訂正有価証券報告書-第69期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2020/03/16 15:23
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や個人消費が力強さに欠けるものの、企業の生産活動や輸出が持ち直したこと等により、踊り場を脱し緩やかな景気回復基調となりました。
一方、世界経済は米国で着実な景気拡大が続き、欧州でも緩やかな景気回復が見られましたが、新興国では景気が減速し、米国の新政権誕生や英国のEU離脱問題等で先行き不透明感が高まっております。
このような状況の中、当社グループの連結業績は、ハウスウエア合成樹脂製品分野の売上高が、中国においてネット販売が好調で増加しましたが、工業品合成樹脂製品分野の売上高が、円高進行によって海外での売上高の円換算額が縮小したこと等により減少しました。
この結果、売上高は757億86百万円(前期比93.2%)となりました。
利益面につきましては、売上減少等の影響で営業利益が44億14百万円(前期比97.4%)となり、経常利益は前期との比較では投資有価証券売却益が減少する一方で、為替差損とPT. TENMA INDONESIAの新工場に伴う開業費償却がそれぞれ増加したこと等により47億95百万円(前期比88.0%)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に発生した減損損失のような多額の特別損失がなかったことにより37億17百万円(前期比103.9%)となりました。
当社グループは、平成27年5月に平成30年3月期を最終年度とする3ヵ年の「中期経営計画」を公表いたしました。当連結会計年度は本計画の第2年度に当たり、売上高は計画目標を下回っておりますが、営業利益は計画目標を上回りました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(日本)
ハウスウエア合成樹脂製品分野は、新型収納ケース「プロフィックス カバコ」をはじめとする新製品の市場投入等で売上高が伸長していましたが、秋口以降、天候不順と力強さに欠ける個人消費の影響等を受け、足踏みを余儀なくされました。工業品合成樹脂製品分野は、取引先の生産海外シフトに起因する電機電子等の受注減により売上高が減少しました。利益面は、原価改善等が寄与したものの売上高減少の影響が大きく、前期比減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は、232億97百万円(前期比95.2%)となり、セグメント利益(営業利益)は20億72百万円(前期比77.2%)となりました。
(中国)
上海天馬精塑有限公司で工業品に比べ収益性の高いハウスウエア合成樹脂製品分野の売上が伸長し、厳しい状況にあった天馬皇冠精密工業(蘇州)有限公司で業績が改善傾向に転じました。
この結果、当セグメントの売上高は、253億92百万円(前期比87.8%)となり、セグメント利益(営業利益)は16億46百万円(前期比123.4%)となりました。
(東南アジア)
好調を続けていたベトナムのTENMA VIETNAM CO., LTD.の業績が伸び悩みましたが、タイのTENMA (THAILAND) CO., LTD.で、新設の第2工場の稼働率が向上して、収益性が改善し業績に貢献しました。
この結果、当セグメントの売上高は、270億97百万円(前期比97.2%)となり、セグメント利益(営業利益)は17億2百万円(前期比120.2%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて67億86百万円増加し、227億79百万円となりました。各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
法人税等の支払い9億14百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益47億47百万円、減価償却費34億14百万円等があり、69億58百万円の増加(前期比は3億70百万円の減少)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の預入266億4百万円、有形固定資産の取得45億76百万円等の支出がありましたが、定期預金の払戻313億80百万円、投資有価証券の売却11億62百万円等の収入があり、10億92百万円の増加(前期比は5億62百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払9億69百万円等があり、9億70百万円の減少(前期比は15億52百万円の増加)となりました。