有価証券報告書-第85期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境
当連結会計年度のわが国の経済は、米国の関税引上げの影響を受けながらも企業の設備投資増加による内需を中心に回復基調で推移しつつある一方、為替変動や資源価格の高騰、諸外国の動向による地政学リスクの上昇等による懸念から、景気の先行きは依然として不透明な状況です。
また、医薬品業界では、社会保障問題を背景とした後発品の使用促進施策や薬価の引き下げに加え、新薬開発におけるコスト増加と成功確率の低下、企業間競争の激化により、引き続き厳しい環境下で推移することが予測されます。
(2)経営方針及び中長期的な経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは'21年度-'25中期経営計画において、以下の3つを最重要課題に掲げ、取り組んでまいりました。
① 「新規事業の探索」
多様化する患者ニーズに対応するため、医薬品だけでなく、その周辺の事業を探索し、組み合わせることで、患者・消費者・社会に提供する価値のオプションの拡大を目指します。
② 「既存事業の革新」
販売面においては、医療ニーズに合わせた新製品の発売、顧客ニーズに合わせた情報提供・コミュニケーションにより、プレゼンス向上を図ります。研究開発面においては、ターゲット領域である網膜・角膜・緑内障・フロンティアを中心とした世界戦略製品開発により、「新規パイプライン」を獲得し、市場優位性を発揮していきます。以上の販売面・研究開発面の取り組みにより、提供する価値の充実を目指します。
③ 「構造改革」
バリューチェーンの見直しによるコスト構造改革、デジタル技術・データ活用によるオペレーションの効率化、薬事関連をはじめ法規違反を起こさない十分な体制の維持・構築を図り、構造的な部分まで踏み込んだ本質的な体質改善に取り組むことで、価値の効率的な提供を目指します。
これらの取り組みを通じた環境認識のもと、「国内医薬の新しい市場創造」、「事業ポートフォリオの分散化」及び「収益構造の強化」の3点について、その重要性が一層高まっていると認識しております。
①「国内医薬の新しい市場創造」
眼科疾患における様々なニーズに対応するため、既存製品に加え,眼科領域に新たな選択肢の価値を提供すべく、製品開発及びMR活動等を推進します。
②「事業ポートフォリオの分散化」
新規事業のウエイト拡大をしつつ、事業の選択と投資リソースの重点配分を徹底することで、薬価事業と非薬価事業のシナジーを創出し、事業成長を促進します。
③「収益構造の強化」
国内市場での価値創造を推進するとともに、海外展開の拡充及び世界戦略品のバイプライン強化、これらを支える組織改編とデジタル基盤の構築を通じて、収益獲得力の向上を目指します。
'26年度-'30年度中期経営計画では、これら3つの新たな課題に対し、戦略等を明示し、計画達成に向けて着実に対応を進めてまいります。株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。