有価証券報告書-第139期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
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- 2020/06/24 15:32
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注記事項-金融商品、連結財務諸表(IFRS)
37.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的成長を続け、企業価値を最大化するために資本管理をしております。
持続的成長の実現には、今後、外部資源の獲得等の事業成長に向けた事業投資機会が生じた際に、機動的な事業投資を実施するため、充分な資金調達余力の確保が必要であると認識しており、バランスある資本構成を目指しております。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
当社は、剰余金の配当の決定にあたり、株主還元を経営上の最重要課題の一つと考え、各期の業績、配当性向ならびに将来の事業展開に必要な内部留保の水準等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨を定めております。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。
(3) 信用リスク
当社は、債権管理について定めた社内規程に従い、営業債権について、各事業部門における営業担当部が定期的に全営業取引先の状況、販売取引高および債権残高をチェックして取引方針の見直しを実施するとともに、財務状況等の悪化等による取引先の信用リスクの早期把握や軽減を図っております。
連結子会社においても、各社の規程に基づき事業部門または経理担当部門が取引先の財務状況および信用状況の管理を行っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、信用度の高い金融機関および商社とのみ取引を行っており、信用リスクに及ぼす影響は限定的です。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度な集中はありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている減損後の帳簿価額であります。債務保証の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、「41.偶発債務」に記載の保証債務の金額です。
当社グループは、一部の営業債権等に対する担保として主に預り保証金を保有しております。前連結会計年度末および当連結会計年度末において連結財政状態計算書のその他の金融負債に計上されている金額はそれぞれ、12,429百万円および11,886百万円です。
貸倒引当金の増減
当社グループは、「営業債権及びその他の債権」、「その他の金融資産」および金融保証契約に対し、取引先の信用状態に応じてその回収可能性を検討し、貸倒引当金を設定しております。
重大な金融要素を含んでいない営業債権および契約資産は、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しております(単純化したアプローチ)。その他の債権、その他の金融資産および金融保証契約については、原則として12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しておりますが、金融資産(金融保証契約を含む。)に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、当該金融資産の回収に係る全期間の予想信用損失を個別に見積って貸倒引当金の金額を測定しております(一般的なアプローチ)。
信用リスクが著しく増大しているか否かは、債務不履行発生リスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、取引相手先の財務状況、過去の貸倒損失計上実績、過去の期日経過情報などを考慮しております。当社グループにおいては、原則として契約上の支払の期日超過が30日超である場合に、信用リスクが著しく増大していると判断しております。また、原則として契約上の支払の期日超過が90日超である場合に、債務不履行が生じていると判断しております。これらの判断には、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないものと判断しております。
いずれの金融資産についても、債務者からの弁済条件の見直しの要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しております。
貸倒引当金の金額は、以下のように算定しております。
・営業債権(受取手形及び売掛金)、その他の債権(契約資産)
単純化したアプローチに基づき、過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額での帳簿価額に乗じて算定しております。
・その他の債権(未収入金等)、その他の金融資産および金融保証契約
信用リスクが著しく増大していると判定されていない資産については、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額での帳簿価額に乗じて算定しております。信用リスクが著しく増大していると判定された資産および信用減損金融資産については、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測等を加味した上で個別に算定した回収可能価額と、総額での帳簿価額との差額をもって算定しております。
貸倒引当金の認識対象となる金融資産の総額での帳簿価額および金融保証契約の残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
単純化したアプローチを適用している金融資産およびステージ1の金融資産の予想信用損失は、リスクの特徴が類似したものごとにグルーピングした上で、過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて集合的に評価しております。ステージ2およびステージ3の金融資産の予想信用損失は、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測等を加味した上で個別に評価しております。
貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(単位:百万円)
(注)貸倒引当金は主に単純化したアプローチを適用した金融資産に係るものです。
(4) 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクであります。
当社は、各部署からの報告に基づいて財務担当部門が半期ごとに資金繰り計画を作成するとともに、資金繰り表を日々更新しております。また、短期的な資金需要に対応するため、金融機関との間に当座借越契約を締結しているほか、総額101,000百万円のコミットメント・ライン契約を締結することなどにより、流動性リスクを管理しております。なお、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、コミットメント・ライン契約の使用残高はありません。
また、国内および海外のグループ会社に関しては、グループファイナンスの実施によって相互の資金融通を可能とすることで流動性リスクを管理しております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
(5) 為替リスク
当社および一部の連結子会社は、外貨建ての営業債権債務等について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対し、為替リスク管理について定めた社内規程に基づき一定範囲内で為替予約取引をヘッジ目的で利用しております。なお、当社グループは、取引の対象物の価格変動に対する当該取引の時価変動率が大きい取引(レバレッジの効いたデリバティブ取引)は利用しておりません。
為替リスクのエクスポージャー
当社グループは主に米ドルの為替リスクに晒されております。
当社グループの米ドルの為替リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により為替リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:千米ドル)
為替感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、期末日における為替レートが米ドルに対してそれぞれ1%円高となった場合に、純損益および資本に与える影響は以下のとおりであります。
本分析においては、機能通貨建ての金融商品、および在外営業活動体の資産および負債、収益および費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
(6) 金利リスク
当社グループは、資金需要に対してその内容や財務状況および金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績ならびに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社および一部の連結子会社は、借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために、一定範囲内で金利スワップ取引を利用することにより金利上昇リスクをヘッジしております。
金利リスクのエクスポージャー
当社グループの金利リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により金利変動リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:百万円)
金利感応度分析
当社グループが各連結会計年度末に保有する金融商品において、金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合に、純損益および資本に与える影響は以下のとおりであります。
本分析は金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、その他の変動要因(残高、為替レート等)は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
(7) 市場価格の変動リスク
当社グループは、主に取引先企業等との関係の強化・維持を目的として事業運営上の関係を有する企業の株式を保有していることから、株価の変動リスクに晒されております。なお、株式については定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、取引先企業との関係を勘案して保有状況を定期的に見直しております。
当社グループが、期末日現在において保有する資本性金融商品の市場価格が10%変動した場合に、その他の包括利益(税効果控除後)が受ける影響は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ12,049百万円および10,191百万円です。
ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(8) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、公正価値測定に用いたインプットのレベル区分に基づき、以下のいずれかに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産または負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、直接または間接的に観察可能な価格で構成されたインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
上記には、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている以下の金融商品は含めておりません。
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、貸付金、その他の金融資産(その他)、営業債務及びその他の債務、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、預り金、その他の金融負債(その他)
社債の公正価値は、市場価格に基づいて算定しております。
長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
リース債務の前連結会計年度末の帳簿価額は6,923百万円、公正価値は7,070百万円となっております。公正価値については、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。なお、当社グループは当連結会計年度よりIFRS第16号を適用しているため、当連結会計年度末のリース負債に係る公正価値については開示しておりません。
償却原価で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーについては、社債はレベル2、その他のものはレベル3に分類しております。
公正価値で測定する金融資産および金融負債は、以下のとおりであります。
金融商品のレベル間の振替は、振替のあった報告期間の期末日に認識することとしております。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
レベル3に区分された金融商品の当期首から当期末までの変動は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1 レベル間の振替はありません。
2 純損益に含まれている利得および損失のうち、FVTPLの金融資産に関するものは、連結損益計算書の「金融収益」および「金融費用」に含まれております。また、FVTPLの金融負債に関する利得および損失のうち、条件付対価の公正価値変動は連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に、その他の金融負債に係るものは「金融収益」および「金融費用」に含まれております。
3 その他の包括利益に含まれている利得および損失は、決算日時点のFVTOCIの金融資産に関するものです。これらの利得および損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に含まれております。
4 当連結会計年度におけるFVTOCIの金融資産の増加は、主にロイバント社との戦略的提携に伴う同社株式の取得によるものであります。
5 「その他」には主に外貨建金融商品に係る為替換算差額が含まれております。
6 公正価値ヒエラルキーレベル3に区分された公正価値測定は、適切な権限者に承認された評価方針および手続に従って行われており、金融商品の個々の資産性質、特徴ならびにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しております。また、評価者は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移と公正価値の推移を比較し、合理的に説明可能であるか継続的に検証しております。
レベル3に区分された金融商品の公正価値測定に係る重要な観察不能インプットは、以下のとおりであります。
・FVTPLの金融資産については、割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しており、重要な観察不能インプットは将来キャッシュ・フローの総額(前連結会計年度末98,314百万円、当連結会計年度末93,903百万円)および割引率(前連結会計年度末4.29%、当連結会計年度末2.80%)であります。
・FVTOCIの金融資産は主に非上場株式で構成されており、原則として割引キャッシュ・フロー法等により公正価値を算定しておりますが、公正価値が純資産価値に近似していると考えられる非上場株式等については、主に純資産価値に基づく評価技法により公正価値を算定しております。
・FVTPLの金融負債のうち、条件付対価は割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しており、重要な観察不能インプットは関連する事業から生じる売上収益および割引率であります。その他の金融負債は、一部の連結子会社で発行済の優先株式の持分を、株式の保有者の要求に基づきいつでもその純資産価値に基づく価額で償還可能であるため金融負債として認識したものであり、純資産価値に基づく評価技法により公正価値を算定しております。
レベル3に区分された金融商品について、重要な仮定の変動が公正価値に与える影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(9) 金融資産の譲渡
当社グループは営業債権の一部について流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払いを行わない場合に、当社グループに遡求的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っておりません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された譲渡資産および関連する負債に関する帳簿価額は、次のとおりであり、譲渡資産は主に連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権(売掛金)」に、関連する負債は主に「社債及び借入金(短期借入金)」に計上しております。なお、これらの公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。
(単位:百万円)
(10) デリバティブ
当社グループでは、外貨建ての営業債権債務等に係る為替レートの変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引、社債及び借入金等に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、アルミニウム地金の販売および購入に係る市況変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした商品先物取引(先渡取引)等のデリバティブを利用しております。
これらのデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジとしてヘッジ指定された一部の取引を除き、ヘッジ手段として指定されていないものの、当社グループではデリバティブをリスクのヘッジ目的でのみ利用し、その限度額を実需の範囲としていることから、ヘッジ手段に指定されていないデリバティブについても為替や商品相場の変動による影響を有効に相殺していると判断しております。
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジです。
当社グループは、社債及び借入金等に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、発生可能性の高いアルミニウム地金の予定販売取引に係る市況変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした商品先物取引を利用しております。
ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているかまたは密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段のキャッシュ・フローが同一のリスクによりその価値変動が相殺し合う関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジの有効性を評価しております。また、当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象リスクの価値変動に起因するヘッジ対象の価値変動とヘッジ手段の価値変動の比率を見積って必要なヘッジ手段の数量を決定しており、原則としてヘッジ比率は1対1になっております。
なお、これらのヘッジ取引については、予定取引の中止等により非有効部分が発生する可能性があるものの、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分が発生するリスクは僅少であると想定しております。また、各連結会計年度において純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
金利スワップ取引の主な支払利率、ならびに商品先物取引における平均価格は以下のとおりであります。
① ヘッジ手段として指定した項目に関する金額
ヘッジ指定されているヘッジ手段が当社グループの連結財政状態計算書に与える影響は以下のとおりであります。なお、ヘッジ手段に係る資産の帳簿価額(公正価値)は「その他の金融資産」に計上しており、ヘッジ手段に係る負債の帳簿価額(公正価値)は、「その他の金融負債」に計上しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
② 連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段から生じた評価損益の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
(注1) ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
(注2) 組替調整額の連結損益計算書上の主な表示科目は、金利リスクについては「金融費用(支払利息)」、商品価格リスクについては「売上原価」であります。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
(注1) ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
(注2) 組替調整額の連結損益計算書上の主な表示科目は、金利リスクについては「金融費用(支払利息)」、商品価格リスクについては「売上原価」であります。
(1) 資本管理
当社グループは、持続的成長を続け、企業価値を最大化するために資本管理をしております。
持続的成長の実現には、今後、外部資源の獲得等の事業成長に向けた事業投資機会が生じた際に、機動的な事業投資を実施するため、充分な資金調達余力の確保が必要であると認識しており、バランスある資本構成を目指しております。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
当社は、剰余金の配当の決定にあたり、株主還元を経営上の最重要課題の一つと考え、各期の業績、配当性向ならびに将来の事業展開に必要な内部留保の水準等を総合的に勘案し、安定的な配当を継続することを基本としております。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨を定めております。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。
(3) 信用リスク
当社は、債権管理について定めた社内規程に従い、営業債権について、各事業部門における営業担当部が定期的に全営業取引先の状況、販売取引高および債権残高をチェックして取引方針の見直しを実施するとともに、財務状況等の悪化等による取引先の信用リスクの早期把握や軽減を図っております。
連結子会社においても、各社の規程に基づき事業部門または経理担当部門が取引先の財務状況および信用状況の管理を行っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、信用度の高い金融機関および商社とのみ取引を行っており、信用リスクに及ぼす影響は限定的です。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度な集中はありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている減損後の帳簿価額であります。債務保証の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、「41.偶発債務」に記載の保証債務の金額です。
当社グループは、一部の営業債権等に対する担保として主に預り保証金を保有しております。前連結会計年度末および当連結会計年度末において連結財政状態計算書のその他の金融負債に計上されている金額はそれぞれ、12,429百万円および11,886百万円です。
貸倒引当金の増減
当社グループは、「営業債権及びその他の債権」、「その他の金融資産」および金融保証契約に対し、取引先の信用状態に応じてその回収可能性を検討し、貸倒引当金を設定しております。
重大な金融要素を含んでいない営業債権および契約資産は、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しております(単純化したアプローチ)。その他の債権、その他の金融資産および金融保証契約については、原則として12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しておりますが、金融資産(金融保証契約を含む。)に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、当該金融資産の回収に係る全期間の予想信用損失を個別に見積って貸倒引当金の金額を測定しております(一般的なアプローチ)。
信用リスクが著しく増大しているか否かは、債務不履行発生リスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、取引相手先の財務状況、過去の貸倒損失計上実績、過去の期日経過情報などを考慮しております。当社グループにおいては、原則として契約上の支払の期日超過が30日超である場合に、信用リスクが著しく増大していると判断しております。また、原則として契約上の支払の期日超過が90日超である場合に、債務不履行が生じていると判断しております。これらの判断には、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないものと判断しております。
いずれの金融資産についても、債務者からの弁済条件の見直しの要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しております。
貸倒引当金の金額は、以下のように算定しております。
・営業債権(受取手形及び売掛金)、その他の債権(契約資産)
単純化したアプローチに基づき、過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額での帳簿価額に乗じて算定しております。
・その他の債権(未収入金等)、その他の金融資産および金融保証契約
信用リスクが著しく増大していると判定されていない資産については、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額での帳簿価額に乗じて算定しております。信用リスクが著しく増大していると判定された資産および信用減損金融資産については、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測等を加味した上で個別に算定した回収可能価額と、総額での帳簿価額との差額をもって算定しております。
貸倒引当金の認識対象となる金融資産の総額での帳簿価額および金融保証契約の残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
単純化したアプローチを適用した金融資産 | 一般的なアプローチを適用した金融資産 | |||
ステージ1 12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定 | ステージ2 全期間の予想信用損失に等しい金額で測定 | ステージ3 全期間の予想信用損失に等しい金額で測定 | ||
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 504,269 | 480,594 | - | 466 |
当連結会計年度 (2020年3月31日) | 503,619 | 552,693 | - | 468 |
単純化したアプローチを適用している金融資産およびステージ1の金融資産の予想信用損失は、リスクの特徴が類似したものごとにグルーピングした上で、過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて集合的に評価しております。ステージ2およびステージ3の金融資産の予想信用損失は、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測等を加味した上で個別に評価しております。
貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
期首残高 | 3,158 | 3,265 | |
期中増加額 | 520 | 717 | |
期中減少額(目的使用) | △104 | △84 | |
その他の増減 | △309 | △153 | |
期末残高 | 3,265 | 3,745 | |
(注)貸倒引当金は主に単純化したアプローチを適用した金融資産に係るものです。
(4) 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクであります。
当社は、各部署からの報告に基づいて財務担当部門が半期ごとに資金繰り計画を作成するとともに、資金繰り表を日々更新しております。また、短期的な資金需要に対応するため、金融機関との間に当座借越契約を締結しているほか、総額101,000百万円のコミットメント・ライン契約を締結することなどにより、流動性リスクを管理しております。なお、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、コミットメント・ライン契約の使用残高はありません。
また、国内および海外のグループ会社に関しては、グループファイナンスの実施によって相互の資金融通を可能とすることで流動性リスクを管理しております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・フロー合計 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | ||||||||
非デリバティブ 金融負債 | |||||||||||||||
営業債務及び その他の債務 | 482,858 | 482,858 | 482,858 | - | - | - | - | - | |||||||
短期借入金 | 134,045 | 134,405 | 134,405 | - | - | - | - | - | |||||||
コマーシャル・ ペーパー | 30,000 | 30,000 | 30,000 | - | - | - | - | - | |||||||
長期借入金 | 440,545 | 450,859 | 65,088 | 52,450 | 59,315 | 79,661 | 31,734 | 162,611 | |||||||
社債 | 234,940 | 248,367 | 32,560 | 46,385 | 31,031 | 758 | 10,748 | 126,885 | |||||||
リース債務 | 6,923 | 7,342 | 2,413 | 2,104 | 1,421 | 778 | 307 | 319 | |||||||
預り金 | 31,313 | 31,313 | 29,932 | 34 | 32 | 46 | 32 | 1,237 | |||||||
その他 | 14,397 | 14,397 | 13,980 | 19 | 153 | 2 | 2 | 241 | |||||||
デリバティブ負債 | 4,366 | 4,050 | 1,536 | 834 | 615 | 532 | 461 | 72 |
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・フロー合計 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | ||||||||
非デリバティブ 金融負債 | |||||||||||||||
営業債務及び その他の債務 | 436,070 | 436,070 | 436,070 | - | - | - | - | - | |||||||
短期借入金 | 370,995 | 372,202 | 372,202 | - | - | - | - | - | |||||||
コマーシャル・ ペーパー | 2,000 | 2,000 | 2,000 | - | - | - | - | - | |||||||
長期借入金 | 444,486 | 451,612 | 51,288 | 60,823 | 81,205 | 33,351 | 54,188 | 170,757 | |||||||
社債 | 487,185 | 504,200 | 46,600 | 31,246 | 973 | 10,963 | 20,894 | 393,524 | |||||||
リース負債 | 72,527 | 81,790 | 15,460 | 10,609 | 7,278 | 5,560 | 4,883 | 38,000 | |||||||
預り金 | 19,889 | 19,889 | 17,075 | 46 | 33 | 32 | 32 | 2,671 | |||||||
その他 | 13,159 | 13,159 | 12,905 | 11 | - | - | - | 243 | |||||||
デリバティブ負債 | 4,022 | 4,053 | 2,056 | 937 | 533 | 454 | 72 | - |
(5) 為替リスク
当社および一部の連結子会社は、外貨建ての営業債権債務等について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対し、為替リスク管理について定めた社内規程に基づき一定範囲内で為替予約取引をヘッジ目的で利用しております。なお、当社グループは、取引の対象物の価格変動に対する当該取引の時価変動率が大きい取引(レバレッジの効いたデリバティブ取引)は利用しておりません。
為替リスクのエクスポージャー
当社グループは主に米ドルの為替リスクに晒されております。
当社グループの米ドルの為替リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により為替リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:千米ドル)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | ||
エクスポージャー純額 | 1,743,538 | 2,407,390 |
為替感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、期末日における為替レートが米ドルに対してそれぞれ1%円高となった場合に、純損益および資本に与える影響は以下のとおりであります。
本分析においては、機能通貨建ての金融商品、および在外営業活動体の資産および負債、収益および費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | ||
△1,336 | △1,830 |
(6) 金利リスク
当社グループは、資金需要に対してその内容や財務状況および金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの経営成績ならびに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社および一部の連結子会社は、借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために、一定範囲内で金利スワップ取引を利用することにより金利上昇リスクをヘッジしております。
金利リスクのエクスポージャー
当社グループの金利リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により金利変動リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | ||
エクスポージャー純額 | 62,741 | 311,615 |
金利感応度分析
当社グループが各連結会計年度末に保有する金融商品において、金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合に、純損益および資本に与える影響は以下のとおりであります。
本分析は金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、その他の変動要因(残高、為替レート等)は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | ||
△431 | △2,203 |
(7) 市場価格の変動リスク
当社グループは、主に取引先企業等との関係の強化・維持を目的として事業運営上の関係を有する企業の株式を保有していることから、株価の変動リスクに晒されております。なお、株式については定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、取引先企業との関係を勘案して保有状況を定期的に見直しております。
当社グループが、期末日現在において保有する資本性金融商品の市場価格が10%変動した場合に、その他の包括利益(税効果控除後)が受ける影響は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ12,049百万円および10,191百万円です。
ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(8) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、公正価値測定に用いたインプットのレベル区分に基づき、以下のいずれかに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産または負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、直接または間接的に観察可能な価格で構成されたインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |||||||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |||||
社債 | 234,940 | 239,138 | 487,185 | 489,509 | ||||
長期借入金 | 440,545 | 444,356 | 444,486 | 448,319 |
上記には、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている以下の金融商品は含めておりません。
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、貸付金、その他の金融資産(その他)、営業債務及びその他の債務、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、預り金、その他の金融負債(その他)
社債の公正価値は、市場価格に基づいて算定しております。
長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
リース債務の前連結会計年度末の帳簿価額は6,923百万円、公正価値は7,070百万円となっております。公正価値については、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。なお、当社グループは当連結会計年度よりIFRS第16号を適用しているため、当連結会計年度末のリース負債に係る公正価値については開示しておりません。
償却原価で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーについては、社債はレベル2、その他のものはレベル3に分類しております。
公正価値で測定する金融資産および金融負債は、以下のとおりであります。
金融商品のレベル間の振替は、振替のあった報告期間の期末日に認識することとしております。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
資産: | |||||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
貸付金 | - | - | 66,935 | 66,935 | |||
長期未収利息 | - | - | 13,386 | 13,386 | |||
ヘッジ手段に指定されたデリバティブ資産 | - | 1,319 | - | 1,319 | |||
ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ資産 | - | 8,572 | - | 8,572 | |||
その他の金融資産 | - | - | 561 | 561 | |||
小計 | - | 9,891 | 80,882 | 90,773 | |||
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
株式及び出資金 | 172,891 | - | 61,221 | 234,112 | |||
小計 | 172,891 | - | 61,221 | 234,112 | |||
合計 | 172,891 | 9,891 | 142,103 | 324,885 | |||
負債: | |||||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | |||||||
ヘッジ手段に指定されたデリバティブ負債 | - | 3,718 | - | 3,718 | |||
ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ負債 | - | 648 | - | 648 | |||
条件付対価 | - | - | 81,352 | 81,352 | |||
その他の金融負債 | - | - | 13,980 | 13,980 | |||
合計 | - | 4,366 | 95,332 | 99,698 | |||
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
資産: | |||||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
貸付金 | - | - | 66,091 | 66,091 | |||
長期未収利息 | - | - | 15,706 | 15,706 | |||
ヘッジ手段に指定されたデリバティブ資産 | - | 3,225 | - | 3,225 | |||
ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ資産 | - | 2,256 | - | 2,256 | |||
その他の金融資産 | - | - | 6,834 | 6,834 | |||
小計 | - | 5,481 | 88,631 | 94,112 | |||
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | |||||||
株式及び出資金 | 146,329 | - | 201,606 | 347,935 | |||
その他の金融資産 | 1,235 | 766 | - | 2,001 | |||
小計 | 147,564 | 766 | 201,606 | 349,936 | |||
合計 | 147,564 | 6,247 | 290,237 | 444,048 | |||
負債: | |||||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | |||||||
ヘッジ手段に指定されたデリバティブ負債 | - | 2,879 | - | 2,879 | |||
ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ負債 | - | 1,143 | - | 1,143 | |||
条件付対価 | - | - | 31,228 | 31,228 | |||
その他の金融負債 | - | - | 12,905 | 12,905 | |||
合計 | - | 4,022 | 44,133 | 48,155 | |||
レベル3に区分された金融商品の当期首から当期末までの変動は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||||||||||
FVTPLの 金融資産 | FVTOCIの 金融資産 | FVTPLの 金融負債 | FVTPLの 金融資産 | FVTOCIの 金融資産 | FVTPLの 金融負債 | ||||||
期首残高 | 76,064 | 51,643 | 101,360 | 80,882 | 61,221 | 95,332 | |||||
レベル3へ(から)の振替(注1) | - | - | - | - | - | - | |||||
利得および損失合計 | 3,260 | 1,079 | △8,366 | 2,903 | 26,617 | △48,071 | |||||
純損益 (注2) | 3,260 | - | △8,366 | 2,903 | - | △48,071 | |||||
その他の包括利益 (注3) | - | 1,079 | - | - | 26,617 | - | |||||
増加(注4) | - | 8,816 | 447 | 7,203 | 114,920 | 582 | |||||
減少 | △1,786 | △36 | △1,702 | - | △738 | △798 | |||||
その他(注5) | 3,344 | △281 | 3,593 | △2,357 | △414 | △2,912 | |||||
期末残高 | 80,882 | 61,221 | 95,332 | 88,631 | 201,606 | 44,133 | |||||
(注) 1 レベル間の振替はありません。
2 純損益に含まれている利得および損失のうち、FVTPLの金融資産に関するものは、連結損益計算書の「金融収益」および「金融費用」に含まれております。また、FVTPLの金融負債に関する利得および損失のうち、条件付対価の公正価値変動は連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に、その他の金融負債に係るものは「金融収益」および「金融費用」に含まれております。
3 その他の包括利益に含まれている利得および損失は、決算日時点のFVTOCIの金融資産に関するものです。これらの利得および損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に含まれております。
4 当連結会計年度におけるFVTOCIの金融資産の増加は、主にロイバント社との戦略的提携に伴う同社株式の取得によるものであります。
5 「その他」には主に外貨建金融商品に係る為替換算差額が含まれております。
6 公正価値ヒエラルキーレベル3に区分された公正価値測定は、適切な権限者に承認された評価方針および手続に従って行われており、金融商品の個々の資産性質、特徴ならびにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しております。また、評価者は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移と公正価値の推移を比較し、合理的に説明可能であるか継続的に検証しております。
レベル3に区分された金融商品の公正価値測定に係る重要な観察不能インプットは、以下のとおりであります。
・FVTPLの金融資産については、割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しており、重要な観察不能インプットは将来キャッシュ・フローの総額(前連結会計年度末98,314百万円、当連結会計年度末93,903百万円)および割引率(前連結会計年度末4.29%、当連結会計年度末2.80%)であります。
・FVTOCIの金融資産は主に非上場株式で構成されており、原則として割引キャッシュ・フロー法等により公正価値を算定しておりますが、公正価値が純資産価値に近似していると考えられる非上場株式等については、主に純資産価値に基づく評価技法により公正価値を算定しております。
・FVTPLの金融負債のうち、条件付対価は割引キャッシュ・フロー法により公正価値を算定しており、重要な観察不能インプットは関連する事業から生じる売上収益および割引率であります。その他の金融負債は、一部の連結子会社で発行済の優先株式の持分を、株式の保有者の要求に基づきいつでもその純資産価値に基づく価額で償還可能であるため金融負債として認識したものであり、純資産価値に基づく評価技法により公正価値を算定しております。
レベル3に区分された金融商品について、重要な仮定の変動が公正価値に与える影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度(2019年3月31日) | 当連結会計年度(2020年3月31日) | |||
FVTPLの金融資産 | 将来キャッシュ・フロー総額 | 5%低下した場合 | △3,998 | △4,078 |
割引率 | 0.5%上昇した場合 | △1,853 | △1,979 | |
0.5%低下した場合 | 1,900 | 2,031 | ||
FVTPLの金融負債 (条件付対価) | 売上収益 | 5%上昇した場合 | 2,553 | 1,088 |
5%低下した場合 | △2,220 | △1,088 | ||
割引率 | 0.5%上昇した場合 | △1,554 | △435 | |
0.5%低下した場合 | 1,665 | 326 |
(9) 金融資産の譲渡
当社グループは営業債権の一部について流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払いを行わない場合に、当社グループに遡求的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っておりません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された譲渡資産および関連する負債に関する帳簿価額は、次のとおりであり、譲渡資産は主に連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権(売掛金)」に、関連する負債は主に「社債及び借入金(短期借入金)」に計上しております。なお、これらの公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | ||
譲渡資産の帳簿価額 | 4,664 | 1,613 | |
関連する負債の帳簿価額 | 4,664 | 1,613 |
(10) デリバティブ
当社グループでは、外貨建ての営業債権債務等に係る為替レートの変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引、社債及び借入金等に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、アルミニウム地金の販売および購入に係る市況変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした商品先物取引(先渡取引)等のデリバティブを利用しております。
これらのデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジとしてヘッジ指定された一部の取引を除き、ヘッジ手段として指定されていないものの、当社グループではデリバティブをリスクのヘッジ目的でのみ利用し、その限度額を実需の範囲としていることから、ヘッジ手段に指定されていないデリバティブについても為替や商品相場の変動による影響を有効に相殺していると判断しております。
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジです。
当社グループは、社債及び借入金等に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、発生可能性の高いアルミニウム地金の予定販売取引に係る市況変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした商品先物取引を利用しております。
ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているかまたは密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段のキャッシュ・フローが同一のリスクによりその価値変動が相殺し合う関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジの有効性を評価しております。また、当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象リスクの価値変動に起因するヘッジ対象の価値変動とヘッジ手段の価値変動の比率を見積って必要なヘッジ手段の数量を決定しており、原則としてヘッジ比率は1対1になっております。
なお、これらのヘッジ取引については、予定取引の中止等により非有効部分が発生する可能性があるものの、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分が発生するリスクは僅少であると想定しております。また、各連結会計年度において純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
金利スワップ取引の主な支払利率、ならびに商品先物取引における平均価格は以下のとおりであります。
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |||
キャッシュ・フロー・ヘッジ | ||||
金利リスク | ||||
金利スワップ取引 | ||||
支払固定・受取変動 | 0.59%―1.34% | 0.59%―1.34% | ||
商品価格リスク | ||||
商品先物取引 | ||||
アルミニウム地金の先物契約 | 2,133.35ドル/MT | 2,027.56ドル/MT |
① ヘッジ手段として指定した項目に関する金額
ヘッジ指定されているヘッジ手段が当社グループの連結財政状態計算書に与える影響は以下のとおりであります。なお、ヘッジ手段に係る資産の帳簿価額(公正価値)は「その他の金融資産」に計上しており、ヘッジ手段に係る負債の帳簿価額(公正価値)は、「その他の金融負債」に計上しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
取引の種類 | 契約額等 | 契約額等の うち1年超 | 帳簿価額 (公正価値) | |||||
資産 | 負債 | |||||||
金利リスク | ||||||||
金利スワップ | 120,963 | 106,292 | 24 | 3,666 | ||||
商品価格リスク | ||||||||
商品先物取引 | 19,810 | 8,654 | 1,281 | 42 |
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
取引の種類 | 契約額等 | 契約額等の うち1年超 | 帳簿価額 (公正価値) | |||||
資産 | 負債 | |||||||
金利リスク | ||||||||
金利スワップ | 105,047 | 85,047 | - | 2,642 | ||||
商品価格リスク | ||||||||
商品先物取引 | 14,798 | 5,663 | 3,180 | 4 |
② 連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段から生じた評価損益の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分 | ||||
金利リスク | 商品価格リスク | |||
2018年4月1日 | △2,581 | 347 | ||
その他の包括利益 | ||||
当期発生額(注1) | △1,001 | 1,783 | ||
組替調整額(注2) | 933 | △1,144 | ||
税効果 | 112 | △150 | ||
2019年3月31日 | △2,537 | 836 |
(注1) ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
(注2) 組替調整額の連結損益計算書上の主な表示科目は、金利リスクについては「金融費用(支払利息)」、商品価格リスクについては「売上原価」であります。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分 | ||||
金利リスク | 商品価格リスク | |||
2019年4月1日 | △2,537 | 836 | ||
その他の包括利益 | ||||
当期発生額(注1) | 104 | 1,987 | ||
組替調整額(注2) | 892 | △49 | ||
税効果 | △297 | △570 | ||
2020年3月31日 | △1,838 | 2,204 |
(注1) ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
(注2) 組替調整額の連結損益計算書上の主な表示科目は、金利リスクについては「金融費用(支払利息)」、商品価格リスクについては「売上原価」であります。