4188 三菱ケミカルグループ

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有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 14:48
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有報資料

当社グループは、各社において独自の研究開発活動を行っているほか、グループ会社間での技術や市場に関する緊密な情報交換や共同研究、研究開発業務の受委託等を通じて、相互に協力し、連携の強化を図るとともに、グループ外の会社等との間でも共同での研究開発を積極的に行うなど、新技術の開発や既存技術の改良に鋭意取り組んでおります。
当社グループの研究開発人員は2,303名、当連結会計年度における研究開発費の総額は587億円となっており、各事業部門別の研究内容、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) スペシャリティマテリアルズセグメント
アドバンストフィルムズ&ポリマーズ、アドバンストソリューションズ、アドバンストコンポジット&シェイプスに関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
・モビリティ向けの超小型かつ軽量であるLEO衛星通信端末について、シャープ㈱、国立研究開発法人情報通信研究機構及び㈱テックラボと共同開発することに、2025年7月に合意しました。ドローンや自動車などへの搭載に向け、早期の実用化をめざします。
・KDDI㈱が国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構と契約締結した「月探査のための遠距離捕捉追尾サブシステム地上検証モデル試作評価」の研究開発の一環として、㈱KDDI総合研究所、㈱アークエッジ・スペース、㈱テックラボ、㈱トプコンと共に、月探査に向けた光通信技術の地上検証を2026年3月より開始しました。
・抗血栓性熱可塑性エラストマー「Zelas™ AMP」の医療機器への適応について、九州大学先導物質化学研究所及び大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科との共同研究を2025年10月に開始しました。医療現場の要望を踏まえた開発により、心臓カテーテルや人工心肺回路、透析・輸血部品など、血液と直接接触する医療機器のリスク低減と製造コストの削減をめざします。
・オリゴ糖や食物繊維などのプレバイオティクスと、プロバイオティクスである有胞子性乳酸菌Heyndrickxia coagulans SANK70258を組み合わせることで、腸内環境と便通の改善に寄与する「酪酸」が顕著に増加することを天藤製薬㈱との共同研究で確認し、その成果を日本食物繊維学会第30回学術集会で2025年10月に発表しました。今回得られた知見は、「プレバイオティクスの特性×プロバイオティクスの働き」を組み合わせることで、目的とする腸内環境(例:酪酸優位便通改善型など)を戦略的に設計できる可能性を示唆しています。
・食品包装材等に使用される樹脂「ソアノール™」の溶液を紙基材に塗工することにより、PFASを用いた包装材を上回るガスバリア性と耐油性を付与する技術を開発しました。各国のPFAS規制強化が進むなか、PFASを用いない耐油紙の需要増加が見込まれていることから、今後は顧客での評価等を推進し、2026年度中の採用をめざします。
本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は260億円であります。
(2) MMA&デリバティブズセグメント
MMA、コーティング&アディティブスに関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
・本田技研工業㈱と共同開発したPMMAリサイクル材が、新型軽乗用EVである「N-ONE e:(エヌワンイー)」用の「ドアバイザー」に採用され、2025年9月に発売されました。PMMAリサイクル材がドアバイザーに採用されるのは自動車用品業界において初となります。
本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は66億円であります。
(3) ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメント
マテリアルズ&ポリマーズ、炭素に関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
・経済産業省の「令和7年度資源自律経済確立産官学連携加速化事業費(広域自治体における資源循環システムの構築に向けた実証事業)」に対し、日本ポリエチレン㈱、日本ポリプロ㈱、㈱カナオカホールディングス、大日本印刷㈱、東洋製罐グループホールディングス㈱、三井物産㈱、三井物産流通グループ㈱、リファインバース㈱と共同で参画し、再生プラスチックをはじめとする再生材の供給量拡大に向けた大都市圏における資源循環システムの構築に関する実証事業を2025年11月より開始しました。
・2025年4月から10月に開催された大阪・関西万博において、植物由来のバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO™(デュラビオ™)」が、日本政府館に設置された3Dプリンタ製「藻類スツール」のベース素材として採用されました。
本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は81億円であります。
(4)産業ガスセグメント
産業ガスに関する研究開発を行っており、当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
・欧州事業会社のNippon Gases Euro-Holding S.L.U.(2026年4月1日付でNippon Sanso Euro-Holding S.L.U.に商号を変更しております。)と共同し、欧州の鉄鋼会社ArcelorMittal,S.A.のOlaberria工場(スペイン)で、水素-酸素燃焼バーナ「Innova-Jet® Hydrogen」を設置した鉄鋼加熱炉の実証試験に2025年11月、世界で初めて成功しました。
・2025年5月、半導体製造工程における環境負荷低減に貢献するため、ナノエレクトロニクスとデジタル技術における世界有数の研究・イノベーション拠点であるimec(Interuniversity Microelectronics Centre)が進める半導体業界全体の環境負荷低減に関する研究プログラムに参画し共同開発を進めます。
・エレクトロニクス産業向けの先端プロセスに対する材料とハンドリング技術の実現に向けて、革新的な製品と技術を創出する「エレクトロニクス先端材料開発棟」を大陽日酸㈱(2026年4月1日付で日本酸素㈱に商号を変更しております。)のつくば事業所に建設いたします。完成予定は2027年3月です。
・アディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業においては、技術の開発と造形物の品質安定化に寄与するソリューションの拡充に注力しています。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」に2025年5月に採択されており、焼結型積層造形とデジタルプロセス設計を組み合わせた金属3Dプリンタシステムの研究開発に2024年度から2028年度までの5年間にわたり取り組んでいます。本プロジェクトでは、得意とするプロセス雰囲気ガス制御技術や金属AMに関する知見を活かし、造形条件の最適化技術および製造条件探索システムの開発を通じて、金属AM技術の産業分野への事業展開をめざします。
本セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は57億円であります。
(5) その他
エンジニアリング等に関する研究開発を行っており、その他部門における当連結会計年度の研究開発費は4億円であります。
上記のほか、研究開発費には、特定の事業部門に区分できない基礎研究に要した研究開発費が118億円あります。

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