有価証券報告書-第117期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績
当連結会計年度の世界経済は、期初から期央にかけて、米国経済は良好な雇用・所得環境が個人消費を下支えしましたが、中国経済は対米貿易摩擦により輸出が低迷、その他アジア新興国地域は対中国向けの輸出が低迷するなど、それぞれ弱含みで推移しました。日本経済は海外経済の減速により輸出が減少し、さらに10月以降の消費増税により消費者マインドが悪化、個人消費が低迷しました。加えて、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済の停滞が始まりました。
このような経済環境のもとで、当連結会計年度における売上高は、化学品事業及び高分子事業の車両業界向け製品及び化成品事業の情報・電子業界向け顔料等が低調に推移し1,551億8百万円(前年同期比9.0%減)と減収になりました。営業利益は、売上高の減収により48億5千万円(同44.4%減)、経常利益は55億8千2百万円(同39.7%減)とそれぞれ減益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益を計上したほか、清算が決定したスペイン子会社の株式評価損に係る繰延税金資産を計上したことなどにより39億7千7百万円(同2.6%増)と増益となりました。
次に事業セグメントの業績についてご報告いたします。
なお、営業利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。
(化成品事業)
当事業は、塗料、印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っております。情報表示・記録用顔料は下期に減速し低調に推移しました。また、その他汎用顔料は低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は241億5千4百万円(同5.6%減)、営業利益は21億5千9百万円(同36.6%減)となりました。
(化学品事業)
当事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っております。車両業界向けは樹脂コンパウンド及び海外向けのマスターバッチが低調に推移しました。コーティング剤は情報・電子業界向けが堅調に推移しました。海外連結子会社においては東南アジアの樹脂コンパウンドが低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は844億6千万円(同10.6%減)、営業利益は39億3千8百万円(同29.1%減)となりました。
(高分子事業)
当事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。産業資材業界向けの特殊コーティング剤が低調に推移しました。また、海外連結子会社においては中国・アメリカの事業拠点の業績が低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は181億5千1百万円(同8.9%減)、営業利益は27億1千3百万円(同22.7%減)となりました。
(印刷総合システム事業)
当事業は、印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは国内の一般包材向けのパッケージ関連が低調に推移しましたが、海外連結子会社においては、インドネシアの拠点の業績が堅調に推移しました。一方、オフセットインキは需要減少が続きました。
これらの結果、当セグメントの売上高は281億5百万円(同5.9%減)、営業利益は20億3千6百万円(同6.1%減)の減益となりました。
(その他事業)
当事業は、グループ各社等への不動産賃貸等を行っております。当セグメントの売上高は2億3千6百万円(同52.6%減)となり、営業損失は2億2千6百万円となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,872億9千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ34億4百万円減少いたしました。これは、「投資有価証券」が減少したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は916億2千1百万円となり、前連結会計年度末と比べ30億2千4百万円減少いたしました。これは、「支払手形及び買掛金」が減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は956億7千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億8千万円減少いたしました。これは、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「利益剰余金」が増加した一方で、「その他有価証券評価差額金」及び「退職給付に係る調整累計額」が減少したことなどによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ62億1千6百万円増加し、当連結会計年度末には276億3千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりとなっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は128億2千9百万円となりました。これは主に「売上債権」「たな卸資産」及び「法人税等の支払額」が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は35億5千2百万円(前年同期比48.7%減)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」として支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は30億2千6百万円(同155.7%増)となりました。これは主に「配当金の支払額」及び「借入金の返済による支出」として支出したことなどによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討等
ⅰ経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの経営成績に対して特に重要な影響を与えた事象は、以下のとおりと考えております。
海外売上高比率50%確保を目指し、積極的な事業展開を実施しておりますので、海外経済状況は当社グループの業績に対して直接の影響を及ぼすことになります。米国においては期央以降、個人消費が弱含みとなり、中国においては対米貿易摩擦により輸出が低迷し、その他アジア新興国地域においても中国向け輸出の低迷により弱含みで推移しました。加えて、2020年1月以降新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界経済の停滞が始まりました。これらの社会的、経済的状況を反映して、海外売上高比率29%を維持しております当社グループの経営全般に与える影響は、現状では厳しいものと判断しております。
また、政府統計において公表されておりますとおり、2019年10月より消費税が8%から10%へ引き上げられたこと等を主要因として、2019年10月~12月のGDP成長率が△1.8%(年率△7.1%)となったことなどもあり、これら日本国内におけるマクロ経済動向が、当社グループの製品が使われている一般消費財、耐久消費財に与える影響は、依然として予断を許しません。
このため、売上高は1,551億8百万円(前年同期比9.0%減)となり、営業利益は48億5千万円(同44.4%減)、経常利益は55億8千2百万円(同39.7%減)となりました。
国内外で生じたリスクの顕在化に伴い、対前年マイナスの実績とはなりましたが、当社グループの収益、成長の源泉は、国内・海外双方に存在し、リスク分散の観点からもバランスよく事業育成をしていく必要があると考えるため、海外売上高比率50%の達成という点を引き続き長期的な課題として認識し、常に念頭に置きながら業務の展開を進めてまいります。すなわち、「対処すべき課題等」にも記載しましたとおり、米国におけるウレタン樹脂新工場の稼働(2019年12月)やタイにおける樹脂コンパウンド新工場の本格稼働(2020年1月)を行う等、積極的な投資を行うと同時に、既に業務展開している地域においては、収益環境を常時モニターすることにより、「攻略市場と戦略製品の選択と集中」を図り、「生産拠点の再構築」も検討し、グローバルな視点から適材適所での拠点化を進めることで、着実な収益確保・成長戦略を描くことができるものと考えております。
また国内におきましても、当社グループ製品の最終生産財・消費財への活用状況を勘案し、車両業界を始めとした各業界の動向は十分に注視すると同時に、お客様のニーズを十分満たす製品の適時な供給を行うことで、バランスよく業務推進することにより、適正な事業ポートフォリオを維持してまいります。
合わせて足元の収益環境悪化をカバーするためにも、「2 事業等のリスク」で記載したとおり、各リスクに対応したリスク回避・削減策を積極的に起動させていくことといたします。
各セグメントの概況は以下のとおりであります。なお、セグメント毎の営業実績は上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に、生産実績・商品仕入実績・受注実績・販売実績は、同「④生産、受注及び販売の実績」にて、それぞれ記載しております。
(化成品事業)
当事業は、塗料・印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、情報表示・記録用顔料は下期に入り低調に推移、その他汎用顔料は年間を通じて低調に推移しました。需要家別に見ますと、お客様毎に、ばらつきなどはあるものの、「2 事業等のリスク (1)戦略リスク」に記載しましたとおり、足元では、新型コロナウイルス感染症による一般消費財、耐久消費財に対する消費減少に伴う影響が大きいことは事実ですが、一方で情報媒体や食品用包装などの需要に係る構造的変化によるものも見逃せない状況にあります。海外においては、中国やインドなどで生産される製品との競合などにより、総じて低調な結果となりました。このため、刻々と変化するお客様のニーズに合った製品を適時に提供することにより、今後も一層の収益確保・拡大を図ってまいります。
(化学品事業)
当事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、車両業界向けの樹脂コンパウンド及び着色剤は国内・海外向けともに低調に推移し、一方、コーティング剤は主として情報・電子業界向けが堅調に推移しました。当事業における海外連結子会社においては、中国、東南アジアの樹脂コンパウンド事業が低調に推移しました。
需要家別に見ますと、お客様の生産・販売計画に拠り、ばらつきが生じていますが、国内外における一般消費財、耐久消費財に対する需要減退が大きな原因だと判断しております。当事業はお客様の必要とされる品質とスペックの製品を適時にかつ的確に供給することが必要ですので、市場動向、需要動向に関してお客様と情報交換を緊密にしつつ、収益確保・拡大を図ってまいります。
(高分子事業)
当事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、産業資材業界向けの特殊コーティング剤が低調に推移しました。また、海外連結子会社において、アメリカの事業拠点の業績が低調に推移しました。これは、国内外における一般消費財、耐久消費財に対する需要減退が大きな原因だと判断しております。市場動向、需要動向に関してお客様と情報交換を緊密にしつつ、お客様のニーズにあった製品を適時・的確に供給することで、収益確保・拡大を図ってまいります。
(印刷総合システム事業)
当事業は、印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは、一般包材向けパッケージ関連が不振となりましたが、インドネシアの海外連結子会社の業績は堅調に推移しました。しかしながらオフセットインキは需要減少が続きました。グラビアインキについては、異常気象天候不順(冷夏、暖冬)などによる最終消費財の需要減少から派生するものがある一方で、環境問題に端を発する最終消費財の供給、消費のありかたやその廃棄・処理に関する社会の考え方の変化に伴う構造的な要因も看過できません。また、オフセットインキについては、情報媒体が紙などを使ったハードコピーから電子媒体への移行が進んでいることにより、引き続き需要減少の傾向は続くものと思われます。これまでの事業活動に加えて、これらの構造的な変化に対して、たとえば、食品用途の印刷インキにおいては、バイオマスインキやフィルム向けフレキソ印刷用水性インキなどの製品供給をすることや印刷周辺材料を含めたラインナップの拡充を図ることなどで市場ニーズに対応し、収益確保を図ってまいります。
ⅱ財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,872億9千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ、34億4百万円減少いたしました。これは、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、当連結会計年度に当該「受取手形及び売掛金」を回収したことにより、「現金及び預金」が増加したことによるものです。また、有形固定資産のうち「土地」の減少は、主に赤羽製造事業所(浮間合成㈱)の土地・建物を売却したことによるものです。同「建物及び構築物(純額)」「機械装置及び運搬具(純額)」等の増加は、「対処すべき課題等」においても述べたとおり、国内外での生産設備(建物、機械設備)への投資に拠るものです。また、「投資有価証券」の減少は、保有株式の時価下落及び株式の持合いの解消に伴い売却を進めたことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は916億2千1百万円となり、前連結会計年度と比べ、30億2千4百万円減少いたしました。これは、第4四半期連結会計期間の売上が前年同期比22億円減少したことにより、これに付随して原材料仕入が減少、「支払手形及び買掛金」が減少したことによるものです。また、「短期借入金」、「1年以内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」の合計となる外部借入債務は、420億円から408億円へと減少しました。資産の部で述べたとおり、国内外での生産設備に積極的に投資を進めたことに伴い、設備投資資金を銀行借入で調達する一方、国内子会社で返済を進めたことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、956億7千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億8千万円減少いたしました。この結果、自己資本比率は50.1%となり、前連結会計年度に比べ0.8ポイント増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ62億1千6百万円増加し、当連結会計年度末には276億3千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、連結キャッシュ・フロー計算書も合わせてご参照ください。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られたキャッシュ・フローは合計128億2千9百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益に減価償却費、売上債権、支払債務、棚卸資産などの増減を考慮したものであります。2019年度においては、主として売上債権の減少が59億4千6百万円と、営業活動によるキャッシュ・フローに大きな影響を与えました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、合計35億5千2百万円となりました。
有形固定資産の取得の内訳としては、「対処すべき課題等」に述べておりますとおり、海外事業の積極展開による海外売上高比率50%の達成及び国内生産体制拡充に資するために、米国におけるウレタン樹脂新工場やタイ国における樹脂コンパウンド新工場、国内では茨城県坂東市におけるグラビアインキ、特殊コーティング剤新工場などの建物への投資を実施すると同時に、効率的な生産実施のために機械設備購入に積極的に資金投下した結果であります。また、無形固定資産の取得の内訳としては、同じく「対処すべき課題等」に記載のとおり、経営上の意思決定の迅速化のためのシステム導入や輸送コスト、在庫コストの削減とサービス向上のためにシステム導入を行った結果であります。
このように当社グループの長期的な成長のために必要な投資は、引き続き積極的に実施してまいります。2020年度に想定される大型の投資としましては、坂東新工場建屋に36億円、同工場の機械設備導入にあたり7億円を予定しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、合計30億2千6百万円となりました。
投資活動に使用した資金をまかなうために、当社グループ内にて保有する資金のうちから営業活動の遂行にあたり必要となる資金相当分を控除した資金を活用することと合わせ、当該資金で不足する場合には、調達までの機動性や増資等による株式の希薄化を回避するためにも、主として銀行借入により調達しております。なお、2020年度における主要な借入ですが、取引銀行から坂東製造事業所建設資金として50億円程度(総額83億円)を協調融資で調達することを想定しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金などにより、資金を調達しております。財務上の方針としては、キャッシュ・フローの創出能力を最大化し、事業成長・企業価値向上に向けて、継続的に財務面から支援を行うこととし、規律ある積極投資の基準を設けるとともに、経済の不安定要素に対する影響を抑えるため有利子負債の上限値を設け、資金調達コストを抑制しております。
有利子負債に関する数値基準としては、D/Eレシオ1倍以下を目安としており、当連結会計年度におけるD/Eレシオは0.44倍となっております。金融機関には充分な借入枠を有していること、また、取引銀行3行と総額80億円の貸出コミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
80億円という金額は、大日精化工業㈱個社における平常時、月次資金繰りに支障がないレベルの手元保有資金残高が基準となっており、現在、新型コロナウイルス感染症の影響をふまえ、前述の80億円の貸出コミットメントラインに加え、さらにその倍程度(2か月分)の貸出コミットメントラインの設定を金融機関に依頼しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、連結ROA(総資産経常利益率)5%以上を達成することを主な経営目標に掲げております。これは株主の持ち分である自己資本のみならず金融機関からの借入金など他人資本も活用して積み上げてきた棚卸資産、生産設備を含めた総資産を規準として評価することが、当社グループの事業の実情に即しているものと判断したためであります。また、臨時的な要素の強い特別利益や特別損失を考慮しない経常利益で算定することが当社グループの事業の実力を的確に判断していただけるものと判断しているからであります。当連結会計年度における連結ROAは、3.0%であり、前連結会計年度と比較して1.7ポイント下落いたしました。引き続き当該指標の達成に努めていく所存であります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の大多数を対象とするいくつかの退職一時金制度を有しており、大日精化工業㈱及び一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しております。
前払年金費用、退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出されております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれております。使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、前払年金費用、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
割引率は、国内社債の利回りに基づいて決定しております。前連結会計年度末における割引率は0.53%、当連結会計年度末の割引率は0.63%であります。
期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多用な試算からの現在及び将来期待される収益率を考慮し、決定しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、年金資産の期待運用収益率は、共に2.0%であります。期待運用収益率は、国内外債券54%、国内外株式28%、生命保険一般勘定15%、短期資産等3%の資産構成を前提として算定しております。
これらの基礎率は、退職給付債務及び費用に重要な影響を及ぼします。割引率及び期待運用収益率を、それぞれ0.1%変更した場合の連結財務諸表への影響は以下の通りであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績
当連結会計年度の世界経済は、期初から期央にかけて、米国経済は良好な雇用・所得環境が個人消費を下支えしましたが、中国経済は対米貿易摩擦により輸出が低迷、その他アジア新興国地域は対中国向けの輸出が低迷するなど、それぞれ弱含みで推移しました。日本経済は海外経済の減速により輸出が減少し、さらに10月以降の消費増税により消費者マインドが悪化、個人消費が低迷しました。加えて、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済の停滞が始まりました。
このような経済環境のもとで、当連結会計年度における売上高は、化学品事業及び高分子事業の車両業界向け製品及び化成品事業の情報・電子業界向け顔料等が低調に推移し1,551億8百万円(前年同期比9.0%減)と減収になりました。営業利益は、売上高の減収により48億5千万円(同44.4%減)、経常利益は55億8千2百万円(同39.7%減)とそれぞれ減益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益を計上したほか、清算が決定したスペイン子会社の株式評価損に係る繰延税金資産を計上したことなどにより39億7千7百万円(同2.6%増)と増益となりました。
次に事業セグメントの業績についてご報告いたします。
なお、営業利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。
(化成品事業)
当事業は、塗料、印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っております。情報表示・記録用顔料は下期に減速し低調に推移しました。また、その他汎用顔料は低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は241億5千4百万円(同5.6%減)、営業利益は21億5千9百万円(同36.6%減)となりました。
(化学品事業)
当事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っております。車両業界向けは樹脂コンパウンド及び海外向けのマスターバッチが低調に推移しました。コーティング剤は情報・電子業界向けが堅調に推移しました。海外連結子会社においては東南アジアの樹脂コンパウンドが低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は844億6千万円(同10.6%減)、営業利益は39億3千8百万円(同29.1%減)となりました。
(高分子事業)
当事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。産業資材業界向けの特殊コーティング剤が低調に推移しました。また、海外連結子会社においては中国・アメリカの事業拠点の業績が低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は181億5千1百万円(同8.9%減)、営業利益は27億1千3百万円(同22.7%減)となりました。
(印刷総合システム事業)
当事業は、印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは国内の一般包材向けのパッケージ関連が低調に推移しましたが、海外連結子会社においては、インドネシアの拠点の業績が堅調に推移しました。一方、オフセットインキは需要減少が続きました。
これらの結果、当セグメントの売上高は281億5百万円(同5.9%減)、営業利益は20億3千6百万円(同6.1%減)の減益となりました。
(その他事業)
当事業は、グループ各社等への不動産賃貸等を行っております。当セグメントの売上高は2億3千6百万円(同52.6%減)となり、営業損失は2億2千6百万円となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,872億9千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ34億4百万円減少いたしました。これは、「投資有価証券」が減少したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は916億2千1百万円となり、前連結会計年度末と比べ30億2千4百万円減少いたしました。これは、「支払手形及び買掛金」が減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は956億7千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億8千万円減少いたしました。これは、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「利益剰余金」が増加した一方で、「その他有価証券評価差額金」及び「退職給付に係る調整累計額」が減少したことなどによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ62億1千6百万円増加し、当連結会計年度末には276億3千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりとなっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は128億2千9百万円となりました。これは主に「売上債権」「たな卸資産」及び「法人税等の支払額」が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は35億5千2百万円(前年同期比48.7%減)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」として支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は30億2千6百万円(同155.7%増)となりました。これは主に「配当金の支払額」及び「借入金の返済による支出」として支出したことなどによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 化成品事業(t) | 12,263 | 88.0 |
| 化学品事業(t) | 205,748 | 86.8 |
| 高分子事業(t) | 23,248 | 87.1 |
| 印刷総合システム事業(t) | 36,473 | 95.5 |
| その他事業(t) | 1,215 | 92.3 |
| 合計(t) | 278,947 | 87.9 |
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 化成品事業(百万円) | 2,919 | 83.1 |
| 化学品事業(百万円) | 1,805 | 96.8 |
| 高分子事業(百万円) | 1,371 | 71.7 |
| 印刷総合システム事業(百万円) | 5,453 | 81.6 |
| その他事業(百万円) | 514 | 73.2 |
| 合計(百万円) | 12,065 | 82.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 化成品事業(百万円) | 24,154 | 94.4 |
| 化学品事業(百万円) | 84,460 | 89.4 |
| 高分子事業(百万円) | 18,151 | 91.1 |
| 印刷総合システム事業(百万円) | 28,105 | 94.1 |
| その他事業(百万円) | 236 | 47.4 |
| 合計(百万円) | 155,108 | 91.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討等
ⅰ経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの経営成績に対して特に重要な影響を与えた事象は、以下のとおりと考えております。
海外売上高比率50%確保を目指し、積極的な事業展開を実施しておりますので、海外経済状況は当社グループの業績に対して直接の影響を及ぼすことになります。米国においては期央以降、個人消費が弱含みとなり、中国においては対米貿易摩擦により輸出が低迷し、その他アジア新興国地域においても中国向け輸出の低迷により弱含みで推移しました。加えて、2020年1月以降新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界経済の停滞が始まりました。これらの社会的、経済的状況を反映して、海外売上高比率29%を維持しております当社グループの経営全般に与える影響は、現状では厳しいものと判断しております。
また、政府統計において公表されておりますとおり、2019年10月より消費税が8%から10%へ引き上げられたこと等を主要因として、2019年10月~12月のGDP成長率が△1.8%(年率△7.1%)となったことなどもあり、これら日本国内におけるマクロ経済動向が、当社グループの製品が使われている一般消費財、耐久消費財に与える影響は、依然として予断を許しません。
このため、売上高は1,551億8百万円(前年同期比9.0%減)となり、営業利益は48億5千万円(同44.4%減)、経常利益は55億8千2百万円(同39.7%減)となりました。
国内外で生じたリスクの顕在化に伴い、対前年マイナスの実績とはなりましたが、当社グループの収益、成長の源泉は、国内・海外双方に存在し、リスク分散の観点からもバランスよく事業育成をしていく必要があると考えるため、海外売上高比率50%の達成という点を引き続き長期的な課題として認識し、常に念頭に置きながら業務の展開を進めてまいります。すなわち、「対処すべき課題等」にも記載しましたとおり、米国におけるウレタン樹脂新工場の稼働(2019年12月)やタイにおける樹脂コンパウンド新工場の本格稼働(2020年1月)を行う等、積極的な投資を行うと同時に、既に業務展開している地域においては、収益環境を常時モニターすることにより、「攻略市場と戦略製品の選択と集中」を図り、「生産拠点の再構築」も検討し、グローバルな視点から適材適所での拠点化を進めることで、着実な収益確保・成長戦略を描くことができるものと考えております。
また国内におきましても、当社グループ製品の最終生産財・消費財への活用状況を勘案し、車両業界を始めとした各業界の動向は十分に注視すると同時に、お客様のニーズを十分満たす製品の適時な供給を行うことで、バランスよく業務推進することにより、適正な事業ポートフォリオを維持してまいります。
合わせて足元の収益環境悪化をカバーするためにも、「2 事業等のリスク」で記載したとおり、各リスクに対応したリスク回避・削減策を積極的に起動させていくことといたします。
各セグメントの概況は以下のとおりであります。なお、セグメント毎の営業実績は上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に、生産実績・商品仕入実績・受注実績・販売実績は、同「④生産、受注及び販売の実績」にて、それぞれ記載しております。
(化成品事業)
当事業は、塗料・印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、情報表示・記録用顔料は下期に入り低調に推移、その他汎用顔料は年間を通じて低調に推移しました。需要家別に見ますと、お客様毎に、ばらつきなどはあるものの、「2 事業等のリスク (1)戦略リスク」に記載しましたとおり、足元では、新型コロナウイルス感染症による一般消費財、耐久消費財に対する消費減少に伴う影響が大きいことは事実ですが、一方で情報媒体や食品用包装などの需要に係る構造的変化によるものも見逃せない状況にあります。海外においては、中国やインドなどで生産される製品との競合などにより、総じて低調な結果となりました。このため、刻々と変化するお客様のニーズに合った製品を適時に提供することにより、今後も一層の収益確保・拡大を図ってまいります。
(化学品事業)
当事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、車両業界向けの樹脂コンパウンド及び着色剤は国内・海外向けともに低調に推移し、一方、コーティング剤は主として情報・電子業界向けが堅調に推移しました。当事業における海外連結子会社においては、中国、東南アジアの樹脂コンパウンド事業が低調に推移しました。
需要家別に見ますと、お客様の生産・販売計画に拠り、ばらつきが生じていますが、国内外における一般消費財、耐久消費財に対する需要減退が大きな原因だと判断しております。当事業はお客様の必要とされる品質とスペックの製品を適時にかつ的確に供給することが必要ですので、市場動向、需要動向に関してお客様と情報交換を緊密にしつつ、収益確保・拡大を図ってまいります。
(高分子事業)
当事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、産業資材業界向けの特殊コーティング剤が低調に推移しました。また、海外連結子会社において、アメリカの事業拠点の業績が低調に推移しました。これは、国内外における一般消費財、耐久消費財に対する需要減退が大きな原因だと判断しております。市場動向、需要動向に関してお客様と情報交換を緊密にしつつ、お客様のニーズにあった製品を適時・的確に供給することで、収益確保・拡大を図ってまいります。
(印刷総合システム事業)
当事業は、印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは、一般包材向けパッケージ関連が不振となりましたが、インドネシアの海外連結子会社の業績は堅調に推移しました。しかしながらオフセットインキは需要減少が続きました。グラビアインキについては、異常気象天候不順(冷夏、暖冬)などによる最終消費財の需要減少から派生するものがある一方で、環境問題に端を発する最終消費財の供給、消費のありかたやその廃棄・処理に関する社会の考え方の変化に伴う構造的な要因も看過できません。また、オフセットインキについては、情報媒体が紙などを使ったハードコピーから電子媒体への移行が進んでいることにより、引き続き需要減少の傾向は続くものと思われます。これまでの事業活動に加えて、これらの構造的な変化に対して、たとえば、食品用途の印刷インキにおいては、バイオマスインキやフィルム向けフレキソ印刷用水性インキなどの製品供給をすることや印刷周辺材料を含めたラインナップの拡充を図ることなどで市場ニーズに対応し、収益確保を図ってまいります。
ⅱ財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,872億9千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ、34億4百万円減少いたしました。これは、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、当連結会計年度に当該「受取手形及び売掛金」を回収したことにより、「現金及び預金」が増加したことによるものです。また、有形固定資産のうち「土地」の減少は、主に赤羽製造事業所(浮間合成㈱)の土地・建物を売却したことによるものです。同「建物及び構築物(純額)」「機械装置及び運搬具(純額)」等の増加は、「対処すべき課題等」においても述べたとおり、国内外での生産設備(建物、機械設備)への投資に拠るものです。また、「投資有価証券」の減少は、保有株式の時価下落及び株式の持合いの解消に伴い売却を進めたことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は916億2千1百万円となり、前連結会計年度と比べ、30億2千4百万円減少いたしました。これは、第4四半期連結会計期間の売上が前年同期比22億円減少したことにより、これに付随して原材料仕入が減少、「支払手形及び買掛金」が減少したことによるものです。また、「短期借入金」、「1年以内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」の合計となる外部借入債務は、420億円から408億円へと減少しました。資産の部で述べたとおり、国内外での生産設備に積極的に投資を進めたことに伴い、設備投資資金を銀行借入で調達する一方、国内子会社で返済を進めたことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、956億7千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億8千万円減少いたしました。この結果、自己資本比率は50.1%となり、前連結会計年度に比べ0.8ポイント増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ62億1千6百万円増加し、当連結会計年度末には276億3千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、連結キャッシュ・フロー計算書も合わせてご参照ください。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られたキャッシュ・フローは合計128億2千9百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益に減価償却費、売上債権、支払債務、棚卸資産などの増減を考慮したものであります。2019年度においては、主として売上債権の減少が59億4千6百万円と、営業活動によるキャッシュ・フローに大きな影響を与えました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、合計35億5千2百万円となりました。
有形固定資産の取得の内訳としては、「対処すべき課題等」に述べておりますとおり、海外事業の積極展開による海外売上高比率50%の達成及び国内生産体制拡充に資するために、米国におけるウレタン樹脂新工場やタイ国における樹脂コンパウンド新工場、国内では茨城県坂東市におけるグラビアインキ、特殊コーティング剤新工場などの建物への投資を実施すると同時に、効率的な生産実施のために機械設備購入に積極的に資金投下した結果であります。また、無形固定資産の取得の内訳としては、同じく「対処すべき課題等」に記載のとおり、経営上の意思決定の迅速化のためのシステム導入や輸送コスト、在庫コストの削減とサービス向上のためにシステム導入を行った結果であります。
このように当社グループの長期的な成長のために必要な投資は、引き続き積極的に実施してまいります。2020年度に想定される大型の投資としましては、坂東新工場建屋に36億円、同工場の機械設備導入にあたり7億円を予定しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、合計30億2千6百万円となりました。
| 主な項目 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日) 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日) 至 2020年3月31日) |
| 短期借入による収入 | 9,557 | 9,449 |
| 短期借入金の返済による支出 | △9,284 | △9,507 |
| 長期借入による収入 | 10,636 | 9,300 |
| 長期借入金の返済による支出 | △10,220 | △10,460 |
| リース債務の返済による支出 | △242 | △189 |
投資活動に使用した資金をまかなうために、当社グループ内にて保有する資金のうちから営業活動の遂行にあたり必要となる資金相当分を控除した資金を活用することと合わせ、当該資金で不足する場合には、調達までの機動性や増資等による株式の希薄化を回避するためにも、主として銀行借入により調達しております。なお、2020年度における主要な借入ですが、取引銀行から坂東製造事業所建設資金として50億円程度(総額83億円)を協調融資で調達することを想定しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金などにより、資金を調達しております。財務上の方針としては、キャッシュ・フローの創出能力を最大化し、事業成長・企業価値向上に向けて、継続的に財務面から支援を行うこととし、規律ある積極投資の基準を設けるとともに、経済の不安定要素に対する影響を抑えるため有利子負債の上限値を設け、資金調達コストを抑制しております。
有利子負債に関する数値基準としては、D/Eレシオ1倍以下を目安としており、当連結会計年度におけるD/Eレシオは0.44倍となっております。金融機関には充分な借入枠を有していること、また、取引銀行3行と総額80億円の貸出コミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
80億円という金額は、大日精化工業㈱個社における平常時、月次資金繰りに支障がないレベルの手元保有資金残高が基準となっており、現在、新型コロナウイルス感染症の影響をふまえ、前述の80億円の貸出コミットメントラインに加え、さらにその倍程度(2か月分)の貸出コミットメントラインの設定を金融機関に依頼しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、連結ROA(総資産経常利益率)5%以上を達成することを主な経営目標に掲げております。これは株主の持ち分である自己資本のみならず金融機関からの借入金など他人資本も活用して積み上げてきた棚卸資産、生産設備を含めた総資産を規準として評価することが、当社グループの事業の実情に即しているものと判断したためであります。また、臨時的な要素の強い特別利益や特別損失を考慮しない経常利益で算定することが当社グループの事業の実力を的確に判断していただけるものと判断しているからであります。当連結会計年度における連結ROAは、3.0%であり、前連結会計年度と比較して1.7ポイント下落いたしました。引き続き当該指標の達成に努めていく所存であります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(退職給付引当金)
当社グループは、従業員の大多数を対象とするいくつかの退職一時金制度を有しており、大日精化工業㈱及び一部の子会社は確定給付企業年金制度を採用しております。
前払年金費用、退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出されております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれております。使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、前払年金費用、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
割引率は、国内社債の利回りに基づいて決定しております。前連結会計年度末における割引率は0.53%、当連結会計年度末の割引率は0.63%であります。
期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多用な試算からの現在及び将来期待される収益率を考慮し、決定しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、年金資産の期待運用収益率は、共に2.0%であります。期待運用収益率は、国内外債券54%、国内外株式28%、生命保険一般勘定15%、短期資産等3%の資産構成を前提として算定しております。
これらの基礎率は、退職給付債務及び費用に重要な影響を及ぼします。割引率及び期待運用収益率を、それぞれ0.1%変更した場合の連結財務諸表への影響は以下の通りであります。
| 退職給付費用への影響額 (百万円) | 退職給付債務への影響額 (百万円) | ||
| 割引率 | 0.1%減少 | 24 | 473 |
| 0.1%増加 | △24 | △464 | |
| 期待運用収益率 | 0.1%減少 | △32 | - |
| 0.1%増加 | 32 | - | |