有価証券報告書-第68期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 16:09
【資料】
PDFをみる
【項目】
191項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)会社の企業理念
当社グループは、「創造的行動力による社会への貢献」を企業理念とし、コア事業である発泡樹脂製品及び新しい素材を用い、省資源・省エネルギーで社会生活の利便性向上に寄与する価値を、社会に提供していくことを使命としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
a.長期ビジョン
第61期(2019年3月期)スタートにあたり、10年スパンの長期的な方向性を示す『VISION2027』を策定しました。長期ビジョンでは、「顧客と消費者に感動を届ける」、「株主と地域社会に満足を届ける」、「社員一人ひとりがワクワク感を持って仕事をする」など、すべてのステークホルダーに感動と満足を届けることの意を込め、新しい経営方針「Deliver with WOW!」を定め、将来のありたい姿を「真のグローバルサプライヤーとして社会から必要とされる企業」とし、海外市場に目を向けた地理的拡大、独自技術の強みを活かした新規需要の掘り起こしや周辺領域への事業拡大などを積極的に推進してまいります。
(経営方針) 「Deliver with WOW!」
・VISION2027の基本方針
①既存事業の強化・拡大
②事業領域の拡大
③経営基盤の強化
・2027年度の定量的ビジョン
売上高 180,000百万円、営業利益 18,000百万円、営業利益率 10%
・進むべき事業領域
(ⅰ)ARPRO事業、(ⅱ)建築住宅断熱材、(ⅲ)FPD(フラットパネルディスプレイ)表面保護材、(ⅳ)新たな事業領域(新規事業創出及びM&Aとして売上高30,000百万円規模を目指します)の4つの成長エンジンを、今後の進むべき事業領域として位置付けました。
b.中期経営計画「Change for Growth 2026」(第67期~第69期)について
第67期から第69期を実行期間とする中期経営計画「Change for Growth 2026」では、「グループ全体の収益力強化」を基本コンセプトの第一に掲げ、市場環境の変化のみに頼らない主体的な持続的成長を目指すと同時に、資本効率を意識した経営を実施してまいります。また、前中期経営計画において推進してきたサステナビリティ経営をさらに突き詰める必要があります。カーボンニュートラルに向けた世界的気運の更なる高まり、人的資本への対応など、非財務分野への更なる対応に関する社会的要求が高まっていることは周知のとおりです。また、環境対応力の高さを今後の成長の源泉として位置付けており、循環型経済への転換を積極的に推進していきます。また、「経営基盤の強化」として、前中期経営計画において人事制度の見直しを検討してきました。2024年度より、当社は新人事制度として、年齢や勤続年数を重視した制度から、職責や期待する役割・能力を重視した制度へ移行し、運用が始まりました。多様化するキャリアパスへの対応や専門性が活かされる仕組みづくりを含め、「働きがいのある企業風土の醸成」に取り組みます。
・基本コンセプト
「グループ全体の収益力強化」
「発泡樹脂製品による社会への貢献」*
「経営基盤の強化」
① 人材育成の強化
② 労働安全と環境保全
③ コーポレート・ガバナンスの強化
④ 情報システム基盤の強化
⑤ 働きがいのある企業風土の醸成
⑥ 人材の多様性
*「発泡樹脂製品による社会への貢献」とは、前中期経営計画における基本コンセプトの一つ「経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと提供価値を拡大」と同じ考え方です。
・最終年度/第69期(2027年3月期)の定量目標と前提条件
<定量目標>売上高 160,000百万円、営業利益 10,000百万円、営業利益率 6.3%
<前提条件>為替:140円/米ドル、150円/ユーロ、20.0円/人民元
原油価格(ドバイ):90米ドル/バーレル

(要約セグメント情報)
(単位:百万円)
事業の種類第68期 実績第69期 中期計画
売上高営業利益売上高営業利益
押出事業49,5502,05854,0002,600
ビーズ事業95,9056,633106,0008,600
145,4568,691160,00011,200
調整額-△926-△1,200
合計145,4567,765160,00010,000

・設備投資計画
持続的成長及び収益性強化を目的とした戦略的投資として、メキシコのラモス・アリスペ工場の新設、インドのプネ工場の新設、チェコのヘブ工場の生産能力増強などARPRO生産能力増強のほか、自動化、省力化、省エネ化など合理化効果の高い設備投資を積極的に行います。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 成長戦略の推進における課題
・長期ビジョン『VISION2027』では、当社グループの進むべき事業領域を(ⅰ)ARPRO事業、(ⅱ)建築住宅断熱材、(ⅲ)FPD表面保護材、(ⅳ)新たな事業領域(新規事業創出及びM&A)の4つとし、中期経営計画「Change for Growth 2026」(第67期~第69期)においても定量目標を設定し取り組んでおります。
4つの成長エンジン(2023年度数量比)
ARPRO事業建築住宅断熱材FPD表面保護材新たな事業領域
中期経営計画
目標値(2026年度)
23%増15%増21%増売上高 50億円
2025年度実績8%増23%増12%減売上高 29億円

(ⅰ)ARPRO事業
2025年度のARPRO事業は、中国や台湾においてバッテリー用包材やAIサーバー用包材の分野で需要が増加し、北米では堅調に推移しましたが、欧州においてHVAC(*1)関連部品向け需要は回復傾向がみられているものの2023年度比では停滞していることもあり、全体としては8%増の販売数量となりました。2026年度は中東情勢の悪化の影響により需要の予測が困難な状況ですが、引き続きHVAC関連部品や輸送用通い函など非自動車部品分野への用途拡大に注力してまいります。また、中東情勢の悪化に伴う原料価格の高騰を背景に、リサイクル材の活用や省エネ性能へのニーズが一層高まる中、ARPROのグローバル対応力と高い開発・提案力という優位性を活かし、市場シェアの拡大を加速してまいります。
*1 空調システムを指します。Heating(暖房)、Ventilation(換気)、Air Conditioning(空調)。
(ⅱ)建築住宅断熱材(*2)
住宅着工件数が伸び悩む中で、伸び筋分野であるミラフォームラムダやプレカット品などの高付加価値製品の拡販が進展しており、収益性向上を目指しております。
*2 中期経営計画より高付加価値製品の増加率で目標設定しております。
(ⅲ)FPD表面保護材
2025年度のFPD関連保護材は、底堅い需要はありましたが、国内メーカーの事業撤退や顧客の生産工程見直し等により、販売は低調に推移しました。新たな顧客獲得に注力するとともに、顧客要求に対する技術提案力により増販を目指してまいります。
(ⅳ)新たな事業領域
欧州における射出成形事業のグループ会社2社が完全子会社となり、両社の技術力と販売ネットワークを最大限に活用し、当社グループの更なる企業価値向上を推進しております。また、OROUS(*3)およびイシリアル(*4)の新製品については、市場開拓を積極的に推進しております。
*3 当社が開発した連続気泡構造の樹脂材料です。切削加工性・断熱性・軽量性・吸音性に優れ、各産業分野における応用が期待されております。
*4 当社が開発した新素材であり、軽量、高耐熱性など多彩な特性を備え、製造時のCO2排出量が一般的なコンクリートの20~30%と非常に低く、環境に配慮した材料であります。
② 収益性改善における課題
・2027年3月期は、中東情勢の緊迫化などを背景に、事業環境の先行き不透明感が一段と高まるものと見込んでおります。原材料価格や物流費、エネルギーコストの上昇が想定される中、適時・適切な製品価格改定を進めるとともに、コスト削減や高付加価値製品の拡販による販売構成の改善に取り組む必要があります。あわせて、業務効率化を推進し、安定供給と収益性の確保を図ることを重要な課題としております。
③ 中期経営計画の基本コンセプトに関わる課題
・2026年度は、中東情勢の緊迫化や地政学的リスクの高まりを背景に、原油・ナフサをはじめとする原燃料の供給不安や価格高騰が懸念されております。加えて、物流網の混乱やエネルギーコストの上昇、為替変動等の影響により、主原料であるスチレンモノマーやポリスチレン等の原料価格についても不安定な状況が継続する可能性があります。また、原料メーカーにおける労務費、設備維持費、物流費等の上昇に伴う価格転嫁の圧力の高まりに加え、当社グループにおいても労務費や修繕費、各種コストの上昇が見込まれることから、収益確保に向けた対応が重要な課題であると認識しております。このような事業環境のもと、中期経営計画の基本コンセプトである「グループ全体の収益力の強化」に向けて、適切な製品価格の改定、高付加価値製品への販売構成のシフト、生産性向上によるコスト削減、安定調達体制の強化等を推進し、収益基盤の強化に取り組んでまいります。
・資源の有効活用やエネルギー使用量の低減に対する社会的要請は一層強まっております。加えて、地球温暖化対策や海洋プラスチック問題への対応、並びにESG課題への関心の高まりを背景に、プラスチック資源循環の推進やGHG排出量削減など、サステナビリティ関連の取組の重要性はさらに増しております。今後は、資源循環の高度化や省エネルギー化への対応が一段と加速していくものと認識しております。これらの事業環境の変化に対し、当社グループは、「発泡樹脂製品による社会への貢献」を基本コンセプトの一つとして、リサイクル材の活用拡大、製品の軽量化や省資源化、省エネルギー活動の推進等に取り組むとともに、環境対応型製品の提供を通じて、顧客及び社会の課題解決と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
・当社は、「経営基盤の強化」の一環として、「働きがいのある企業風土の醸成」を重要課題と位置付けております。2024年度より運用を開始した新人事制度については、2026年度において制度導入後3年目を迎えることから、更なる浸透と運用強化を推進してまいります。職責や期待役割・能力に基づく人事制度の定着を図ることで、多様なキャリアパスへの対応や専門性を活かした人材活用を進めるとともに、公正かつ納得感のある評価・処遇の実現に取り組んでまいります。また、定期的な面談や人材育成施策の充実を通じて、社員一人ひとりの成長支援を強化するとともに、働きやすさと働きがいの向上に向けた取組を推進し、社員エンゲージメントの向上を図ってまいります。
・「経営基盤の強化」の中で、重要課題と認識している事項は、「情報システム基盤の強化」であります。近年、サイバー攻撃の高度化や情報漏えいリスクの高まりに加え、グループ全体でのデジタル活用の拡大が進むなか、情報セキュリティ対策及びITガバナンスの強化が重要性を増しております。当社グループにおいては、生産工程における自動化・省力化の推進に加え、単なるデジタル化にとどまらず、業務プロセス全体の最適化を図るDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しております。あわせて、グループ全体での情報セキュリティ水準の向上に向け、システム管理体制の整備、情報資産管理の強化、従業員への教育・啓発活動等を継続的に実施し、サイバーセキュリティリスクへの対応強化に取り組んでまいります。
④ その他の課題
・資本財務戦略として、売上高利益率の改善だけでなく、資本コストと株価を意識した取組を重要視しております。資本収益性と財務健全性を両立した資本構成に向け、バランスシートのコントロールを意識した経営運営を課題と認識しております。
・企業価値の持続的な向上には、投資家やステークホルダーとの信頼関係の強化がこれまで以上に重要となっております。そのためには、IR情報の発信力を高めるとともに、双方向の対話をより一層深めていくことが求められております。透明性と信頼性を高める情報開示と積極的なコミュニケーションを通じて、持続可能な企業価値の実現に向けた基盤づくりが不可欠と認識しております。
・少子高齢化に伴う労働人口の不足、デジタル革命が進む中で専門性の高い特定分野の人材不足など、適時に人材を確保することが年々厳しくなっております。組織の活性化・効率化を推進するとともに、人的資本経営を意識した人材育成システムの充実化を図り、グローバル企業として更なる組織強化に努めてまいります。また、生産工程の短縮、製造ラインの自動化などの対策を実施することで、人手不足解消に努めてまいります。
・持続的な成長を実現するためには、イノベーションの創出とそれを支える技術の事業化がこれまで以上に重要と
なっております。そのため、研究開発部門と新事業開発部門の連携を一層強化し、社内の基礎技術や社外の先進技術を活用した新たな価値創出に取り組む体制の強化が求められております。技術力を成長エンジンへとつなげていく仕組みづくりが、今後の重要な課題であると認識しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。