有価証券報告書-第112期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 15:04
【資料】
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【項目】
144項目
3.重要性のある会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社グループにより支配されている企業をいいます。
支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに晒されている又は変動リターンに対する権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
当社グループは、子会社に対する支配を獲得した日から喪失する日までの間連結しております。子会社が適用する会計方針が当社の会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を行っております。当社グループ内の債権債務残高及び取引高、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しております。非支配持分の修正額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を、資本剰余金に直接認識しており、当該取引からのれんは認識しておりません。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理しており、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は資本に直接認識しております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失は純損益として認識しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営の方針に対して重要な影響力を有するが、支配はしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループの保有割合は当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。なお、当社グループが保有する議決権が20%未満であっても、役員の派遣や重要な取引により、重要な影響力を有していると判断される場合には、関連会社に含めることとしております。
共同支配企業とは、契約上の取決めにより当社グループを含む複数の当事者が共同して支配しており、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。
当社グループは、取得時に関連会社及び共同支配企業に対する持分を取得原価で認識し、重要な影響力又は共同支配を喪失する日までの間、持分法を適用して会計処理しております。当社グループの関連会社及び共同支配企業に対する投資には、取得時に認識したのれん相当額が含まれております。
関連会社及び共同支配企業が適用する会計方針が当社の会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社及び共同支配企業の財務諸表に調整を行っております。
他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能である関連会社及び共同支配企業については、連結決算日までに生じた重要な取引について必要な調整を行っております。
関連会社及び共同支配企業に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区別して認識されないため、個別に減損テストを行っておりません。その代わり、関連会社及び共同支配企業に対する投資額が減損している可能性が示唆される場合には、投資全体の帳簿価額について減損テストを行っております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において収益として計上しております。
企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行います。
発生した取得関連費用は費用として処理しております。
なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しております。非支配持分の修正額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を、資本剰余金に直接認識しており、当該取引からのれんは認識しておりません。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの各企業の財務諸表に含まれる項目は、企業が営業活動を行う主たる経済環境における通貨(機能通貨)を用いて測定しております。
外貨建取引は、取引日の為替レートを用いて、又は財務諸表項目について再測定を実施する場合にはその測定日における為替レートを用いて、機能通貨に換算しております。これらの取引の決済から生じる為替差額、並びに外貨建の貨幣性資産及び負債を決算日の為替レートで換算することによって生じる為替差額は純損益で認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体
表示通貨とは異なる機能通貨を使用している在外営業活動体については、資産及び負債(取得により生じたのれんと公正価値の修正を含む)は期末日レート、収益及び費用は為替レートが著しく変動している場合を除いて期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の純損益として認識しております。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(5)金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識・測定及び事後測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての非デリバティブ金融資産は、当社グループが当該金融商品の契約当事者になる取引日に認識しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の2つの要件がともに満たされる場合にのみ、「償却原価で測定する金融資産」に分類されます。
・当社グループの事業モデルの目的が契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することであること
・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じること
償却原価で測定する金融資産は公正価値で当初認識され、金融資産の取得に直接起因する取引費用も公正価値に含まれております。また、事後に実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の2つの要件のいずれかが満たされない金融資産は、「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」もしくは「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に分類されます。なお、当社グループは、投資先との取引関係の維持・強化を目的として保有する株式等の資本性金融商品について、公正価値の変動を純損益ではなくその他の包括利益を通じて認識するという取消不能の選択を行っております。
負債性金融資産は、以下の2つの要件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有している
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる
これらの金融資産は公正価値で当初認識されます。当社グループは、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除いて、公正価値に金融資産の取得に直接起因する取引費用を含めております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産については、実現した公正価値の変動による損失又は利得は純損益に振り替えられることはありません。ただし、当該投資に係る受取配当金は、その配当金が投資元本の払い戻しであることが明らかな場合を除き、純損益の一部として「金融収益」に認識しております。
(ⅱ)認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る権利が消滅したか、あるいは当該資産が譲渡され、当社グループが所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したときに当該金融資産の認識を中止しております。
(ⅲ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産の減損の認識にあたっては、期末日ごとに、その金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増大しているかを評価しております。
金融資産の信用リスクの著しい増加がある場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。信用リスクの著しい増加が無い場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。ただし、営業債権については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。また、金融商品の予想信用損失は、契約上受け取るべき金額と、受取りが見込まれる金額との差額に時間価値を考慮の上測定し、純損益として認識しております。
信用リスクが当初認識時点から著しく増大しているか否かは、債務不履行発生のリスクの変動に基づき判断しており、当該変化の判断にあたっては主に期日経過の情報を考慮しております。
予想信用損失の測定にあたっては、以下の要素を反映する方法で見積りを行っております。
(a)一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
(b)貨幣の時間価値
(c)過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識・測定及び事後測定
非デリバティブ金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類しており、当社グループが当該金融商品の契約当事者になる取引日に認識しております。
当社グループは、デリバティブ以外の金融負債として、借入金及び営業債務等を有しており、公正価値から取引費用を控除した金額で当初認識し、当初認識後は、実効金利法を用いた償却原価により測定しております。
(ⅱ)認識の中止
金融負債が消滅した場合、つまり契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合には、その金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは将来の為替変動リスク及び金利変動リスク等をヘッジする目的で、一部のデリバティブについてキャッシュ・フロー・ヘッジの指定を行っております。
当社グループは、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。当社グループはまた、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために極めて有効であるかどうかについての評価も文書化しております。また、予定取引に対してキャッシュ・フロー・ヘッジを適用するために、当該予定取引の発生可能性が非常に高いことを確認しております。
デリバティブの公正価値の変動額は、純損益として認識しております。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動の有効部分は、その他の資本の構成要素で認識しております。非有効部分は純損益に認識しております。
その他の資本の構成要素に認識されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える期に、純損益に振り替えております。ヘッジ対象である予定取引が非金融資産の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益に認識されていた金額は振り替えられ、当該資産の取得原価の当初測定に含められます。
ヘッジ手段が失効又は売却された場合、あるいはヘッジがヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。すでにその他の資本の構成要素で認識しているヘッジ手段に係る金額は、予定取引が最終的に純損益で認識される時点まで引き続き計上されます。予定取引の発生がもはや見込まれなくなった場合は、その他の資本の構成要素に認識されていたヘッジ手段に係る金額をただちに純損益に認識しております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しております。棚卸資産の取得原価は、主として移動平均法に基づいて算定しております。また、正味実現可能価額とは、通常の営業過程における予想売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除したものであります。
(7)有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めております。
土地等の償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物 : 3~50年
・機械装置及び運搬具 : 2~15年
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。
のれんの償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
また、のれんは連結財政状態計算書上、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
② 無形資産
無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定し、企業結合で取得した無形資産は、取得日の公正価値で測定しております。無形資産は、その見積耐用年数にわたって定額法で償却しており、主要な資産項目の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・ソフトウエア : 5年
(9)リース
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っております。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っております。使用権資産は、それぞれの見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間にわたり規則的に、減価償却を行っております。
なお、リース料総額の未決済分の割引現在価値を算定する場合に使用すべき割引率は、実務上可能な場合にはリースの計算利子率とし、実務上不可能な場合には、借手の追加借入利子率を用いております。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。金融費用は、連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態を取らないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
また、リース期間が12ヵ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについては、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
(10)非金融資産の減損
当社グループは各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候が存在する場合又は毎期減損テストが要求されている場合、その資産の回収可能価額を見積っております。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っております。のれんは、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんは、企業結合のシナジーによる便益が得られると期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しております。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減しております。また、使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割引いております。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しております。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価しております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積り、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻し入れを行っております。
(11)従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ)確定給付制度
当社及び一部の子会社は、確定給付制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額を、連結財政状態計算書で資産又は負債として認識しております。確定給付制度債務の現在価値は予測単位積増方式により算定しております。
確定給付資産又は債務の純額の再測定差額は、発生した期にその他の包括利益で認識しております。また、過去勤務費用は発生した期に純損益として認識しております。
(ⅱ)確定拠出制度
一部の子会社は、確定拠出年金制度を採用しております。確定拠出年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度です。確定拠出年金制度への拠出は、従業員が勤務を提供した期間に費用処理しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算をせず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的若しくは推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(12)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として取締役及び執行役員を対象とした業績連動型株式報酬制度を導入しております。当該制度では、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。なお、付与日における当社株式の公正価値は、観測可能な市場価格を基礎に算定しております。
(13)引当金
当社グループは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該債務の金額の合理的な見積りが可能である場合に引当金を認識しております。
なお、債務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間的価値が重要な場合には、決済時に予測される支出額の現在価値により引当金を測定しております。現在価値の算出には、貨幣の時間的価値及び当該債務に固有のリスクを反映した税引前の割引率を使用しております。
(14)収益
当社グループは、IFRS第9号に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
当社グループは、マテリアルズ事業及びソリューションズ事業における各製品の製造、販売を主な事業としており、これらの製品の販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、割戻し及び返品等を控除した金額で測定しております。
(15)政府補助金
政府補助金は、企業が補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。
政府補助金が費用項目に関する場合は、当該補助金で補填することが意図されている関連費用を認識する期間にわたって、規則的に収益認識しております。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(16)法人所得税
法人所得税は当期税金及び繰延税金から構成されています。これらは、その他の包括利益で認識される項目あるいは資本に直接認識される項目に関係する場合を除いて、純損益で認識しております。
当期法人所得税は、当社及び子会社が事業を行い、課税所得を生成している国において、報告期間の末日時点で施行又は実質的に施行されている税率に基づき算定しております。
繰延税金資産及び負債は、資産負債法により、資産及び負債の税務基準額と連結財務諸表上の帳簿価額との間に生じる一時差異に対して認識しております。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から発生する場合
・会計上の損益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えない取引(企業結合を除く)における、資産又は負債の当初認識から発生する場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則として全ての将来加算一時差異について認識しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに施行又は実質的に施行されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適用されると予想される税率を使用しております。
当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利が存在し、かつ、繰延税金資産及び負債が、同じ納税企業体、又は、純額ベースでの決済を行うことを意図している同一又は異なる納税企業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合には、繰延税金資産及び負債は相殺しております。
(17)株主資本
① 普通株式
当社が発行した株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は発行価額の割合に応じて資本金及び資本剰余金から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用(税効果考慮後)を含む支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しております。
(18)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、連結会計年度中の発行済普通株式の期中平均株式数により除して算出しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。