客に財又はサービスを移転する前に特定された財又はサービスを支配しているかに基づき判断をしております。その結果、本人として取引を行っていると判断された場合には、顧客から受け取る対価の総額で収益を表示し、代理人として取引を行っていると判断された場合は、顧客から受領する対価の総額から第三者のために回収した金額を差し引いた純額で収益を表示しております。
(15)資本
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。
自己株式を処分した場合には、帳簿価額と処分時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(16)政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(17)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式報酬制度を導入しております。
持分決済型の株式報酬は、受領した役務及びそれに対応する資本の増加を付与日における資本性金融商品の公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上され、同額を資本の増加として認識しております。
(18)法人所得税
法人所得税費用は当期税金費用と繰延税金費用から構成され、その他の包括利益で認識する項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、純損益で認識しております。
当期税金費用は、税務当局に対する納付もしくは税務当局からの還付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日までに制定もしくは実質的に制定されているものを適用しております。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異に対して認識しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できるだけの課税所得が生じる可能性が高いと判断した場合に限り認識しております。当社グループは、事業計画等に基づいて将来獲得しうる課税所得の時期及びその金額を合理的に見積り、課税所得が生じる可能性を判断しております。課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動や収益性の低下等によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、次の一時差異については、繰延税金資産又は負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、当社が解消する時期をコントロールすることができるものであって、かつ、予測可能な期間に当該一時差異を取り崩さないことが確実であるもの
・子会社及び持分法適用会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いもの、又は一時差異の使用対象となる課税所得を獲得できる可能性が低いもの
繰延税金資産及び負債は、その一時差異等が解消される時に適用されると予測される税率を使用して測定しております。
同一の納税主体において認識された繰延税金資産と繰延税金負債は相殺しております。
なお、当社及び一部の連結子会社は、㈱レゾナック・ホールディングスを通算親法人としたグループ通算制度を適用しております。
当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
(19)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、連結会計年度中の発行済普通株式の期中平均株式数により除して算出しております。
(20)未適用の新会計基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。
なお、上記の適用による影響は検討中であります。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。
支配とは、当社グループがその会社の財務及び経営の方針を決定する能力を有している状態をいいます。
当社グループは、投資先に対する支配を獲得した日から連結を開始し、支配を喪失した場合にはその日に連結を終了しております。子会社が適用する会計方針が当社の会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。当社グループ内の債権債務残高、取引高及び当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
連結子会社のうち、一部の子会社の決算日は3月31日であり、連結決算日に実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
その他の連結子会社の報告期間の末日は親会社の報告期間の末日と一致しております。
子会社に対する支配の喪失を伴わない持分変動については資本取引として会計処理しております。持分変動に伴い生じる非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させております。
一方、持分変動の結果、当社グループが子会社の支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営の方針に対して重要な影響力を有するが支配はしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。なお、当社グループが保有する議決権が20%未満であっても、役員の派遣や取引により重要な影響力を有していると判断される場合には関連会社に含めることとしております。
共同支配企業とは、契約上の取り決めにより当社グループを含む複数の当事者が共同して支配しており、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。
当社グループは、関連会社及び共同支配企業への投資について重要な影響力又は共同支配を獲得した日から持分法の適用を開始し、それらを喪失した場合には持分法の適用を終了しております。
連結財務諸表の作成にあたり、現地法制度上又は株主間協定等で当社グループと異なる決算日が要請されていることにより決算日を統一することが実務上不可能であり、また、事業の特性やその他の実務上の要因によって当社グループの連結決算日をもって仮決算を行うことが実務上不可能な一部の投資先については9月30日に終了する会計年度の財務諸表を用いております。これらの投資先の決算日と連結決算日との間に生じた重要な取引又は事象については連結財務諸表に反映しております。
(2)企業結合
企業結合の会計処理は取得法によっており、取得の対価は被取得企業の支配と交換に譲渡した資産及び当社グループが以前から保有していた持分(取得日の公正価値)の合計として測定されます。また、取得関連費用は発生時に費用処理しております。
取得の対価と非支配持分の合計額が被支配企業の純資産の公正価値を上回る場合はその差額をのれんとして計上し、下回る場合にはその差額は直ちに純損益として認識しております。
当社グループは、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、「IFRS第1号」といいます。)の免除規定を適用し、2023年1月1日より前に発生した企業結合について、IFRS第3号「企業結合」(以下、「IFRS第3号」といいます。)を遡及適用しないことを選択しております。従って、2023年1月1日より前の取得により生じたのれんは従前の会計基準(日本基準)に基づいて認識していた2023年1月1日時点の金額を引継ぎ、これに減損テストの結果を反映した価額で連結財政状態計算書に計上しております。
(3)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する、容易に換金可能で価値変動のリスクが低い短期投資からなっております。
(4)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業の個別財務諸表は、それぞれの機能通貨で作成しております。また、当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。
② 外貨建取引
外貨建の取引は、取引日における直物為替相場又は為替に著しい変動がある場合を除き、それに近似するレートにより機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。但し、FVTOCIの金融資産及び適格キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
③ 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レートにより、収益及び費用項目は為替に著しい変動がある場合を除き、期中平均為替レートにより日本円に換算しております。この在外営業活動体の財務諸表の換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(5)金融商品
① デリバティブ以外の金融資産
デリバティブ以外の金融資産はその当初認識時に償却原価で測定する金融資産、FVTPLの金融資産及びFVTOCIの金融資産に分類しております。売上債権等は発生日に当初認識し、その他の全ての金融資産は契約条項の当事者となった日に当初認識しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
以下の要件をいずれも満たす金融資産は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有しております。
・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのキャッシュ・フローのみが特定の日に生じます。
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に、当該金融資産の公正価値に取得費用を加算した金額で測定しております。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しております。また、当初認識後は実効金利法による償却原価(減損損失控除後)で測定しております。
(b)FVTPLの金融資産
売買目的で保有する資本性金融資産及び償却原価で測定する金融資産に分類されない負債性金融資産はFVTPLの金融資産としております。FVTPLの金融資産は当初認識時に公正価値で測定し、当該金融資産の取得費用は発生時に純損益として認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
(c)FVTOCIの金融資産
売買目的以外で保有する資本性金融資産は当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能の選択を行いFVTOCIの金融資産としております。FVTOCIの金融資産は、当初認識時に、当該金融資産の公正価値に取得費用を加算した金額で測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。FVTOCIの金融資産の認識を中止した場合には、その他の包括利益累計額を利益剰余金に振り替えております。なお、FVTOCIの金融資産からの配当については純損益として認識しております。
(d)金融資産の認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合又は金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値を実質的に全て移転した場合には、当該金融資産の認識を中止しております。
② 金融資産の減損
売上債権及びその他の債権に関する予想信用損失に係る貸倒引当金については、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かを評価しております。当該金融資産について、信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。但し、売上債権については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。
信用リスクの著しい増大の有無は、支払期日の経過情報のほか、債務者の経営成績の悪化の情報等の債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があり信用リスクが著しく増大しているか否かの評価を行う際には、支払期日の経過情報のほか、債務者の経営成績の悪化の情報等も考慮しております。金融資産の全部又は一部について回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行と判断しております。債務不履行に該当した場合、又は発行者もしくは債務者の著しい財政的困難が存在する場合、信用減損しているものと判断しております。なお、預金及びデリバティブは、いずれも信用度の高い金融機関との取引であることから、それらの信用リスクは限定的であります。
予想信用損失は、金融資産に関して契約上支払われるキャッシュ・フロー総額と、受取りが見込まれる将来キャッシュ・フロー総額との差額の割引現在価値を発生確率により加重平均して測定します。支払遅延の存在、支払期日の延長、外部信用調査機関による否定的評価、債務超過等悪化した財政状況や経営成績の評価を含む、一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損が生じた金融資産として個別的評価を行い、主に過去の貸倒実績や将来の回収可能額等に基づき予想信用損失を測定しております。信用減損が生じていない金融資産については、個別に重要な場合は個別評価、それ以外の場合は信用特性が同一であるため、主に過去の貸倒実績に必要に応じて現在及び将来の経済状況等を踏まえて調整した引当率等に基づく集合的評価により予想信用損失を測定しております。
売上債権及びその他の債権に関する予想信用損失については、帳簿価額を直接減額せず、貸倒引当金を計上しております。予想信用損失の変動額は減損損失として純損益に認識しており、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。なお、金融資産について、全ての回収手段がなくなり、回収可能性がほぼ尽きたと考えられる時点で、金融資産の全体又は一部を回収するという合理的な予想を有していないと判断し、直接償却しております。
③ デリバティブ以外の金融負債
デリバティブ以外の金融負債は、主に償却原価で測定する金融負債に分類しております。発行した負債証券についてはその発行日に当初認識し、その他の金融負債は取引日に当初認識しております。
当社グループは、デリバティブ以外の金融負債として、社債及び借入金、仕入債務等を有しており、公正価値から取引費用(発行費用等)を控除した金額で当初認識し、当初認識後は実効金利法を用いた償却原価により測定しております。
金融負債が消滅した場合、つまり契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合には、その金融負債の認識を中止しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループでは、為替変動リスク、金利変動リスク及び材料の価格変動リスクをヘッジするために、為替予約取引、通貨オプション取引、通貨スワップ取引、金利スワップ取引、コモディティスワップ取引及び商品先渡取引等のデリバティブ取引を行っております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。但し、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
当社グループでは、ヘッジ開始時にヘッジ会計を適用しようとするヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理の目的及び戦略について、文書化しております。また、ヘッジ手段がヘッジ対象の公正価値やキャッシュ・フローの変動に対して相殺効果があると見込まれるかどうかをヘッジ対象期間中継続的に評価しております。
(a)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定したデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象の公正価値の変動とともに純損益として認識しております。
(b)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジの効果が有効である限り、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブの公正価値の変動は、その他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が棚卸資産等の非金融資産(の認識)を生じさせる予定取引の場合においては、その他の包括利益として認識した金額は資産の取得原価の調整として処理しております。ヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合にはヘッジ会計の適用を中止しております。また、予定取引の発生が見込まれなくなった場合、その他の包括利益として認識していた金額は即時に純損益に振り替えております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しております。棚卸資産の取得原価は、主として総平均法に基づいて算定しております。また、正味実現可能価額とは、通常の営業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除したものをいいます。なお、当社グループの保有する棚卸資産の一部は、価格変動の著しい経済環境の影響を受ける傾向にあるため、市場価格が下落した場合には、損失が発生する可能性があります。特に原油価格が著しく下落した場合や黒鉛電極の需要が急激に減少した場合には、棚卸資産の評価減の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(7)有形固定資産
有形固定資産の測定については原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、将来の解体、除去及び原状回復費用を含めております。
有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって、定額法により減価償却を行っております。主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 2年から75年
・機械装置、運搬具及び工具器具備品 2年から22年
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)無形資産
① のれん
当初認識時におけるのれんの測定方法は「(2)企業結合」に記載しております。当初認識後は、取得原価から減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
② その他の無形資産
無形資産の測定については原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定しており、企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法により償却を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できる無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・自社利用ソフトウェア 主として5年
・マーケティング関連無形資産 主として20年
・顧客関連無形資産 主として20年
・技術関連無形資産 主として7年
(9)リース
(借手)
当社グループでは、主に不動産を賃借しており、原資産を使用する権利である使用権資産と、リース料を支払う義務であるリース負債を認識し、リースに関する費用を使用権資産の減価償却費及びリース負債に係る支払利息として認識しております。なお、短期リース及び少額資産のリースについては、IFRS第16号第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しております。
① 使用権資産
使用権資産の測定については原価モデルを採用し、リース開始日における取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって「有形固定資産」及び「無形資産」に含めて計上しております。
取得原価には、リース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接コスト等を含めております。各使用権資産は、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定額法で減価償却を行っております。リース期間については、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリースの延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しております。
なお、耐用年数又はリース期間に変更があった場合は、会計上の見積りの変更として扱い、将来に向かって適用しております。
② リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率又は借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。リース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利費用は、リース負債の残高に対する毎期一定の率をリース期間にわたり純損益として認識しており、連結損益計算書の「金融費用」に含まれております。
(10)非金融資産の減損
期末日毎に減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候がある場合、減損テストを実施しております。
減損テストは、資産又は資金生成単位ごとに回収可能価額を見積り、帳簿価額と比較することによって行っております。資金生成単位は、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額をいいます。使用価値は、税引前の見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定されます。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その資産について減損損失を認識しております。
のれん以外の資産又は資金生成単位に関しては、過年度に認識された減損損失について、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が認められる場合、当該資産又は資金生成単位を対象に回収可能価額の見積りを行います。その結果、見積られた回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、過年度に減損損失が認識されなかったと仮定した場合に計算される、減価償却費(又は償却費)控除後の帳簿価額を上限として減損損失の戻し入れを行っております。
(11)売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、主に売却により回収が見込まれる非流動資産又は処分グループのうち、現在の状態で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高い場合には、売却目的で保有する資産として分類しております。
売却目的で保有する資産は、減価償却又は償却を行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定しております。
(12)退職後給付
① 確定給付制度
当社及び一部の子会社は確定給付制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額を連結財政状態計算書で資産又は負債として認識しております。確定給付制度債務の現在価値は予測単位積増方式により算定しており、割引率は確定給付制度債務と概ね同じ満期を有する優良社債の利回りを使用しております。
確定給付資産又は負債の純額の再測定差額は、発生した期にその他の包括利益として一括認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。
また、過去勤務費用は発生した期に純損益として認識しております。
② 確定拠出制度
当社及び一部の子会社は確定拠出年金制度を採用しております。確定拠出年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的義務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出年金制度への拠出は、従業員が勤務を提供した期間に費用処理しております。
(13)引当金
過去の事象の結果として、法的義務又は推定的義務を有しており、当該義務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該義務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を計上しております。当該見積りについては、報告期間の末日における義務を決済するため、又は義務を第三者に移転するために要する支出の最善の見積りに基づいて測定されます。計上された引当金は、決算日における義務に関するリスクや不確実性を考慮に入れた、義務の決済に要する支出の最善の見積りに基づいておりますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって重要な影響を受ける可能性があります。
なお、義務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間的価値が重要である場合には、決済時に予測される支出額の現在価値により引当金を測定しております。現在価値の算出には、貨幣の時間的価値及び当該義務に固有のリスクを反映した税引前の割引率を使用しております。
(14)収益認識
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で収益を認識する。
当社グループは、半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルの各製品の製造、販売を主な事業としており、これらの製品の販売については、顧客との契約に基づき、主に顧客に製品を販売し検収を受けた時点において支配が移転し、履行義務が充足されることから、検収時点において収益を認識しております。
これらの製品の販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。
また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。リベートなどの見積りは過去の実績などに基づく最頻値法を用いており、収益は重大な戻入れが発生しない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
取引価格の算定においては、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で測定しております。
なお、製品の販売契約における対価は、履行義務の充足時点である製品の引き渡し後、概ね1年以内に受領しており、重要な金融要素は含めておりません。
また、当社グループは、本人又は代理人のいずれとして取引を行っているかを、顧客に財又はサービスを移転する前に特定された財又はサービスを支配しているかに基づき判断をしております。その結果、本人として取引を行っていると判断された場合には、顧客から受け取る対価の総額で収益を表示し、代理人として取引を行っていると判断された場合は、顧客から受領する対価の総額から第三者のために回収した金額を差し引いた純額で収益を表示しております。
(15)資本
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。
自己株式を処分した場合には、帳簿価額と処分時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(16)政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(17)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式報酬制度を導入しております。
持分決済型の株式報酬は、受領した役務及びそれに対応する資本の増加を付与日における資本性金融商品の公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上され、同額を資本の増加として認識しております。
(18)法人所得税
法人所得税費用は当期税金費用と繰延税金費用から構成され、その他の包括利益で認識する項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、純損益で認識しております。
当期税金費用は、税務当局に対する納付もしくは税務当局からの還付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日までに制定もしくは実質的に制定されているものを適用しております。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異に対して認識しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できるだけの課税所得が生じる可能性が高いと判断した場合に限り認識しております。当社グループは、事業計画等に基づいて将来獲得しうる課税所得の時期及びその金額を合理的に見積り、課税所得が生じる可能性を判断しております。課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動や収益性の低下等によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、次の一時差異については、繰延税金資産又は負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、当社が解消する時期をコントロールすることができるものであって、かつ、予測可能な期間に当該一時差異を取り崩さないことが確実であるもの
・子会社及び持分法適用会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いもの、又は一時差異の使用対象となる課税所得を獲得できる可能性が低いもの
繰延税金資産及び負債は、その一時差異等が解消される時に適用されると予測される税率を使用して測定しております。
同一の納税主体において認識された繰延税金資産と繰延税金負債は相殺しております。
なお、当社及び一部の連結子会社は、㈱レゾナック・ホールディングスを通算親法人としたグループ通算制度を適用しております。
当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
(19)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、連結会計年度中の発行済普通株式の期中平均株式数により除して算出しております。
(20)未適用の新会計基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。
| IFRS | 強制適用時期 (以降開始年度) | 当社グループ 適用時期 | 新設・改訂の概要 | |
| IFRS第18号 | 財務諸表における表示及び開示 | 2027年1月1日 | 2027年12月期 | ・財務諸表における表示及び開示に関する現行の会計基準であるIAS第1号を置き換える新基準 ・IFRS第18号においては、主として純損益計算書の財務業績に関する表示及び開示に関する新たな規定を設定 ・IFRS第18号の公表と併せてIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」の改訂 |
なお、上記の適用による影響は検討中であります。