有価証券報告書-第80期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/16 12:00
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有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「経営理念」に掲げる「楽しい社会の実現」を不変のものとして受け継ぎ、「経営基本方針」を環境と戦略の変化に合わせて柔軟に見直しながら発展を続ける所存です。
経営理念
我がグループの「あらゆる技術」を高め、革新的な製品をもって、夢あるさまざまなモノをグローバルに生み出し、楽しい社会を実現します。
経営基本方針
1.我がグループは利益を生み出し企業価値を高めることで、お客様・地域社会・株主及び従業者の幸福と繁栄に寄与します。
2.我がグループは経営理念の達成にあたり法令遵守、環境保護、品質管理の徹底、社会貢献を含め企業の社会的責任を全うします。
3.我がグループはグローバル体制を活用し、常に優れた製品とサービスの提供を行います。
4.我がグループは常に従業者が挑戦し成長できる機会を生み出し、自ら目標を立て、その実現に向けて高い志を持つ集団を目指します。
5.我がグループは「スピード&コミュニケーション」をキーワードに、グループ内各社の連携と全員のチームワークを活性化することで、企業総合力を高めます。
6.我がグループは絶えず技術革新に努め、新製品や新事業を創造することで、楽しい社会の実現に貢献できるグローバル企業を目指します。
(2)経営環境、経営戦略、並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
経営環境
当事業年度における世界経済は、米政権の関税政策によりその先行きに不確実性が高まりましたが、当初の想定に比べ限定的な影響にとどまりました。一方で、地政学リスクの高まりに伴い、エネルギー価格高騰やインフレ率の上昇、為替相場の先行き不透明感の高まり等により不確実性が一段と増す状況となりました。
① エレクトロニクス業界
エレクトロニクス業界は、半導体産業の影響を強く受けます。半導体産業においては、AI関連製品向けの半導体需要の高まりや、第5世代移動通信システム(5G)の本格普及、IoT・仮想空間の社会への浸透を背景に、半導体をはじめとする関連需要の拡大が中長期的に期待されます。また、EV・ハイブリッド車の普及に伴う電動化や、自動運転の普及に伴う電装化により、車載関連部材の拡大も期待されます。
② 医療・医薬品業界
医療・医薬品業界は、医療保険財政への影響から薬価制度の見直しが継続的に進められる中、製薬産業の構造変化や医療ニーズの多様化が進んでいます。製薬産業の構造変化においては、2024年10月から開始された先発医薬品(長期収載品)の選定療養制度の導入をはじめとした、先発医薬品(長期収載品)の価格抑制や後発医薬品の使用促進などの医療費抑制政策が図られ、更なる医療制度改革の議論が続けられています。一方で、後発医薬品業界では品質問題やそれに伴う製品の欠品等が頻発しており、品質管理体制の見直しや安定供給といった信頼性が求められています。医療ニーズの多様化においては、技術革新や産官学連携による革新的医薬品の創出が期待されています。
経営戦略
このような状況の中、当社は、経営理念である「楽しい社会の実現」に向け、2021年6月に長期経営構想「Beyond Imagination 2030」を策定しました。長期経営構想では7つの基本方針と、当社の目指す姿としてエレクトロニクス事業、医療・医薬品事業を中心に成長すると同時に、エネルギー事業、食糧事業、DX(デジタルトランスフォーメーション)にも積極的に取り組むことを掲げています。
また、当社は、2025年8月に新たに中期経営計画を策定しました。中期経営計画は、長期経営構想の実現に向けた具体的なロードマップであるとともに、企業価値の持続的な向上を導く指針として、新たな財務目標や事業別の方針を定めたものです。
<7つの基本方針>① 多様化する組織や社会に対応する自律型人材の育成・活用
② エレクトロニクス事業の継続した成長と新規事業領域の創造
③ 医療・医薬品事業の更なる成長
④ デジタルトランスフォーメーションによる進化と変革
⑤ 新たな事業の創出
⑥ 戦略的なM&A
⑦ SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み強化
<中期経営計画 財務目標(2031年3月期)>① 連結売上高 1,800億円
② 連結営業利益 470億円
③ ROE(自己資本利益率) 30%
④ DOE(株主資本配当率) 5%以上維持
長期経営構想「Beyond Imagination 2030」の基本方針ごとにグループ全体で各種施策に取り組んでおり、特に次の施策に重点的に取り組んでいます。
1. 多様化する組織や社会に対応する自律型人材の育成・活用(基本方針①)
多様化する組織や社会に対応し、企業として成長していくには、それを支えていく人材の育成が重要な課題と考えています。「仕事のやりがい」「職場環境」「公正な評価・給与」の3つをバランス良く整えることで、自ら目標を設定し、その達成のためのプロセスと成果の創出を楽しむことができる自律型人材があふれる組織を目指しています。
2. エレクトロニクス事業の継続した成長と新規事業領域の創造(基本方針②)
当社グループのエレクトロニクス事業は、主力製品であるSRの市場において世界トップクラスのシェアを有し、また、海外での売上比率が9割を超えています。前述のような世界経済やエレクトロニクス業界の状況下において 永続的に成長していくために、次の施策について重点的に取り組んでいます。
<研究開発体制の整備>2024年に開設した技術開発センターをはじめとして、研究開発のための積極的な設備投資を行っており、国内外の優秀な研究者・技術者の採用と育成に注力しています。今後は、主力製品であるドライフィルムタイプのSRの技術開発を目的とした生産技術センターの建設を予定しています。設備投資に加え外部連携も強化し、事業開発を強く推進していきます。
<新製品の迅速な事業化>当社グループでは、製品化の目処が立ったところで、営業部門・製造部門・開発部門から選抜した専属プロジェクトを立ち上げ、一定の責任と権限を付与することにより、製品化から事業化までの障壁を乗り越える力を高めスピードアップを両立しながら事業化を推進しています。
<為替リスク対策>米政権による関税政策や中東情勢などの影響で為替リスクが高まる状況において、当事業の製品販売価格は外貨建となっていることが多く、為替レートの変動が業績の変動につながりやすいため、為替リスク対策は重要な課題です。引き続き、「地産地販」(「現地(各市場)で販売する製品は現地で生産する」という方針)を推し進めるとともに、原材料の現地調達比率を高めることにより、収入と支出の取引通貨の一致を図ります。
<原材料等の調達リスク対策>中東情勢の緊迫化に伴い、原材料メーカーの供給不足や罹災等により生産活動へ影響が生じるリスクや、原材料価格の高騰による当社製品の収益性悪化のリスクが高まっています。これらの調達リスクへの対策は重要な課題であり、当社は引き続き様々なサプライヤーからの原材料調達を進めるとともに、収益性の悪化が見込まれる場合は製品への適切な価格転嫁を行っていきます。
3. 医療・医薬品事業の更なる成長(基本方針③)
医療・医薬品業界は、品質問題による供給停止や、選定療養制度をはじめとした医療費抑制のための医療制度改革の推進など予見可能性が低下している環境にあります。このような状況下において、当社グループは将来を通じて既存製品を安定的に供給するために必要な体制の構築、医療機関・患者様のニーズに合致した医薬品の提供を目指します。
<医療用医薬品製造受託事業の継続>第一三共プロファーマ株式会社の高槻工場を会社分割により承継した太陽ファルマテック株式会社では、医薬品製造受託事業を行っています。従来どおり既存顧客に対する安定供給だけでなく、当事業年度は新規顧客からの受託製造が本格化しました。今後も製造受託事業の成長を目指し、再生医療や遺伝子治療薬などの新しい分野での受託や新規顧客からの受託を強化すると同時に、引き続き高品質な製品の安定供給を行います。
<医療用医薬品製造販売事業の継続>太陽ファルマ株式会社は、中外製薬株式会社、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、アストラゼネカ株式会社、Janssen Pharmaceutica NVより譲受した19製品の長期収載品をラインナップしており、医療用医薬品を確実かつ安定的に医療現場へ提供し続けています。今後も医療現場の声にお応えする医薬品の製剤開発や提供を継続します。
<医薬品の副作用等リスクへの対策>医薬品の製造販売には、製品回収や販売中止、健康被害に関する賠償責任等に関するリスクが伴います。薬機法※及び関連する規制の遵守を徹底するとともに、必要な賠償責任保険に加入することにより、このような事態が発生した場合の財政的負担を最小限に留めるべく対応していきます。
※薬機法…医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
4. デジタルトランスフォーメーションによる進化と変革(基本方針④)
急速な事業環境の変化をとらえつつ、グローバルな競争力を強化していくには、当社グループの業務・仕組み・ビジネスモデルを不断に高度化・革新していくことが重要な課題と考えています。デジタルトランスフォーメーションの推進により、受発注・生産管理・研究開発・新事業開発など、あらゆる業務・仕組みを変革し、グループ内及び顧客に新しい価値を提供していきます。
5. 新たな事業の創出(基本方針⑤)
当社は、中長期的な企業価値の向上のために、既存の事業の強化に加え、新たな事業を継続的に創出するための取り組みを重視しています。エレクトロニクス、医療・医薬品、ICT、ファインケミカル、エネルギー、食糧に続く、当社グループの収益の柱となる新たな事業展開に今後も注力していきます。
6. 戦略的なM&A(基本方針⑥)
既存事業の強化、新規事業の立ち上げ加速のために、当社の保有する経営資源の活用だけではなく、戦略的に他社との業務提携や資本提携、M&Aを今後も積極的に行っていきます。
7. SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み強化(基本方針⑦)
当社グループは、SDGsの重要性が世界的に広く注目される以前より、持続的な企業価値の向上に不可欠なものとして、SDGsと親和性のある取り組みを進めてきました。具体的には、日本国内に水上太陽光発電所を開所し、再生可能エネルギーの普及促進を通じて気候変動課題に対応しています。当期は、国内19、20ヵ所目となる水上太陽光発電所を開所しました。また、地域のイベントや美化活動への参加、子ども食堂の実施など、地域社会に根差した活動や取り組みも積極的に行っています。
上述のとおり、当社は長期経営構想で掲げる7つの基本方針に基づき、定量面を含む目標達成に向けて様々な取り組みを全社で進めてまいりました。
なお、2026年3月31日付「KJ005株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する賛同及び応募中立の意見表明のお知らせ」で公表しましたとおり、KJ005株式会社による当社の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに応募するか否かについては当社の株主の皆様のご判断に委ねる旨を同日開催の取締役会において決議しています。今後、本公開買付け及びその後の当社株式を非公開化することを目的とした一連の取り引きを実行することで、当社は、国内及び海外企業を中心に豊富な投資実績並びに知見及びネットワークを有するKKRのサポートのもと、当社の事業戦略の推進を一層強化することにより、当社の中長期的な企業価値向上の実現可能性を高めていきます。また、非公開化により、企業価値向上に向けた各種施策を着実に実行していくことが可能となり、中期経営計画の実行性を高めることができると考えています。
詳細については以下の当社ホームページ内に記載しておりますのでご参照ください。
https://www.taiyo-hd.co.jp/jp/investor/irnews/news20260331000002/main/0/link/20260331_02.pdf

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