有価証券報告書-第101期(2025/04/01-2026/03/31)
②戦略
○組織が特定・識別した、短期・中期・長期の気候関連リスクおよび機会
当社では、サステナビリティ委員会およびその下部組織であるTCFD部会を中心に、気候変動が当社事業に及ぼす影響について、短期・中期・長期の視点から気候関連リスクおよび機会の特定・識別を行っています。
その過程として、2020年度にゴム事業部において2℃・4℃シナリオ(RCP2.6/8.5)分析を実施し、気候変動にともなうリスクと機会を特定しました。2021年度には当該取り組みを全社に展開し、同様のシナリオ分析を通じて事業全体に対する影響を整理しました。さらに2023年度には1.5℃シナリオ分析を実施し、中長期的な移行リスクおよび機会について検討を行っています。加えて2024年度には、従来から分析対象としていた高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場に加え、氷見二上工場・敦賀工場を含む全6工場を対象に、主として長期的な物理リスクを想定した4℃シナリオ(RCP8.5)に基づくリスクの特定・識別を実施しました。これらの分析結果を踏まえ、当社では、短期的には事業活動への直接的影響、中期的には事業構造や投資判断への影響、長期的には事業継続性および競争環境の変化といった観点から、気候関連リスクおよび機会を整理し、事業戦略の検討に活用しています。
○気候関連リスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
・事業インパクト評価
当社は、TCFDの枠組みに基づくシナリオ分析を通じて、気候変動が当社の事業および財務に及ぼす影響について検討しています。2020年度・2021年度のTCFD活動においては、4℃シナリオでは原材料調達コストの増加が、また2℃シナリオでは、原材料調達コストに加えて炭素税の導入が当社事業にとって相対的に大きなリスクとなる可能性があると認識しました。一方で気候変動への対応を背景とした自動車のEV化の加速によりエナジー材料分野を中心に、当社事業にとって重要な事業機会が生じる可能性があると認識しました。これらの認識を踏まえ2024年度には、中期経営計画第3フェーズの利益計画策定上重要なEVなどの自動車販売台数について前提条件を見直した上で、気候関連リスクおよび機会が当社事業に及ぼす影響について再評価を行いました。
・リスク重要度評価(リスクおよび機会の認識)
2024年度には、これまでのTCFD活動に加え、工場を中心とした事業拠点における気候変動に関するリスクおよび機会について改めて識別を行い、それらが当社の利益へ及ぼす影響について試算を行いました。当該試算結果については、気候変動リスクおよび機会の重要度を把握するための参考情報として活用しており、その概要を下表に示しています。
[シナリオ分析の概要(特定・識別したリスク・機会、発現時期、影響度、対応策)]
※1 発現時期 短期:0~3年未満、中期:3年~10年未満、長期:10年~30年以上。
※2 影響度 大:50億円以上の利益へのインパクトの概算、中:10億~50億円の利益へのインパクトの概算、小:10億円未満の利益へのインパクトの概算。-は定量評価の具体化を今後検討。
※3 4℃シナリオについてはIEAのSTEPSシナリオを、1.5℃シナリオについてはIEAのNZEシナリオにおけるEV販売台数や原油価格、炭素税価格にてそれぞれ試算。
※4 国土交通省「重ねるハザードマップ」から、日本ゼオンの全6工場における想定最大規模降雨時(1000年に一度)の浸水深を調査し、その結果を国道交通省「治水経済調査マニュアル」にて被害率を試算し、実際に想定最大規模降雨が発災したベースにて被害想定額を算出。
※5 水使用量が多い高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場において、渇水時に他地域から水を輸送した場合のコストを試算。
○2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候変動シナリオに基づく検討を踏まえた、組織の戦略のレジリエンス
当社は、2℃以下のシナリオを含む複数の気候変動シナリオを用いた検討を通じて、気候変動が当社の事業および戦略に及ぼす影響を確認するとともに、当社戦略のレジリエンスについて検討しています。
2024年3月には、温室効果ガス排出削減に関する科学的根拠に基づく目標としてSBT認定を取得し、1.5℃水準を目標とした取り組みを進めています。この目標設定の前提として、2023年度には全社的な体制のもとで1.5℃シナリオ分析を実施し、当該シナリオ下で特定・識別された気候関連リスクおよび機会について、対応の方向性を整理しました。これらの取り組みを通じて、当社は、2℃以下の気候変動シナリオを含む将来環境の変化を考慮したうえで、当社事業および戦略の持続性・強靭性を高めることを目指しています。
また、当社では、1.5℃のシナリオを含む気候変動シナリオに基づく検討において、事業戦略のみならず、工場やサプライチェーン、海外グループ企業における物理的影響についても重要な検討対象としています。近年の取り組みとしては、これらの拠点や供給網における物理的影響を整理したうえで、将来の気候変動による影響を踏まえ、当社事業および戦略の持続性・レジリエンスについて検討を行っています。
○組織が特定・識別した、短期・中期・長期の気候関連リスクおよび機会
当社では、サステナビリティ委員会およびその下部組織であるTCFD部会を中心に、気候変動が当社事業に及ぼす影響について、短期・中期・長期の視点から気候関連リスクおよび機会の特定・識別を行っています。
その過程として、2020年度にゴム事業部において2℃・4℃シナリオ(RCP2.6/8.5)分析を実施し、気候変動にともなうリスクと機会を特定しました。2021年度には当該取り組みを全社に展開し、同様のシナリオ分析を通じて事業全体に対する影響を整理しました。さらに2023年度には1.5℃シナリオ分析を実施し、中長期的な移行リスクおよび機会について検討を行っています。加えて2024年度には、従来から分析対象としていた高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場に加え、氷見二上工場・敦賀工場を含む全6工場を対象に、主として長期的な物理リスクを想定した4℃シナリオ(RCP8.5)に基づくリスクの特定・識別を実施しました。これらの分析結果を踏まえ、当社では、短期的には事業活動への直接的影響、中期的には事業構造や投資判断への影響、長期的には事業継続性および競争環境の変化といった観点から、気候関連リスクおよび機会を整理し、事業戦略の検討に活用しています。
○気候関連リスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
・事業インパクト評価
当社は、TCFDの枠組みに基づくシナリオ分析を通じて、気候変動が当社の事業および財務に及ぼす影響について検討しています。2020年度・2021年度のTCFD活動においては、4℃シナリオでは原材料調達コストの増加が、また2℃シナリオでは、原材料調達コストに加えて炭素税の導入が当社事業にとって相対的に大きなリスクとなる可能性があると認識しました。一方で気候変動への対応を背景とした自動車のEV化の加速によりエナジー材料分野を中心に、当社事業にとって重要な事業機会が生じる可能性があると認識しました。これらの認識を踏まえ2024年度には、中期経営計画第3フェーズの利益計画策定上重要なEVなどの自動車販売台数について前提条件を見直した上で、気候関連リスクおよび機会が当社事業に及ぼす影響について再評価を行いました。
・リスク重要度評価(リスクおよび機会の認識)
2024年度には、これまでのTCFD活動に加え、工場を中心とした事業拠点における気候変動に関するリスクおよび機会について改めて識別を行い、それらが当社の利益へ及ぼす影響について試算を行いました。当該試算結果については、気候変動リスクおよび機会の重要度を把握するための参考情報として活用しており、その概要を下表に示しています。
[シナリオ分析の概要(特定・識別したリスク・機会、発現時期、影響度、対応策)]
※1 発現時期 短期:0~3年未満、中期:3年~10年未満、長期:10年~30年以上。※2 影響度 大:50億円以上の利益へのインパクトの概算、中:10億~50億円の利益へのインパクトの概算、小:10億円未満の利益へのインパクトの概算。-は定量評価の具体化を今後検討。
※3 4℃シナリオについてはIEAのSTEPSシナリオを、1.5℃シナリオについてはIEAのNZEシナリオにおけるEV販売台数や原油価格、炭素税価格にてそれぞれ試算。
※4 国土交通省「重ねるハザードマップ」から、日本ゼオンの全6工場における想定最大規模降雨時(1000年に一度)の浸水深を調査し、その結果を国道交通省「治水経済調査マニュアル」にて被害率を試算し、実際に想定最大規模降雨が発災したベースにて被害想定額を算出。
※5 水使用量が多い高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場において、渇水時に他地域から水を輸送した場合のコストを試算。
○2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候変動シナリオに基づく検討を踏まえた、組織の戦略のレジリエンス
当社は、2℃以下のシナリオを含む複数の気候変動シナリオを用いた検討を通じて、気候変動が当社の事業および戦略に及ぼす影響を確認するとともに、当社戦略のレジリエンスについて検討しています。
2024年3月には、温室効果ガス排出削減に関する科学的根拠に基づく目標としてSBT認定を取得し、1.5℃水準を目標とした取り組みを進めています。この目標設定の前提として、2023年度には全社的な体制のもとで1.5℃シナリオ分析を実施し、当該シナリオ下で特定・識別された気候関連リスクおよび機会について、対応の方向性を整理しました。これらの取り組みを通じて、当社は、2℃以下の気候変動シナリオを含む将来環境の変化を考慮したうえで、当社事業および戦略の持続性・強靭性を高めることを目指しています。
また、当社では、1.5℃のシナリオを含む気候変動シナリオに基づく検討において、事業戦略のみならず、工場やサプライチェーン、海外グループ企業における物理的影響についても重要な検討対象としています。近年の取り組みとしては、これらの拠点や供給網における物理的影響を整理したうえで、将来の気候変動による影響を踏まえ、当社事業および戦略の持続性・レジリエンスについて検討を行っています。