有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
1.当社グループのリスク管理について
(1)リスクに対する考え方
当社では、外部環境の複雑さと不安定さが増しているなか、リスクを企業経営における目標達成に影響をもたらす不確かな事象と捉え、先を見越したリスクの管理・低減と適切なリスクテイクによる機会の最大化を推進しています。経営に重大な影響を及ぼすリスクの特定、評価、対応を経営視点で統括するERM(Enterprise Risk Management)を整備、運用することで事業戦略を実現し、企業価値の維持、向上に努めていきます。
(2)リスク管理体制
当社は、執行役社長をERM統括責任者とし、執行役社長と執行役等から構成されるERM会議を設置しています。同会議では、ERMの基本方針といった重要事項の審議や、重大リスクの決定、その管理状況のモニタリングを行います。また、その運用状況は、取締役会に報告し、その監督を受けています。

(3)リスク管理プロセス
①リスク特定、リスク評価
各リスクの所管部門が、戦略、機能、プロセス別に区分したリスクカテゴリに基づきリスクを特定します。各所管部門は、特定したリスクのシナリオを作成し、具体的な事態・事象を想定した上で、その影響度と発生可能性の2軸からリスクを評価します。
②重大リスクの決定
各部門から挙げられた優先度の高いリスクに、外部環境分析から得られたリスクトレンドを加味した上で重大リスク候補を選定します。選定した候補は、影響度と発生可能性のリスクマップによる優先度の評価、シナリオによる確からしさの確認を経て、ERM会議にて審議され、当社グループ重大リスクに決定します。
③リスク対応策の策定、実行
重大リスクの所管部門は、担当役員の指揮のもと、アクションプランを策定し、実行します。また、リスクカテゴリに基づくリスクの所管部門や事業部門は、それぞれが管理するリスクに対する対応策を策定し、講じます。
④モニタリング
各部門は、それぞれ対応策の実施状況をモニタリングし、必要に応じ対応策の改善や追加を行います。また、ERM会議では、重大リスクの対応状況と、グループのリスク管理の運用状況について、各部門から定期的に報告を受け、適切な対応が講じられるようモニタリングを行います。
(4)重大リスクへの対応
当社は、2025年度、地政学、経済安全保障、大規模自然災害、サイバーセキュリティ(情報セキュリティ)などのリスクを重大リスクとして決定し、当社の経営成績及び財政状態への影響の回避、低減に取り組んでいます。当該リスクの詳細は「2.事業活動における個別リスク」に記載のとおりです。
(5)戦略リスクへの対応
中長期の戦略、事業目標や計画、投資など経営判断に起因して顕在化しうる戦略リスクは、機会の側面と脅威の側面の両方を有します。当社は、戦略立案から投資の意思決定に至るまでの成長機会と脅威双方の把握と可視化を行い、将来の期待利益だけでなく、脅威に関する評価を視点に加えた適切なリスクテイクを伴う経営を推進しています。
(6)クライシス(危機)への対応
当社グループでは、グループの役職員等の生命及び安全、並びに事業継続、社会的信用、企業価値等に多大な影響を与えるリスクが顕在化またはそのおそれがある事態が生じた場合に、損害の拡大抑止と迅速な復旧を行うための危機管理体制の整備を進めています。対象とする危機事象には、「2.事業活動における個別リスク」に記載のリスクも含まれます。各部門は、危機事象の発生に備え、平時から事前対策の実行、BCPの整備、訓練の実施などの活動を行うとともに、危機事象の発生時には、有事の危機管理体制のもと、人命・安全確保を最優先として、当社グループの財産・資産並びに社会に与える影響の最小化、社会的信用の保護を基本方針として、事態の収束に向けて最善を尽くします。
2.事業活動における個別リスク
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、以下の事項は有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において判断した記載となっています。
(1)セグメントごとのリスク
当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。セグメントごとに想定されるリスクとその対応策は以下のとおりです。なお、現時点における想定・予測を超えて事業環境が変化した場合、また当社の講じるリスク対応策が有効に機能しない場合には、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
①スペシャリティマテリアルズセグメント
| セグメント | スペシャリティマテリアルズセグメント |
| 想定されるリスク及び影響 | スペシャリティマテリアルズセグメントの製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合または市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。 情報電子関連製品の中には、海外のメーカーから原材料を購入しているもの、海外の顧客に販売している製品も多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、需要動向が予測以上に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 |
| リスク対策 | このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。 ・製品の品質・性能面での継続的な高度化 ・原材料の複数購買化及び代替原料の検討 ・販売動向予測に基づく生産計画の調整及び在庫管理の徹底 ・製造コストダウンによる競争力の確保 ・新規顧客の獲得及び新規用途の開発 これらの対策により、急激な価格変動や需給バランスの変化、特定地域・サプライヤーの供給体制の変動に備えています。 |
②ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメント
| セグメント | ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメント |
| 想定される リスク及び 影響 | ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメントでは、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しております。そのため、原油価格、原燃料またはナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合または製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。 また、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメントの製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。 |
| リスク対策 | このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。 ・原燃料価格動向の早期の情報収集 ・販売動向予測に基づく生産計画の調整及び在庫管理の徹底 ・原燃料の複数購買化の実施 ・製造コストダウンによる競争力の確保 ・特許対応による知的財産の保護 生産及び販売体制の最適化に向けた構造改革等対策により、急激な価格変動や需給バランスの変化、特定の取引先の需要変動に備えています。 |
③その他
| セグメント | その他 |
| 想定されるリスク及び影響 | エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあります。これらの顧客とは、日常的にコミュニケーションをとり、顧客要望の的確な把握、提案型営業の強化に努めていますが、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。 |
| リスク対策 | エンジニアリングや物流等のサービス業については、各事業の特性を踏まえ、業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。 ・DX(デジタルトランスフォーメーション)ツールの導入による各種管理活動の自動化、効率化の推進 ・市場動向の早期情報収集 ・物流業界や建設業界における、適切な労働環境の整備や従事者の処遇改善 これらの対策により、市場環境の変化、特定の取引先の需要変動に備えています。 |
(2)グループ全体に影響のあるリスク
①サプライチェーン・地政学に関連するリスク
| リスク項目 | サプライチェーン(地政学リスク・経済安全保障リスクを含む) |
| 想定されるリスク及び影響 | ・当社グループの事業に関連する国・地域における大規模な自然災害、パンデミック、重大事故・トラブル、政治的・軍事的緊張の高まり(地政学リスク)、貿易摩擦や経済制裁の影響、その他、法規制面、税務面、労働環境や当該国・地域固有のリスクに起因する予測困難な事態の発生などにより、サプライチェーンが分断され、業績に影響を与える可能性があります。 ・当社グループ製品が、法令違反、サプライチェーンにおける環境影響及び人権侵害に係る問題、経済安全保障に係る問題を生じさせた場合、または、経済安全保障に関して他国・地域から経済的な外圧影響等を被るなどした場合に、原材料の調達や製品の販売に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。 ・当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制や税務面、その他労働環境や慣習等に起因する予測困難な事態の発生などのカントリーリスクにより、当社グループ製品の生産・販売活動に支障を来し、業績に影響を与える可能性があります。 |
| リスク対策 | ・調達先の分散や代替原材料の検討、また、安全操業による製品の生産や製品の品質の維持・向上に努め、安定的な調達・生産・供給体制を構築していくとともに、売上債権についても保険等の活用により、保全に努めています。 ・経済安全保障にかかるリスク対応推進体制を構築し、国際情勢や法令の制定・改正、規制動向などの情報収集・分析・提供をするなど、経済安全保障関連法令リスクについて適切な対応を行っています。 ・当社グループ会社での情報収集や外部機関等を通じて事業を展開している国・地域のカントリーリスクの調査・情報収集・評価を行い、リスク対応のアクションプランの高度化を推進しています。 ・有事に備えた安全管理体制の整備・運用、事業継続計画(BCP)の強化などを行っています。 |
②情報セキュリティに関連するリスク
| リスク項目 | 情報セキュリティ |
| 想定されるリスク及び影響 | ・ハードウェアやソフトウェアの脆弱性、利用者の情報セキュリティリテラシー不足などを要因として、サイバー攻撃により当社のシステムや利用するクラウドサービスが侵害された場合、生産、販売、出荷、決済、開発などの企業活動が停止する可能性があります。また、その影響は取引先にも及ぶおそれがあります。その結果、復旧対応や補償対応に多大な時間及び費用を要するだけでなく、社会的信用の低下やブランド価値の毀損につながる可能性があります。 ・当社が保有する技術情報が漏洩し、競合他社や国外へ流出した場合、不正な利用や転用が行われ、当社の競争力が低下するおそれがあります。また、秘密保持契約(NDA)違反として責任を問われる可能性もあります。 ・個人情報が漏洩し、それが犯罪などに悪用された場合、当該個人から損害賠償請求を受ける可能性があります。加えて、個人情報保護委員会をはじめとする各国の監督当局から指導・制裁を受ける可能性や、個人情報保護法などの関連法令に基づく刑事罰の対象となる可能性があります。 ・自然災害や事故などによる大規模なシステム障害が発生した場合、当社が保有する技術情報や個人情報が漏洩または消失する可能性があります。 |
| リスク対策 | ・情報管理委員会を設置し、情報セキュリティに関するポリシーや規則の制定、各種セキュリティ施策をグローバルで推進しています。 ・セキュリティインシデント対応チーム(CSIRT)及びセキュリティオペレーションセンター(SOC)を設置し、社内ネットワークやインターネット通信の常時監視を行っています。アンチウイルスソフト(NGAV)やふるまい検知(EDR)などのセキュリティ機能を活用した端末挙動の監視により、不正侵入の兆候を早期に検知し、迅速な対応に努めています。また、インシデント対応訓練を継続的に実施し、対応力の強化を図っています。 ・高度化・ビジネス化するサイバー攻撃に対しては、防御及び検知体制の継続的な改善を行うとともに、ゼロトラストの考え方(全てを確認する)に基づいたセキュリティ対策を推進しています。なお、OT領域(Operational Technology)におけるプラント制御システムのセキュリティ対策についても強化を推進していく方針です。 ・IT資産(ハードウェア、ソフトウェア等)の脆弱性を定期的に点検し、必要に応じてパッチ適用や各種対策を実施することで、セキュリティレベルの維持・向上を図っています。またインターネットなど外部に公開されている情報資産についても、リスクの把握と対策に取り組んでいます。 ・サイバー攻撃への迅速かつ未然の対応を可能とするため、最新のサイバー脅威情報を継続的に収集・分析し、その内容を踏まえてセキュリティ対策の更新・強化に努めています。 ・情報資産の管理レベルに応じて保管区分や持ち出し・閲覧手続きを厳格化するとともに、PCの管理者権限の制限やデータの読み取り・書き出しの制御などを通じて、情報の不正な持ち出しを防止するための管理体制を強化しています。 ・情報セキュリティに関する知識と意識の向上を目的として、全従業員を対象に、E-learning(情報セキュリティ、情報管理等)や標的型攻撃メール訓練を継続的に実施しています。 ・自然災害や事故などによる情報システム障害に備え、システムや情報資産の重要度に応じた冗長化を実施しています。これにより、一部のシステムが停止した場合でも情報の消失を防ぎ、業務継続が可能な環境の整備を進めています。 |
③DXに関連するリスク
| リスク項目 | デジタルトランスフォーメーション(DX) |
| 想定されるリスク及び影響 | ・レガシーシステムが残存することにより、旧式のシステムや業務プロセスの更新が十分に進まず、業務の円滑な運営や業務改革が効率的に進まない可能性があります。 ・進化するデジタル技術を効果的に活用できない場合、競合他社に対して競争力で後れを取る可能性があります。その結果、新たな市場機会を逸するだけでなく、既存製品についても市場ニーズに十分に対応できず、売上収益の減少につながるなど、将来における当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・優秀なデジタル人材の確保及び育成が継続的に行われない場合、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が遅れる可能性があります。 ・計画的かつ適切なDX投資が行われない場合、将来的に過大な投資が必要となるなど財務面での負担が生じる可能性があります。また、必要な改革プロジェクトの進行が遅れ、将来のビジネス機会を逸する可能性があります。 |
| リスク対策 | ・当社グループは、持続的な企業価値向上に向け、業績改善に資する業務プロセスの改革及び効率化を実現するDXを推進しています。 ・従業員一人ひとりがデジタル技術やデジタルビジネスモデルを活用した働き方を実現する「スマート人材」となることを目指し、人材育成のための教育体系の整備を進めています。 ・事業部門におけるDX推進(市民開発)を支援するため、教育・サポート体制の整備に加え、DXツールや生成AIの利用に関するガイドラインの整備を進めています。 ・ビジネスプロセスの標準化・自動化の加速に取り組んでいます。 ・データ戦略に基づき、全社データ基盤の整備とデータ利活用の推進に取り組んでいます。 ・基幹システムの統合をはじめ、DXツールやソリューションの標準化を通じて、グローバルでのIT・業務の全体最適化を推進しています。 ・デジタルインフラの整備及び更新に向け、計画的かつ継続的な投資を行っています。 |
④法規制対応/コンプライアンスに関連するリスク
| リスク項目 | 法規制対応/コンプライアンス |
| 想定されるリスク及び影響 | ・法令・社内規則違反等のコンプライアンス違反が発生した場合、違反の内容によっては、業務停止・許認可の取消・課徴金の支払等の行政処分、取引停止・取引先への損害の賠償、刑事罰等が課せられる可能性があります。これらの場合、当社グループに多額の損失が発生するだけでなく、当社グループのブランドイメージ・社会的信用力が著しく低下することも予想され、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 ・上記の違反に対しては、是正及び再発防止措置をとる必要があり、その程度によっては業務負荷が大幅にかかることになり、従業員の疲弊、モチベーションの低下、離職率の増加につながるおそれがあります。 ・当社グループが事業活動を進めるなかで影響し得る国内外の各種法規制の変更や強化、新たな法制度の整備等により、事業活動の機会も影響を受け、法規制への対応のために投資や労務負荷などの追加コストが発生する可能性があります。 |
| リスク対策 | ・チーフコンプライアンスオフィサーを頂点とする「コンプライアンス体制」を整備するとともに、グループワイドに適用される「コンプライアンス・プログラム」を制定しています。活動の方向性として、「不正のトライアングル」を意識しています。 ・上記「コンプライアンス・プログラム」に沿って、経営トップによるコンプライアンスメッセージの発信や必要な規則類の整備、各種の啓発・教育活動や内部通報制度の整備・運用に加えて、従業員のコンプライアンス意識に係る定期的なモニタリングを実施しています。 ・各法分野、各地域に担当の部門を設置し、現地法律事務所などを活用しながら各国の法規制動向をモニタリングしています。 ・コンプライアンス違反が発生した場合には、その迅速な是正対応や適切な社内処分を行う体制を整備しています。 |
⑤人権に関連するリスク
| リスク項目 | 人権 |
| 想定されるリスク及び影響 | ・近年欧米を中心とした児童労働や強制労働などを禁止する人権に関する法規制の強化がなされるなか、当社グループだけでなく、当社グループと取引のあるサプライチェーン先において、人権侵害に関与する事案が発生することにより、社会的信頼やブランド力の低下、取引停止などにつながり、業績に影響を与える可能性があります。 ・職場で差別やハラスメント行為が発生した場合には、従業員の健康の悪化やモチベーションの低下、離職率の増加などにつながるだけでなく、当該行為が悪質だった場合、または、その対応が遅れたり、対応を誤った場合には、当事者による訴訟の提起やマスメディアによる批判など社会的な信用度の低下を招くおそれがあります。 |
| リスク対策 | ・世界人権宣言、国連グローバル・コンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則、及びISO26000などの国際規範に準拠した具体的な指針として「人権の尊重並びに雇用・労働に関するグローバルポリシー」を定めて、従業員への啓発や教育への取組みを行い、また、人権侵害の是正・救済体制の整備も実施しております。 ・各国で適用される法令や人権に関する最善の慣行の遵守、従業員満足度の向上に努めています。 ・適切なサプライチェーンを運営しながらグローバルな事業活動を持続的に展開していけるよう、社内や取引先等への人権デューデリジェンスを進めております。 |
⑥大規模自然災害に関連するリスク
| リスク項目 | 大規模自然災害 |
| 想定される リスク及び 影響 | ・地震、津波、台風、洪水、山火事等の大規模な自然災害が発生することにより、従業員とその家族への人的な被害の発生、事業所等における建屋や設備の損壊、道路、公共交通機関や社会インフラ(電気・ガス・水道)の寸断が生じ、当社グループにおける開発・製造・販売等の事業活動が一時的に停止する可能性があります。 ・当社グループに対する自然災害の直接の影響が軽微であったとしても、サプライチェーンや物流関係が被害を受けることで、原材料の調達不足、輸送手段の確保困難により製造や出荷等の遅延、停止が想定され、市場への製品供給に支障が出るおそれがあります。 ・自然災害の被害が広範囲に及び、その復旧・復興が長期にわたる場合には、製造設備等の復旧費用の増大、事業計画の大幅な見直し、消費マインドの冷え込みによる需要減少など、当社グループの業績に多大な影響を与える可能性があります。 |
| リスク対策 | ・大規模自然災害が発生した場合に備え、BCM(Business Continuity Management)ガイドラインや災害対策本部マニュアル等を策定するとともに、いち早く従業員とその家族の安否確認を行う仕組みを導入しています。 ・各事業所において事業継続計画(BCP)を策定するとともに、有事発生時の情報収集体制を整備し、平時から事業所間及び本社との情報共有にも力を入れています。 ・平時より緊急時に備えた訓練を各事業所において実施するとともに、想定される最大規模の被害を基準として、これに耐え得る設備の防災性能強化を継続的に図り、対策の改善に努めています。 ・万一大規模自然災害が発生した場合には多大な損害が生じることが想定されるため、損害を軽減させるために損害保険へ加入するなどの対策を講じております。 |
⑦事故・事業活動に起因する災害に関連するリスク
| リスク項目 | 事故・事業活動に起因する災害 |
| 想定される リスク及び 影響 | ・製造プラントにおいて火災爆発などの事故が発生した場合、設備復旧の費用だけでなく、製造、販売などの事業活動の停止による影響も想定され、当社グループの事業目標や業績に多大な影響を与える可能性があります。また、死傷者などの人的被害や地域社会へ影響を与えた場合、補償や復旧のための費用だけでなく、社会的信頼性の低下を招く可能性があります。 ・製造プラントにおいては様々な化学物質を取り扱っており、これらの化学物質が製造所外に漏洩した場合、人的被害や環境汚染などの地域社会に影響を生じさせるだけでなく、これを解決、解消するための費用やレピュテーションによる社会的信頼性の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。 |
| リスク対策 | ・製造プラントの運転管理、設備管理、プロセス安全評価、変更管理等の安全活動を継続的かつ確実に実施することで、事故・災害等の未然防止、被害・影響の拡大防止、再発防止に努めています。 ・DX技術(ビッグデータやAI等)を使用した類似災害情報データベース等、災害防止のためのシステム構築・利活用等にも取り組んでいます。 ・万一事故が発生した場合には多大な損害が生じることが想定されるため、損害保険への加入や事業継続計画(BCP)に基づく情報収集体制を整え、中核となる事業の継続や事業の早期復旧への取組みを進めています。 |
⑧品質・安全性に関連するリスク
| リスク項目 | 製品の品質・安全性 |
| 想定されるリスク及び影響 | ・当社グループで製造・販売している各種製品において品質・安全性上の問題が発生した場合には、製品の出荷停止や回収のための追加費用が発生する可能性があります。さらに、品質や安全性上の問題に起因して人的被害が発生した場合には、その補償を含め多大な損害が発生することになります。また、取引先や社会からの信頼も失墜し、当社ブランドの価値が著しく低下する可能性があります。 ・当社グループで製造・販売している各種製品の品質・安全性上の問題が製造物責任(PL)問題に発展した場合は、業績に多大な影響を与える可能性があります。 |
| リスク対策 | ・国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、また、各国・地域の法規制にも対応したそれぞれの事業特性に最適な品質保証体制を構築しています。 ・万一重大な品質問題が発生した場合に備え、社内外の関係者と連携し、適切な対応を協議した上で、速やかに対応するとともに、再発防止に向けた対応を協議・実施する体制を整えています。 ・新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。 ・当社グループで製造・販売した製品等に起因する製造物責任賠償への対策として、PL保険に加入し、万一の事態に備えております。 |
⑨知的財産権に関連するリスク
| リスク項目 | 知的財産 |
| 想定されるリスク及び影響 | ・当社グループが製造・販売する各種製品が他社の知的財産権等を侵害していた場合、第三者から差止請求や損害賠償請求等の訴訟を提起され、その解決に伴う訴訟費用がかかるだけでなく、当社の主張が認められないときには、対象製品の販売停止や商標の使用禁止、賠償金や当該製品の販売継続のためのロイヤルティー等の支払いが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ・第三者によって当社グループの知的財産権が侵害されることによって、当社製品の売上の減少、当社グループのブランドイメージの低下等の影響が考えられます。 |
| リスク対策 | ・当社グループは、新商品の開発や既存製品の改良などに即して、第三者の知的財産権の監視、対策を継続的に実施しています。 ・商標の使用可否判断を網羅的、継続的に実施しています。 ・当社グループは、知的財産を適切に保護し、権利化を継続的に実施しています。 ・第三者による当社グループの知的財産権の侵害を発見した場合には、適切かつ厳正な措置対応を実施しています。 |
⑩為替変動・金利変動に関連するリスク
| リスク項目 | 為替レートの変動/有利子負債・金利変動 |
| 想定されるリスク及び影響 | ・当社グループは、海外において広く生産・販売活動を展開しており、輸出入を中心とした外貨建て取引に係る為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、連結財務諸表においては、各地域における外貨建の売上、費用、資産、負債等は日本円に換算して表示しているため、換算に使用する為替相場の変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ・金融マーケットで金利が上昇した場合や当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合には、借入や社債発行等の財務活動において条件が悪化し、支払利息が増加するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| リスク対策 | ・当社グループでは、為替予約等を使ったヘッジにより、為替相場の変動が業績や財政状態に与える影響を低減するように努めております。 ・当社グループは、国内外における事業の資金需要や社債償還、長期資金の期限到来に伴う返済に対し、フリー・キャッシュ・フローの状況を見ながら、資金調達手段及びソースの多様化を図り、安定的な資金調達を行っています。また、長期資金調達を固定利率にて行うこと等により、金利変動リスクの抑制に努めるとともに、継続的に財務体質の強化に取り組み、資金調達力の維持、向上を図っています。 |
上記以外にも、サステナビリティに関連するリスク、人的資本に関連するリスクを認識しており、当該リスクについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。
なお、本報告書に記載したリスクが発現して当社の事業に悪影響を及ぼした場合には、繰延税金資産の取り崩しや、非金融資産の減損損失が発生する可能性があります。また、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、対応策もこれらのリスクを完全に排除するものではありません。