有価証券報告書-第159期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/25 16:04
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159項目
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、帝人グループにより支配されている企業をいいます。帝人グループがある企業への関与から生じる変動リターンのエクスポージャー、または権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しています。
子会社の財務諸表は、帝人グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めています。
子会社が適用する会計方針が帝人グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えています。帝人グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに帝人グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されています。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失は純損益で認識しています。
② 関連会社
関連会社とは、帝人グループが当該企業に対し、財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業をいいます。
帝人グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有している場合、帝人グループは、当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
関連会社については、帝人グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しています。関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれています。関連会社の適用する会計方針が帝人グループが採用する会計方針と異なる場合は、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えています。
関連会社に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、帝人グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とする企業をいいます。
帝人グループが有する共同支配企業については、持分法によって会計処理しています。
共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しています。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び帝人グループが発行する持分金融商品及び条件付対価契約から生じる資産または負債の公正価値の合計として測定されます。のれんは、移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が従来保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得した識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しています。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において純損益として認識しています。
非支配持分を公正価値で測定するか、または識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかについては、企業結合ごとに選択しています。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しています。取得日時点に存在していた事実と状況を、取得日当初に把握していたとしたら認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」という。)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しています。測定期間は最長で1年間です。
なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識していません。
被取得企業における認識可能な資産及び負債は、次を除いて、取得日の公正価値で測定しています。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債
・被取得企業の株式に基づく報酬契約
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」にしたがって売却目的に分類される資産または処分グループ
段階的に達成される企業結合の場合、帝人グループが以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得または損失は純損益として認識しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートまたはそれに近似するレートにより帝人グループの各社の機能通貨に換算しています。
期末日における外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートにより機能通貨に換算しています。
取得原価で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、取得日の為替レートで機能通貨に換算しています。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しています。
当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、発生する損益がその他の包括利益で認識される資産及び負債に関しては、それらから生じる換算差額はその他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レートにより、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均の為替レートにより、それぞれ円貨に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識しています。
(4) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(a) 当初認識及び測定
帝人グループは、金融資産のうち償却原価で測定する金融資産はそれらの発生日に当初認識しています。その他のすべての金融資産は、金融商品の契約の当事者になった日に認識しています。
金融資産は、当初認識時に以下のとおり分類しています。
(ⅰ) 償却原価で測定する金融資産
次の要件をともに満たす場合に償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(ⅱ) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
帝人グループでは、売買目的で保有していないすべての資本性金融商品への投資について、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(ⅲ) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
(ⅰ)~(ⅱ)以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産は、原則として、公正価値に、当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しています。ただし、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、取引費用は発生時に純損益で認識しています。また、重大な金融要素を含んでいない営業債権はIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき測定しています。
(b) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
(ⅰ) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定し、利息は純損益として認識しています。
(ⅱ) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しています。なお、取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではない場合、または、当該金融商品の認識を中止した場合、その他の資本の構成要素の残高は直接利益剰余金に振替えています。ただし、当該金融資産からの配当金については、純損益として認識しています。
(ⅲ) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額は純損益として認識しています。
(c) 金融資産の認識の中止
帝人グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、または、当該金融資産の保有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、当該金融資産の認識を中止しています。
(d) 金融資産の減損
償却原価により測定する金融資産について、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しています。
帝人グループは、期末日毎に各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増大しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増大していない場合には、12ヵ月の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しています。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増大している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しています。信用リスクが著しく増大しているか否かについては、債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があるか否かの評価を行う際には、契約上の支払期日の経過情報や債務者の経営成績の悪化の情報等を考慮しています。一定の支払期日の経過があった場合には信用リスクが増大していると判断していますが、期日経過の理由や取引先の財務状況等の情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないと判断しています。
金融資産の全体または一部の回収が極めて困難であると判断した場合に債務不履行であると判断しています。
経営状態に重大な問題が生じていない場合は、過去の貸倒実績率等を考慮して予想信用損失を測定しています。債務不履行や財務状況の悪化等により経営状態に重大な問題が生じている場合は、将来の回収可能価額などに基づき個別に予想信用損失を測定しています。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権、契約資産及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しています。この際、信用リスク特性ごとに、過去の貸倒実績率を考慮した引当率を帳簿価額に乗じて予想信用損失を測定しています。
なお、いずれの金融資産についても、債務者の破産などによる法的整理の手続の開始等の可能性が高くなった場合には、信用減損金融資産として取り扱っています。
金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しています。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額及び戻入額は、純損益で認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
帝人グループは、金融負債を発生日に当初認識しており、償却原価で測定しています。当初認識時には公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しています。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。
金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消しまたは失効となった時に認識を中止しています。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
帝人グループは、為替リスクや金利リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約、金利スワップ契約等のデリバティブを利用しています。
ヘッジ会計の適用にあたっては、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際のヘッジ手段とヘッジ対象の関係、及びヘッジ関係の有効性の評価方法についてヘッジ開始時に正式に文書化しています。また、ヘッジ手段として指定したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるかどうかについて、ヘッジ開始時及びその後も継続的に評価を実施しています。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識し、その事後的な処理は、以下のとおりです。
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)
ヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振替えています。ヘッジ対象が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
ヘッジ手段の失効または売却等によりヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計の適用を中止しています。ヘッジされた将来キャッシュ・フローがまだ発生すると見込まれる場合は、その他の包括利益に認識されている利得または損失の累積額を引き続きその他の包括利益累計額として認識しています。予定取引の発生がもはや見込まれなくなった場合等は、その他の包括利益に認識していた利得または損失の累積額を、直ちに純損益に振替えています。
④ 金融商品の公正価値
各報告日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格を参照しています。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。原価は主として総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべての費用を含んでいます。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(7) 有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定については原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び原状回復費用、並びに資産計上すべき借入コストが含まれています。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたって、定額法で計上されています。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりです。
建物及び構築物 3~60年
機械装置及び運搬具 2~22年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(8) 無形資産及びのれん
① 無形資産
無形資産の認識後の測定については原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しています。
企業結合により取得した無形資産は、取得日の公正価値で測定しています。
なお、内部創出の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しています。
耐用年数を確定できる無形資産は、当初認識後、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。
主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりです。
販売権 5~15年
ソフトウェア 2~10年
顧客関連資産 11~20年
技術関連資産等 5~11年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、償却を行わず、毎年及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
② のれん
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
のれんの当初認識時における測定については、(2) 企業結合に記載しています。
のれんは償却を行わず、毎年及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
なお、のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っていません。
(9) 投資不動産
投資不動産は、賃料収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産です。
投資不動産の認識後の測定については、有形固定資産に準じて原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
土地等の減価償却を行わない資産を除いた投資不動産は、それぞれの見積耐用年数(3年~50年)にわたって定額法で減価償却しています。
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(10) リース
帝人グループは、契約の締結時に契約がリースであるかまたはリースを含んでいるかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースまたはリースを含んだものであると判定しています。契約がリースであるかまたはリースを含んでいると判定した場合、リース開始日に使用権資産及びリース負債を認識しています。
リース負債は、未払リース料総額の現在価値で測定しています。使用権資産は、リース負債の当初測定の金額に、開始日以前に支払ったリース料等、借手に発生した当初直接コスト及びリース契約条件で要求されている原状回復義務等のコストを調整した取得原価で測定しています。
当初認識後、使用権資産は、耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法で減価償却を行っています。リース負債は、リース負債に係る金利、支払われたリース料及び該当する場合にはリース負債の見直しまたはリースの条件変更を反映する金額で事後測定しています。
リース料は、実効金利法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分し、金融費用として認識しています。
ただし、リース期間が12ヵ月以内の短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料をリース期間にわたって、定額法または他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しています。
(11) 非金融資産の減損
帝人グループは、期末日ごとに非金融資産の減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っています。
資産または資金生成単位(グループ)の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割引いています。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位(グループ)ごとに回収可能価額を見積もっています。
のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように、必要に応じて統合しています。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位(グループ)に配分しています。
帝人グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成しません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位(グループ)の回収可能価額を算定しています。
減損損失は、資産または資産生成単位(グループ)の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合には帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しています。資金生成単位(グループ)に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位(グループ)内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しています。
のれんに関連する減損損失は戻入れを行っていません。のれん以外の資産に関しては、過年度に認識した減損損失について、期末日ごとに損失の減少または消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかを評価しています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位(グループ)の回収可能価額の見積りを行っています。その回収可能価額が、資産または資金生成単位(グループ)の帳簿価額を超える場合、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費または償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失を戻入れます。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
帝人グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
(ⅰ) 確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しています。確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額を当該確定給付制度の積立超過額あるいは資産上限額(アセットシーリング)のいずれか低い金額で測定しています。
勤務費用及び確定給付負債または資産の純額に係る利息純額は、発生した期の純損益として認識しています。
過去勤務費用は、即時に発生した期の純損益として認識しています。
確定給付制度に係る負債または資産の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として認識した後、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振替えています。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出制度の退職給付に係る掛金は、従業員が勤務を提供した時点で費用として認識しています。
② その他長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を現在価値に割引いて算定しています。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しています。
帝人グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的義務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合、支払われると見積られる額を負債として認識しています。
④ 解雇給付
帝人グループは、帝人グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、または従業員が給付と引き換えに自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。
帝人グループが当該給付の申し出を撤回できなくなった時、または帝人グループが解雇給付の支払を伴うリストラクチャリングに係るコストを認識した時のいずれか早い方の日に解雇給付を費用として認識しています。
(13) 引当金及び偶発負債
引当金は、帝人グループが過去の事象の結果として現在の法的または推定的義務を有しており、経済的便益を有する資源を流出する可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しています。
貨幣の時間的価値に重要性がある場合には、債務を決済するために必要となる支出の現在価値で測定しています。現在価値の算定には、貨幣の時間価値と負債に固有のリスクについて現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いています。
また、期末日現在において発生可能性のある債務を有し、それが期末日現在の債務であるか否か確認ができないもの、または引当金の認識基準を満たさないものがある場合は、偶発負債として注記しています。
(14) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しています。また、株式発行費用(税効果考慮後)は発行価額から控除しています。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しています。当社の自己株式の購入、売却または消却において、利得または損失は認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本として認識しています。
(15) 株式報酬
帝人グループは、持分決済型のストック・オプション制度、並びに持分決済型及び現金決済型の譲渡制限付株式報酬制度、業績連動型株式報酬制度を運用しています。
① ストック・オプション制度
帝人グループの資本性金融商品(オプション)を対価として、取締役または執行役員及び理事(以下、「取締役等」という。)からサービスを受け取っています。
当該制度の下で付与されるオプションの付与日における公正価値は、その権利確定期間にわたって費用認識し、同額を資本の増加として認識しています。当制度は2021年3月期で廃止(ただし、取締役等に対しすでに付与した株式報酬型ストック・オプションとしての新株予約権のうち未行使のものは今後も存続)しています。
② 譲渡制限付株式報酬制度
当制度における報酬のうち、持分決済型に係る部分については、当社株式の付与日における公正価値を参照して測定しており、算定された報酬は権利確定期間にわたって費用認識するとともに、対応する金額を資本の増加として認識しています。
一方、現金決済型に係る部分については、受領した役務を発生した負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお、各報告期間の末日及び決済日において当該負債の公正価値を再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
③ 業績連動型株式報酬制度
当制度における報酬のうち、持分決済型に係る部分については、当社株式の付与日における公正価値を参照して測定しており、算定された報酬は権利確定期間にわたって費用認識するとともに、対応する金額を資本の増加として認識しています。
一方、現金決済型に係る部分については、受領した役務を発生した負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお、各報告期間の末日及び決済日において当該負債の公正価値を再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
(16) 収益
帝人グループは、次の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する
① 商品及び製品の販売
商品及び製品の販売には、マテリアル事業における高機能材料や複合成形材料の販売、繊維・製品事業における繊維製品等の販売、ヘルスケア事業における医薬品や医療機器の販売やその他の事業における再生医療等製品の販売等が含まれます。
このような商品及び製品の販売については、原則として製品の引渡時点にて顧客が当該製品に対する支配を獲得することにより、履行義務が充足されると判断し、引渡時点で収益を認識しています。
商品及び製品の販売から生じる収益について、取引価格は顧客との契約に基づき算定しており、リベートを付して販売する場合、取引価格は販売契約における対価から当該リベートの見積額を控除した金額で算定しています。
主に繊維・製品事業において、顧客への商品及び製品の販売に関する当社及び連結子会社の役割が代理人に該当する取引については、他の当事者が提供する商品と交換に受け取る額から当該他の当事者に支払う額を控除した純額を収益として認識しています。
商品及び製品の販売に対する対価は、製品の引渡時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
② サービスの提供
サービスの提供には、ヘルスケア事業における医療機器レンタルサービスや、その他の事業における工事契約の実施等が含まれます。
このようなサービスの提供については、履行義務が一時点で充足される場合には、サービスの提供終了時点において収益を認識しており、履行義務が一定の期間において充足される場合には、履行義務が提供される期間にわたって、または充足に係る進捗度に基づいて収益を認識しています。履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができない場合は、発生した費用の範囲でのみ収益を認識しています。
取引価格は顧客との契約に基づき算定しています。また、サービスの提供に対する対価は、履行義務を充足後、主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
(17) 法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、その他の包括利益または直接資本に認識される項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しています。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定にあたっては、期末日までに制定または実質的に制定された税率及び税法に基づいています。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除を利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関して、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関して、一時差異の解消する時期をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額または一部が使用できるだけの十分な課税所得が獲得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しています。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定されている、または実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しています。
当社は、グループ通算制度を適用しており、一部の連結子会社は、連結納税制度を適用しています。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しています。
(19) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
非流動資産(または処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用ではなく主に売却取引により回収される場合には、当該非流動資産(または処分グループ)を売却目的保有に分類しています。
売却目的保有へ分類するためには、売却の可能性が非常に高く、現状で直ちに売却が可能なことを条件としており、帝人グループの経営者が当該資産の売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に限られています。
売却目的保有に分類された非流動資産(または処分グループ)は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、売却目的保有に分類された後は減価償却または償却を行っていません。
非継続事業には、既に処分されたか、または売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループの独立の主要な事業分野若しくは地域を構成するか、その独立の主要な事業分野若しくは地域の処分の計画がある場合に認識しています。

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