有価証券報告書-第29期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念として掲げ、ESGを中核に据えた経営を行っていくことで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでおります。また、目指すべき企業グループ像として、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」を掲げております。
2021年度に策定した長期経営計画「VISION 2030」では、当社グループが目指す未来社会「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、それらを前提に5つの基本戦略を策定しました。「社会課題視点」、「ソリューション型ビジネスモデル」、「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を全社・全事業に展開して従来型の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な「経営基盤・事業基盤」を構築し、変革を加速してまいります。
<目指す未来社会/マテリアリティ>

また、マテリアリティに紐づくKPIを非財務指標として定めております。KPIマネジメントを推進する
ことにより、事業・機能部門の相互連携の強化ひいては、VISION 2030の実行力の強化に取り組んでおり
ます。(KPIの詳細は次頁をご参照ください)。
(注)Blue Value®とRose Value®とは、当社グループが目指す未来社会実現のため、提供する製品・サービスの環境および社会への貢献を見える化し、その価値をステークホルダーの方々と共有できるようにしたものです。製品・サービスを用途別に独自の指標で評価し、環境貢献価値の高いものをBlue Value®製品、QOL向上貢献価値の高いものをRose Value®製品として認定しております。
また、2028・2030年度目標の達成に向け、次の基本方針にてスピード感を持って戦略を実行してまいります。
[基本方針]
また、当社は、長期経営計画に基づき毎年向こう3ヵ年の事業計画の見直しを行うというローリング方式を採用しています。社会環境の変化が急速かつ大きくなる中で、長期的な視野を持ちつつ、経営の環境適応性を高め、戦略推進を加速してまいります。
このような経営ビジョン及び経営計画のもと、2026年度において、当社は、次のように経営環境を認識し、VISION 2030達成に向けて取り組んでまいります。
<経営環境>2026年度の世界経済は、米国とイランの軍事衝突を背景とした中東情勢の不安定化によるエネルギー供給や国際物流に関するリスクが継続しており、先行きの不透明感が懸念されます。
日本経済においては、雇用や所得環境の改善による景気持ち直しの動きが継続しているものの、米国の通商政策や中東情勢の不安定化により、景気の下振れリスクが高まっています。
化学工業界においては、川下製品の需要鈍化の影響を受け、国内のナフサクラッカーの稼働率は低調に推移しており、加えて中東情勢の不安定化に伴い、エネルギー供給や原料調達に対する不透明感が高まっています。
あるべき姿を見据えてポートフォリオ変革を追求し、コア営業利益のみならず、キャッシュ・フローや資本効率も意識した企業グループ運営に努めます。
・成長領域における事業収益の拡大を加速させるための資源投下の推進と、再構築及びポートフォリオ変
革の実現を通じた、高成長・高収益な事業体の形成
・ベーシック&グリーン・マテリアルズにおける、再構築の加速及びダウンフロー強化による、コア営業損失からの脱却
・トラブル撲滅に必要な経営資源の明確化、及びソフト面・ハード面の対策の着実な実施を通じた、トラブルの撲滅及びステークホルダーの信頼回復
・IT・データ基盤の活用による、事業部門の生産性向上及び機能部門の効率化の推進
・全社重点リスクへの対応策の策定・実行を通じた、企業価値の向上
このような情勢のもと、2026年度の当社グループの業績は、下表のとおりとなることを予想しております。
※当社は2020年度より国際財務報告基準(IFRS会計基準)を適用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因(事業撤退や縮小から生じる損失等)により発生した損益を除いて算出しております。
(2) 事業領域ごとの環境分析及び戦略
①ライフ&ヘルスケア・ソリューション
世界の総人口増加・健康寿命延伸などを背景として生活の質(QOL)向上、安全・安心な食への貢献が求められています。ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業は、ライフケアソリューション、ウェルネスソリューション、メディカルソリューションという3つの事業領域にわたって、いのちと健康、豊かな暮らしに貢献するソリューションを提供し、第1の収益の柱として当社グループの持続的成長に寄与していきます。
⦅ライフケアソリューション⦆
⦅ウェルネスソリューション⦆
⦅メディカルソリューション⦆
②モビリティソリューション
世界的な環境意識の高まりや社会的責任への対応要請を背景に、サプライチェーンにおける環境負荷低減の重要性が高まっており、モビリティの燃費・電費向上、リサイクル材料、バイオ材料の活用、省エネルギーや再生可能エネルギーの利活用拡大等への貢献が求められています。また、EV化進展によるEV用部材の需要拡大の他、新交通システムの実装、製造工程の構造変化を捉える3Dプリンティング材料の市場拡大といった、モビリティにおける多様なニーズや機会の創出に繋がると期待されています。
当社では、自動車を中心としたあらゆる種類の人・モノの移動手段を「モビリティ」と定義しています。このモビリティ領域において、多様化するニーズに対応したソリューションの提供と個々の事業の競争力強化を通じた持続的な成長を実現していきます。
⦅素材提供型ビジネス⦆
⦅ソリューション型ビジネス⦆
③ICTソリューション
DXの進展や生成AIの普及を背景に、半導体を中心とするICT関連市場は中長期的な成長が見込まれており、当社においても重要な成長領域と位置づけています。ICTソリューションでは、①半導体・実装、②イメージング、③電池材料、④コンバーティングの各分野を重点領域とし、高付加価値材料と用途提案を組み合わせた事業展開を進めています。また、不織布事業を含めた事業ポートフォリオの高度化を通じ、素材提供にとどまらないソリューション型ビジネスモデルの構築を加速しています。AI、Beyond 5G(6G)、ロボティクス等の先端技術の進展を取り込み、社会課題の解決に資する当社ならではのICTソリューション事業を創出・拡大し、企業価値の向上を目指します。
④ベーシック&グリーン・マテリアルズ
石化・基礎化学品を中心とする当本部の事業は、自動車、住宅、家電、インフラ、食品包装をはじめ、様々な分野に素材提供を行っています。特徴のある技術と付加価値製品群の拡大、さらなるコスト競争力強化により、安定した収益の確保を目指します。
当本部の事業環境は、中国をはじめとした大型プラント新増設と国内需要の漸減により、今後も厳しい状況が継続する見込みです。一方で、クラッカー、ポリオレフィン(PO)を中心とする石化事業は、石油精製等の川上産業においてはグリーン原料を含む原燃料の安定需要家であり、自動車、半導体、医薬、日用品などの幅広い川下産業においては、エッセンシャル素材の安定供給元の位置づけです。日本のエネルギー政策や経済安全保障、日本国全体のカーボンニュートラル達成において、石化産業は重要な役割を担っています。
国内産業全体を支える強靭な事業体の実現に向けて、当本部では再構築第2幕および他社提携を加速しています。2025年5月30日には、石化事業統合を含む他社との再編に向けた、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業の分社化検討開始を発表しました。2025年12月19日には出光興産との千葉ケミカル製造LLPにおけるナフサクラッカーの集約(2027年運営開始)について最終合意し、更に2025年12月24日にはプライムポリマーへの住友化学PP、LLDPE事業の統合(2026年運営開始)について最終合意に至りました。2026年1月27日には、旭化成(株)・三菱ケミカル(株)と共同で検討してきた西日本におけるクラッカーのグリーン化と生産体制最適化(2030年度目途)が、「令和7年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」に採択されました。
また、高機能品を中心としたダウンフローの強化にも取り組んでいます。2025年12月15日には、ポリウレタン主原料であるMDIの+10万トン増強を決定しました。(増強後能力 71万トン/年) 更なる需要拡大に対応可能となり、高機能材の安定供給を通した収益拡大に取り組んでまいります。
(1) 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念として掲げ、ESGを中核に据えた経営を行っていくことで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでおります。また、目指すべき企業グループ像として、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」を掲げております。
2021年度に策定した長期経営計画「VISION 2030」では、当社グループが目指す未来社会「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、それらを前提に5つの基本戦略を策定しました。「社会課題視点」、「ソリューション型ビジネスモデル」、「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を全社・全事業に展開して従来型の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な「経営基盤・事業基盤」を構築し、変革を加速してまいります。
<目指す未来社会/マテリアリティ>


また、マテリアリティに紐づくKPIを非財務指標として定めております。KPIマネジメントを推進する
ことにより、事業・機能部門の相互連携の強化ひいては、VISION 2030の実行力の強化に取り組んでおり
ます。(KPIの詳細は次頁をご参照ください)。
| 財務KPI | 目標(2028年度) | 目標(2030年度) |
| コア営業利益 | 2,000億円 | 2,500億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,100億円 | 1,500億円以上 |
| ROE | 10%以上 | 13%以上 |
| ROIC | 7%以上 | 9%以上 |
| NET D/E | 0.8以下 | 0.8以下 |
| マテリアリティ | 非財務KPI | 目標(2030年度) |
| 持続可能な社会への貢献 | ||
| ・気候変動 ・サーキュラーエコノミー ・健康とくらし ・住みよいまち ・食の安心 ・ライフサイクル全体を 意識した製品設計 | Blue Value®製品売上収益比率 | 40% |
| Rose Value®製品売上収益比率 | 40% | |
| GHG排出量削減率(Scope1、2) | 40%(2013年度比) | |
| 事業継続の前提となる課題 | ||
| 人権尊重 | 人権リスクへの対応 | 国内外全拠点での人権デュー・ディリジェンスシステム構築によるリスク把握と是正 |
| 安全 | 重大事故・重大労災件数 | ゼロ (VISION 2030期間を通じて) |
| コンプライアンス | 重大な法令・ルール違反数 | |
| 品質 | PL事故、重大品質インシデント件数 | |
| 安定生産 | 生産及び設備信頼性 | 高額損失トラブル件数 ゼロ |
| 事業継続に不可欠な能力 | ||
| 企業文化 | エンゲージメントスコア | 50% |
| 人的資本 | 戦略重要ポジション後継者候補準備率 | 250% |
| 執行役員多様化人数(女性・外国籍・中途採用) | 10名以上(うち、女性3名以上、提出会社) | |
| 女性管理職(課長級以上)比率 | 15%(提出会社) | |
| 生活習慣病平均有所見率 | 8.0%以下(提出会社) | |
| メンタル不調休業強度率 | 0.25(提出会社) | |
| デジタルトランスフォーメーション | データサイエンティスト数(~2025年度) | 165名(2025年度) |
| AIを活用した業務効率化プロセスの定常運用(2026年度~) | 全社/全部署 | |
| イノベーション | 新事業数(2026年度~) | 3件以上 |
| 開発への移管件数(2026年度~) | 8件以上(2028年度) | |
| パートナーシップ | 持続可能な調達率 | 80% |
(注)Blue Value®とRose Value®とは、当社グループが目指す未来社会実現のため、提供する製品・サービスの環境および社会への貢献を見える化し、その価値をステークホルダーの方々と共有できるようにしたものです。製品・サービスを用途別に独自の指標で評価し、環境貢献価値の高いものをBlue Value®製品、QOL向上貢献価値の高いものをRose Value®製品として認定しております。
また、2028・2030年度目標の達成に向け、次の基本方針にてスピード感を持って戦略を実行してまいります。
[基本方針]
| 方針 | 内容 |
| 事業ポートフォリオ変革の追求 | ・高い収益性が期待される領域・地域により厚く資源配分を行い、M&Aや提携も積極的に活用し、市場成長+αの獲得による成長領域の収益拡大の加速を図る。 ・ROICと利益成長に基づく事業ポートフォリオ変革の加速(成長領域でも期待値に満たない事業/関係会社の方向性を決定する)。 ・他社との連携・再編加速によるコンビナート競争力強化とグリーン化を図り、国内産業を支える強靭な事業体実現を目指す。 |
| ソリューション型ビジネスモデルの構築 | ・市場/顧客への価値提供を起点に注力すべき技術を選定、横断的に活用し、ソリューション提供力を高める。 ・研究開発の体制の変更を行い、研究と開発を分離の上、開発部門を各事業セグメントに組み込むことで両者の役割を明確にし、新製品・新事業の創出を加速する。 |
| サーキュラーエコノミーへの対応強化 | ファーストムーバーとして燃料転換や東・西コンビナートの地域・他社連携を更に推し進め、カーボンニュートラル技術の早期社会実装を目指す。 |
| DXを通じた企業変革 | 稼働したIT・データ基盤強化に加え、生成AI等のDXを活用した業務効率化、品質の向上、アイディア創出の取り組みを通じ、企業変革とマネタイズの実現を目指す。 |
| 経営基盤・事業基盤の変革加速 | ・グローバル視点でグループ内資源を最大限活用し、新市場・新事業展開を加速する。 ・財務・非財務双方の視点での実効性あるKPIマネジメント、リスクと機会両面からのリスクマネジメントのPDCAを着実に回し、企業価値向上に繋げる。 ・設備信頼性の向上、更なる安全安定運転実現のための抜本対策に加え、工場のあるべき姿に向けたリスクマネジメントの強化、運転・保全技術の高度化及び工場横断的な人材育成を推進する。 ・業務効率化による間接部門の強化とグループ最適視点でのコスト削減を実行する。 |
また、当社は、長期経営計画に基づき毎年向こう3ヵ年の事業計画の見直しを行うというローリング方式を採用しています。社会環境の変化が急速かつ大きくなる中で、長期的な視野を持ちつつ、経営の環境適応性を高め、戦略推進を加速してまいります。
このような経営ビジョン及び経営計画のもと、2026年度において、当社は、次のように経営環境を認識し、VISION 2030達成に向けて取り組んでまいります。
<経営環境>2026年度の世界経済は、米国とイランの軍事衝突を背景とした中東情勢の不安定化によるエネルギー供給や国際物流に関するリスクが継続しており、先行きの不透明感が懸念されます。
日本経済においては、雇用や所得環境の改善による景気持ち直しの動きが継続しているものの、米国の通商政策や中東情勢の不安定化により、景気の下振れリスクが高まっています。
化学工業界においては、川下製品の需要鈍化の影響を受け、国内のナフサクラッカーの稼働率は低調に推移しており、加えて中東情勢の不安定化に伴い、エネルギー供給や原料調達に対する不透明感が高まっています。
・成長領域における事業収益の拡大を加速させるための資源投下の推進と、再構築及びポートフォリオ変
革の実現を通じた、高成長・高収益な事業体の形成
・ベーシック&グリーン・マテリアルズにおける、再構築の加速及びダウンフロー強化による、コア営業損失からの脱却
・トラブル撲滅に必要な経営資源の明確化、及びソフト面・ハード面の対策の着実な実施を通じた、トラブルの撲滅及びステークホルダーの信頼回復
・IT・データ基盤の活用による、事業部門の生産性向上及び機能部門の効率化の推進
・全社重点リスクへの対応策の策定・実行を通じた、企業価値の向上
このような情勢のもと、2026年度の当社グループの業績は、下表のとおりとなることを予想しております。
| 2026年度連結業績予想 | 2025年度連結業績 | ||
| 売上収益 | (億円) | 19,000 | 16,688 |
| コア営業利益 | (億円) | 1,050 | 1,000 |
| 営業利益 | (億円) | 830 | 738 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | (億円) | 450 | 344 |
※当社は2020年度より国際財務報告基準(IFRS会計基準)を適用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因(事業撤退や縮小から生じる損失等)により発生した損益を除いて算出しております。
(2) 事業領域ごとの環境分析及び戦略
①ライフ&ヘルスケア・ソリューション
世界の総人口増加・健康寿命延伸などを背景として生活の質(QOL)向上、安全・安心な食への貢献が求められています。ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業は、ライフケアソリューション、ウェルネスソリューション、メディカルソリューションという3つの事業領域にわたって、いのちと健康、豊かな暮らしに貢献するソリューションを提供し、第1の収益の柱として当社グループの持続的成長に寄与していきます。
⦅ライフケアソリューション⦆
| 主要製品 | 競争優位性 | 基本戦略 | 課題・方策 |
| [ビジョンケア材料] ・プラスチックメガネレンズ材料(MR™、KOC/KR、RAV7™、Do Green™製品) ・フォトクロミック メガネレンズ材料 (SunSensors™) ・コーティング材 (Crystal Coat™、Visgard™) ・レンズ加工機器 (Velocity™、Cobalt™、CrystalChrome™) | ・幅広い顧客ニーズ、需要の拡大に対応可能な製品ラインナップ及び供給能力 ・グローバルでのブランド力 ・視界の快適さや目の健康、環境負荷低減等の市場ニーズに応じた新規材料・技術を継続的に創出する力 | ・高屈折レンズ市場の成長の確実な取り込み ・メガネレンズ用途の新規材料・技術開発の推進による差別化 ・レンズ加工ラボ向け事業の更なる拡大 | ・高屈折メガネレンズ材料の需要拡大に即した供給能力確保、更なる需要創出 →MR™生産能力増強計画の確実な実行及び北米・中国市場でのMR™使用レンズの採用促進 ・新規のレンズ材料開発や技術開発を通じた競合との差別化 →レンズ性能やレンズ生産性の向上、環境負荷低減を実現する新材料・技術の開発、および顧客採用の促進 ・コート材・機器事業拡大の更なる加速 →グローバル販売体制強化とM&A等を活用した品目拡充 |
| [パーソナルケア材料] ・アクリルアマイド、アクリルアマイドバイオ触媒(YURIKOS™)、合成パルプ(SWP®) | ・酵素技術、有機合成技術を基盤とした研究開発力及び顧客ニーズに応じた技術サポート力 ・多種多様な用途に応用可能な微細多分岐構造を有するポリオレフィン繊維の製造技術及び供給能力 | ・バイオ触媒事業の拡大 ・合成パルプ事業の収益力の維持・強化 | ・アクリルアマイドバイオ触媒事業の収益拡大 →欧州・北米市場での拡販の確実な実行、中国市場での新規顧客の獲得 ・市況を捉えた安定供給と適切な交易条件の設定 →既存顧客への安定供給及び技術支援を通じた引合い実需化による新規用途への拡販推進、市況変化に対する交易条件への柔軟な反映 |
⦅ウェルネスソリューション⦆
| 主要製品 | 競争優位性 | 基本戦略 | 課題・方策 |
| [農業化学品/生活環境用薬剤] ・殺虫剤、殺菌剤、除草剤(業務用、家庭用、木材保存用、畜産用、ペット用) ・ベクターコントロール | ・有機合成を基盤とした独自性の高い創薬力と生産技術 ・安全で環境負荷の低い天然物由来の製品ポートフォリオの保有 ・幅広い顧客ニーズに対応可能な製剤開発力 | ・成長ドライバーの更なる拡大による事業価値の最大化 ・サプライチェーンの強靭化による供給能力の向上 ・研究開発の基盤強化と新製品創出 | ・成長ドライバーの展開地域拡大と用途拡大 →ジノテフラン・テネベナール®・フルピリミンの海外重点地域での販売促進、マラリア根絶・感染症対策に資するVECTRON™T500のアフリカ諸国での登録推進・販売促進 ・生産調達の最適化 →大牟田工場・北上工場での原体生産体制の強化 ・低環境負荷農薬の研究開発の加速と新製品創出 →高い安全性・環境負荷の少ない革新的化学農薬の創薬推進、天然物創薬基盤をもとにしたバイオロジカルソリューション研究の強化、新規殺菌剤有効成分アプティレル®を含有するアイーナ®フロアブルの国内上市 |
| [パーソナルケア材料] タウリン | 高品質な製品の安定供給 | 高品質な製品供給による日欧米市場での収益維持 | 海外向け需要の確実な取り込みによる収益維持 →高価格帯の新規顧客獲得による拡販の推進 |
⦅メディカルソリューション⦆
| 主要製品 | 競争優位性 | 基本戦略 | 課題・方策 |
| [オーラルケア材料] ・修復材(ビーナス®、カリスマ®)、接着用セメント(スーパーボンド®、ZEN®ユニバーサルセメント) ・義歯関連(パラ®)、3Dプリンターインク(ディーマ®) | ・グローバルでのブランド力 ・ポリマーサイエンス・精密合成技術と歯科臨床知識の組み合せによる製品開発力 | グループ経営体制最適化による事業競争力強化 | ・グループ経営体制最適化 →成長市場(EMEA、米州)への注力による構造改善 →グループ間販売協働、共同開発の深化による製品ポートフォリオ強化 |
| [検査・診断] コンパニオン診断(肺がんコンパクトパネル®DXマルチコンパニオン診断システム) | 最先端の遺伝子解析技術 | 事業基盤の確立と検査サービスの拡充 | 事業基盤の強化と検査サー ビスの事業拡大 →DNAチップ研究所の研究開発推進及びスタートアップ等との提携による新規検査診断コンテンツの拡充、セールス・マーケティング機能強化 |
②モビリティソリューション
世界的な環境意識の高まりや社会的責任への対応要請を背景に、サプライチェーンにおける環境負荷低減の重要性が高まっており、モビリティの燃費・電費向上、リサイクル材料、バイオ材料の活用、省エネルギーや再生可能エネルギーの利活用拡大等への貢献が求められています。また、EV化進展によるEV用部材の需要拡大の他、新交通システムの実装、製造工程の構造変化を捉える3Dプリンティング材料の市場拡大といった、モビリティにおける多様なニーズや機会の創出に繋がると期待されています。
当社では、自動車を中心としたあらゆる種類の人・モノの移動手段を「モビリティ」と定義しています。このモビリティ領域において、多様化するニーズに対応したソリューションの提供と個々の事業の競争力強化を通じた持続的な成長を実現していきます。
⦅素材提供型ビジネス⦆
| 主要製品 | 競争優位性 | 基本戦略 | 課題・方策 |
| [エラストマー重合製品] エチレン・プロピレン ゴム(三井EPT™)、α- オレフィンコポリマー (タフマー®)、液状 ポリオレフィンオリゴマー(ルーカント®) | ・幅広い材料ラインナップ ・高い技術力と品質 ・グローバルネットワークを活かした幅広い顧客基盤 ・技術サービス ・当社グループ機能を活用したコンセプト提案力 | ・「高成長&サステナビリティへの貢献」×「競争優位」な領域に対する販売・開発の集中及びポートフォリオ転換 ・需要に応じた生産能力増強、グローバル拠点を最大活用したレジリエントな生産体制の構築、コンセプト提案を通じた市場の創出・獲得 | 市場変化や需要増加に対応するための生産供給能力の不足及び柔軟な生産体制の構築 →需要に応じた適切な生産能力増強の実行、グローバルな地産地消体制の構築、製品や組織を超えた生産体制最適化の実現 |
| [複合材料製品] 接着性ポリオレフィン(アドマー®)、熱可塑 性エラストマー(ミラストマー®)、エンジニ アリングプラスチック (アーレン®、オーラム®)、PPコンパウンド |
⦅ソリューション型ビジネス⦆
| 主要製品等 | 競争優位性 | 基本戦略 | 課題・方策 |
| ARRKグループ、共和工業(株) | ・設計、解析機能 ・試作、LVP(少量生産)機能 ・金型技術 ・開発支援機能 | ・これまで獲得してきたソリューション機能と他社提携の深化によるビジネスモデルの確立 ・デザイン・設計・解析から量産までのワンストップサービスの提供へのビジネスモデル変革 | ・新たなビジネスモデルによる早期収益貢献 →ARRKグループ、共和工業㈱の機能の活用と他社提携を通じた事業機会の探索と具体化 |
③ICTソリューション
DXの進展や生成AIの普及を背景に、半導体を中心とするICT関連市場は中長期的な成長が見込まれており、当社においても重要な成長領域と位置づけています。ICTソリューションでは、①半導体・実装、②イメージング、③電池材料、④コンバーティングの各分野を重点領域とし、高付加価値材料と用途提案を組み合わせた事業展開を進めています。また、不織布事業を含めた事業ポートフォリオの高度化を通じ、素材提供にとどまらないソリューション型ビジネスモデルの構築を加速しています。AI、Beyond 5G(6G)、ロボティクス等の先端技術の進展を取り込み、社会課題の解決に資する当社ならではのICTソリューション事業を創出・拡大し、企業価値の向上を目指します。
| 主要製品 | 競争優位性 | 基本戦略 | 課題・方策 |
| [半導体・実装ソリューション] フォトマスク用防塵カバー(三井ペリクル™)、成膜プロセス用高純度ガス(シラン・ジシラン)、フォト レジスト原料(ミレックス®)、半導体製造工程用テープ(イクロステープ™)、シリコーンコートフィルム(SP-PET™)、耐熱離型フィルム(オピュラン®)、低誘電モノマー、過酸化水素製造用触媒、フィルター(ユーテック®)、フィルター用不織布(シンテックス®MB、プレシゼ®) | ・前工程から後工程・実装領域の製品における高い技術力と強固な生産体制 ・半導体メーカー、装置メーカーおよび外部研究機関と長年培ってきた技術蓄積によるトータルソリューション提案力 ・先行開発により競争優位なポジション獲得 | ・次世代製品の開発による品質・性能の向上とグローバル拠点を活用した競争力の強化 ・社外パートナーとの協業を通じた先端半導体材料の事業化先着 ・競争力の高い成長分野に経営資源を集中し事業規模を拡大 | ・顧客スピードに対応した体制構築 →海外技術サービス拠点拡大と分析・評価機能強化を通じ、顧客要求品質に適合した製品を供給 ・先端半導体材料の研究開発機能強化 →顧客・社外パートナーとの共創推進により、最先端技術ロードマップに沿った半導体材料の研究開発を加速 |
| [イメージングソリュー ション] レンズ材料(アペル®)、液晶反射フィルム用材料(TPX®)、液晶・有機ELシール材(ストラクトボンド®) | 屈折率、透明性、耐熱性などの多機能光学特性を有する独自材料による差別化製品 | スマートフォンレンズ、AR/VR向け高品質・差別化製品展開による事業拡大 | ・新規光学市場向け製品の拡販 →拡大するAR/VR市場への用途展開と差別化技術を生かした新製品開発、顧客要求に応える品質レベル向上 |
| [電池材料ソリューション] LiB用電解液(ミレット®)、太陽電池用封止シート(ソーラーエース™) | ・顧客ごとの電池設計に応じた製品のカスタマイズ ・マテリアルズインフォマティクス等を活用した迅速な製品開発力 | EV用途に加え、データセンター等の定置型電源をはじめとする産業用途市場の成長を取り込み、付加価値型製品によるニッチトップ戦略を推進 | ・次世代電池材料の開発加速 →顧客の設計初期段階から開発を支援し量産を見据えたソリューションを提案 ・コスト競争力の向上 →原料調達先の多角化や生産プロセス合理化の推進 |
| [コンバーティングソリューション] 環境配慮型紙包装材用ヒートシール剤(ケミパール®)、サステナブル包材用バリアコート剤(タケラック®WPB)、包装用接着剤(タケネート®、タケラック®)、不織布(エアリファ®、エコライズ®)、形状保持材料(テクノロート®)、通気性フィルム(エスポアール®)、不飽和ポリエステル(ポリホープ®)、成形用コンパウンド(ポリマール®マット) | ・グローバルな生産供給体制と現場密着型技術サービス ・顧客における高い加工適性と性能を両立する製品設計力 | ・グローバルな供給体制強化による競争力強化と海外拠点と連携した技術サービスの拡充 ・環境配慮ニーズ等に対応した高付加価値製品の創出 | ・グローバルシェアの拡大 →海外生産拠点の拡大と技術サービス拠点間の連携強化 ・環境配慮等の差別化製品の拡販 →顧客ニーズに応える高機能化製品ラインナップ拡充とトータルソリューション提案による新規市場の取り込み |
④ベーシック&グリーン・マテリアルズ
石化・基礎化学品を中心とする当本部の事業は、自動車、住宅、家電、インフラ、食品包装をはじめ、様々な分野に素材提供を行っています。特徴のある技術と付加価値製品群の拡大、さらなるコスト競争力強化により、安定した収益の確保を目指します。
当本部の事業環境は、中国をはじめとした大型プラント新増設と国内需要の漸減により、今後も厳しい状況が継続する見込みです。一方で、クラッカー、ポリオレフィン(PO)を中心とする石化事業は、石油精製等の川上産業においてはグリーン原料を含む原燃料の安定需要家であり、自動車、半導体、医薬、日用品などの幅広い川下産業においては、エッセンシャル素材の安定供給元の位置づけです。日本のエネルギー政策や経済安全保障、日本国全体のカーボンニュートラル達成において、石化産業は重要な役割を担っています。
国内産業全体を支える強靭な事業体の実現に向けて、当本部では再構築第2幕および他社提携を加速しています。2025年5月30日には、石化事業統合を含む他社との再編に向けた、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業の分社化検討開始を発表しました。2025年12月19日には出光興産との千葉ケミカル製造LLPにおけるナフサクラッカーの集約(2027年運営開始)について最終合意し、更に2025年12月24日にはプライムポリマーへの住友化学PP、LLDPE事業の統合(2026年運営開始)について最終合意に至りました。2026年1月27日には、旭化成(株)・三菱ケミカル(株)と共同で検討してきた西日本におけるクラッカーのグリーン化と生産体制最適化(2030年度目途)が、「令和7年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」に採択されました。
また、高機能品を中心としたダウンフローの強化にも取り組んでいます。2025年12月15日には、ポリウレタン主原料であるMDIの+10万トン増強を決定しました。(増強後能力 71万トン/年) 更なる需要拡大に対応可能となり、高機能材の安定供給を通した収益拡大に取り組んでまいります。
| 主要製品 | 競争優位性 | 基本戦略 | 課題・方策 |
| [石化製品] エチレン、プロピレン、高密度ポリエチレン、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(エボリュー®)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン重合触媒 | ・世界トップクラスの競争力を有するナフサクラッカー ・メタロセンをはじめとするポリオレフィン触媒技術 ・ウレタン製品差別化のための高機能ポリオール、高機能MDI ・バイオマスポリオールの開発、製造技術 ・バイオマスナフサおよび廃プラスチック分解油の原料投入による、バイオマス製品・ケミカルリサイクル製品の幅広い展開 | ・更なる再構築推進による資本効率性の向上 →需要に見合った能力最適化(岩国大竹PET樹脂停止、大牟田TDIダウンサイジング、市原フェノール停止) →他社連携による再編・競争力向上(ナフサクラッカー、ポリオレフィン) ・グリーンケミカルの拡大による環境対応強化 →原料転換(バイオマスナフサ、廃プラスチック分解油) →燃料転換(アンモニア燃焼炉) →バイオマス誘導品、リサイクル製品の拡大 ・高機能化・ニッチ品の拡大など、ダウンフロー強化による収益安定化 →高機能PP、高機能MDI →ライセンス、オレフィン重合触媒 | ・需要に見合った能力最適化・再編 →資本効率が低い製品の縮小や撤退、他社連携による事業リスク低減 ・高機能製品の強化・拡大 →エンドユーザー起点の素材開発、MI活用の拡大による新銘柄開発や処方開発、マテリアル・ケミカルリサイクル起点での製品開発(石油由来同等の物性など) ・製造における低炭素化(SCOPE1+2) →省エネ、再生エネルギーの活用、低炭素原料・燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入 ・製品によるGHG削減 →製品提供を通じたGHG削減貢献量の最大化(Blue Value®製品の売上収益比率の拡大) ・サーキュラーエコノミーへの対応強化 →バイオマス・マテリアル・ケミカルリサイクル製品の拡大 |
| [基礎化学品] フェノール、ビスフェノールA、アセトン、イソプロピルアルコール、メチル イソブチルケトン、高純度テレフタル酸、PET樹脂、エチレンオキサイド、エチレングリコール、ハイドロキノン(HQ)、メタ/パラクレゾール、アンモニア、尿素、メラミン | |||
| [ポリウレタン原料] TDI(コスモネート®)、MDI(コスモネート®)、PPG(アクトコール®、エコニコール®、Nextyol®) |