訂正有価証券報告書-第139期(2019/01/01-2019/12/31)
当社グループは長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』の実現に向けて、2018年度よりスタートした中期経営計画「PROUD 2020」(2018年度~2020年度)において以下の4つの主要経営戦略を推進しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年12月31日)現在において当社が判断したものです。
① 競争優位の追求
顧客ニーズに基づく高付加価値製品・用途の開発推進や、今後、更に存在感が増す新興国・地域を、新たな機会創出の場として捉え、戦略的に取り組みを強化することや、IoTを活用した生産・業務プロセスの革新・改善を行うことで競争力の強化を行っていきます。
② 新たな事業領域の拡大
独自技術の研鑽と外部技術の取り組みによる新事業の創出やM&A・アライアンスによる新領域の獲得、技術とサービスを組み合わせたビジネスモデルの確立を行うことで事業領域を拡大していきます。
③ グループ総合力強化
ビジネスの拡大に合わせたグローバル経営基盤の構築、世界の多様な優秀人材を惹きつける働きがいのある職場づくり、クラレグループの更なる一体感の醸成を行っていくと同時に、コンプライアンス徹底の取り組みを強化していきます。
④ 環境への貢献
上記3つの経営戦略に基づく具体的施策の実施において、事業活動における環境負荷の低減、地球環境や社会問題の解決に貢献する製品やサービスの提供の拡大を通じ、自然環境や生活環境の向上に貢献します。
中期経営計画「PROUD 2020」におけるこれまでの2年間は、イソプレンにおけるタイ新工場の投資決定や、世界最大の活性炭メーカーであるCalgon Carbon Corporationの買収と統合シナジーの発現など、将来の安定したポートフォリオの構築への取り組みを強化してきました。また、光学用ポバールフィルムや水溶性ポバールフィルムの設備増強など、成長に向けた戦略の具体的施策についても着実に実行しました。一方、業績面では世界景気減速の影響を受け、当社の主要用途である、自動車、ディスプレイ、電気・電子デバイス産業が調整局面に入り、需要が減退したため、計画を下回る結果となりました。「PROUD 2020」の最終年度となる2020年度の世界経済は成長がさらに鈍化し、当社事業を取り巻く環境も向かい風が続くことを想定しており、「PROUD 2020」に掲げた業績目標の達成は困難な状況です。このような状況の中、主要経営戦略の具体的施策を確実に実行していくとともに、設備投資を行った事業における早期の業績貢献化や、買収した活性炭事業におけるシナジー発現の加速など、キャッシュフローの創出に一層注力します。また、市場環境の変化などにより見直しが必要な事業においては戦略の修正を行い、2021年から新たに始まる次期中期経営計画に繋げていく所存です。
当社グループは創立100周年に向かって持続的に成長するスペシャリティ化学企業として、大きく飛躍するために今後も挑戦し続けます。
当社は2019年11月22日に公正取引委員会から活性炭の製造・販売に関し、排除措置命令を受けました。2017年3月にも防衛装備庁が発注する特定ビニロン製品の入札に関して同委員会から排除措置命令を受けています。二度にわたる独占禁止法違反の排除措置命令に関し、事態の重大性を厳粛かつ真摯に受け止め、独占禁止法の遵守を経営上の最重点課題の一つとし、再発防止に向けた諸施策に全力で取り組んでいます。
また、2018年5月に米国子会社で発生した火災事故に関連し、160名超の外部委託業者の作業員等から身体的または精神的傷害に対する損害賠償等を求める民事訴訟を提起されています。一部の原告と和解に至っていますが、現在も訴訟は係属中です。同工場は既に再発防止の諸施策を講じた上で運転を再開していますが、二度とこのような火災事故を起こさないために、2019年度よりクラレ本社による海外プラントの安全監査を実施し、抽出した改善点に順次対処しています。2020年度以降も、国内外プラントにおける安全に関する設備面の強化、及び管理システムやマニュアル見直し・改善、社員教育の充実などソフト面の強化を継続的に取り組んでまいります。
今後も、企業ステートメントの行動原則に掲げた「安全はすべての礎」の考えのもと、「安心して働ける会社、事故の起こらない安全な会社」の実現をグローバルで目指してまいります。