有価証券報告書-第75期(令和2年12月1日-令和3年11月30日)

【提出】
2022/02/28 13:45
【資料】
PDFをみる
【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念、経営ビジョン、行動指針からなる理念体系の下、当社グループ全員がそれらを理解し、目標と価値観を共有して行動してまいります。優れた生産活動を通じて地域社会の秩序を守り、社会と産業界の進歩と発展に貢献することにより、ステークホルダーの皆様の期待に応え続ける企業であることを目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
2015年11月期より10ヶ年の長期経営計画「Next Stage 10(NS10)」(2015年11月期から2024年11月期)をスタートし、その目標を実現するために様々な施策を実行してまいりました。その結果、早期に目標を達成できる見込みとなったことから、2018年度に目標を見直しました。また、NS10第2次5ヶ年中期経営計画(2020年11月期から2024年11月期)を新たに策定し、更なる事業拡大と高収益化を目指すこととしております。
なお、NS10第2次5ヶ年中期経営計画において、当社グループは、連結売上高及び連結営業利益率に加え、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を目標とすべき重要経営指標と位置づけており、その目標を下記のとおり設定しております。
2024年11月期
達成目標
当初目標修正目標第2次中計目標
(2015年1月公表)(2018年1月公表)(2019年11月公表)
連結売上高300億円以上350億円以上370億円以上
連結営業利益30億円以上35億円以上50億円以上
連結営業利益率10%以上10%以上13.5%以上
ROE10%以上

(3) 経営戦略、経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、製品の徹底した品質管理と安全性の確保を第一に、販売の強化と生産コスト及び経費の削減を行い、高度な研究開発力を更に強化し新規製品開発に取り組み、全社での製品生産体制の合理化と業績の向上を目指し、一層の財務内容の健全化を進める所存であります。また、NS10第2次5ヶ年中期経営計画を実現すべく、各セグメントは以下の諸施策を実行してまいります。
<化成品事業>製品の統廃合を進め、採算性の向上を図ってまいります。また、市場競争力のある製品、市場拡大が期待される用途の製品においては、販売体制のグローバル化を推進し、海外顧客向けの販売拡大に努めてまいります。UVインクジェット等、現時点で特に注視している分野においては、研究開発にも大きくリソースをかけて対応し、シェアの拡大を目指してまいります。
<電子材料事業>表示材料においては、既存製品の収益を確保しつつ、マイクロLED等の次世代材料、配線材料等の周辺材料へ展開し、ミクロンオーダーのレジスト、コーティング市場をターゲットとして開拓を進めてまいります。
半導体関連材料においては、ArFレジスト用モノマー等の既存材料のシェア拡大に努めながら、次世代のEUVレジスト用モノマー、及び、周辺材料などの新規分野への参入を目指してまいります。
<機能化学品事業>化粧品分野においては、機能性を付与したスキン用化粧品原料の開発と上市を進め、グローバルな視野で販売の拡大を目指してまいります。機能材料分野においては、既存品の安定供給体制を維持しつつ、新規塗料用材料、超親水性コーティング材、先端医療材料等の新規開発および早期上市を目指してまいります。
<新規事業>特殊アクリルをベースに新しい価値を創造し、大阪有機の未来を担う新製品の開発に取り組んでおります。センサ・IoT関連分野、ロボティクス分野など、近い未来において急拡大が見込まれる市場に向けた材料開発に、特に注力してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、化成品事業に関連する自動車産業の生産減少に伴う自動車塗料用や展示会の中止に伴う印刷インキ用の販売は概ね回復しております。また、機能化学品事業に関連する化粧品国内需要の落ち込みも徐々に回復しており、各事業の業績に重要な影響を与えるものではないと判断しております。
しかしながら、当社及び子会社の企業活動、生産活動に支障をきたした場合、当社及び子会社の業績に影響を与える可能性があることから、各事業拠点での感染防止策を徹底するとともに、企業活動と両立させていく取り組みとして、在宅勤務や時差出勤、Web会議の活用、出張制限などの対策を継続して実施しております。