有価証券報告書-第127期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/22 16:31
【資料】
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【項目】
147項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、高い技術水準に裏打ちされた高品質、高機能、環境対応型の塗料製品・コーティング材料とサービスを顧客志向の組織を通じて、真心こめて提供していくことを基本方針としております。
また、当社は以下の「企業理念」を経営の基本としております。
「企業理念」
神東塗料は、
1. 塗料事業を通じて社会の発展に貢献します。
2. 堅実と信用を第一に、お客様に信頼される会社であり続けます。
3. 社員が愛着を持ち、より誇りの持てる会社を目指していきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループにおきましては、業績に占める持分法適用会社の重要性を考慮し、売上高、営業利益、経常利益、売上高営業利益率及び売上高経常利益率を重要な指標として認識しておりますが、当面はコアビジネスの収益力の向上を図るため売上高営業利益率を最重要視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、現在主な事業地域としている国内市場の構造的な縮小、世界で広がる保護貿易主義的な傾向、原材料価格の値上がり懸念など厳しい市場環境が想定される一方、老朽化した設備の更新投資をはじめとする経費の増加も避けられず、売上高・利益の拡大は容易ではないと認識しております。この課題解決のため、既存製品の改良によるシェア拡大・収益向上、事業範囲の拡大による売上高増加、ITツール導入による生産性向上に取り組んでまいります。また、10年先の利益水準の目標を連結売上高営業利益率10%と設定し、この10年を準備・実施・収穫の3つのフェーズに分けて、様々な施策を進めてまいります。2021年3月期からの3年間は準備フェーズとして、①既存事業分野におけるシェア拡大・利益率の改善、②ITの活用・自動化の推進による生産性の向上、③関係会社との連携強化・効率化推進、④当社の強みを活かした新規ビジネス探索、⑤コンプライアンスの徹底・安全安定操業継続、⑥海外市場調査・事業性評価・人材確保、を重点取り組み項目とし、最終年度の2023年3月期の連結売上高営業利益率を4.7%まで引き上げることを目標とする中期経営計画に取り組んでおります。
しかしながら、中期経営計画策定と前後して本格化した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は拡大の一途をたどり、国内においても度重なる緊急事態宣言の発令等により経済活動が大きく制限される状況にあります。現在ワクチン接種の加速等の対策が進められつつあるものの、より感染力の強い新たな変異型ウイルスの発生・流行が認められるような状況にあり、感染の長期化に伴い当社グループの顧客であります自動車、建築、機械等の需要回復に遅れが見られます。
かかる状況をふまえ、中期経営計画の対象期間を1年間延長し、最終年度を2024年3月期に変更することといたしました。最終年度における連結売上高営業利益率の目標4.7%については変更せず、定量的には、売上高22,050百万円、営業利益1,036百万円を目標としております。
(塗料事業)
塗料事業につきましては、利益率の改善に向けて、既存塗料製品の高機能化によるシェア獲得・高利益率化、新規コーティング材の開発及び海外市場進出による事業拡大、ITツール導入等による生産性向上を製造、販売、研究開発、管理の全ての分野において推進することの3つを事業展開の軸に取り組んでまいります。
(化成品事業)
住化エンバイロメンタルサイエンス㈱より受託生産しております化成品事業につきましては、同社と緊密に連携しつつ、高品質な製品を安定的に供給してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
今後の見通しといたしましては、新型コロナウイルス感染症はワクチン接種が進むに従い徐々に収束に向かい、経済活動は緩やかに回復していくものと予想されますが、一方で原材料価格の急激な上昇等、当社を取り巻く事業環境は一層困難を伴うものになると思われます。
このような状況に対し、当社グループといたしましては、利益率の改善に向けて、既存塗料製品の高機能化によるシェア獲得・高利益率化、新規コーティング材の開発及び海外市場進出による事業拡大、ITツール導入等による生産性向上を製造、販売、研究開発、管理の全ての分野において推進することの3つを事業展開の軸として取り組んでまいります。
また、事業活動の全般における内部統制システム、コンプライアンスについては、引き続き、体制の整備拡充に注力し、グループ全体で遵守・徹底を図る所存であります。