四半期報告書-第111期第3四半期(2023/07/01-2023/09/30)

【提出】
2023/11/14 11:57
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年9月30日まで)の世界経済は、米国の景気は堅調に推移しましたが、欧州の景気は足踏み状態となり、中国では政策金利を引き下げたものの景気回復への動きは弱いなど、世界主要各地域で異なる経済状況となりました。
わが国経済は、半導体や基礎化学品の需要が伸び悩む一方、自動車の生産・販売に復調の兆しが見え始め、インバウンドやリベンジ消費などによる、飲食業や旅行業の回復も期待されるようになりました。
このような状況下、当社グループは引き続き車載用電池や半導体向け高機能製品の開発および拡販活動を継続いたしました。その結果、売上高は1,161億4千9百万円(前年同期比2.2%減収)、営業利益は80億8千8百万円(前年同期比32.9%減益)、経常利益は96億7千2百万円(前年同期比29.8%減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は81億7千5百万円(前年同期比20.6%減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
2023年1月1日付で組織変更を実施し経営管理区分を変更したことに伴い、第1四半期連結会計期間から、従来「基幹化学品事業」セグメントに含めていたサステナビリティ関連事業を「その他」セグメントに移管しております。なお、前年同期比につきましては、変更後の区分方法により作成した前第3四半期連結累計期間の数値と比較しております。
①基幹化学品事業
電解製品は、全般的に販売数量減となりましたが、昨年からの価格改定もあり増収となりました。アクリルモノマー製品は、国内および海外市況低迷の影響により減収となりました。工業用ガスは、販売数量は前年並みとなりましたが、原燃料価格高騰に対応した価格改定により増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は531億7百万円(前年同期比2.3%減収)となりました。
営業利益は、アクリルモノマーの市況低迷の影響が大きく、41億1千万円(前年同期比31.7%減益)となりました。
②ポリマー・オリゴマー事業
アクリルポリマーは、顧客での在庫調整による販売数量減で減収となりました。アクリルオリゴマーは、電子機器関連での需要低迷による販売数量減で減収となりました。高分子凝集剤は、海外需要低迷の影響により減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は249億8千7百万円(前年同期比7.2%減収)となりました。
営業利益は、販売数量減の影響により、22億7千8百万円(前年同期比32.4%減益)となりました。
③接着材料事業
国内の家庭用は、コンビニエンスストア向け製品が堅調な出荷となり増収となりました。海外の家庭用は、北米および中南米での販売数量減により減収となりました。機能性接着剤は、スマートフォン関係向け製品が販売数量減となりましたが、車載用電池向け製品の販売数量増により増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は88億6千3百万円(前年同期比7.5%増収)となりました。
営業損益は、スマートフォン関係向け製品の販売数量減の影響により、0百万円の損失となりました。
④高機能材料事業
高純度無機化学品は、半導体市況低迷の影響を受け減収となりました。無機機能材料は、抗菌剤の販売数量減により減収となりました。メディカルケア製品は、試験用サンプルの販売があり増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は75億9千1百万円(前年同期比2.2%増収)となりました。
営業利益は、半導体向け製品の販売数量減と研究開発費の増加により、12億1千6百万円(前年同期比27.5%減益)となりました。
⑤樹脂加工製品事業
管工機材製品は、公共事業や住宅着工戸数低迷による販売数量減で減収となりました。ライフサポート製品は、原材料価格高騰に対応した価格改定により増収となりました。エラストマーコンパウンドは、原材料価格高騰に対応した価格改定により増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は201億7千7百万円(前年同期比1.6%減収)となりました。
営業利益は、管工機材製品の販売数量減により、10億1千万円(前年同期比27.8%減益)となりました。
⑥その他の事業
新規製品の研究開発事業、輸送事業、商社事業などにより構成される当セグメントは、商社部門で増収となり、売上高は14億2千1百万円(前年同期比10.4%増収)となりました。
営業損益は5億4千7百万円の損失となりました。
財政状態につきましては、資産合計は、保有株式の時価の上昇により「投資有価証券」が増加したものの、「現金及び預金」などの流動資産が減少したため、前連結会計年度末に比べ8億9千8百万円、0.3%減少し、2,642億3千6百万円となりました。
負債合計は、繰延税金負債の増加により固定負債の「その他」が増加したものの、「支払手形及び買掛金」などの流動負債が減少したため、前連結会計年度末に比べ6億7千7百万円、1.2%減少し、536億5千万円となりました。
純資産合計は、「その他有価証券評価差額金」が増加したものの、連結子会社であるMTアクアポリマー株式会社の出資比率引上げにより「非支配株主持分」が減少したため、前連結会計年度末に比べ2億2千1百万円、0.1%減少し、2,105億8千5百万円となり、自己資本比率は79.3%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの中期的な経営戦略および対処すべき課題について重要な変更はありません。
また、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
なお、PBR改善に関する目標および施策について、当社取締役会において以下のとおり決議し、2023年8月4日に発表しております。
1.目標
以下の施策の実行により、2027年にROE8%を達成し、PBR1倍超えを目指す。
2.施策
(1)収益力の強化
2025年中期経営計画における成長戦略の推進により収益力を強化する。
①重点事業(モビリティ、半導体関連高機能製品)の推進
②メディカルケア、セルロースナノファイバーの早期事業化
(2)資本効率の向上
資本効率の観点から、以下の施策により自己資本をコントロールする。
①株主還元の強化
2025年中期経営計画期間の株主還元は、期間総還元性向100%を目途に株主還元を実施
②政策保有株式の縮減推進
2025年末に政策保有株式を連結純資産比10%未満に縮減
(3)持続可能な社会への貢献
以下を中心に、ESGの観点から企業価値向上を図る。
①多様な人財の活躍推進
②GHG排出削減
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は37億5百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。