四半期報告書-第148期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/09 11:44
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【項目】
32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2017年4月1日~2017年12月31日)の国内景気は、雇用・所得環境の改善、設備投資の拡大を背景に、緩やかな回復が続きました。このような状況のもと、当社グループの事業につきましては、化学品事業は、基礎化学品、ファインケミカルともに前年同期比で増収となりました。機能性材料事業は、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイド全て順調に推移しました。農業化学品事業は、動物用医薬品原薬の出荷が堅調でした。医薬品事業は、「リバロ」(高コレステロール血症治療薬)原薬の国内販売が後発品の増勢により減少しました。
この結果、当期間における業績は、売上高1,326億80百万円(前年同期比106億11百万円増)、営業利益223億92百万円(同36億91百万円増)、経常利益239億47百万円(同46億34百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益177億34百万円(同34億97百万円増)となりました。
セグメント別概況は以下のとおりであります。
化学品事業
基礎化学品では、メラミン(合板用接着剤原料等)は減少、高純度硫酸(半導体用洗浄剤)の販売は増加しました。ファインケミカルでは、「テピック」(封止材用等特殊エポキシ)の出荷が好調な一方、「ハイライト」(殺菌消毒剤)は減収となりました。また、原燃料価格の上昇を受け、事業全体の利益率は低下しました。
この結果、当事業の売上高は259億24百万円(前年同期比3億55百万円増)、営業利益は25億19百万円(同86百万円減)となりました。
機能性材料事業
ディスプレイ材料では、「サンエバー」(液晶表示用材料ポリイミド)のスマートフォンなど中小型向けが好調でした。半導体材料では、半導体用反射防止コーティング材(ARC®*)および多層材料(OptiStack®*)が一部顧客の新規工場稼働開始、稼働率回復により増収となりました。無機コロイド材料は、「スノーテックス」(電子材料用研磨剤、各種表面処理剤等)、オルガノシリカゾル・モノマーゾル(各種コート剤、樹脂添加剤)ともに増加しました。
この結果、当事業の売上高は441億78百万円(前年同期比48億51百万円増)、営業利益は116億76百万円(同17億9百万円増)となりました。
* ARC®およびOptiStack®はBrewer Science, Inc. の登録商標です。
農業化学品事業
フルララネル(動物用医薬品原薬)の出荷が順調に推移し、「ラウンドアップマックスロードAL」剤(一般家庭向け除草剤)および「アルテア」(水稲用除草剤)の販売も堅調でした。加えて、海外向け農薬の出荷が好調でした。
この結果、当事業の売上高は324億94百万円(前年同期比42億54百万円増)、営業利益は74億59百万円(同26億9百万円増)となりました。
医薬品事業
「リバロ」原薬は、海外向けは伸長しましたが、国内向けは後発品の増勢により減少しました。「ファインテック」(医薬品研究開発参加型事業)は好調な売上となりました。
この結果、当事業の売上高は58億34百万円(前年同期比2億88百万円減)、営業利益は10億53百万円(同3億26百万円減)となりました。
卸売事業
当事業の売上高は449億92百万円(前年同期比36億75百万円増)、営業利益は14億32百万円(同1億50百万円増)となりました。
その他の事業
当事業の売上高は142億93百万円(前年同期比1億50百万円減)、営業利益は2億70百万円(同89百万円増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び売掛金が減少したことなどにより、前連結会計年度末比47億45百万円減の2,270億3百万円となりました。
負債も借入金が減少したことなどから、前連結会計年度末比133億41百万円減の547億円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末比85億96百万円増の1,723億3百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比5.2ポイント増加し、75.1%になりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費、運転資金の増減などから法人税等の支払額を控除した結果、343億25百万円の収入(前年同期は305億36百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、工場などの設備投資による支出などにより、120億30百万円の支出(前年同期は78億35百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の返済、配当金の支払、自己株式の取得による支出などにより、316億5百万円の支出(前年同期は301億45百万円の支出)となりました。
現金及び現金同等物の四半期末残高は、換算差額1億17百万円を調整した結果、前連結会計年度末に比較して91億92百万円減少し、265億8百万円(前年同期は280億10百万円)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は123億99百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。