有価証券報告書-第152期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
業績等の概要
(1) 業績
当期は、中国経済の減速が鮮明化したことで、原油をはじめとする資源価格が大きく下落しました。また、米国FRBが約9年ぶりに金利引き上げを実施したことにより、新興国・資源国からの投資資金流出が加速され、BRICSを中心にした新興国の成長にかげりが見えるなど、世界経済の状況は大きく変化しました。
一方、わが国経済は、原油安、円安の影響で成長が期待されたものの、個人消費、設備投資、輸出が弱含み、景気は不透明な状況が続きました。
このような中、当社グループにおきましては、新経営体制のもと平成27年7月に公表した「中期経営計画2017」の重点課題である「事業収益力の強化」「トクヤママレーシアの黒字化」「財務基盤の再建」に取り組み、一定の成果を挙げたものの、連結子会社であるTokuyama Malaysia Sdn. Bhd.に関して、1,238億75百万円の減損損失を計上したことから親会社株主に帰属する当期純損失が拡大しました。
セグメント別の状況
<化成品セグメント>苛性ソーダは、国内の販売数量が堅調に推移した一方で、販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
塩化ビニルモノマーは、国産ナフサ価格の下落により原料コストが減少し、損益が改善しました。
塩化ビニル樹脂は、輸出環境は好調だったものの、千葉工場停止の影響で販売数量が減少し、減収となりました。
ソーダ灰及び塩化カルシウムは、トクヤマ・セントラルソーダ株式会社が平成26年10月から営業を開始したことにより増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は878億1百万円(前期比4.5%減)、営業利益は89億円(前期比76.0%増)で減収増益となりました。
<特殊品セグメント>半導体向け多結晶シリコンは、スマートフォン向けなど一部半導体製品で需要減速の影響があったものの、販売数量は総じて底堅く推移し、前期並みの売上高となりました。
太陽電池向けの多結晶シリコンは、平成26年10月から営業を開始したTokuyama Malaysia Sdn. Bhd.において、販売数量が増加し増収となった一方で、市況の著しい下落に加え、稼働率が低迷したこと等により、損益が悪化しました。
乾式シリカは、半導体用研磨材向けを中心に販売が堅調に推移し、増収となりました。
電子工業用高純度薬品は、半導体製品用途で販売が堅調に推移したものの、販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
窒化アルミニウムは、産業機器用パワーデバイスやLEDの放熱材用途で販売数量が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は609億2百万円(前期比9.8%増)、営業損失は11億57百万円で、増収ながら赤字に転じました。
<セメントセグメント>セメントは、国内において、公共工事の減少や天候不順による工事の遅れ等から官公需・民需とも低調に推移し、販売数量が減少したため、減収となりました。
資源環境事業は、建設発生土などの廃棄物受入数量が増加し、増収となりました。
連結子会社は、一部地域において大型案件向けに生コンクリート等の販売数量が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は854億69百万円(前期比5.2%増)、営業利益は58億32百万円(前期比31.1%増)で増収増益となりました。
<ライフアメニティーセグメント>医薬品原薬は、ジェネリック医薬品向けの販売数量が堅調に推移し、前期並みの売上高となりました。
プラスチックレンズ関連材料は、メガネレンズ用フォトクロミック材料の販売数量が増加し、増収となりました。
微多孔質フィルムは、紙おむつなどのサニタリー用品向けの販売が堅調に推移し、増収となりました。
ポリオレフィンフィルムは、コンビニエンスストア向け商品の包装材用途を中心に販売数量が堅調に推移したものの、国産ナフサ価格の下落により販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
歯科器材は、新製品や海外向けの販売数量が増加し、増収となりました。
医療診断システムは、血液検査向けの国内大型案件が増加し、増収となりました。
ガスセンサは、ガス警報器用途で海外向けの販売数量が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は576億77百万円(前期比1.3%減)、営業利益は65億98百万円(前期比27.9%増)で減収増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は1,211億66百万円となり、期首残高に比べ50億44百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは300億98百万円の収入(前期比6億73百万円の減少)となりました。
主な内容は、減価償却費200億84百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは134億円の収入(前期比389億19百万円の増加)となりました。
主な内容は、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.の多結晶シリコン製造設備建設等に伴う有形固定資産の取得による支出143億34百万円、有形固定資産の売却による収入178億41百万円及び投資有価証券の売却による収入109億32百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは376億89百万円の支出(前期比781億92百万円の減少)となりました。
主な内容は、長期借入金返済による支出311億75百万円及び社債の償還による支出56億円です。
当期は、中国経済の減速が鮮明化したことで、原油をはじめとする資源価格が大きく下落しました。また、米国FRBが約9年ぶりに金利引き上げを実施したことにより、新興国・資源国からの投資資金流出が加速され、BRICSを中心にした新興国の成長にかげりが見えるなど、世界経済の状況は大きく変化しました。
一方、わが国経済は、原油安、円安の影響で成長が期待されたものの、個人消費、設備投資、輸出が弱含み、景気は不透明な状況が続きました。
このような中、当社グループにおきましては、新経営体制のもと平成27年7月に公表した「中期経営計画2017」の重点課題である「事業収益力の強化」「トクヤママレーシアの黒字化」「財務基盤の再建」に取り組み、一定の成果を挙げたものの、連結子会社であるTokuyama Malaysia Sdn. Bhd.に関して、1,238億75百万円の減損損失を計上したことから親会社株主に帰属する当期純損失が拡大しました。
(単位:百万円) |
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純損失(△) | |
平成28年3月期 | 307,115 | 23,071 | 17,725 | △100,563 |
平成27年3月期 | 302,085 | 19,530 | 12,920 | △65,349 |
増減率 | 1.7% | 18.1% | 37.2% | -% |
セグメント別の状況
<化成品セグメント>苛性ソーダは、国内の販売数量が堅調に推移した一方で、販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
塩化ビニルモノマーは、国産ナフサ価格の下落により原料コストが減少し、損益が改善しました。
塩化ビニル樹脂は、輸出環境は好調だったものの、千葉工場停止の影響で販売数量が減少し、減収となりました。
ソーダ灰及び塩化カルシウムは、トクヤマ・セントラルソーダ株式会社が平成26年10月から営業を開始したことにより増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は878億1百万円(前期比4.5%減)、営業利益は89億円(前期比76.0%増)で減収増益となりました。
<特殊品セグメント>半導体向け多結晶シリコンは、スマートフォン向けなど一部半導体製品で需要減速の影響があったものの、販売数量は総じて底堅く推移し、前期並みの売上高となりました。
太陽電池向けの多結晶シリコンは、平成26年10月から営業を開始したTokuyama Malaysia Sdn. Bhd.において、販売数量が増加し増収となった一方で、市況の著しい下落に加え、稼働率が低迷したこと等により、損益が悪化しました。
乾式シリカは、半導体用研磨材向けを中心に販売が堅調に推移し、増収となりました。
電子工業用高純度薬品は、半導体製品用途で販売が堅調に推移したものの、販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
窒化アルミニウムは、産業機器用パワーデバイスやLEDの放熱材用途で販売数量が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は609億2百万円(前期比9.8%増)、営業損失は11億57百万円で、増収ながら赤字に転じました。
<セメントセグメント>セメントは、国内において、公共工事の減少や天候不順による工事の遅れ等から官公需・民需とも低調に推移し、販売数量が減少したため、減収となりました。
資源環境事業は、建設発生土などの廃棄物受入数量が増加し、増収となりました。
連結子会社は、一部地域において大型案件向けに生コンクリート等の販売数量が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は854億69百万円(前期比5.2%増)、営業利益は58億32百万円(前期比31.1%増)で増収増益となりました。
<ライフアメニティーセグメント>医薬品原薬は、ジェネリック医薬品向けの販売数量が堅調に推移し、前期並みの売上高となりました。
プラスチックレンズ関連材料は、メガネレンズ用フォトクロミック材料の販売数量が増加し、増収となりました。
微多孔質フィルムは、紙おむつなどのサニタリー用品向けの販売が堅調に推移し、増収となりました。
ポリオレフィンフィルムは、コンビニエンスストア向け商品の包装材用途を中心に販売数量が堅調に推移したものの、国産ナフサ価格の下落により販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
歯科器材は、新製品や海外向けの販売数量が増加し、増収となりました。
医療診断システムは、血液検査向けの国内大型案件が増加し、増収となりました。
ガスセンサは、ガス警報器用途で海外向けの販売数量が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は576億77百万円(前期比1.3%減)、営業利益は65億98百万円(前期比27.9%増)で減収増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は1,211億66百万円となり、期首残高に比べ50億44百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは300億98百万円の収入(前期比6億73百万円の減少)となりました。
主な内容は、減価償却費200億84百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは134億円の収入(前期比389億19百万円の増加)となりました。
主な内容は、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.の多結晶シリコン製造設備建設等に伴う有形固定資産の取得による支出143億34百万円、有形固定資産の売却による収入178億41百万円及び投資有価証券の売却による収入109億32百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは376億89百万円の支出(前期比781億92百万円の減少)となりました。
主な内容は、長期借入金返済による支出311億75百万円及び社債の償還による支出56億円です。