有価証券報告書-第133期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 16:01
【資料】
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【項目】
183項目
■ 戦略
[機会]
当社はカーボンニュートラルな社会への転換をはじめとするメガトレンドを見据え、事業ポートフォリオ変革を推進しています。具体的には、中期経営計画において、重点的に資源投入する成長牽引事業「Growth Gears(GG) 10」を定め、これらに3年間で約6,000億円の投資の意思決定をする目標です。
特に、水素関連、蓄電池用セパレータ、デジタルソリューション、クリティカルケアに、重点的に経営資源を投じていきます。併せて、脱炭素関連として、2024年度までの3年間で約600億円の投資を実行する構えとしています。
また、気候変動対応を含む環境分野のスタートアップ企業を対象として、2023~2027年度の5年間に1億ドルの投資枠を設定しています。加えて、サプライチェーン全体の観点から社会のGHG削減量の削減等に貢献する製品・サービス(環境貢献製品)の売上高比率を高め、2030年度におけるGHG削減貢献量を2020年度比2倍以上にしていく目標を掲げています。
当社の事業展開の方向性は、気候変動の緩和及び適応においてさまざまな製品・サービスを事業機会として提供しうると認識しています。
[リスク]
「+1.5℃」シナリオでは、主としてカーボンニュートラル化に向けたカーボンプライシング等の政策による規制が強まるとともに、カーボンニュートラルに適した素材への需要シフトをリスクとして想定しています。さらに、循環型経済への移行加速やカーボンニュートラルな社会に向けた革新技術の登場による、市場構造変化もリスクとして想定しています。
「+4℃」シナリオでは、主として酷暑・大雨・洪水などの物理的リスクを想定しています。特に、風水害の甚大化により、当社の製造拠点の被災とその損害額を国内外の主要拠点についてリスク認識しています。
これらのリスクは濃淡がありながらも、今後の気候変動の中でいずれも発現しうるものと当社では捉えており、リスク低減の取り組みを進めていきます。