有価証券報告書-第78期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 13:30
【資料】
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【項目】
157項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、それぞれの事業において、「即断、即決、即実行」の速く、強く、しなやかな経営を実践し、既成概念にとらわれない強靭な経営体制を築きます。
これを実現するために、適正な利益を確保し、変化を恐れず、常に前向きに挑戦し続ける経営で、ステークホルダーとともに「新しい時代に繁栄する企業」として、社会に貢献していきます。
(2) 中期経営計画
当社グループでは、2020年3月期を初年度とする3か年の第2次中期経営計画を策定しています。第2次中期経営計画では、成長市場への投資、独自技術を活かした新製品の開発等により事業拡大を図り、これを支える経営基盤の強化に取り組みます。
また、将来にわたる持続的成長に向けて、当社の強みである技術力を軸に、研究開発と人材への投資を通じ、中核事業の競争力のさらなる強化、次世代事業の育成に取り組み、事業ポートフォリオの安定化、拡充化を図ってまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、収益重視の観点から、売上高・営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としています。
(4) 経営環境および対処すべき課題
世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大により、企業を取り巻く事業環境は不可逆的に変化し続け、今後の影響についても予測困難な状況が未だ継続しています。
このような環境下、当社グループの高純度薬品事業に関し、半導体市場につきましては、コロナ禍における世界経済低迷の影響を受けた半面、5Gの普及やライフスタイルの変化が半導体需要を押しあげ、堅調に推移していると考えられます。当社におきましては、韓国向け輸出管理の運用の見直しによる影響が継続したものの、国内など他地域向けは需要増加傾向が見られました。2021年も、スマートフォンやデータセンター向けの需要拡大を背景に、特に半導体メモリ市場の成長が見込まれると予想されています。新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う景気の落ち込みによる影響や、米中貿易摩擦の動向など、依然として懸念要素はありながらも、半導体市場は長期的には安定した拡大が期待される分野です。また、鉄道や電気自動車、燃料電池自動車等向けには、現在の半導体材料の主流であるシリコンよりも大きな電気が扱え、電力損失が少ない新しい半導体材料を用いたパワー半導体を製造する技術開発も継続して進められています。
電池材料市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が一時停滞する結果となりました。2021年以降は、成長軌道に戻り各部材の需要拡大が期待されていますが、その一方、価格競争の激化に伴い素材メーカーに対するコストダウン要求が強まり続けており、事業環境として厳しさも増しています。また、エネルギーデバイスの分野においても、資源リスクの観点などから、次世代デバイスの開発が活発化しています。この他のエネルギー関連では、これまでの継続した営業活動の結果、海外を中心として原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)の需要が高まっており、引き続き一定の需要が見込まれる分野となっています。
以上の経営環境も踏まえ、当社グループは、次の課題、施策に取り組み、さらなるグループ企業価値向上を目指してまいります。
① 中核事業の競争力・収益力の強化
当社の主力製品である半導体用高純度薬液は、その高い品質と安定供給体制を強みとして競争力を築いてまいりました。この競争力を維持するため、市場の成長が見込まれる中、それを牽引する大手メモリメーカーをはじめ既存顧客に対して引き続き安定した製品の供給に努めるとともに、先端分野での技術交流を継続し、顧客要望に応える製品開発を通じ当社のポジションを維持することを重要視しています。また、本分野の収益力の強化、安定化を図るため、生産性の向上や原料調達先の開拓にも継続して取り組んでまいります。
この他、歯磨き粉用途のフッ化スズや原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)などは、独自性、付加価値性が高い製品群と位置付けられます。これらの製品について、原価低減や営業活動の強化に取り組み、さらに収益性を高めることを目指します。また、価格競争面での厳しさが増している電池材料に関して、継続して原価低減への取り組みを重要課題とし、競争力の向上に努めてまいります。
さらに、当社グループの高純度薬品事業を物流や原料調達の面から支える運輸事業では、事業環境の変化に合わせた構造改革に継続して取り組み、国際複合一貫物流の付加価値向上や利益重視取引の推進により、着実に成長していくことに注力する方針です。
② 次世代事業の育成
高純度薬品事業における研究開発部門では、次世代を担う製品開発を課題として、5Gの普及をはじめとする通信・ネットワーク技術の進展に合わせた材料開発や、多様な高機能フッ化物の開発などに取り組み、最先端分野での独自性の高い製品開発を目指します。また中長期的には、パワー半導体やポストリチウムイオン二次電池の開発が進む中、当社においても、有力視される材料開発を継続して推し進める計画です。新たに建設する研究開発棟では、最適かつ最新鋭の研究開発環境を整え、これらの事業ポートフォリオ拡充に向けた取り組みを加速させてまいります。
メディカル事業では、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用ホウ素薬剤について、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として製造販売承認を取得するに至りました。本事業を推し進めるにあたっては、適応疾患の拡大、海外展開の推進、新規パイプラインの充実、財務体質の強化、優秀な人材の獲得および育成、安定供給の維持を課題として取り組み、着実な事業推進に努めてまいります。
③ 経営基盤の強化
急激な変化を続ける事業環境に即応し、企業の持続的発展を成し遂げるべく、管理部門では第2次中期経営計画において、組織運営の仕組み・制度の充実、人材への投資、システム開発の推進と情報セキュリティ向上、キャッシュ・フロー創出力の強化や資本効率の向上、SDGsに向けた取り組みなどを課題として掲げています。引き続き、各課題を着実に実行し、さらなる経営基盤の強化を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、当連結会計年度末現在においては当社グループ業績への影響は限定的であり、報告書提出日現在において、事業計画等の大きな方向性の見直しには至っておりません。ただし、今後の感染拡大状況等による事業環境の変化により、影響が拡大する可能性は考えられるため、引き続き経済、市場動向を注視し、慎重な検討を継続してまいります。また、当社グループでは、従業員の安全確保のための措置を講じ、事業活動継続に注力しながら、今後発生する可能性のある影響に対しても適切な対応を取るべく努めてまいります。

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