有価証券報告書-第9期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
当社グループは、「企業理念」である「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」のもと、「めざす姿」である「国際創薬企業として、社会から信頼される企業になります」の実現に向けて、グローバル新薬の創製や海外事業展開、医療ニーズに対応する新たな事業機会の創出に挑戦しております。
また、すべての企業活動にあたっては、高い倫理観を持ち、公正かつ誠実な企業活動を展開することを「企業行動憲章」に定め、当社グループの全役員および全従業員が最優先する行動の規範と位置付けております。
当社グループは、これら「企業理念」、「めざす姿」、「企業行動憲章」を経営の基本方針として、事業を展開しております。
「中期経営計画11-15 ~New Value Creation」の総括
当社グループは、2011年に策定した「中期経営計画11-15 ~New Value Creation」(2011年4月~2016年3月)を通じ、将来の成長ステージに踏み出すための事業基盤強化に取り組んでまいりました。
国内では新薬7品目の上市により品揃えを拡充するとともに、重点品である「レミケード」および「シンポニー」の育薬により、両剤合算の年間売上高で1,000億円(薬価ベース)を達成しました。また、海外では導出した多発性硬化症治療剤「ジレニア」、2型糖尿病治療剤「インヴォカナ」が伸長して、そのロイヤリティ収入は当社の収益を支える柱となりました。さらに、研究・生産・本社機能などの集約・再編を実施し、筋肉質な経営体質への変革を加速させてまいりました。
しかしながら、当社の収益基盤である国内医療用医薬品市場において、当初の想定を超えた後発医薬品使用促進策の強化による長期収載品の著しい収益力低下、また、世界最大の医薬品市場である米国において、腎疾患領域の開発品中止による事業展開の遅延などもあり、中期経営計画11-15は未達に終わりました。
<中期経営計画11-15 2015年度数値目標>
当社グループは、「Move」をキーワードとし、「研究開発の変革」、「国内営業の変革」、「米国展開の変革」、「組織・行動の変革」の4つの変革に取り組み、中期経営計画11-15の戦略課題の遂行を加速させたうえで、次期中期経営計画の推進基盤となる体制構築についてもスピード感を持って進めてまいりました。
2015年11月、この基盤をさらに強化し、持続的成長に向けて自らの手で未来を切り拓いていくことをコンセプトとする「中期経営計画16-20 Open Up the Future」(2016年4月~2021年3月)を策定しました。
「中期経営計画16-20 Open Up the Future」
国内医療用医薬品を取り巻く事業環境は急激に変化しており、当社グループが持続的成長をめざすためには、世界最大の医薬品市場である米国における自社販売による事業基盤の早期構築および国内市場における育薬・営業強化を通じた重点品の価値最大化と重点疾患領域でのプレゼンスの向上が不可欠であります。
当社グループは、本中期経営計画において、「パイプライン価値最大化」、「育薬・営業強化」、「米国事業展開」、「業務生産性改革」を、未来を切り拓く4つの挑戦として設定し、「独自の価値を一番乗りでお届けする、スピード感のある企業」への変革を成し遂げていくとともに、「Open Up the Future―医療の未来を切り拓く」のキーコンセプトのもと、新たな医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献してまいります。
未来を切り拓く「4つの挑戦」
①パイプライン価値最大化 独自の価値を最速で創り出す
<研究開発プロセスの改革 + 医療と創薬技術の拡がり>・創薬シーズの導入や他社協業といったオープンシェアードビジネスに積極的に取り組み、創薬リソースを充実させるとともに、品目ごとに最適な手段を講じてPOC(Proof of Concept:ヒトでの新薬候補物質の有効性・安全性の実証)取得までの期間短縮を実現し、本中期経営計画期間中に10品目の後期開発品を創製します。
・自己免疫疾患領域、神経系疾患領域などの従来の研究開発領域に加え、ワクチンや稀少疾患にも着目して、アンメット・メディカル・ニーズを満たす新薬を継続的に創製し、強みを発揮できる領域でさらなるプレゼンスの向上に取り組みます。
・自社創薬力を軸に多様な協業・連携により、新たな創薬技術を用いた次世代の抗体・蛋白医薬品、核酸医薬品、ワクチンやガス医薬品などに取り組むとともに、再生医療、先制医療といった新たな医療へと創薬のフィールドを拡げていくことで、米国市場をメインターゲットとし、医薬品の創出機会を拡大します。
②育薬・営業強化 独自の価値を患者さんにお届けする
<製品の価値最大化 + 営業プロモーションの強化>・開発品の早期上市をめざすとともに、開発段階から製品ライフサイクルを想定した臨床試験を積極的に実施して、製品価値を最速で最大化させます。自己免疫疾患領域では、既存の重点品である「レミケード」および「シンポニー」のライフサイクルマネジメント施策によってシェアNo.1を堅持し、糖尿病・腎疾患領域では、重点品の「テネリア」および「カナグル」のエビデンス獲得と販路拡大をめざします。これらの施策により、2020年度までに国内医薬品の年間売上高3,000億円を達成し、新薬および重点品売上高比率を75%まで高め、さらなる成長につなげます。
・営業プロモーションの強化では、重点疾患領域の専門性をさらに高めるとともに、エリアマーケティングを推進することにより、地域ごとのニーズを把握し、基幹病院とかかりつけ医院の医療連携に貢献します。
③米国事業展開 持続的成長基盤を構築する
<事業基盤の構築 + 製品ラインアップの構築>・国内で2015年6月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の効能追加が承認された「ラジカット」(MCI-186)については、2016年度の米国での承認・上市をめざし、最優先事項として取り組みます。
・「MCI-186」を第一歩として、神経系疾患および稀少疾患での製品ラインアップを構築し、専門医に焦点を絞った販売体制など、必要な機能を整備します。また、米国の事業基盤拡充のためにM&Aを含め、本中期経営計画期間中に2,000億円以上を投資し、2020年度には米国売上高800億円を達成します。
・自社創薬に加え、アカデミア、ベンチャーおよび製薬企業との多様な協業形態により製品、開発品を獲得し、米国での製品ラインアップを構築します。
④業務生産性改革 スピード感ある組織風土と利益創造体質の実現
<コストの低減 + 人材の活躍>・業務プロセスの変革を継続し、国内連結5,000人体制(2016年3月末6,325名)をめざすほか、売上原価の最適化、経費節減によって、2020年度には2015年度からさらに200億円のコスト低減を実現します。
・研究、開発、MR、メディカル・サイエンス・リエゾンの生産性向上を追求するとともに、間接部門では精鋭化を徹底します。また、米国では事業拡大のための人的リソースを強化します。さらに、女性活躍推進を含めた多様な人材の活躍推進(ダイバーシティ&インクルージョン)に取り組みます。
これらの取組みを通じ、「中期経営計画16-20 Open Up the Future」の最終年度である2020年度につきましては、売上収益5,000億円、コア営業利益1,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益700億円、研究開発費800億円、海外売上収益比率40%をめざしてまいります(※)。
また、本中期経営計画期間においては、国際財務報告基準(IFRS)適用での連結配当性向50%(※)を目途に、中長期的な利益成長に基づいた配当を行ってまいります。これは現行の配当方針である連結配当性向50%(のれん償却前の連結配当性向40%)に対し実質10%の向上となります。
(※)当社は2017年3月期第1四半期連結会計期間からIFRSを任意適用します。
また、すべての企業活動にあたっては、高い倫理観を持ち、公正かつ誠実な企業活動を展開することを「企業行動憲章」に定め、当社グループの全役員および全従業員が最優先する行動の規範と位置付けております。
当社グループは、これら「企業理念」、「めざす姿」、「企業行動憲章」を経営の基本方針として、事業を展開しております。
「中期経営計画11-15 ~New Value Creation」の総括
当社グループは、2011年に策定した「中期経営計画11-15 ~New Value Creation」(2011年4月~2016年3月)を通じ、将来の成長ステージに踏み出すための事業基盤強化に取り組んでまいりました。
国内では新薬7品目の上市により品揃えを拡充するとともに、重点品である「レミケード」および「シンポニー」の育薬により、両剤合算の年間売上高で1,000億円(薬価ベース)を達成しました。また、海外では導出した多発性硬化症治療剤「ジレニア」、2型糖尿病治療剤「インヴォカナ」が伸長して、そのロイヤリティ収入は当社の収益を支える柱となりました。さらに、研究・生産・本社機能などの集約・再編を実施し、筋肉質な経営体質への変革を加速させてまいりました。
しかしながら、当社の収益基盤である国内医療用医薬品市場において、当初の想定を超えた後発医薬品使用促進策の強化による長期収載品の著しい収益力低下、また、世界最大の医薬品市場である米国において、腎疾患領域の開発品中止による事業展開の遅延などもあり、中期経営計画11-15は未達に終わりました。
<中期経営計画11-15 2015年度数値目標>
| 当初目標 | 実績 | |
| 売上高 | 5,000億円 | 4,317億円 |
| 営業利益 | 1,000億円 | 949億円 |
当社グループは、「Move」をキーワードとし、「研究開発の変革」、「国内営業の変革」、「米国展開の変革」、「組織・行動の変革」の4つの変革に取り組み、中期経営計画11-15の戦略課題の遂行を加速させたうえで、次期中期経営計画の推進基盤となる体制構築についてもスピード感を持って進めてまいりました。
2015年11月、この基盤をさらに強化し、持続的成長に向けて自らの手で未来を切り拓いていくことをコンセプトとする「中期経営計画16-20 Open Up the Future」(2016年4月~2021年3月)を策定しました。
「中期経営計画16-20 Open Up the Future」
国内医療用医薬品を取り巻く事業環境は急激に変化しており、当社グループが持続的成長をめざすためには、世界最大の医薬品市場である米国における自社販売による事業基盤の早期構築および国内市場における育薬・営業強化を通じた重点品の価値最大化と重点疾患領域でのプレゼンスの向上が不可欠であります。
当社グループは、本中期経営計画において、「パイプライン価値最大化」、「育薬・営業強化」、「米国事業展開」、「業務生産性改革」を、未来を切り拓く4つの挑戦として設定し、「独自の価値を一番乗りでお届けする、スピード感のある企業」への変革を成し遂げていくとともに、「Open Up the Future―医療の未来を切り拓く」のキーコンセプトのもと、新たな医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献してまいります。
未来を切り拓く「4つの挑戦」
①パイプライン価値最大化 独自の価値を最速で創り出す
<研究開発プロセスの改革 + 医療と創薬技術の拡がり>・創薬シーズの導入や他社協業といったオープンシェアードビジネスに積極的に取り組み、創薬リソースを充実させるとともに、品目ごとに最適な手段を講じてPOC(Proof of Concept:ヒトでの新薬候補物質の有効性・安全性の実証)取得までの期間短縮を実現し、本中期経営計画期間中に10品目の後期開発品を創製します。
・自己免疫疾患領域、神経系疾患領域などの従来の研究開発領域に加え、ワクチンや稀少疾患にも着目して、アンメット・メディカル・ニーズを満たす新薬を継続的に創製し、強みを発揮できる領域でさらなるプレゼンスの向上に取り組みます。
・自社創薬力を軸に多様な協業・連携により、新たな創薬技術を用いた次世代の抗体・蛋白医薬品、核酸医薬品、ワクチンやガス医薬品などに取り組むとともに、再生医療、先制医療といった新たな医療へと創薬のフィールドを拡げていくことで、米国市場をメインターゲットとし、医薬品の創出機会を拡大します。
②育薬・営業強化 独自の価値を患者さんにお届けする
<製品の価値最大化 + 営業プロモーションの強化>・開発品の早期上市をめざすとともに、開発段階から製品ライフサイクルを想定した臨床試験を積極的に実施して、製品価値を最速で最大化させます。自己免疫疾患領域では、既存の重点品である「レミケード」および「シンポニー」のライフサイクルマネジメント施策によってシェアNo.1を堅持し、糖尿病・腎疾患領域では、重点品の「テネリア」および「カナグル」のエビデンス獲得と販路拡大をめざします。これらの施策により、2020年度までに国内医薬品の年間売上高3,000億円を達成し、新薬および重点品売上高比率を75%まで高め、さらなる成長につなげます。
・営業プロモーションの強化では、重点疾患領域の専門性をさらに高めるとともに、エリアマーケティングを推進することにより、地域ごとのニーズを把握し、基幹病院とかかりつけ医院の医療連携に貢献します。
③米国事業展開 持続的成長基盤を構築する
<事業基盤の構築 + 製品ラインアップの構築>・国内で2015年6月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の効能追加が承認された「ラジカット」(MCI-186)については、2016年度の米国での承認・上市をめざし、最優先事項として取り組みます。
・「MCI-186」を第一歩として、神経系疾患および稀少疾患での製品ラインアップを構築し、専門医に焦点を絞った販売体制など、必要な機能を整備します。また、米国の事業基盤拡充のためにM&Aを含め、本中期経営計画期間中に2,000億円以上を投資し、2020年度には米国売上高800億円を達成します。
・自社創薬に加え、アカデミア、ベンチャーおよび製薬企業との多様な協業形態により製品、開発品を獲得し、米国での製品ラインアップを構築します。
④業務生産性改革 スピード感ある組織風土と利益創造体質の実現
<コストの低減 + 人材の活躍>・業務プロセスの変革を継続し、国内連結5,000人体制(2016年3月末6,325名)をめざすほか、売上原価の最適化、経費節減によって、2020年度には2015年度からさらに200億円のコスト低減を実現します。
・研究、開発、MR、メディカル・サイエンス・リエゾンの生産性向上を追求するとともに、間接部門では精鋭化を徹底します。また、米国では事業拡大のための人的リソースを強化します。さらに、女性活躍推進を含めた多様な人材の活躍推進(ダイバーシティ&インクルージョン)に取り組みます。
これらの取組みを通じ、「中期経営計画16-20 Open Up the Future」の最終年度である2020年度につきましては、売上収益5,000億円、コア営業利益1,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益700億円、研究開発費800億円、海外売上収益比率40%をめざしてまいります(※)。
また、本中期経営計画期間においては、国際財務報告基準(IFRS)適用での連結配当性向50%(※)を目途に、中長期的な利益成長に基づいた配当を行ってまいります。これは現行の配当方針である連結配当性向50%(のれん償却前の連結配当性向40%)に対し実質10%の向上となります。
(※)当社は2017年3月期第1四半期連結会計期間からIFRSを任意適用します。