有価証券報告書-第71期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を向上させることを目的として、前連結会計年度よりIFRSを適用しております。同基準に基づいた当連結会計年度の業績につきましては、売上収益184,341百万円(前期比9.7%増)、営業利益25,798百万円(前期比16.2%増)、税引前当期利益25,666百万円(前期比26.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益19,376百万円(前期比38.2%増)となりました。なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入し、経営成績を判断する際の重要指標と位置づけることとしております。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益を除外しております。同基準に基づいた当連結会計年度の「コア営業利益」は、37,738百万円(前期比21.3%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(日本セグメント)
日本におけるジェネリック医薬品業界におきましては、2017年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~」(骨太方針)により、ジェネリック医薬品使用割合80%の目標の達成時期を2020年9月までとされました。これを受け、2018年4月には、保険薬局における「後発医薬品調剤体制加算」、医療機関における「後発医薬品使用体制加算」の要件見直しに加え、院内処方を行う診療所における「外来後発医薬品使用体制加算」の要件見直し、一般名処方の一層の推進等のジェネリック使用促進策を含む診療報酬改定が実施され、薬局市場を中心にジェネリック医薬品の需要が伸長しており、2018年9月に行われた薬価調査によるとジェネリック医薬品の使用割合は72.6%まで高まってきております。一方で、2017年12月に中医協で了承された「薬価制度の抜本改革について骨子」を踏まえ実施された2018年4月の薬価基準の改定では、薬剤費ベースの改定率は7.48%の引き下げとなりましたが、その内容は市場での実勢価格に基づく改定を基本としつつも、これまで以上に政策的な引き下げとなっております。また、2019年10月には消費税率の引き上げに伴う薬価改定が予定され、さらに2020年4月には2年に1回の通常の薬価改定が予定されており、当社を取り巻く収益環境は一段と厳しいものとなっております。
このような環境におきまして、当社グループは、「なによりも患者さんのために」の企業理念のもと、2021年3月期を最終年度とする3ヶ年の新たな中期経営計画「M1 TRUST 2021」を策定し、2018年5月に発表しました。中期経営計画では「国内GE市場での圧倒的地位の確立とUSLの成長加速による世界をリードするジェネリック医薬品企業への変革」という中長期ビジョンの達成に向け、この3年間を「戦略的提携も視野に入れた業界内ネットワークの構築」の時期と位置付け、「業界構造の変化に対応できる体制構築とコスト競争力強化」を重点課題に設定しました。
生産・供給体制面においては、全国7つの工場それぞれの特徴を活かした生産効率のアップと生産能力の拡大を継続的に行っております。また、老朽化が進んでいる大阪工場の包装工程を三田西工場へと移管し、2020年に閉鎖することでさらなる高効率・低コストを追求してまいります。2018年6月に発生した大阪府北部地震、7月に発生した西日本豪雨、9月に発生した台風、北海道胆振東部地震による影響は軽微でありましたものの、その他自然災害等の非常事態においても生産・出荷を継続できるよう、安定供給体制の一層の強化に努めております。
製品開発・販売面においては、2018年6月に『イルアミクス®配合錠』を含む7成分17品目の新製品を発売するとともに、アストラゼネカ社と製造販売承認承継契約を締結した『ゾーミッグ®錠・RM錠』の製造販売承認承継が完了し、12月に『ミルタザピン錠・OD錠』を含む6成分14品目を発売しました。
この結果、日本セグメントにおける売上収益は144,098百万円(前期比7.0%増)、セグメント利益は24,230百万円(前期比10.6%増)となりました。
(米国セグメント)
米国事業においては、成長戦略を加速するため、前期に買収し、子会社化したUSLを通じて米国市場への進出を果たしており、2018年1月にUSLの持分20%を譲渡した住友商事株式会社の米国子会社である米州住友商事と共にUSLの新たな成長戦略実現に取り組んでおります。中期経営計画では中長期ビジョン達成に向け、この3年間を「USLを基盤としたグローバル企業化への加速」の期間と位置付け、当社とUSLとの双方の強みを活かした連携を重点課題に設定しました。
米国におけるジェネリック医薬品業界は、卸・薬局等の統合により3大購買グループのシェアが約90%を占めていること、米国食品医薬品局(FDA)による医薬品簡略承認申請(ANDA)承認件数が過去最高水準を記録したこと等により、ジェネリック医薬品価格の下落基調が続きました。
このような環境におきまして、製品開発面においては、パイプラインを約40成分へと拡大し、販売面においては、既存品目に加え、新製品として2018年5月に『ドキサゾシン錠』、7月に『ビガドロン散』、8月に『ベキサロテンカプセル』、『ジフェノキシラート塩酸塩・アトロピン硫酸塩錠』、10月に『クロバザム錠・クロバザム内用懸濁液』、2019年3月に『フルオキセチン錠』を発売しました。
この結果、米国セグメントにおける売上収益は40,242百万円(前期比20.7%増)、セグメント利益は1,568百万円(前期比417.6%増)なりました。
当連結会計年度末における財政状態は、以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は184,907百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,759百万円増加いたしました。これは主に、現金及び現金同等物の増加によるものであります。非流動資産は187,981百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,323百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産の減価償却及び無形資産の償却並びに減損によるものであります。
この結果、資産合計は372,889百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,435百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は70,350百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,925百万円減少いたしました。これは主に、その他の金融負債に計上されていた条件付対価の支払いによるものであります。非流動負債は79,334百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,403百万円減少いたしました。これは主に、借入金の返済によるものであります。
この結果、負債合計は、149,684百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,328百万円減少いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は223,204百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,763百万円増加いたしました。これは主に、当期利益の計上、剰余金の配当及び為替レートの変動によるものであります。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は53.4%(前連結会計年度末は50.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は57,067百万円となり、前連結会計年度末に比べて17,074百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益25,666百万円、減価償却費及び償却費16,280百万円、法人所得税等の支払額8,161百万円を主因として42,923百万円の収入(前期比14,451百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出7,500百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(条件付対価の支払い)5,546百万円、無形資産の取得による支出3,208百万円を主因として16,820百万円の支出(前期比111,080百万円の支出減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額5,691百万円、長期借入金の返済による支出4,718百万円を主因として9,513百万円の支出(前期は108,597百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記金額は、売価換算額で表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込み生産が主で受注生産は僅少であるため記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。当社グループの連結財務諸表で適用される重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」を参照ください。
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っており、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループは、「なによりも患者さんのために」の企業理念のもと、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、当連結会計年度より取り組んでおります。中期経営計画では、日本市場の重点課題を「業界構造の変化に対応できる体制構築とコスト競争力強化」、米国市場の重点課題を「USLと双方の強みを活かした連携」として課題解決に取り組み、企業価値向上を図っております。
国内では、薬価制度の抜本改革による厳しい環境が続くなか、『オセルタミビル』や『カペシタビン』など競合のない新製品や高付加価値品を発売するとともに、ジェネリック医薬品使用促進策による薬局市場での需要増に真摯に対応いたしました。また、品質水準を維持向上しつつ、工場の役割分担明確化による効率生産、原材料や設備の集中購買等による価格低減など、コスト競争力強化のための様々な施策を検討しました。
米国では、ジェネリック市場が飽和傾向にあり、価格下落、競合他社の競争激化、主要製品への競合他社参入など、厳しい環境となっております。そのような環境下で、USLは当社と研究開発や知財戦略等でシナジー創出に向けたコラボレーションを進め、かつパイプラインを拡充し製品ポートフォリオの多様化に取り組み、『クロバザム錠・クロバザム内用懸濁液』などの新製品を発売いたしました。
以上の状況から、当連結会計年度において、売上収益及び営業利益は計画を上回り、前期比で増加いたしました。セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入しております。当連結会計年度におきましては、USLの業績が通期で寄与したことや主力製品の堅調な販売、販売費及び一般管理費の抑制等により、37,738百万円(前期比21.3%増)となりました。
当社グループは引き続き、2021年3月期までの中期経営計画及び中長期ビジョンに掲げた諸施策を確実に実施することで企業価値を向上し、グループ全体の成長を図ってまいります。中期経営計画及び中長期ビジョンの詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針 ②基本方針実現のための取組み」を参照ください。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
Ⅰ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
Ⅱ 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、市場の環境変化に対応した安定供給及び生産効率の最適化を目的とした設備投資並びにニーズを捉えた高付加価値ジェネリック医薬品の実現を目的とした研究開発投資によるものであります。
Ⅲ 財務政策
当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを基本方針としております。設備投資及び研究開発投資による資金需要につきましても、営業活動によるキャッシュ・フローを継続的に確保していくとともに、市場の環境変化に対応した柔軟な財務政策を実現していくことで基本方針を実現していきます。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが42,923百万円となり、当該資金をもとにUSL買収時の借入金の一部を返済しております。なお、重要な資本的支出の予定はありません。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積られる期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、のれん(無形固定資産)が前連結会計年度2,097百万円、当連結会計年度4,820百万円増加し、販売費及び一般管理費が前連結会計年度2,190百万円、当連結会計年度2,627百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では研究開発費を費用として認識しておりましたが、IFRSではIAS第38号「無形資産」における無形資産の定義を満たすものについては資産化して見積耐用年数にわたって償却し、製品に係る無形資産の償却費及び償却開始後の減損損失を「研究開発費」に計上しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、無形資産(無形固定資産)が前連結会計年度6,989百万円、当連結会計年度8,710百万円増加し、研究開発費が前連結会計年度2,159百万円、当連結会計年度1,721百万円減少しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性を向上させることを目的として、前連結会計年度よりIFRSを適用しております。同基準に基づいた当連結会計年度の業績につきましては、売上収益184,341百万円(前期比9.7%増)、営業利益25,798百万円(前期比16.2%増)、税引前当期利益25,666百万円(前期比26.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益19,376百万円(前期比38.2%増)となりました。なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入し、経営成績を判断する際の重要指標と位置づけることとしております。「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益を除外しております。同基準に基づいた当連結会計年度の「コア営業利益」は、37,738百万円(前期比21.3%増)となりました。
| (単位:百万円) | ||||
| 前連結会計年度 (2018年3月期) | 当連結会計年度 (2019年3月期) | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上収益 | 168,068 | 184,341 | +16,273 | +9.7 |
| コア営業利益 | 31,118 | 37,738 | +6,620 | +21.3 |
| 営業利益 | 22,209 | 25,798 | +3,588 | +16.2 |
| 税引前当期利益 | 20,251 | 25,666 | +5,415 | +26.7 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 14,017 | 19,376 | +5,359 | +38.2 |
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(日本セグメント)
日本におけるジェネリック医薬品業界におきましては、2017年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~」(骨太方針)により、ジェネリック医薬品使用割合80%の目標の達成時期を2020年9月までとされました。これを受け、2018年4月には、保険薬局における「後発医薬品調剤体制加算」、医療機関における「後発医薬品使用体制加算」の要件見直しに加え、院内処方を行う診療所における「外来後発医薬品使用体制加算」の要件見直し、一般名処方の一層の推進等のジェネリック使用促進策を含む診療報酬改定が実施され、薬局市場を中心にジェネリック医薬品の需要が伸長しており、2018年9月に行われた薬価調査によるとジェネリック医薬品の使用割合は72.6%まで高まってきております。一方で、2017年12月に中医協で了承された「薬価制度の抜本改革について骨子」を踏まえ実施された2018年4月の薬価基準の改定では、薬剤費ベースの改定率は7.48%の引き下げとなりましたが、その内容は市場での実勢価格に基づく改定を基本としつつも、これまで以上に政策的な引き下げとなっております。また、2019年10月には消費税率の引き上げに伴う薬価改定が予定され、さらに2020年4月には2年に1回の通常の薬価改定が予定されており、当社を取り巻く収益環境は一段と厳しいものとなっております。
このような環境におきまして、当社グループは、「なによりも患者さんのために」の企業理念のもと、2021年3月期を最終年度とする3ヶ年の新たな中期経営計画「M1 TRUST 2021」を策定し、2018年5月に発表しました。中期経営計画では「国内GE市場での圧倒的地位の確立とUSLの成長加速による世界をリードするジェネリック医薬品企業への変革」という中長期ビジョンの達成に向け、この3年間を「戦略的提携も視野に入れた業界内ネットワークの構築」の時期と位置付け、「業界構造の変化に対応できる体制構築とコスト競争力強化」を重点課題に設定しました。
生産・供給体制面においては、全国7つの工場それぞれの特徴を活かした生産効率のアップと生産能力の拡大を継続的に行っております。また、老朽化が進んでいる大阪工場の包装工程を三田西工場へと移管し、2020年に閉鎖することでさらなる高効率・低コストを追求してまいります。2018年6月に発生した大阪府北部地震、7月に発生した西日本豪雨、9月に発生した台風、北海道胆振東部地震による影響は軽微でありましたものの、その他自然災害等の非常事態においても生産・出荷を継続できるよう、安定供給体制の一層の強化に努めております。
製品開発・販売面においては、2018年6月に『イルアミクス®配合錠』を含む7成分17品目の新製品を発売するとともに、アストラゼネカ社と製造販売承認承継契約を締結した『ゾーミッグ®錠・RM錠』の製造販売承認承継が完了し、12月に『ミルタザピン錠・OD錠』を含む6成分14品目を発売しました。
この結果、日本セグメントにおける売上収益は144,098百万円(前期比7.0%増)、セグメント利益は24,230百万円(前期比10.6%増)となりました。
(米国セグメント)
米国事業においては、成長戦略を加速するため、前期に買収し、子会社化したUSLを通じて米国市場への進出を果たしており、2018年1月にUSLの持分20%を譲渡した住友商事株式会社の米国子会社である米州住友商事と共にUSLの新たな成長戦略実現に取り組んでおります。中期経営計画では中長期ビジョン達成に向け、この3年間を「USLを基盤としたグローバル企業化への加速」の期間と位置付け、当社とUSLとの双方の強みを活かした連携を重点課題に設定しました。
米国におけるジェネリック医薬品業界は、卸・薬局等の統合により3大購買グループのシェアが約90%を占めていること、米国食品医薬品局(FDA)による医薬品簡略承認申請(ANDA)承認件数が過去最高水準を記録したこと等により、ジェネリック医薬品価格の下落基調が続きました。
このような環境におきまして、製品開発面においては、パイプラインを約40成分へと拡大し、販売面においては、既存品目に加え、新製品として2018年5月に『ドキサゾシン錠』、7月に『ビガドロン散』、8月に『ベキサロテンカプセル』、『ジフェノキシラート塩酸塩・アトロピン硫酸塩錠』、10月に『クロバザム錠・クロバザム内用懸濁液』、2019年3月に『フルオキセチン錠』を発売しました。
この結果、米国セグメントにおける売上収益は40,242百万円(前期比20.7%増)、セグメント利益は1,568百万円(前期比417.6%増)なりました。
当連結会計年度末における財政状態は、以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は184,907百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,759百万円増加いたしました。これは主に、現金及び現金同等物の増加によるものであります。非流動資産は187,981百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,323百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産の減価償却及び無形資産の償却並びに減損によるものであります。
この結果、資産合計は372,889百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,435百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は70,350百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,925百万円減少いたしました。これは主に、その他の金融負債に計上されていた条件付対価の支払いによるものであります。非流動負債は79,334百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,403百万円減少いたしました。これは主に、借入金の返済によるものであります。
この結果、負債合計は、149,684百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,328百万円減少いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は223,204百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,763百万円増加いたしました。これは主に、当期利益の計上、剰余金の配当及び為替レートの変動によるものであります。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は53.4%(前連結会計年度末は50.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は57,067百万円となり、前連結会計年度末に比べて17,074百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益25,666百万円、減価償却費及び償却費16,280百万円、法人所得税等の支払額8,161百万円を主因として42,923百万円の収入(前期比14,451百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出7,500百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(条件付対価の支払い)5,546百万円、無形資産の取得による支出3,208百万円を主因として16,820百万円の支出(前期比111,080百万円の支出減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額5,691百万円、長期借入金の返済による支出4,718百万円を主因として9,513百万円の支出(前期は108,597百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 137,425 | +5.1 |
| 米国 | 37,263 | +10.5 |
| 合計 | 174,688 | +6.2 |
(注) 1.上記金額は、売価換算額で表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは見込み生産が主で受注生産は僅少であるため記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 144,098 | +7.0 |
| 米国 | 40,242 | +20.7 |
| 合計 | 184,341 | +9.7 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社メディセオ | 22,386 | 13.3 | 23,857 | 12.9 |
| アルフレッサ株式会社 | 17,412 | 10.4 | 20,485 | 11.1 |
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。当社グループの連結財務諸表で適用される重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」を参照ください。
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っており、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループは、「なによりも患者さんのために」の企業理念のもと、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、当連結会計年度より取り組んでおります。中期経営計画では、日本市場の重点課題を「業界構造の変化に対応できる体制構築とコスト競争力強化」、米国市場の重点課題を「USLと双方の強みを活かした連携」として課題解決に取り組み、企業価値向上を図っております。
国内では、薬価制度の抜本改革による厳しい環境が続くなか、『オセルタミビル』や『カペシタビン』など競合のない新製品や高付加価値品を発売するとともに、ジェネリック医薬品使用促進策による薬局市場での需要増に真摯に対応いたしました。また、品質水準を維持向上しつつ、工場の役割分担明確化による効率生産、原材料や設備の集中購買等による価格低減など、コスト競争力強化のための様々な施策を検討しました。
米国では、ジェネリック市場が飽和傾向にあり、価格下落、競合他社の競争激化、主要製品への競合他社参入など、厳しい環境となっております。そのような環境下で、USLは当社と研究開発や知財戦略等でシナジー創出に向けたコラボレーションを進め、かつパイプラインを拡充し製品ポートフォリオの多様化に取り組み、『クロバザム錠・クロバザム内用懸濁液』などの新製品を発売いたしました。
以上の状況から、当連結会計年度において、売上収益及び営業利益は計画を上回り、前期比で増加いたしました。セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社は、IFRSの適用に当たり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を導入しております。当連結会計年度におきましては、USLの業績が通期で寄与したことや主力製品の堅調な販売、販売費及び一般管理費の抑制等により、37,738百万円(前期比21.3%増)となりました。
当社グループは引き続き、2021年3月期までの中期経営計画及び中長期ビジョンに掲げた諸施策を確実に実施することで企業価値を向上し、グループ全体の成長を図ってまいります。中期経営計画及び中長期ビジョンの詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針 ②基本方針実現のための取組み」を参照ください。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
Ⅰ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
Ⅱ 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、市場の環境変化に対応した安定供給及び生産効率の最適化を目的とした設備投資並びにニーズを捉えた高付加価値ジェネリック医薬品の実現を目的とした研究開発投資によるものであります。
Ⅲ 財務政策
当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを基本方針としております。設備投資及び研究開発投資による資金需要につきましても、営業活動によるキャッシュ・フローを継続的に確保していくとともに、市場の環境変化に対応した柔軟な財務政策を実現していくことで基本方針を実現していきます。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが42,923百万円となり、当該資金をもとにUSL買収時の借入金の一部を返済しております。なお、重要な資本的支出の予定はありません。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると見積られる期間にわたり償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、のれん(無形固定資産)が前連結会計年度2,097百万円、当連結会計年度4,820百万円増加し、販売費及び一般管理費が前連結会計年度2,190百万円、当連結会計年度2,627百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では研究開発費を費用として認識しておりましたが、IFRSではIAS第38号「無形資産」における無形資産の定義を満たすものについては資産化して見積耐用年数にわたって償却し、製品に係る無形資産の償却費及び償却開始後の減損損失を「研究開発費」に計上しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、無形資産(無形固定資産)が前連結会計年度6,989百万円、当連結会計年度8,710百万円増加し、研究開発費が前連結会計年度2,159百万円、当連結会計年度1,721百万円減少しております。