有価証券報告書-第77期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/19 16:00
【資料】
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【項目】
160項目
② 戦略
気候変動が当社の事業に及ぼす影響を把握し、そのリスクと機会を具体化した上で、レジリエントな体制を構築するため、シナリオ分析を実施しました。分析の範囲は自社拠点からの温室効果ガス排出(スコープ1、スコープ2)に加え、サプライチェーンからの温室効果ガス排出(スコープ3)を対象としました。事業への影響は、短期(~3年)、中期(3~10年)、長期(10~30年)の3期に分類し、その影響度を金額と発生可能性を考慮して総合的に大中小で評価しました(大:事業活動の継続に影響、中:事業の一部に影響がある、小:ほとんど影響がない)。シナリオ分析では、低炭素社会に向かう1.5℃シナリオ(IEA NZE 2050およびIEA SDS (WEO2021))と温暖化が進む4℃シナリオ(IPCC RCP8.5)を選択し、分析、評価を行いました。情報が不足している場合は、STEPSシナリオなども参考にしました。
<気候変動関連のリスク>
カテゴリリスク期間事業への影響主な対応策
1.5℃4℃
政策・法規制炭素税導入による税負担の増加中長小 (約8億円)-・省エネルギー施策と再生可能エネルギー調達の実施
排ガス規制による営業車の使用制限小 (約4億円)-・環境配慮車への移行促進・EV車導入に向けた社内環境整備
気候変動対策費の調達コストへの価格転嫁中長小 (炭素税の影響額は約2億円)-・ビジネスパートナーとの協働によるスコープ3排出量の削減
各国・地域の法規制・排出規制への対応の遅れによる機会損失中長-・各国の規制動向の把握
・規制動向を反映した戦略決定と対応実施
テクノロジー気候変動対策のための投資コストの増加短中長小 (約9億円)-・運用改善による省エネルギーの推進・環境関連の補助金の活用
市場再生可能エネルギーの需要競争激化による調達難-・PPA導入など再エネ調達方法の拡大・RE100等のイニシアチブ活動への参加を通した政策提言
評判環境目標未達による企業価値低下短中長-・中長期環境目標達成に向けた施策推進・適切な情報開示
物理リスク (急性)自然災害(豪雨・洪水・台風など)による操業の一時中断中長-大 (約100億円)・BCP対策の徹底 (十分な原薬・製品在庫の確保/複数サプライヤー体制の構築)・ビジネスパートナー選定プロセスにおける、自然災害リスク確認の継続
物理リスク (慢性)水不足による生産への影響
(水不足のリスクが高い地域に自社工場および主要製品の原薬製造委託先はないため、現時点で操業の中断が起きる可能性は低い。)
中長-・ビジネスパートナー選定プロセスにおける水不足リスクの確認
・十分な原薬・製品在庫の確保
気温上昇に伴う空調設備等運用コストの増加中長-・運用改善や設備投資などの省エネルギー施策の推進

シナリオ分析の結果、大規模な事業転換や投資が必要な気候関連リスクは認識されませんでした。しかし、自然災害による製造拠点・調達品への影響、各国・地域の法規制などのリスクを継続して分析していくことが重要だと認識しています。特に、4℃シナリオの物理的リスク「自然災害(豪雨・台風・洪水)」については、高品質な医薬品の安定供給に影響を及ぼすリスクになりうると捉えており、十分な在庫確保や生産・調達の複数拠点対応などBCP対策を徹底します。
<気候変動関連の機会>
カテゴリ機会期間事業への影響主な対応策
1.5℃4℃
資源効率性効率的な電力の利用によるコスト削減中長・運用改善や設備投資などの省エネルギー施策の推進・連続生産方式などの高効率生産プロセスを通じた省資源化
・グリーン・サステナブル・ケミストリーの概念を考慮した創薬技術の推進
・共同輸送など流通プロセスの効率化
市場省エネルギーおよび再生エネルギーに関する補助金の活用短中長小 (~5億円)-・政策動向等を注視し、補助金等を積極的に活用する
自社事業新たな健康被害に対する新製品・サービスの開発-・オープンイノベーションの活用
評判先進的な気候変動対策による企業価値の向上 (他社との差別化や従業員の雇用・定着)短中長-・積極的な省エネ・再エネ施策の推進と適切な情報開示

気候変動により、感染症や呼吸器疾患、熱中症などの健康被害の増大が懸念されています。当社は革新的な新薬の創製により社会に貢献すべく取り組んでおり、当該疾患に対する治療薬が見いだされた場合は、その機会を最大限に活かしていきます。革新的な新薬の提供によって患者さんやそのご家族に貢献するだけでなく、人々が健康で健全に暮らせる社会であるよう、脱炭素社会の実現に向けて取り組みます。

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