有価証券報告書-第145期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/25 16:52
【資料】
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【項目】
195項目
クラレグループでは、カルゴン・カーボン社の新炭製造プロセスにおける副生CO2の算定精度向上に向けて算定方法を見直しました。さらに、GHG排出量に対する任意保証の取得準備の過程において第三者機関より指摘を受けたことに鑑み、活動量データや排出係数の根拠をより正確なものに改善し、また、Scope3においては算定対象範囲を拡大しました。これに伴い、2024年度より、クラレグループGHG排出量削減目標の基準年である2021年度まで遡り修正を実施しました。修正結果及び修正内容は下表に記載のとおりです。
表1:Scope1、2排出量修正の内訳

Scope1、2排出量の主な修正内容
・カルゴン・カーボン社の新炭製造プロセスにおける副生CO2の算定精度向上等(Scope1減少)
・米国生産拠点における購入蒸気の排出係数の見直し、海外生産拠点における購入蒸気エネルギー単位の修正等(Scope2増加)
表2:Scope3排出量修正の内訳

Scope3(カテゴリー1、カテゴリー4)排出量の主な修正内容
・一部原材料の排出量の見直し(カテゴリー1減少)
・算定対象の購入製品・サービスの拡大(カテゴリー1増加)
・排出係数の見直し(カテゴリー1減少)
・カテゴリー1の算定対象の拡大に伴うカテゴリー4の見直し(カテゴリー4増加)

(2) 気候変動への取り組み
クラレグループは、気候変動対応を当社の取り組むべき重要課題の一つとして捉え、2020年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD: Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言への賛同を表明し、TCFD 提言が推奨する4つの開示項目(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿ってクラレグループにおける気候変動への取り組みについて開示しています。
① 気候変動に対するガバナンス
クラレグループでは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、気候変動を含むサステナビリティ課題について各種施策の審議・報告・進捗管理を行っています。サステナビリティ委員会の傘下には、サステナビリティ中期計画で掲げたグローバル施策を実行するプロジェクトチームを配置し、各プロジェクトの着実な実行を推進する体制を構築しています。
また、サステナビリティ委員会にて重要と判断された事項については取締役会に付議または報告し、取締役会の意見をサステナビリティ課題への取り組みに反映しています。
② 気候変動に対する戦略
低炭素社会への移行において想定される事象、及び気候変動に伴い発生する物理的な事象に対するクラレグループのリスクと機会を表1のとおり選定しています。
表1 気候変動に伴うクラレグループにおけるリスクと機会

※短期: 1 年以内、中期: 1~5 年、長期: 5 年超
次に、表1で選定したクラレグループのリスクと機会に基づき、低炭素社会への移行が進む2℃以下シナリオ(含む1.5℃シナリオ)及び気候変動が進む4℃シナリオを用いた分析を行いました。当該分析の結果、クラレグループにおける事業へのインパクトは表2に記載のとおりとなります。
<シナリオ分析の前提>・基準年:2021年、算定対象年:2035年
・参照した外部データ:
・World Energy Outlook 2024 (IEA: International Energy Agency)
・Working on a warmer planet (ILO: International Labour Organization)
・Climate Impact (ウェザーニューズ社)他
表2 気候変動シナリオにおけるクラレグループの主要なリスクと機会の事業インパクト

低炭素社会への「移行リスク」では、2℃以下シナリオにおけるGHG排出及びエネルギー調達に対する炭素税等の影響が大きく、2035年までに計画中のGHG排出削減対策を完了した後でも約260億円の炭素税等の賦課により操業コストが増加する可能性が示されました。現行の中期経営計画「PASSION 2026」ではインターナルカーボンプライシング制度を導入しGHG排出量に対する賦課額等を認識したうえで、GHG排出量の削減やエネルギー効率の向上を図るとともにGHG排出量を抑えた事業の拡大を目指しています。また「PASSION 2026」では3つの挑戦の1つに「機会としてのサステナビリティ」を掲げ、各種施策を進めています。中でもWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が定めた客観性・透明性の高い製品ポートフォリオ評価手法であるPSA(Portfolio Sustainability Assessment)に準拠したクラレPSAシステムを構築し、自然環境・生活環境貢献製品の拡大を図り、これら環境貢献製品が創出する市場価値の製品・サービス価格への反映を促進していきます。
気候変動に伴う「物理的リスク」では、洪水災害発生による操業への影響が想定されます。これに対し、人命・地域等の安全対策を講じたうえで事業の継続または早期復旧に努めています。また洪水災害による財産の毀損を補填するための手段も講じ、被害影響の低減を図っています。
なお、気候変動への対応は中長期的な課題であることから、適宜適切なタイミングで施策の見直しや新たな施策の検討を継続的に実施していきます。

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