有価証券報告書-第155期(2024/04/01-2025/03/31)
③-2気候変動に関する指標と目標
当社グループは、「気候変動の緩和」をマテリアリティ要素のひとつと位置づけており、GHG(Scope1+2)排出量の90%以上を占める日産化学本体の排出量削減が気候変動関連リスク低減に重要であると考えています。このため、日産化学本体のGHG(Scope1+2)排出量削減の長期目標として「2050年カーボンニュートラル」、中期目標として「2027年度までに2018年度比30%以上削減」を掲げています。これらは、長期経営計画『Atelier2050』、および中期経営計画『Vista2027』の非財務目標として位置づけ、進捗を管理しています。また、本削減目標に対する達成度は、役員の業績報酬のESG連動部分に反映する仕組みとしています。
2018年度以降、メラミン製造停止や小野田工場ボイラー燃料転換、老朽化設備更新による省エネルギー化などにより、GHG排出量を着実に減らしています。2023年度は、2022年に発生した硝酸プラントトラブルの正常化、能登半島地震による富山工場稼働停止などにより、2022年度より排出量が減少しました。
当社はGHG排出量およびエネルギー消費量について、2018年度分から第三者検証を受審しており、今後も引き続きGHG排出量削減の取り組みを進め、環境負荷低減を推進していくとともに、信頼性の高い情報の開示に努めていきます。
●中期目標および長期目標
●気候変動関連データ
なお、2024年度の実績については2025年夏頃に当社webサイトにて掲載予定です。
④-1自然資本に関する戦略
TNFDでは、自然資本関連の評価のための統合的な分析手法としてLEAPアプローチが提言されており、当社では本アプローチを採用しています。LEAPアプローチは、Locate(自然との接点の発見)、Evaluate(自然への依存と影響の評価)、Assess(自然に関するリスクと機会の評価)、Prepare(対応と報告の準備)の4つのプロセスから構成されます。
分析対象範囲および分析対象期間
●分析対象範囲:農業化学品事業における農薬(リスク・機会の一部では他の事業も対象)
●分析対象期間:2030年および2050年
●LEAPアプローチに基づく分析プロセス
Locate:優先地域の特定
当社と自然との接点を発見し、当社として優先すべき地域を特定するため、WWF Biodiversity Risk Filter等を使用して、自社と関連する拠点での分析、評価を行いました。
農薬は、石油、天然ガス、各種鉱物を原材料としており、これらの採取・加工、中間製品の製造を経て、当社にて最終製品の製造を行っています。バリューチェーン上流(石油、天然ガス、各種鉱物の採取・加工)は、日本の貿易状況や世界での埋蔵量から、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オーストラリア、中国、カナダ、ペルー等の海外でほぼ行われていると推定しました。油田・ガス田・鉱山や加工場の場所の特定は困難ですが、場所によっては優先地域に該当すると考えています。
当社での製造においては、小野田工場、埼玉工場、NCアグロ函館、Nissan Bharat Rasayan PVT. LTD.(インド)で農業化学品の製造を行っており、これらの拠点は、事業活動による依存・影響を考慮したうえで、TNFDが示す「影響を受けやすい場所」の要件について重要度が高いことから、優先地域に特定しています。
Evaluate:自然関連への依存・影響の特定・評価
農業化学品のバリューチェーンとして、原材料の採取・加工、中間製品の製造、自社での最終製品の製造、農業における製品の使用の各工程について、ENCORE*1を用いて自然関連への依存・影響の特定・評価を行い、ヒートマップを作成しました。
*1 ENCORE:金融機関のネットワーク「自然資本金融同盟」と国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)が共同で開発したツール。セクター、サブインダストリー、プロセス(GICS:世界産業分類基準)ごとに、自然にどのように依存し、自然に影響を与えるかを調べることができる。
*2 気候調節:土壌や海洋などにおける二酸化炭素の長期貯蔵や、植生による気温・湿度・風速などの調整
Assess:自然関連のリスク・機会の特定・評価
Locateで特定した優先地域、Evaluateで特定・評価した依存・影響を踏まえ、自社への影響が想定される自然関連リスク・機会の特定・評価を行いました。
分析に際しては、TNFDのガイダンスを参照し、下図のとおり、「生態系サービス(環境)の劣化(気候変動の1.5℃シナリオと4℃シナリオ(物理リスク・機会))」と「環境保全に向けた規制強化や市場ニーズの高まり(移行リスク・機会)」の2軸を設定し、①~④のシナリオを自然関連のシナリオとして設定しました。
●参照したシナリオ

④-2自然関連の指標と目標
農業化学品に関しては、グローバルの目標として2022年12月に昆明・モントリオール生物多様性枠組において「農薬及び有害性の高い化学物質による全体的なリスクの半減」が掲げられたほか、みどりの食料システム戦略において「使用量低減(リスク換算)」に向けた技術革新が掲げられています。
農業化学品は環境へのリスクがある一方で、適切に農業化学品を用いることで収穫効率を高めて過剰な農地拡大に伴う森林破壊を防止することに寄与できます。さらに、耕作放棄地を適切に管理し活性化することで、生物多様性保全に貢献していきます。そのため、当社グループでは、農業化学品による自然への環境リスクの低減を図りつつ、高効率な食料生産に貢献していくことが重要と考えており、長期経営計画『Atelier2050』、および中期経営計画『Vista2027』において、農業化学品事業の方向性として「食料の安定供給」と「持続可能な農業」を掲げています。
これらを実現するためには、「環境リスクの低減」「収穫量の向上」「農地・緑地管理」といったテーマに対応していく必要があると認識しています。
●指標、中期および長期目標
●指標
なお、2024年度の実績については2025年夏頃に当社webサイトにて掲載予定です。
当社グループは、「気候変動の緩和」をマテリアリティ要素のひとつと位置づけており、GHG(Scope1+2)排出量の90%以上を占める日産化学本体の排出量削減が気候変動関連リスク低減に重要であると考えています。このため、日産化学本体のGHG(Scope1+2)排出量削減の長期目標として「2050年カーボンニュートラル」、中期目標として「2027年度までに2018年度比30%以上削減」を掲げています。これらは、長期経営計画『Atelier2050』、および中期経営計画『Vista2027』の非財務目標として位置づけ、進捗を管理しています。また、本削減目標に対する達成度は、役員の業績報酬のESG連動部分に反映する仕組みとしています。
2018年度以降、メラミン製造停止や小野田工場ボイラー燃料転換、老朽化設備更新による省エネルギー化などにより、GHG排出量を着実に減らしています。2023年度は、2022年に発生した硝酸プラントトラブルの正常化、能登半島地震による富山工場稼働停止などにより、2022年度より排出量が減少しました。
当社はGHG排出量およびエネルギー消費量について、2018年度分から第三者検証を受審しており、今後も引き続きGHG排出量削減の取り組みを進め、環境負荷低減を推進していくとともに、信頼性の高い情報の開示に努めていきます。
●中期目標および長期目標
| カテゴリ | 指標 | 対象範囲 | 2027年度目標 | 2050年度目標 | |
| GHG排出量 | Scope1+2排出量 | 総量 | 単体 | 2018年度比30%以上削減 | カーボンニュートラル |
●気候変動関連データ
| 範囲 | 単位 | 基準年 2018 | 2021 | 2022 | 2023 | 目標 (目標年) | |
| Scope1 | 単体 | t-CO2e | 245,469 | 231,713 | 223,388 | 174,133 | ― |
| Scope2 | 単体 | t-CO2e | 117,926 | 113,623 | 104,275 | 111,187 | ― |
| Scope1+2 | 単体 | t-CO2e | 363,395 | 345,336 | 327,663 | 285,320 | 254,377 (2027) |
| GHG排出量原単位*1 | 単体 | t-CO2e/ | 2.33 | 2.03 | 1.79 | 1.58 | ― |
| (Scope1+2) | 100万円 | ||||||
| Scope3*2 | 単体 | t-CO2e | 703,562 | 803,461 | 885,046 | 927,262 | ― |
| エネルギー原単位*3 | 単体 | *4 | 82.8 | 81.5 | 63.3 | 62.0 | ― |
| Scope1 | 連結*5 | t-CO2e | 253,785 | 238,958 | 230,424 | 180,409 | ― |
| Scope2 | 連結*5 | t-CO2e | 128,647 | 124,663 | 115,893 | 124,730 | ― |
| Scope1+2*6 | 連結*5 | t-CO2e | 382,432 | 363,621 | 346,316 | 305,138 | ― |
| Scope1+2 の連結に | % | 95.0 | 95.0 | 94.6 | 93.5 | ― | |
| 占める単体の割合 | |||||||
| *1 排出量/売上高 | |||||||
| *2 カテゴリ別データ:https://www.nissanchem.co.jp/csr_info/index/esg_data.html | |||||||
| *3 エネルギー使用量/売上高 | |||||||
| *4 2013年度を100とする | |||||||
| *5 日産化学本体および、製造施設を有する連結子会社(日本肥糧、Nissan Chemical America Corporation、NCK Corporation) | |||||||
| *6 四捨五入の関係で、上段のScope 1, Scope2 の和と一致しないところがあります。 | |||||||
なお、2024年度の実績については2025年夏頃に当社webサイトにて掲載予定です。
④-1自然資本に関する戦略
TNFDでは、自然資本関連の評価のための統合的な分析手法としてLEAPアプローチが提言されており、当社では本アプローチを採用しています。LEAPアプローチは、Locate(自然との接点の発見)、Evaluate(自然への依存と影響の評価)、Assess(自然に関するリスクと機会の評価)、Prepare(対応と報告の準備)の4つのプロセスから構成されます。
分析対象範囲および分析対象期間
●分析対象範囲:農業化学品事業における農薬(リスク・機会の一部では他の事業も対象)
●分析対象期間:2030年および2050年
●LEAPアプローチに基づく分析プロセス
Locate:優先地域の特定
当社と自然との接点を発見し、当社として優先すべき地域を特定するため、WWF Biodiversity Risk Filter等を使用して、自社と関連する拠点での分析、評価を行いました。
農薬は、石油、天然ガス、各種鉱物を原材料としており、これらの採取・加工、中間製品の製造を経て、当社にて最終製品の製造を行っています。バリューチェーン上流(石油、天然ガス、各種鉱物の採取・加工)は、日本の貿易状況や世界での埋蔵量から、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オーストラリア、中国、カナダ、ペルー等の海外でほぼ行われていると推定しました。油田・ガス田・鉱山や加工場の場所の特定は困難ですが、場所によっては優先地域に該当すると考えています。
当社での製造においては、小野田工場、埼玉工場、NCアグロ函館、Nissan Bharat Rasayan PVT. LTD.(インド)で農業化学品の製造を行っており、これらの拠点は、事業活動による依存・影響を考慮したうえで、TNFDが示す「影響を受けやすい場所」の要件について重要度が高いことから、優先地域に特定しています。
Evaluate:自然関連への依存・影響の特定・評価
農業化学品のバリューチェーンとして、原材料の採取・加工、中間製品の製造、自社での最終製品の製造、農業における製品の使用の各工程について、ENCORE*1を用いて自然関連への依存・影響の特定・評価を行い、ヒートマップを作成しました。
*1 ENCORE:金融機関のネットワーク「自然資本金融同盟」と国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)が共同で開発したツール。セクター、サブインダストリー、プロセス(GICS:世界産業分類基準)ごとに、自然にどのように依存し、自然に影響を与えるかを調べることができる。
| 自然関連への依存・影響の特定・評価の結果 | |
| ⦅影響⦆ | - バリューチェーン全体で、水利用、GHG排出、大気・水・土壌汚染等の影響が大きい。 - バリューチェーン上流の水利用、陸上・淡水・海洋生態系の利用(改変、環境変化)の影響が極めて大きい。 |
| ⦅依存⦆ | - バリューチェーン上流(特に原材料採取)の地下水、地表水、水循環、水質、気候調節*2、洪水や暴風雨からの保護への依存が比較的大きい。 - 自社での製造における生態系サービスへの依存は小さい。 |
*2 気候調節:土壌や海洋などにおける二酸化炭素の長期貯蔵や、植生による気温・湿度・風速などの調整
Assess:自然関連のリスク・機会の特定・評価
Locateで特定した優先地域、Evaluateで特定・評価した依存・影響を踏まえ、自社への影響が想定される自然関連リスク・機会の特定・評価を行いました。
分析に際しては、TNFDのガイダンスを参照し、下図のとおり、「生態系サービス(環境)の劣化(気候変動の1.5℃シナリオと4℃シナリオ(物理リスク・機会))」と「環境保全に向けた規制強化や市場ニーズの高まり(移行リスク・機会)」の2軸を設定し、①~④のシナリオを自然関連のシナリオとして設定しました。
●参照したシナリオ
| 1.5℃シナリオ*1 | 4℃シナリオ*2 |
| ・IEA-WEO*3 ETP*4 ネットゼロシナリオ(NZE) ・IPCC SSP*5 1-1.9, 1-2.6 | ・IEA-WEO 公表政策シナリオ(STEPS) ・IPCC SSP 5-8.5 |
| *1 産業革命以前と比較して、気温上昇を1.5℃以下に抑えるために必要な対策が講じられた場合のシナリオ | |
| *2 産業革命以前と比較して、21世紀末に世界の平均気温が4℃上昇するシナリオ | |
| *3 国際エネルギー機関「World Energy Outlook」(2022) | |
| *4 国際エネルギー機関「Energy Technology Perspectives」(2023) | |
| *5 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「Shared Socio-economic Pathway」 |

④-2自然関連の指標と目標
農業化学品に関しては、グローバルの目標として2022年12月に昆明・モントリオール生物多様性枠組において「農薬及び有害性の高い化学物質による全体的なリスクの半減」が掲げられたほか、みどりの食料システム戦略において「使用量低減(リスク換算)」に向けた技術革新が掲げられています。
農業化学品は環境へのリスクがある一方で、適切に農業化学品を用いることで収穫効率を高めて過剰な農地拡大に伴う森林破壊を防止することに寄与できます。さらに、耕作放棄地を適切に管理し活性化することで、生物多様性保全に貢献していきます。そのため、当社グループでは、農業化学品による自然への環境リスクの低減を図りつつ、高効率な食料生産に貢献していくことが重要と考えており、長期経営計画『Atelier2050』、および中期経営計画『Vista2027』において、農業化学品事業の方向性として「食料の安定供給」と「持続可能な農業」を掲げています。
これらを実現するためには、「環境リスクの低減」「収穫量の向上」「農地・緑地管理」といったテーマに対応していく必要があると認識しています。
●指標、中期および長期目標
| カテゴリ | 指標 | 対象範囲 | 2027年度目標 | 2050年目標 |
| GHG排出量 | Scope1+2(総量) | 単体 | 2018年度比30%以上削減 | カーボンニュートラル |
| 廃棄物 | 最終処分量 | 単体 | 2021年度比50%削減 | ― |
●指標
| 依存・影響の指標 | 範囲 | 単位 | 2022年度 | 2023年度 | |
| GHG排出量(Scope1+2) | 単体 | t-CO2e | 327,663 | 285,320 | |
| 空間フットプリントの合計 | 組織が管理/運営している総表面積 | *2 | m2 | 1,171,692 | 1,171,692 |
| 攪乱された総面積 | *2 | m2 | 1,171,692 | 1,171,692 | |
| 修復/復元された総面積 | *2 | m2 | 137,264 | 137,264 | |
| 利用変化の程度 | 陸域/淡水域/海洋の生態系利用の変化の範囲 | *2 | m2 | 0 | 0 |
| 保全または復元された陸域/淡水域/海洋生態系の範囲*1 | *2 | m2 | 472 | 800 | |
| 土壌汚染物質(PRTR対象物質) | 単体 | トン | 0 | 0 | |
| 水質汚染 | 排水量*3 | 単体 | 千m3 | 14,082 | 13,834 |
| COD | 単体 | トン | 259 | 139 | |
| 全リン | 単体 | トン | 13 | 7 | |
| 全窒素 | 単体 | トン | 2,413 | 1,686 | |
| PRTR対象物質 | 単体 | トン | 0.4 | 0.4 | |
| 排水の温度 | 単体 | ℃ | 貯水槽にて数日間留置し、 外気温と同程度にして排水 | ||
| 廃棄物 | 産業廃棄物総排出量 | 単体 | トン | 39,624 | 30,098 |
| 特別管理産業廃棄物総排出量 | 単体 | トン | 6,717 | 5,971 | |
| 焼却処分 | 単体 | トン | 13,743 | 11,650 | |
| 埋立処分 | 単体 | トン | 5,743 | 4,852 | |
| その他の処分方法*4 | 単体 | トン | 18,794 | 12,795 | |
| 処分方法不明 | 単体 | トン | 0 | 0 | |
| リサイクル量 | 単体 | トン | 8,062 | 6,772 | |
| 大気汚染 | 揮発性有機化合物 (VOC) | 単体 | トン | 0.5 | 0.3 |
| Nox | 単体 | トン | 96 | 63 | |
| SOx | 単体 | トン | 19 | 23 | |
| ばいじん | 単体 | トン | 7 | 8 | |
| PRTR対象物質 | 単体 | トン | 0.5 | 2.7 | |
| コンプライアンス違反*5 | 単体 | 件 | 0 | 0 | |
| 製造過程における有害廃棄物のリサイクル | 単体 | % | 0 | 0 | |
| 使用済み有害廃棄物のリサイクル | 単体 | % | 0 | 0 | |
| *1 前年度からの変化率を記載 | |||||
| *2 日産化学本体および、農薬の製造に関する連結子会社(NCアグロ函館、Nissan Bharat Rasayan PVT. LTD.) | |||||
| *3 放流水量(表流水または地下水のうち、もとと同等かそれを上回る品質で取水源に戻される水) | |||||
| *4 産業廃棄物は中和、破砕、脱水、機械乾燥等、特別管理産業廃棄物は中和、油水分離、脱水等 | |||||
| *5 重大な環境法令違反件数 | |||||
| リスク・機会の指標 | 範囲 | 単位 | 2022年度 | 2023年度 |
| 環境法令違反に関連する罰金やペナルティ | 連結 | 円 | 0 | 0 |
なお、2024年度の実績については2025年夏頃に当社webサイトにて掲載予定です。