有価証券報告書-第181期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/26 13:34
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社及び国内子会社は、前連結会計年度より決算期を3月31日より、海外子会社の決算期と同様の12月31日に変更しました。このため、当連結会計年度の状況につきましては、国内会社、海外会社ともに2018年1月1日から12月31日までの期間を対象として記載しています。また前期との比較につきましては、当連結会計年度と同一の対象期間に調整しました前期数値との比較を記載しております。
(単位:百万円)
売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2018年12月期290,20815,33715,50811,899
2017年12月期(調整後)280,06620,52421,32414,762
調整後伸長率(%)3.6△25.3△27.3△19.4
2017年12月期240,34416,82317,52810,424

当連結会計年度における世界経済の状況は、米国では個人消費に支えられて回復が続きましたうえ、中国を始めとするアジア諸国もスピードは鈍りながらも成長が継続しましたが、通商摩擦や政治的なリスクの高まりに伴い、景気の下振れ懸念も深まってきました。また我が国でも、景気は回復基調にありますものの、相次ぐ災害などの影響もあり停滞感が強まってきました。
このような環境ではありましたが、当企業グループは長期構想や中期経営計画を刷新し、新しいステップにチャレンジするため、次の3つを年度の方針として掲げ、経営活動を行なってまいりました。
第一の方針である「マーケットの潜在ニーズを先取りした迅速な製品開発、価値提供による事業拡大の推進」については、マーケティングや製品開発力の強化を図りながら、新製品や新市場、新事業を展開し、事業領域の拡大と成長戦略の実現を目指しました。
色材・機能材関連事業では、2018年1月より、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料事業の生産・販売・技術機能を一体とした「東洋ビジュアルソリューションズ株式会社」を開業し、市場が拡大する中国への拡販や、イメージセンサー向け高機能材料の開発体制の強化を進めました。また漆黒色材やリチウムイオン電池用材料など、高意匠や高機能の分散体の開発、販売も進めています。ポリマー・塗加工関連事業では、新製品開発やクリーン生産技術の強化、ソリューション提案型マーケティングなどにより、エレクトロニクスやディスプレイ分野における粘着剤や塗工材料の拡販が進みました。また環境対応型の包装用接着剤や缶用塗料も、伸長が続いています。パッケージ関連事業では、地球環境大賞環境大臣賞を受賞したバイオマスインキを始めとして、世界各地域でニーズにあった環境対応製品を展開しました。また、マレーシアやベトナムに増設した生産設備の早期安定稼働を図りましたうえ、新たにミャンマーでの拠点設立にも着手しました。印刷・情報関連事業では、刷りやすさを追求した商業用オフセット輪転インキの新シリーズを発売するなど、従来型インキでの顧客ニーズに合わせた製品開発を進めるとともに、インクジェット用などの機能性インキの開発や、供給体制の強化を図りました。
第二の方針である「処方や生産プロセス、素材などモノづくりの全面的な見直しによる利益の確保・増大の実現」については、顔料やカラーフィルター用材料などの生産プロセスの見直しや、オフセットインキの購入樹脂原料の自製化などを進め、品質向上やコストダウンを図りました。またポリマー関連製品では、タイやインドに新たな生産設備を設置するなど、グローバルな供給体制の拡充とネットワークの強化を進めています。
第三の方針である「持続的成長に向けた経営資源・スタッフ機能の構造改革の実行」については、前期末からの国内外の決算期統一に伴い、事業や業績のグローバルな一体管理を進める一方、統合システムの展開に伴うデータ活用や業務の整理などにより、管理人員の縮減に取り組みました。また、本社社員食堂が「健康な食事・食環境」の認証を受けるなど、社員の健康に配慮した経営も実践しています。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,902億8百万円(前期比3.6%増)と増収になりましたが、原油価格の上昇や各国の環境規制に伴う需給バランスの悪化により、原材料価格が高騰しました影響で、営業利益は153億37百万円(前期比25.3%減)、経常利益は155億8百万円(前期比27.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億99百万円(前期比19.4%減)と、それぞれ減益になりました。
セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりです。
売上高営業利益
セグメントの名称前連結
会計年度
(調整後)
(百万円)
当連結
会計年度
(百万円)
調整後
増減率
(%)
前連結
会計年度
(調整後)
(百万円)
当連結
会計年度
(百万円)
調整後
増減率
(%)
色材・機能材関連事業71,87574,6603.96,5145,390△17.3
ポリマー・塗加工関連事業63,50166,0994.17,8726,035△23.3
パッケージ関連事業63,49068,0477.22,4221,491△38.4
印刷・情報関連事業80,49179,378△1.42,574931△63.8
その他6,5917,2289.71,1311,48131.0
285,949295,4133.320,51515,331△25.3
調整額△5,883△5,20586
連結280,066290,2083.620,52415,337△25.3

a. 色材・機能材関連事業
高機能顔料や液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、国内では顧客の生産ラインの閉鎖等もあり伸び悩みましたものの、中国や台湾、韓国では、高品位の大型テレビ需要に牽引され堅調に推移しました。しかし、市場変化に伴う液晶パネルの価格競争激化の中で、部材へのコストダウン要請が一層厳しくなり、利益は圧迫されました。
汎用顔料は、自動車塗料用の拡販が進みましたものの、出版などの印刷インキ用が低調に推移しました。また、環境規制に伴う供給不足などによる原材料価格の急騰が、利益を大幅に圧迫するなか、販売価格の改定も進めさせていただいております。
プラスチック用着色剤は、国内では容器用が堅調も、建材用などが低調に推移しましたが、海外では東南アジアでの事務機器向けが好調なうえ、韓国でのディスプレイ向けの拡販も進みました。
これらの結果、当事業全体の売上高は746億60百万円(前期比3.9%増)と増収になりましたが、営業利益は53億90百万円(前期比17.3%減)と減益になりました。
b. ポリマー・塗加工関連事業
塗工材料では、中国や韓国向けのスマートフォン用導電接着シートや、ディスプレイ用粘着フィルムが好調に推移しました。
接着剤は、国内では食品や飲料などの包装用が堅調に推移しましたうえ、リチウムイオン電池用が伸長しました。また海外でも、東南アジアやインドなどでの拡販が進みました。一方、原油価格上昇などに伴う原材料価格の急騰により、利益が圧迫されており、販売価格の改定も進めさせていただいております。また粘着剤も、韓国や台湾などでのディスプレイ用の拡販が進みましたうえ、国内でのラベル用も後半回復しましたが、原材料価格の急騰により利益は圧迫されました。
缶用塗料(フィニッシェス)は、欧米での環境対応製品の拡販が進みましたものの、国内ではコーヒー缶用の低調が続きましたうえ、東南アジアでも伸び悩みました。
これらの結果、当事業全体の売上高は660億99百万円(前期比4.1%増)と増収になりましたが、営業利益は60億35百万円(前期比23.3%減)と減益になりました。
c. パッケージ関連事業
国内のグラビアインキは、出版用の需要減少が続きましたが、主力の包装用がプライベートブランドやコンビニエンスストア向けを中心に堅調に推移しましたうえ、建装材用も好調に推移、溶剤販売も伸長しました。しかし、原油価格上昇などに伴う原材料価格の急騰が利益を圧迫、自助努力では吸収しきれないなか、販売価格の改定も進めさせていただいております。
海外でも、東南アジアやインド、中国、韓国などでの環境対応製品の拡販が進みましたが、原材料価格の上昇により利益は圧迫されました。
また、グラビアのシリンダー製版事業は、包装用が伸び悩みましたものの、エレクトロニクス関連の精密製版の拡販が進みました。
これらの結果、当事業全体の売上高は680億47百万円(前期比7.2%増)と増収になりましたが、営業利益は14億91百万円(前期比38.4%減)と減益になりました。
d. 印刷・情報関連事業
デジタル化に伴う情報系印刷市場の縮小傾向のなか、国内では製品別にビジネス規模の最適化やコストダウンを進める一方、海外ではグローバルな拠点拡充による売上拡大を図り、インドやトルコなどでの拡販が進みました。また、最先端技術を活用した高感度UVインキや、オンデマンド印刷向けインクジェット用インキなどの開発や拡販、事業間の連携強化によるビジネス拡大も図ってまいりました。
しかし、国内におけるチラシなどの商業印刷や新聞、雑誌などの既存のオフセットインキや、関連材料の需要は予想以上に低調に推移しましたうえ、原材料価格の上昇により利益も圧迫されました。
これらの結果、当事業全体の売上高は793億78百万円(前期比1.4%減)、営業利益は9億31百万円(前期比63.8%減)と、減収減益に終わりました。
e. その他
上記のセグメントに含まれない事業や、東洋インキSCホールディングスなどによる役務提供などを対象にしていますが、売上高は72億28百万円(前期比9.7%増)と増収になりましたうえ、管理部門の経費節減等もあり、営業利益は14億81百万円(前期比31.0%増)と増益になりました。
財政状態につきましては、次のとおりです。
前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)
総資産379,682374,536△5,146
負債148,612150,7262,114
純資産231,070223,809△7,260

当連結会計年度末における総資産は3,745億36百万円で、前期末より51億46百万円減少しました。負債は1,507億26百万円で、前期より21億14百万円増加しました。純資産は2,238億9百万円で、前期末より72億60百万円減少しました。
当連結会計年度末日の為替レートが前連結会計年度末日の為替レートに比べ、円高外貨安に振れたため、海外子会社で保有する資産、負債及び為替換算調整勘定が減少しました。また、株価下落を反映し、投資有価証券、繰延税金負債、その他有価証券評価差額金がそれぞれ減少しました。一方、原材料価格急騰の影響を受け、原材料、支払手形及び買掛金は増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度は決算期変更の経過期間となることから、当社及び3月決算であった国内連結子会社につきましては2017年4月1日から2017年12月31日の9ヶ月間を連結対象期間としております。このため、各キャッシュ・フローに関する前期実績との比較は記載しておりません。
前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー18,72419,275550
投資活動によるキャッシュ・フロー△5,912△10,828△4,916
財務活動によるキャッシュ・フロー△8,415△5,7742,641
現金及び現金同等物の期末残高49,26250,9581,695

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は、前期末残高より16億95百万円増加し、509億58百万円となりました。
営業活動により得られた資金は192億75百万円となりました。税金等調整前当期純利益計上による資金の増加や法人税等の支払いによる資金の減少などがありました。
投資活動により使用した資金は108億28百万円となりました。有形固定資産の取得などに伴う支出などによるものです。
財務活動により使用した資金は57億74百万円となりました。借入金の返済や配当金の支払いに伴う支出などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
前連結会計年度は決算期変更の経過期間となることから、当社及び3月決算であった国内連結子会社につきましては2017年4月1日から2017年12月31日の9ヶ月間を連結対象期間としております。このため、前年同期比につきましては記載しておりません。
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
色材・機能材関連事業81,445-
ポリマー・塗加工関連事業49,427-
パッケージ関連事業51,173-
印刷・情報関連事業46,796-
報告セグメント計228,843-
その他321-
合計229,164-

(注) 生産金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当企業グループにおける受注生産は極めて少なく、大部分が計画生産のため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
色材・機能材関連事業72,367-
ポリマー・塗加工関連事業65,984-
パッケージ関連事業67,239-
印刷・情報関連事業79,335-
報告セグメント計284,927-
その他5,280-
合計290,208-

(注) 1 上記の金額は、連結会社間の内部売上高を除いております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますため、これらの見積りと異なる場合があります。
当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当社及び国内子会社は、前連結会計年度より決算期を3月31日より、海外子会社の決算期と同様の12月31日に変更しました。このため、当連結会計年度の状況につきましては、国内会社、海外会社ともに2018年1月1日から12月31日までの期間を対象としております。なお、前連結会計年度を同様の期間に置き換えた経営成績で比較分析しております。
当連結会計年度の売上高は、前期比101億41百万円(3.6%)増の2,902億8百万円(計画 3,000億円)となりました。その内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、国内印刷インキ市場の伸び悩みが続きましたうえ、後半には米中貿易摩擦などに伴う中国景気やスマートフォン市場の減速がありましたが、東南アジアやインドなどでの拡販が進み、増収となりました。
営業利益は、前期比51億86百万円(25.3%)減の153億37百万円(計画 185億円)となりました。原材料価格の高騰が続き、コストダウン等も進めましたものの、吸収できる範囲を超え、利益は大幅に圧迫されました。
経常利益は、営業利益の減少に加え、持分法による投資利益の減少や為替差損の増加により、前期比58億15百万円(27.3%)減の155億8百万円(計画 185億円)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失が減少したものの、経常利益の減少により、前期比28億62百万円(19.4%)減の118億99百万円(計画 135億円)となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
b. 財政状態の分析
財政状態の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメント別の財政状態は、以下となります。
色材・機能材関連事業の資産1,056億4百万円(前期末より26億18百万円減少)。
ポリマー・塗加工関連事業の資産805億92百万円(前期末より2億84百万円増加)。
パッケージ関連事業の資産815億6百万円(前期末より13億9百万円増加)。
印刷・情報関連事業の資産974億74百万円(前期末より46億71百万円減少)。
その他関連事業の資産93億58百万円(前期末より5億49百万円増加)。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、509億58百万円と前期末より増加しており、有利子負債については、588億25百万円と前期末より減少しております。これにより、ネットした純有利子負債は100億円以下となり、DEレシオも0.29倍と圧縮され、さらに財務体質は強固になってきております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当企業グループが提供する製品の市場は多岐に渡っておりますが、一般的な消費動向や、石油化学系原料の仕入価格、為替レートなどは、当企業グループの経営成績に大きく影響を与える要因になっております。
当連結会計年度では、為替は比較的に安定して推移したものの、ナフサ価格の高騰に加え、中国などでの環境規制の強化に伴う需給バランスの悪化から、当企業グループ全体で原材料の価格が55億円程度上昇し、営業利益を大幅に悪化させる要因となりました。年度末にかけてナフサ価格は落ち着きを見せてきたものの、需給バランスの悪化は解消されず、次期も原材料価格の高止まりは続くものと見込まれます。これに対し、当企業グループでは、調達手段の多様化やアライアンスの強化、石油代替原料の検討や樹脂の内製化などをはじめ、さまざまなコストダウンを進めるとともに、高機能製品へのシフトや、販売価格への適切な転嫁も図ってまいります。
その他、海外活動や災害への対応など、当企業グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、これらの発生を抑制する活動を、CSR統括委員会傘下のリスクマネジメント部会を中心に、引き続き積極的に推進していきます。
④ 経営戦略の現状と見通し
当企業グループは、「人間尊重の経営」を経営哲学に掲げ、「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを経営理念とし、「CS(顧客満足)、ES(社員満足)、SS(社会満足)、SHS(株主満足)を向上させる」ことを行動指針として、全ての企業活動を進めています。
また、長期構想「Scientific Innovation Chain 2027 (SIC27)」では、次なるターゲットである2027年に向けて提供していく価値を「For A Vibrant World」と定め、すべての生活者・生命・地球環境がいきいきと共生する世界に貢献する企業グループを目指しています。これに伴いドメインについても、これまでの枠組みを戦略的に拡大し、成長市場のみならず、社会課題の解決や、生命や地球環境の持続成長可能性に繋がる領域にも注力しています。
この長期構想の第一ステップとなる中期経営計画「SIC-Ⅰ」では、当企業グループが持続的に成長していくための礎を創り上げる期間と位置づけており、具体的には、成長に向けた既存事業の変革と新事業への挑戦や、持続可能性向上に向けたモノづくり革新の推進、経営基盤の刷新を進めております。中期経営計画の一年目となる当連結会計年度の目標とした年度計画指標の分析結果につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 経営成績の分析」に記載のとおりです。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当企業グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料費や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費、新製品創出や事業領域拡大のための研究開発活動費などにあります。また、設備投資では、成長領域や事業拡大に合わせた生産設備投資によるグローバル供給体制の強化や、統合システム整備による事業や業績のグローバル一体管理を進めています。さらには、事業拡大を目的とした各種アライアンスや、人材・技術・事業などの戦略投資についても機動的に実施してまいります。
なお、これらの資金需要につきましては、主に手元資金や営業活動によるキャシュ・フローから創出するとともに、必要に応じて、金融機関からの借入なども実施していきます。また、国内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、当企業グループの余剰資金を効率的に運用しております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の世界経済の動向は、緩やかな成長が続くと期待されますものの、減速懸念も次第に高まりつつあります。また、当企業グループにおいても、需要の伸び悩みに加え、原材料価格の高止まりが続くものと予想されます。
このような厳しい事業環境ではありますが、長期構想の第一ステップであり、当企業グループの礎を創り上げる期間と位置付けた中期経営計画「SIC-Ⅰ」の二年目として、次期はもう一度、この長期構想や中期経営計画の趣旨を見つめ直し、事業別には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりの活動を進めることで、イノベーションの連鎖を本格化させ、真のサイエンス・カンパニーとしての飛躍を図ってまいります。
なお、次期の目標とする年度計画指標としては、売上高3,000億円、営業利益175億円、経常利益180億円、親会社に帰属する当期純利益120億円となっております。

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