有価証券報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を向上させることを目的として、当連結会計年度よりIFRSを適用しております。同基準に基づいた当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は168,068百万円(前期比26.9%増)、営業利益が22,209百万円(前期比3.2%減)、税引前当期利益20,251百万円(前期比11.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益14,017百万円(前期比22.0%減)となりました。なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入し、経営成績を判断する際の重要指標と位置づけることとしております。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下、「非経常項目」という。)を除外しています。非経常項目としては、日本基準における特別損益、無形資産の償却・減損、買収に際して生じる在庫のステップアップに伴う原価変動等を対象としており、同基準に基づいた当連結会計年度の「コア営業利益」は、31,118百万円(前期比32.1%増)となりました。
また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(日本セグメント)
日本におけるジェネリック医薬品業界におきましては、2017年6月に「経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~」(骨太方針)が閣議決定され、ジェネリック医薬品使用割合80%の目標の達成時期を2020年9月までとすることとなりました。しかしながら、本年度は前年度実施のジェネリック使用促進策の効果が薄れるとともに、医療現場での重複投薬や多剤投与の適正化の影響もあり、ジェネリック医薬品の需要の伸びには鈍化が見られました。さらに、これらに加え、既存大型品目での他社との競争が激化するとともに、大型品目を中心に相次いでAG(オーソライズドジェネリック)が登場するなど、当年度は厳しい収益環境が続きました。また、今後の薬価制度の抜本改革については昨年一年間かけて検討が進められ、12月には「薬価制度の抜本改革について 骨子(案)」が中医協で了承されました。本年3月には2018年度の薬価基準の改定について告示され、薬剤費ベースでの改定率はマイナス7.48%となりましたが、今回の改定では、市場での実勢価格に基づく改定を基本としつつも、薬価制度の抜本改革を反映し、医療用医薬品市場全体ではこれまでより一層政策的な引き下げが行なわれています。
このような環境におきましても、当社グループは、「なによりも患者さんのために」の企業理念のもと、当期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画に掲げた各施策の実現に取り組んでまいりました。
生産・供給体制面においては、全国7つの工場それぞれの特徴を活かした生産効率のアップと生産能力の拡大が可能となり、安定供給体制を一層強化しております。
製品開発・販売面においては、2017年6月に『テルミサルタン錠・OD錠』を含む10成分27品目の新製品を発売し、12月には『ロスバスタチン錠・OD錠』を含む7成分16品目の新製品を発売しました。また、8月に『メサラジン腸溶錠』、本年3月に『プラミペキソール塩酸塩錠』の「効能・効果」および「用法・用量」の追加承認を取得したことにより、先発品との適応不一致が解消されました。
これらの結果、日本セグメントにおける売上収益は134,720百万円、セグメント利益は21,903百万円となりました。
(米国セグメント)
米国事業においては、同市場向け製品の研究開発に注力しており、3品目目となる多発性硬化症治療剤『フマル酸ジメチルカプセル』を米国食品医薬品局(FDA)に申請し、2017年6月に受理されました。さらに、当社自身での開拓に加え、米国事業の成長戦略を加速するため、4月には米国でジェネリック事業を営むUpsher-Smith Laboratories, Inc.の買収に合意し、5月末に買収手続きを完了、同社をUpsher-Smith Laboratories, LLCとして子会社化しました。USLは約100年の歴史の中で米国のジェネリック市場で確固たるポジションを保持しており、研究開発から、生産、マーケティング、本社管理体制まで安定した経営基盤を備えております。当社にとってはUSLが保有する人財、工場、ノウハウを活用することでシナジー効果が期待できます。USLでは、当社による買収後に販売を開始する新製品として、11月に『クロルコン細粒』、本年1月に『ブメタニド錠』を発売しました。
また、本年1月にUSLの持分を100%保有するSAWAI AMERICA, LLC(以下、「SAL」という)の持分の20%を住友商事株式会社の米国子会社である米州住友商事に譲渡しました。これに伴う住友商事グループのUSLへの経営参画によって、同グループの強みであるグローバル市場における事業オペレーションの経験・ノウハウと原薬調達や製品導入等に係る幅広いネットワークを活用することができることとなりました。
この結果、米国セグメントにおける売上収益は33,347百万円、セグメント利益は303百万円となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は162,149百万円となり、前連結会計年度末に比べ27,939百万円増加いたしました。これは主に、USLの買収によるものであります。非流動資産は196,305百万円となり、前連結会計年度末に比べ104,905百万円増加いたしました。これは主に、USLの買収に伴うのれん及び無形資産の認識によるものであります。
この結果、資産合計は358,453百万円となり、前連結会計年度末に比べ132,844百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は72,275百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,785百万円増加いたしました。また、非流動負債は83,737百万円となり、前連結会計年度末に比べ54,855百万円増加いたしました。これらは主に、USLの買収によるものに加え、新規借入によるものであります。
この結果、負債合計は、156,012百万円となり、前連結会計年度末に比べ71,640百万円増加いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は202,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ61,204百万円増加いたしました。これは主に、新株の発行による増加のほか、当期利益の計上、剰余金の配当及び自己株式の処分によるものであります。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は50.6%(前連結会計年度末は62.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は39,992百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,221百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益20,251百万円、減価償却費及び償却費14,239百万円、法人所得税等の支払額4,212百万円を主因として28,472百万円の収入(前期比5,202百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得(USLの買収)による支出111,195百万円、有形固定資産の取得による支出10,319百万円を主因として127,900百万円の支出(前期比109,073百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入60,000百万円、新株の発行による収入27,866百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入23,688百万円を主因として108,597百万円の収入(前期は6,761百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記金額は、売価換算額で表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループは、当連結会計年度にUSLを取得したことに伴い、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントの区分を単一セグメントから「日本」及び「米国」に変更しております。そのため、米国セグメントについては前年同期比の記載は行っておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込み生産が主で受注生産は僅少であるため記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループは、当連結会計年度にUSLを取得したことに伴い、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントの区分を単一セグメントから「日本」及び「米国」に変更しております。そのため、米国セグメントについては前年同期比の記載は行っておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しています。また、前連結会計年度の財務数値についても、IFRSに組み替えて比較分析を行っています。当社グループの連結財務諸表で適用される重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」を参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループは、ジェネリック医薬品業界のリーディング・カンパニーとして、「ジェネリック市場におけるNo.1シェアの堅持」、「市場の環境変化に対応した安定供給能力とコスト管理能力の強化」及び「更なる成長に向けた新規領域の事業基盤の構築」を基本方針とした中期経営計画に取り組み、企業価値向上を図ってまいりました。
国内では、薬価制度の抜本改革、ジェネリック医薬品の需要の伸びの鈍化、他社との競争の激化など厳しい収益環境が続くなか、新製品の発売を通じ業界トップクラスの品揃えを確保することで、ジェネリック市場におけるNo.1シェアを維持しました。また、工場の特性を活かした生産効率の向上に努め、市場の環境変化に対応した安定供給能力の強化を実現しました。
さらにUSLの買収により、世界最大のジェネリック医薬品市場である米国市場への進出の基盤を構築し、研究開発や知財戦略等でシナジー創出に向けたコラボレーションを行っております。
以上の状況から、当連結会計年度において、全体として過去最高の売上収益を更新しましたが、上記の厳しい国内収益環境から販売数量が計画未達となった影響で原価率が悪化し、販売費及び一般管理費の適正化に努めたものの、営業利益は計画を下回りました。セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入しております。当連結会計年度におきましては2017年5月に買収したUSLの業績が寄与したことにより31,118百万円(前年同期比32.1%増)となりました。
当社グループは今後、2018年度から始まる3年間の中期経営計画として策定した「M1 TRUST 2021」及び中長期ビジョンに掲げた諸施策を確実に実施することで企業価値を向上し、グループ全体の成長を図ってまいります。「M1 TRUST 2021」及び中長期ビジョンの詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針 ②基本方針実現のための取組み」を参照ください。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
Ⅰ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
Ⅱ 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、市場の環境変化に対応した安定供給及び生産効率の最適化を目的とした設備投資並びにニーズを捉えた高付加価値ジェネリック医薬品の実現を目的とした研究開発投資によるものであります。
Ⅲ 財務政策
当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを基本方針としております。設備投資及び研究開発投資による資金需要につきましても、営業活動によるキャッシュ・フローを継続的に確保していくとともに、市場の環境変化に対応した柔軟な財務政策を実現していくことで基本方針を実現していきます。
当連結会計年度においては、2017年5月にUSLを買収しましたが、当該投資のための所要資金は、借入金、新株発行、自己株式の処分及び米州住友商事へのSAL持分の20%譲渡により賄っております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
連結の範囲に関する事項
当連結会計年度において、SAWAI AMERICA HOLDINGS INC. 及びSALを新たに設立し、またUSL及びそのグループ会社2社を取得したことにより、連結子会社の数が7社となっております。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.初度適用」を参照ください。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積られる期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、のれん(無形固定資産)が2,097百万円増加、販売費及び一般管理費が2,190百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では研究開発費を費用として認識しておりましたが、IFRSではIAS第38号「無形資産」における無形資産の定義を満たすものについては資産化して見積耐用年数にわたって償却し、製品に係る無形資産の償却費及び償却開始後の減損損失を「研究開発費」に計上しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、無形資産(無形固定資産)が6,989百万円増加、研究開発費が2,159百万円減少しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を向上させることを目的として、当連結会計年度よりIFRSを適用しております。同基準に基づいた当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は168,068百万円(前期比26.9%増)、営業利益が22,209百万円(前期比3.2%減)、税引前当期利益20,251百万円(前期比11.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益14,017百万円(前期比22.0%減)となりました。なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入し、経営成績を判断する際の重要指標と位置づけることとしております。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下、「非経常項目」という。)を除外しています。非経常項目としては、日本基準における特別損益、無形資産の償却・減損、買収に際して生じる在庫のステップアップに伴う原価変動等を対象としており、同基準に基づいた当連結会計年度の「コア営業利益」は、31,118百万円(前期比32.1%増)となりました。
| (単位:百万円) | ||||
| 前連結会計年度 (2017年3月期) | 当連結会計年度 (2018年3月期) | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上収益 | 132,392 | 168,068 | +35,676 | +26.9 |
| コア営業利益 | 23,558 | 31,118 | +7,560 | +32.1 |
| 営業利益 | 22,943 | 22,209 | △733 | △3.2 |
| 税引前当期利益 | 22,757 | 20,251 | △2,505 | △11.0 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 17,969 | 14,017 | △3,952 | △22.0 |
また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(日本セグメント)
日本におけるジェネリック医薬品業界におきましては、2017年6月に「経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~」(骨太方針)が閣議決定され、ジェネリック医薬品使用割合80%の目標の達成時期を2020年9月までとすることとなりました。しかしながら、本年度は前年度実施のジェネリック使用促進策の効果が薄れるとともに、医療現場での重複投薬や多剤投与の適正化の影響もあり、ジェネリック医薬品の需要の伸びには鈍化が見られました。さらに、これらに加え、既存大型品目での他社との競争が激化するとともに、大型品目を中心に相次いでAG(オーソライズドジェネリック)が登場するなど、当年度は厳しい収益環境が続きました。また、今後の薬価制度の抜本改革については昨年一年間かけて検討が進められ、12月には「薬価制度の抜本改革について 骨子(案)」が中医協で了承されました。本年3月には2018年度の薬価基準の改定について告示され、薬剤費ベースでの改定率はマイナス7.48%となりましたが、今回の改定では、市場での実勢価格に基づく改定を基本としつつも、薬価制度の抜本改革を反映し、医療用医薬品市場全体ではこれまでより一層政策的な引き下げが行なわれています。
このような環境におきましても、当社グループは、「なによりも患者さんのために」の企業理念のもと、当期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画に掲げた各施策の実現に取り組んでまいりました。
生産・供給体制面においては、全国7つの工場それぞれの特徴を活かした生産効率のアップと生産能力の拡大が可能となり、安定供給体制を一層強化しております。
製品開発・販売面においては、2017年6月に『テルミサルタン錠・OD錠』を含む10成分27品目の新製品を発売し、12月には『ロスバスタチン錠・OD錠』を含む7成分16品目の新製品を発売しました。また、8月に『メサラジン腸溶錠』、本年3月に『プラミペキソール塩酸塩錠』の「効能・効果」および「用法・用量」の追加承認を取得したことにより、先発品との適応不一致が解消されました。
これらの結果、日本セグメントにおける売上収益は134,720百万円、セグメント利益は21,903百万円となりました。
(米国セグメント)
米国事業においては、同市場向け製品の研究開発に注力しており、3品目目となる多発性硬化症治療剤『フマル酸ジメチルカプセル』を米国食品医薬品局(FDA)に申請し、2017年6月に受理されました。さらに、当社自身での開拓に加え、米国事業の成長戦略を加速するため、4月には米国でジェネリック事業を営むUpsher-Smith Laboratories, Inc.の買収に合意し、5月末に買収手続きを完了、同社をUpsher-Smith Laboratories, LLCとして子会社化しました。USLは約100年の歴史の中で米国のジェネリック市場で確固たるポジションを保持しており、研究開発から、生産、マーケティング、本社管理体制まで安定した経営基盤を備えております。当社にとってはUSLが保有する人財、工場、ノウハウを活用することでシナジー効果が期待できます。USLでは、当社による買収後に販売を開始する新製品として、11月に『クロルコン細粒』、本年1月に『ブメタニド錠』を発売しました。
また、本年1月にUSLの持分を100%保有するSAWAI AMERICA, LLC(以下、「SAL」という)の持分の20%を住友商事株式会社の米国子会社である米州住友商事に譲渡しました。これに伴う住友商事グループのUSLへの経営参画によって、同グループの強みであるグローバル市場における事業オペレーションの経験・ノウハウと原薬調達や製品導入等に係る幅広いネットワークを活用することができることとなりました。
この結果、米国セグメントにおける売上収益は33,347百万円、セグメント利益は303百万円となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は162,149百万円となり、前連結会計年度末に比べ27,939百万円増加いたしました。これは主に、USLの買収によるものであります。非流動資産は196,305百万円となり、前連結会計年度末に比べ104,905百万円増加いたしました。これは主に、USLの買収に伴うのれん及び無形資産の認識によるものであります。
この結果、資産合計は358,453百万円となり、前連結会計年度末に比べ132,844百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は72,275百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,785百万円増加いたしました。また、非流動負債は83,737百万円となり、前連結会計年度末に比べ54,855百万円増加いたしました。これらは主に、USLの買収によるものに加え、新規借入によるものであります。
この結果、負債合計は、156,012百万円となり、前連結会計年度末に比べ71,640百万円増加いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は202,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ61,204百万円増加いたしました。これは主に、新株の発行による増加のほか、当期利益の計上、剰余金の配当及び自己株式の処分によるものであります。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は50.6%(前連結会計年度末は62.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は39,992百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,221百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益20,251百万円、減価償却費及び償却費14,239百万円、法人所得税等の支払額4,212百万円を主因として28,472百万円の収入(前期比5,202百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得(USLの買収)による支出111,195百万円、有形固定資産の取得による支出10,319百万円を主因として127,900百万円の支出(前期比109,073百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入60,000百万円、新株の発行による収入27,866百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入23,688百万円を主因として108,597百万円の収入(前期は6,761百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 130,723 | △10.2 |
| 米国 | 33,725 | - |
| 合計 | 164,448 | +12.9 |
(注) 1.上記金額は、売価換算額で表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループは、当連結会計年度にUSLを取得したことに伴い、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントの区分を単一セグメントから「日本」及び「米国」に変更しております。そのため、米国セグメントについては前年同期比の記載は行っておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込み生産が主で受注生産は僅少であるため記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 134,720 | +1.8 |
| 米国 | 33,347 | - |
| 合計 | 168,068 | +26.9 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社メディセオ | 20,402 | 15.4 | 22,386 | 13.3 |
| アルフレッサ株式会社 | 15,283 | 11.5 | 17,412 | 10.4 |
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループは、当連結会計年度にUSLを取得したことに伴い、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントの区分を単一セグメントから「日本」及び「米国」に変更しております。そのため、米国セグメントについては前年同期比の記載は行っておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しています。また、前連結会計年度の財務数値についても、IFRSに組み替えて比較分析を行っています。当社グループの連結財務諸表で適用される重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」を参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループは、ジェネリック医薬品業界のリーディング・カンパニーとして、「ジェネリック市場におけるNo.1シェアの堅持」、「市場の環境変化に対応した安定供給能力とコスト管理能力の強化」及び「更なる成長に向けた新規領域の事業基盤の構築」を基本方針とした中期経営計画に取り組み、企業価値向上を図ってまいりました。
国内では、薬価制度の抜本改革、ジェネリック医薬品の需要の伸びの鈍化、他社との競争の激化など厳しい収益環境が続くなか、新製品の発売を通じ業界トップクラスの品揃えを確保することで、ジェネリック市場におけるNo.1シェアを維持しました。また、工場の特性を活かした生産効率の向上に努め、市場の環境変化に対応した安定供給能力の強化を実現しました。
さらにUSLの買収により、世界最大のジェネリック医薬品市場である米国市場への進出の基盤を構築し、研究開発や知財戦略等でシナジー創出に向けたコラボレーションを行っております。
以上の状況から、当連結会計年度において、全体として過去最高の売上収益を更新しましたが、上記の厳しい国内収益環境から販売数量が計画未達となった影響で原価率が悪化し、販売費及び一般管理費の適正化に努めたものの、営業利益は計画を下回りました。セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入しております。当連結会計年度におきましては2017年5月に買収したUSLの業績が寄与したことにより31,118百万円(前年同期比32.1%増)となりました。
当社グループは今後、2018年度から始まる3年間の中期経営計画として策定した「M1 TRUST 2021」及び中長期ビジョンに掲げた諸施策を確実に実施することで企業価値を向上し、グループ全体の成長を図ってまいります。「M1 TRUST 2021」及び中長期ビジョンの詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針 ②基本方針実現のための取組み」を参照ください。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
Ⅰ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
Ⅱ 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、市場の環境変化に対応した安定供給及び生産効率の最適化を目的とした設備投資並びにニーズを捉えた高付加価値ジェネリック医薬品の実現を目的とした研究開発投資によるものであります。
Ⅲ 財務政策
当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを基本方針としております。設備投資及び研究開発投資による資金需要につきましても、営業活動によるキャッシュ・フローを継続的に確保していくとともに、市場の環境変化に対応した柔軟な財務政策を実現していくことで基本方針を実現していきます。
当連結会計年度においては、2017年5月にUSLを買収しましたが、当該投資のための所要資金は、借入金、新株発行、自己株式の処分及び米州住友商事へのSAL持分の20%譲渡により賄っております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (2017年3月31日) | 当連結会計年度 (2018年3月31日) | ||
| 資産の部 | |||
| 流動資産 | 137,346 | 165,975 | |
| 固定資産 | |||
| 有形固定資産 | 77,085 | 87,073 | |
| 無形固定資産 | 1,445 | 87,567 | |
| 投資その他の資産 | 5,663 | 9,873 | |
| 固定資産合計 | 84,193 | 184,513 | |
| 資産合計 | 221,539 | 350,488 | |
| 負債の部 | |||
| 流動負債 | 54,876 | 71,480 | |
| 固定負債 | 29,063 | 83,568 | |
| 負債合計 | 83,939 | 155,048 | |
| 純資産の部 | |||
| 株主資本 | 136,063 | 175,635 | |
| その他の包括利益累計額 | 1,195 | △1,334 | |
| 新株予約権 | 343 | 407 | |
| 非支配株主持分 | - | 20,733 | |
| 純資産合計 | 137,600 | 195,440 | |
| 負債純資産合計 | 221,539 | 350,488 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||
| 売上高 | 132,428 | 168,127 | |
| 売上原価 | 80,309 | 98,394 | |
| 売上総利益 | 52,120 | 69,734 | |
| 販売費及び一般管理費 | 31,486 | 48,639 | |
| 営業利益 | 20,634 | 21,095 | |
| 営業外収益 | 380 | 420 | |
| 営業外費用 | 457 | 2,327 | |
| 経常利益 | 20,557 | 19,187 | |
| 特別利益 | - | 80 | |
| 特別損失 | 686 | 3,197 | |
| 税金等調整前当期純利益 | 19,871 | 16,071 | |
| 法人税等 | 3,957 | 5,458 | |
| 当期純利益 | 15,914 | 10,612 | |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | - | △20 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 15,914 | 10,633 |
要約連結包括利益計算書
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||
| 当期純利益 | 15,914 | 10,612 | |
| その他の包括利益合計 | 589 | △3,727 | |
| 包括利益 | 16,504 | 6,885 | |
| (内訳) | |||
| 親会社株主に係る包括利益 | 16,504 | 8,230 | |
| 非支配株主に係る包括利益 | - | △1,346 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 124,934 | 605 | 181 | - | 125,721 |
| 当期変動額 | 11,128 | 589 | 162 | - | 11,879 |
| 当期末残高 | 136,063 | 1,195 | 343 | - | 137,600 |
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 株主資本 | その他の包括利益 累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 136,063 | 1,195 | 343 | - | 137,600 |
| 当期変動額 | 39,572 | △2,529 | 64 | 20,733 | 57,840 |
| 当期末残高 | 175,635 | △1,334 | 407 | 20,733 | 195,440 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
| (単位:百万円) | |||
| 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 20,628 | 25,488 | |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △16,207 | △124,916 | |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △6,740 | 108,597 | |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △7 | 52 | |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △2,325 | 9,221 | |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 33,096 | 30,771 | |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 30,771 | 39,992 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
連結の範囲に関する事項
当連結会計年度において、SAWAI AMERICA HOLDINGS INC. 及びSALを新たに設立し、またUSL及びそのグループ会社2社を取得したことにより、連結子会社の数が7社となっております。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.初度適用」を参照ください。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積られる期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、のれん(無形固定資産)が2,097百万円増加、販売費及び一般管理費が2,190百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では研究開発費を費用として認識しておりましたが、IFRSではIAS第38号「無形資産」における無形資産の定義を満たすものについては資産化して見積耐用年数にわたって償却し、製品に係る無形資産の償却費及び償却開始後の減損損失を「研究開発費」に計上しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、無形資産(無形固定資産)が6,989百万円増加、研究開発費が2,159百万円減少しております。