有価証券報告書-第84期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:30
【資料】
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調がみられたものの、中国や新興国経済の成長鈍化、英国のEU離脱問題などによる世界経済の減速懸念、米国新政権の政策動向などにより先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは市場が求める安全・安心な製品やサービスを供給することを基本とし、安定的な収益確保に向けた販売体制の強化や生産体制の効率化に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は757億67百万円(前連結会計年度比0.5%減少)、営業利益は45億15百万円(前連結会計年度比1.6%減少)、経常利益は51億5百万円(前連結会計年度比0.9%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億26百万円(前連結会計年度比7.7%増加)となりました。
当社グループのセグメント別の状況は次のとおりであります。
ガス事業
ガス事業を取り巻く環境は、建設、土木、造船、鉄鋼、電機、化学、自動車等仕向け先全般にわたり回復力が弱く、下期にかけて一部の業種において緩やかな持ち直しの動きがみられましたが、依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような事業環境のなか、当事業では地域に密着したシリンダーガスビジネスの収益力強化を推し進めるとともに、安全確保と環境保全のため、既存製造設備の更新及び整備等の投資を行なってまいりました。
『溶解アセチレン』は、主要需要先である建設、土木等の工事向けが減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。『その他工業ガス等』は、アルゴン、窒素、炭酸ガス、特殊ガスが新規需要先等の獲得により増加しましたが、LPガス等の石油系ガスが新規需要先の獲得による販売数量の増加にもかかわらず、輸入価格の大幅な下落に伴ない販売価格が低下し、売上高は前連結会計年度を下回りました。『溶接溶断関連機器』は、溶接ロボットや工作機械等の需要が回復し、また、ガスエンジニアリング工事の積極的な受注獲得に伴ない、売上高は前連結会計年度を上回りました。『容器』は、消火設備装置向けの需要が増加し、また、半導体・電子向け特殊容器の需要の増加により、売上高は前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は574億99百万円(前連結会計年度比0.2%減少)、営業収入は2億59百万円(前連結会計年度比6.4%増加)、営業利益は43億73百万円(前連結会計年度比1.5%減少)となりました。
化成品事業
化成品事業を取り巻く環境は、住宅着工件数は増加したものの、改修需要は回復せず、依然として厳しい状況が続きました。
このような事業環境のなか、当事業では新しい技術の開発に注力し、環境にやさしい製品やユーザーニーズに合った付加価値の高い製品の開発を行ない、国内はもとより中国、東南アジア地域の新規需要先への展開に努めてまいりました。
『接着剤』は、ぺガールが新規需要先の獲得により紙用、塗料用、土木・建築用に需要を伸ばし、シアノンが海外向けに為替の影響を受けて減少したものの、ペガロックが国内向けに新規需要先を獲得し、また、海外向けに高機能品が弱電分野の市場開拓により増加し、売上高は前連結会計年度を上回りました。
『塗料』は、エアゾール製品が製造ラインの増強により防水スプレーなどが増加したものの、建築用塗料が改修需要の低迷と天候不順により工事が減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。
以上の結果、当事業の売上高は175億92百万円(前連結会計年度比0.3%増加)、営業収入は0百万円(前連結会計年度比99.4%減少)、営業利益は12億47百万円(前連結会計年度比15.5%増加)となりました。
その他事業
『その他事業』は、新商材「ディスプレイタグ」の拡販を進めたものの、LSIカード関連が、鉄道事業者向けに伸び悩み、バス事業者向けも大きく減少し、また、海外向け光学機器の需要が大幅に減少し、売上高は6億75百万円(前連結会計年度比34.0%減少)、営業利益は55百万円(前連結会計年度比77.4%減少)となりました。
(各事業別の売上高、営業収入および営業利益)
(単位:百万円)
事 業 区 分売 上 高営 業 収 入営 業 利 益
金 額前年同期比(%)金 額前年同期比(%)金 額前年同期比(%)
ガス事業57,49999.8259106.44,37398.5
化成品事業17,592100.300.61,247115.5
その他事業67566.05522.6
合計75,76799.5260101.75,67798.4

(注) 各事業別営業利益合計56億77百万円と連結損益計算書「営業利益」45億15百万円の差額11億62百万円は、各事業に帰属しない一般管理費であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払額が17億20百万円、有形固定資産の取得による支出が25億69百万円、短期借入金の返済による支出が9億80百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が51億3百万円(前連結会計年度比2.2%増加)、減価償却費が18億59百万円あったため、5億33百万円の増加(前連結会計年度比37.2%減少)となり、現金及び現金同等物の期末残高は、161億81百万円(前連結会計年度比3.4%増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は52億6百万円(前連結会計年度比12.3%増加)と前連結会計年度と比べて5億73百万円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比べて1億11百万円増加し、未払消費税等が4億22百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は26億81百万円(前連結会計年度比6.7%減少)と前連結会計年度と比べて1億94百万円減少しました。これは主に有形固定資産の取得による支出が前連結会計年度と比べ2億22百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は19億82百万円(前連結会計年度比120.9%増加)と前連結会計年度と比べて10億85百万円増加しました。これは主に前連結会計年度と比べ、短期借入金の返済による支出が前連結会計年度と比べて9億50百万円増加したことによるものであります。