有価証券報告書-第75期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 16:39
【資料】
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【項目】
129項目

研究開発活動

当社グループは、「暮らしを彩り、住まいをまもる」をトータルコンセプトに、優れた製品とサービスをお客様に提供し、住生活の質的向上と充実のために貢献することを経営理念としております。
この経営理念を具現化するため、製品開発にあたっては、ユーザーのニーズを的確にとらえ「安心」「安全」はもとより、「簡単」「きれい」「便利」「楽しい」の要望に応えた新製品を競業他社に先駆けて開発、上市することを目指しております。
また、最新の原材料情報の収集に努め、原材料の代替及び効率利用を推進するとともに、生産効率の改善にも注力するなど、コスト低減にも努力しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は197,805千円であり、各事業部門の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)塗料事業
鉄扉やサインボード・看板などは、屋外の環境にさらされることで劣化し、表面の色褪せやチョーキング(白い粉吹き)を起こしてみすぼらしくなってしまいます。これを修復するために、これまでは全面塗り替えや文字書きなどが必要でした。
この非常に労力を必要とする作業を簡略化すべく、クリヤを上塗りするだけで塗膜を復活させられる「油性ツヤ復活クリヤコート」を開発いたしました。完全に元通りとはいきませんが、クリヤ塗膜を上塗りすることで白ぼけたデザインや色をもとの状態に近くまで復活させることができます。
ガーデニングブームの中、木の風合いを生かしたまま、木製品を屋外で長く使いたいという声をたくさんお聞きします。しかしながら、木材は屋外で使用しますと、短時間で紫外線や微生物による表面の劣化・変色を起こしてしまいます。また、従来の屋外木部用ステインは、屋外木部の延命に大きく貢献していますが、隠ぺい力が小さく、下地の色や汚れの影響を受けやすく、最低2回の塗り重ねが必要という欠点がありました。
下地の色を気にすることなく、手軽にステイン塗装をしていただくために、浸透力を損なうことなく強い着色力を発揮できる「油性強着色ウッドステイン」を開発しました。
これにより、木部の塗装がより簡単になり、木材の保護・延命や美装に今まで以上に貢献できるようになりました。
当事業に係る研究開発費は118,731千円であります。
(2)DIY用品事業
インテリア用品関連では、透明感が美しいガラスフィルム「デコレーションフィルム」を上市しました。
ポリエステルフィルムのシートに微粘着性の特殊粘着剤を塗工することで、従来の塩化ビニルのガラスシートでは実現できなかった透明性と非常に貼りやすい作業性を実現した、スタイリッシュなガラスフィルムです。まるで吸い付くような貼り心地で、貼り損じたときの貼り直しも簡単です。
さらに、剥がしたい時も簡単に剥がせて、粘着剤がガラス面にほとんど残りません。
抗菌性を有する「銀のチカラ」と抗菌・抗ウイルス性を有する「銅のチカラ」を上市しました。銅のチカラは、銅を練りこんだ塩化ビニルシートをシール状に加工したもので、銀のチカラは銀イオンを配合した表面コートを紙に施し、シール状に加工したものです。スイッチやドアノブなどよく触れる箇所に貼ることで、抗菌・抗ウイルス効果(抗ウイルス効果は銅のチカラのみ)を発揮します。新型コロナウイルスの感染拡大により衛生意識がますます高まっている中、「安心」で「安全」な生活を確保するための一助となるものです。
ハウスケア用品関連では、抗ウイルス・抗菌クリーナーワックス「APシールド TYPE6M」を開発、上市しました。
銅、プラチナ、酸化チタンの複合的な動きで、A型インフルエンザ、黄色ブドウ球菌、白癬菌、大腸菌に効果のある抗ウイルス・抗菌剤を配合したクリーナーワックスで、洗浄と表面コートが同時にできます。屋外で使用された場合でも6ヶ月間、新型コロナウイルスに対しても抗ウイルス効果を発揮し続けることが、帝京大学の試験で実証されました。
頻繁に洗浄・除菌できないところでも、本品を塗布することで、ウイルスや菌に対する不安なく、長期間安心してお使いいただけるようになります。
当事業に係る研究開発費は79,073千円であります。