訂正有価証券報告書-第132期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/07/13 15:50
【資料】
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【項目】
174項目
(重要な会計上の見積り)
前事業年度(2022年3月31日)
Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
当事業年度
(2022年3月31日)
Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式282,304百万円

(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、子会社株式及び関連会社株式について、移動平均法による原価法により評価しています。なお、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式は市場価格のない株式であり、実質価額が著しく低下した場合には、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除き、減損処理を行うことが求められます。
当社は2016年3月期に、成長市場である環境対応車市場が2025年頃にかけて急速に拡大し、それに伴い同社の売上高及び営業利益が増加するという前提に基づき、当社の100%子会社であるAsahi Kasei Energy Storage Materials Inc.を通じて、Polypore International, LPの株式の100% を取得しました。なお、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式は、貸借対照表に計上されている関係会社株式残高(当事業年度998,800百万円)の中で、最も金額的な重要性が高い状況にあります。Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の実質価額には、Polypore International, LPの株式取得時に見込んだ超過収益力が含まれています。環境対応車市場は成長市場であるために、急速なテクノロジーの進化や競合激化を伴い、想定外の事業環境変化への対応を誤ると、売上高や営業利益が、計画を下回る可能性があります。そのため、当社は、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の評価にあたり、最新の事業計画の基礎となる環境対応車市場の拡大規模と時期に関する想定が、買収時点のものとの間に重要な乖離が生じていないかを踏まえて、Polypore International, LPの株式取得時に見込んだ超過収益力が減少していないかを検討しています。
当事業年度においては、最新の事業計画の基礎となる環境対応車市場の拡大規模と時期に関する想定が、買収時点のものとの間に重要な乖離が生じていないことから、当社はAsahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の実質価額が著しく低下した状況にはあたらないと判断しています。
環境対応車市場は成長市場であるために、急速なテクノロジーの進化や競合激化を伴い、想定外の事業環境変化への対応を誤ると、売上高や営業利益が計画を下回る可能性があるため、前提とした状況が変化すれば、実質価額が著しく低下することにより、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除き、減損処理を行う可能性があります。
当事業年度(2023年3月31日)
Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
当事業年度
(2023年3月31日)
Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式28,984百万円
(関係会社株式評価損計上額
257,730百万円)

なお、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の金額には、Polypore International, LP 株式取得額に加えて、同社買収後に複数回実施した増資金額が含まれています。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、子会社株式及び関連会社株式について、移動平均法による原価法により評価しています。
当社は、2016年3月期に、当社の100% 子会社であるAsahi Kasei Energy Storage Materials Inc. を通じて、Polypore International, LP の株式の100% を取得しました。なお、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式は市場価格のない株式であり、実質価額が著しく低下した場合には、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除き、減損処理を行うことが求められます。
当社は、2023年3月8日開催の取締役会におけるセパレータ事業の事業運営方針の変更を踏まえて、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の実質価額に含まれているPolypore International, LPの株式取得時に見込んだ超過収益力の減少の有無や程度の検討を行い、その結果、実質価額が著しく低下した場合に該当したことから、帳簿価額の減額を行い、当事業年度の財務諸表において、257,730百万円の関係会社株式評価損を計上しました。
同取締役会において、当社は、セパレータ事業の今後の事業方針として、北米市場を中心に、リチウムイオン電池用湿式セパレータ「ハイポア」に経営資源を集中し、急成長する高容量電池を搭載した電気自動車(EV)等の環境対応車用電池市場に注力していく旨の事業運営方針の変更を行いました。事業運営方針の変更を受けたPolypore International, LPの今後の事業計画には、リン酸鉄リチウム(LFP)系の正極を使用したリチウムイオン電池や、ハイブリッド車向けリチウムイオン電池等の、EV用途とは異なる市場における販売戦略等が反映されている一方、買収時に想定していたEV向けセパレータの拡大は困難な状況にあります。当社は、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.株式の実質価額に含まれるPolypore International, LPの株式取得時に見込んだ超過収益力の減少の有無や程度の検討において、当該事業計画を考慮しました。
環境対応車市場を主体としたバッテリーセパレータ事業の事業環境は大きく変化しており、事業計画に含まれる将来の売上予測や営業利益率等の会計上の見積りに使用された主要な仮定は、見積りの不確実性の程度が高く、前提とした状況が悪化すれば、実質価額が著しく低下することにより、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除き、追加的な減損処理を行う可能性があります。