有価証券報告書-第114期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)戦略
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ(※1)を用いて分析・評価した結果、Santenグループが特定した気候変動に関するリスク・機会とその財務的影響等は次の表のとおりです。
気候変動に関するリスク・機会と財務的影響
※1 1.5℃シナリオ:IPCCの第6次報告書(AR6)のSSP1-1.9やIEAのNet Zero Emissions(NZE)などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する移行リスクが最大になると設定したシナリオ
4℃シナリオ:IPCCの第5次報告書(AR5)のRCP8.5などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する物理リスクが最大になると設定したシナリオ
※2 短期:3年以下、中期:3年超-10年以下、長期:10年超を想定
※3 財務的影響:収益、費用額は単年度影響額、投資金額については投資総額で判断し、「大」:30億円以上、「小」:10億円未満とする
※4 Aqueduct:世界資源研究所(WRI)が公表する水リスク評価ツール
※5 近視が増加傾向:「Ophthalmology, 123; 1036-1042, 2016」では、近視は2050年までに2000年の約3倍の50億人程度と推計
1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ(※1)を用いて分析・評価した結果、Santenグループが特定した気候変動に関するリスク・機会とその財務的影響等は次の表のとおりです。
気候変動に関するリスク・機会と財務的影響
| シナリオ | リスク・ 機会 | 外部環境 の変化 (現在から 2050年頃) | Santenの リスク・機会 | 影響を受ける期間(※2) | 財務的 影響 (※3) | 影響の評価方法 |
| 1.5℃ シナリオ | 移行 リスク | 低炭素エネルギーへの移行の加速 | 低炭素エネルギーへの転換に伴う投資額・費用額の増加 | 短期 | 小 | 技術に対する一定の不確実性を考慮して保守的に算出 |
| 中長期 | 大 | |||||
| バイオプラスチックへの移行の義務化・規制化 | 容器包材調達費用の増加 | 中長期 | 小 | 現状の売上成長予測を上回る野心的な売上高成長率を前提とし、費用の増額分を算出して評価 | ||
| 生物由来原料の供給量減少による価格高騰 | 生物由来原料調達費用の増加 | 中長期 | 小 | 原材料の調達金額に占める割合が大きい生物由来原料はいずれも特定の動植物に依存せず、容易に調達可能であるため、価格上昇リスクは高くないと判断 | ||
| 4℃ シナリオ | 物理的 リスク | 降雨パターンの変動による浸水・渇水の発生 | 浸水や取水制限で工場・研究所の稼働が困難となり、製品供給が遅延・停止 | 中長期 | 小 | 各工場・研究所所在地付近の河川の有無や、水リスク評価ツールAqueduct(※4)を用いた各所在地の渇水リスクの評価結果、生産工程での水使用量などを考慮して判断 |
| 機会 | 厳しい気候で屋内活動が増加することによる近視患者の増加 | 近視進行抑制治療薬などの新規製剤の生産供給量を増やすことで、増加する近視の治療に貢献 | 中長期 | 現時点で財務的影響の把握は困難 | ・公表されている気候変動による眼疾患への影響に関する研究結果を参照し、事業への影響を評価 ・近視が増加傾向にある(※5)ものの、増加要因における気候変動の影響部分を特定することが困難であり、当該影響額の算定は困難と判断 | |
| 気候変動に伴うアレルゲン・病原体の増加・活性化による眼アレルギー・感染症の増加、及び気温・湿度変化による眼表面負荷の増大 | アレルギー性結膜炎治療薬や眼感染症治療薬、ドライアイ治療薬等の既存薬剤の生産供給量を増やすことで、眼に関連するアレルギーや感染症、ドライアイの治療に貢献 | 中長期 | 現時点で財務的影響の把握は困難 | ・公表されている気候変動による眼疾患への影響に関する研究結果を参照し、事業への影響を評価 ・平均気温の上昇に伴い感染症やアレルギーなどの眼疾患が増加することが予測され、気温や湿度等とドライアイとの関連が指摘されているものの、増加要因における気候変動の影響部分を特定することが困難であり、当該影響額の算定は困難と判断 |
※1 1.5℃シナリオ:IPCCの第6次報告書(AR6)のSSP1-1.9やIEAのNet Zero Emissions(NZE)などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する移行リスクが最大になると設定したシナリオ
4℃シナリオ:IPCCの第5次報告書(AR5)のRCP8.5などの情報を用いて策定した、Santenグループにとっての気候変動に関する物理リスクが最大になると設定したシナリオ
※2 短期:3年以下、中期:3年超-10年以下、長期:10年超を想定
※3 財務的影響:収益、費用額は単年度影響額、投資金額については投資総額で判断し、「大」:30億円以上、「小」:10億円未満とする
※4 Aqueduct:世界資源研究所(WRI)が公表する水リスク評価ツール
※5 近視が増加傾向:「Ophthalmology, 123; 1036-1042, 2016」では、近視は2050年までに2000年の約3倍の50億人程度と推計