四半期報告書-第118期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

【提出】
2016/08/09 9:09
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【項目】
30項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米国では緩やかに景気回復を続けているものの、中国、アジア新興国や資源国では依然として景気減速に歯止めがかからず、不透明な状況で推移しました。一方、わが国では、雇用や所得環境は引き続き堅調に推移しているものの、円高の進行により企業収益の改善に足踏み感が見られるなど、不安定な状況で推移しました。
当社グループにおいては、機能製品分野では、原材料価格の低下などによる収益の改善がある一方、東南アジア地域での市況低迷の長期化などによる影響を受けたほか、電子・光学製品分野や建設・建材関連分野では、需要縮小や年初からの円高進行の影響などもあり、各分野ともに減販となりました。
このような状況のもと、当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は11,917百万円と前年同四半期比1,507百万円(11.2%減)の減収、営業利益は525百万円と前年同四半期比42百万円(8.7%増)の増益となったものの、英国のEU離脱に伴う円高の影響もあり、経常利益は321百万円と前年同四半期比385百万円(54.5%減)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は169百万円と前年同四半期比364百万円(68.2%減)の減益となりました。
なお、当第1四半期連結会計期間より、NIPPON CARBIDE INDUSTRIA DO BRASIL LTDA.を連結の範囲に含めております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(機能製品)
当該事業の主な取扱製品は、ファインケミカル製品、メラミン樹脂、接着製品、マーキングフィルム、ステッカー、包装用フィルムなどであります。
このうち、ファインケミカル製品は農薬関連向けが伸長し、前年同四半期比増収となりました。メラミン樹脂製品は国内向けが低調に推移し、前年同四半期比減収となりました。接着製品は化粧品分野向けは堅調でしたが、光学関連分野向けが低調に推移し、前年同四半期比減収となりました。マーキングフィルムは海外向けが低調となり、前年同四半期比減収となりました。ステッカーは東南アジア地域での販売が振るわず、前年同四半期比減収となりました。包装用フィルムは国内向けが低迷し、前年同四半期比減収となりました。
以上により、当セグメントの売上高は5,782百万円と前年同四半期比311百万円(5.1%減)の減収となったものの、原材料価格の低下や経費等の削減などにより、セグメント利益は755百万円と前年同四半期比143百万円(23.4%増)の増益となりました。
(電子・光学製品)
当該事業の主な取扱製品は、再帰反射シート、セラミック基板、厚膜印刷製品、プリント配線板などであります。
このうち、再帰反射シートは欧州向けが低調に推移したことに加え、円高進行の影響などもあり、前年同四半期比減収となりました。セラミック基板はスマートフォン向けやデジタル家電向けが低迷し、前年同四半期比減収となりました。プリント配線板はアミューズ関連をはじめ総じて振るわず、前年同四半期比減収となりました。
以上により、当セグメントの売上高は2,574百万円と前年同四半期比633百万円(19.7%減)の減収、セグメント損失は144百万円(前年同四半期は153百万円の損失)となりました。
(建材関連)
当該事業の主な取扱製品は、住宅用アルミ建材などであります。
住宅用アルミ建材は主力の手摺、笠木等の販売が低調となり、前年同四半期比減収となりました。
以上により、当セグメントの売上高は2,584百万円と前年同四半期比166百万円(6.0%減)の減収となったものの、アルミ地金等の原材料価格の低下などにより、セグメント利益は150百万円と前年同四半期比84百万円(127.3%増)の増益となりました。
(エンジニアリング)
当該事業の主な事業内容は、産業プラントの設計・施工などであります。
産業プラントの設計・施工は国内向け大型工事案件の完工が減少しました。
以上により、当セグメントの売上高は1,111百万円と前年同四半期比1,219百万円(52.3%減)の減収となり、セグメント損失は33百万円(前年同四半期は69百万円の利益)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前期末比65百万円減少し、60,822百万円となりました。
このうち、流動資産は、現金及び預金や棚卸資産の増加などにより、前期末比930百万円増加し、31,124百万円となりました。固定資産は、連結の範囲の変更や時価の下落に伴う投資有価証券の減少などにより、前期末比996百万円減少し、29,697百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末における負債は、主に借入金の増加により、前期末比1,126百万円増加し、39,979百万円となりました。
このうち、短期借入金が前期末比1,149百万円、長期借入金が前期末比166百万円と各々増加したことにより、流動負債は前期末比1,101百万円増加し、25,388百万円となり、固定負債は前期末比24百万円増加し、14,591百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上はあったものの、連結の範囲の変更に伴う剰余金の減少や為替換算調整勘定の変動などにより、前期末比1,191百万円減少し、20,842百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の34.5%から1.9ポイント悪化し、32.6%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は496百万円であります。