有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/26 14:14
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142項目

有報資料

当社グループでは、「持続的な成長企業を実現するための競争力の源泉となる、将来の社会課題を解消する新規事業を創出する」を研究開発方針に掲げ、各施策に取り組んでいます。
①2027年に向けた上市テーマの横展開・拡販
顧客開発機能の強化と拡販に必要な手段・資源の見極めと調達を実施する。
②研究開発の仕組みづくりと効率向上
研究開発スキームの見直しを行い、開発初期での他部署連携を強化する。DX推進による効率化を進める。
③研究開発テーマ創出の活発化
過去技術の掘り起こしと自社技術に囚われないテーマ創出の実践。
当連結会計期間末における研究開発要員はグループ全体で177名、研究開発費は3,575百万円でした。
セグメントごとの研究開発の概要は以下のとおりです。
(1)高機能材料事業
高機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)ディスプレイ材料及び周辺材料の研究開発
b)ディスプレイ以外の用途に向けた液晶材料の研究開発
c)プリンテッド・エレクトロニクス材料の研究開発
d) シリコーン化合物の研究開発及び生産技術開発
当社グループの液晶材料は、テレビ用ディスプレイやPCモニター、ノートPC及びタブレット端末などのIT用ディスプレイ、並びに車載用ディスプレイ製品といった様々な製品に採用されています。液晶材料市場において中国メーカーとの競争が一段と激化する中、IT用途や車載用途などの高コントラスト、高透過率、高速応答性、高耐久性が求められるハイエンド製品を対象とした研究開発を推進しています。今後の市場展開を見据えて、コスト・性能・プロセスの各側面において、更なる顧客利便性を実現する製品の開発を進めています。
有機EL材料では、韓国SK Materials社との合弁会社であるSK Materials JNC社において、更なる事業成長を見据え、競争力のある新規化合物の研究開発に取り組んでいます。市場をリードする先端材料の開発及び事業化を着実に進めることで、事業価値の一層の向上を目指しています。
液晶ディスプレイ材料の研究開発活動と並行して、光学的異方性に特徴を持つ液晶をディスプレイ以外の用途に展開する研究開発を進めています。具体的には、液晶の光遮断機能を活用したスマート・ウィンドウが車載用途で製品化されているほか、光変調素子、AR/VRデバイス向けの実用化検討を進めています。また、重合性液晶材料は、重合性モノマーと液晶の性質を併せ持つことから、液晶配向の固定化が可能であり、光学素子デバイスへの適用検討が行われています。
プリンテッド・エレクトロニクス材料では、既に採用されているフィルムセンサー及びコンデンサー用途に加え、半導体及び電子部品向け絶縁膜の開発も進めており、顧客評価が進み用途拡大に向けた検討を継続しています。
シリコーン化合物では、反応性シリコーン材料の放熱材用途での採用拡大に加え、PFASフリー品(フッ素代替)への適用など、環境に配慮した材料としての採用も増えています。更に、新たな化合物の顧客評価も進んでおり、安定供給体制の構築も含め、グローバル市場への積極的な展開に向けて開発体制を強化しています。
(2)アグリ・ライフイノベーション事業
アグリ・ライフイノベーション事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
c)ライフケミカル製品の開発
繊維・不織布関連では、高機能複合繊維の開発と、エアスルー不織布、エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布、これらの不織布を用いた複合製品の開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。
エアスルー不織布では、細い繊維や嵩高な繊維を用いた肌ざわりの良い不織布の開発を行っています。また独自の製造方法を確立した保温性や通気性、通液性に優れ、様々な分野への展開が可能な不織布の適用検討にも取り組んでおります。
肥効調節型肥料では、被膜の崩壊性を向上させた製品の拡販を進めています。
ライフケミカル製品では、バイオ医薬品やワクチンなどを精製するための工程で使用される液体クロマトグラフィー用充填剤(商品名:セルファイン)を製造・販売し、世界的に展開しています。本製品については、経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、設備の増強を進めています。また、新たな抗体医薬品に向けた開発を進め、新製品を市場に随時投入しています。更には、近年の遺伝子治療の需要の高まりを受け、ウイルスベクター精製用途へのアプリケーション拡充を進めています。
微生物検査用のシート培地では、市場投入した腸内細菌用グレードの国際認証取得を進め、採用の拡大を図っています。
天然系食品保存料であるポリリジンでは、コロナ禍に伴う公衆衛生、更には天然系素材への市場要望の高まりは継続しており、食品保存料としての用途と共に、非食品用途においても安全性の高い天然系抗菌剤や天然系カチオンポリマーとして、展示会やWebを活用した情報発信を進めています。
(3)ケミカルマテリアル事業
ケミカルマテリアル事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)受託案件を契機とするJNCオリジナルの高機能化学品の提案及び生産技術開発
b)最新の触媒技術を活用した、老朽化設備への対応
c)新規事業創出への取り組み
化学品では、新たな事業の柱として受託合成を軸とした高機能化学品の生産技術や評価技術の開発を行っています。これら受託事業に加え、受託合成で開発した技術を活用して当社独自の化合物を顧客に提案し、高い評価をいただいております。また、顧客要求により高い確度で応えるため、自社での誘導技術、評価技術の開発も進めています。
老朽化した設備の更新に際しては、最新の触媒技術を駆使することで、コスト削減を実現できるプロセスの検討を進めています。
更に、JNCの技術を活用した新しい製品を開発するタスクチームを立ち上げ、顧客要求に幅広く対応できる新製品の探索を進めています。
(4)コーポレートテーマ
アグリ・ライフイノベーション、高機能材料をターゲットとした新規用途、新商品の開発を推進しています。
アグリ・ライフイノベーション分野では保有技術を活用した新市場開拓テーマとして、次世代液体クロマトグラフィー用微粒子(Cellufine MLP)の開発を進めています。国内外での学会・展示会での発表を重ねることで、多数のユーザーによる評価が進んでいます。また、磁性ナノ粒子を利用して環境水中のウイルスを分離するマイクロバイオーム分離・濃縮用磁性ナノ粒子「Pegcisionキット」については、販売を開始しました。
高機能材料分野では、開発中の高周波基板用低誘電材料、アンテナ用液晶材料について、多数ユーザーによる評価が進んでいます。
(5)研究開発支援部門
知的財産部、高機能材料開発研究所・未来技術研究所及び水俣製造所品質保証部の分析・基盤部門と共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)知的財産支援
b)全社への研究開発支援としての分析・基盤研究
知的財産支援では、2025年度に38件の国内新規特許を出願しました。
研究開発支援では、新規開発テーマ及びライフケミカル関連材料について、高度な分析・解析技術により研究開発の推進に貢献しています。

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