有価証券報告書-第34期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/27 16:31
【資料】
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【項目】
132項目
7.企業結合
(1)企業結合の概要
イドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社及びIdorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.の株式及び関連資産の取得
当社は、2023年7月20日開催の取締役会において、Idorsia Ltd.及びIdorsia Pharmaceutical Ltd.(以下総称して「イドルシア社」)より、イドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社及びIdorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.の全株式及び関連資産を取得し子会社化することを決議し、同日全株式を取得しました。
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
(a) 被取得企業の名称イドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社
Idorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.
(b) 事業の内容医薬品の研究開発、輸出入、梱包及び販売

② 企業結合を行った主な理由
当社グループは、2022年に発足した新経営体制のもと、独自の創薬プラットフォーム及びパイプラインを起点とし、グローバルでの提携に加えて日本及びAPACにおける販売力を備えた、バランスの取れたビジネスを構築するという、新たな戦略を明確にしています。この戦略では、臨床開発~販売体制をアジャイルかつ拡大可能な形で構築し、日本の患者さまに人生を変える医薬品を届け、この大きく魅力的な市場で、見逃されている市場の発掘に取り組むことを柱のひとつに掲げています。
イドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社とIdorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.の子会社化はこの目標を達成する最良の手段であり、当社チームのグローバルでの徹底的なリサーチの結果です。本取引は手元現金と低利の新規長期借入金により必要資金を手当てしており、通期での初年度から、キャッシュ・フローを創出する予定です。本取引の戦略的意義は以下の通りです。
・ 日本における卓越した臨床開発機能と収益力の高い販売体制、従来にない販売・マーケティングモデル、規模拡大とさらなる価値創出力が加わることによって、当社グループのミッションを加速する。
・ 主要製品であるピヴラッツ®とダリドレキサントの獲得、及びCenerimodとLucerastatに対する独占的オプション権、そしてイドルシア社のグローバルパイプラインから最大5品目の臨床段階にある追加的プログラムに対する特定の権利により、将来のパイプラインを確保・拡大する。
・ 過去20年にわたり、日本と韓国で多くの承認取得と上市を成功させてきた田中諭氏が率いる、経験豊富で卓越した実績とサービス提供力を有するチームを獲得する。
・ 日本の高品質な臨床環境を活用し、見逃されている専門疾患領域をターゲットにするとともに、より広域なAPACへの拡大と製品上市を可能とするプラットフォームを獲得する。
また本取引によって、日本及びAPAC(中国を除く)地域において、(1)当社グループが 100%保有している従来からの自社開発品、(2)イドルシア社のパイプラインから選定され当社がオプション権あるいは特定の権利を獲得した臨床候補化合物、及び(3)他社の有望な製品/開発品の導入、の3つの方法で、有望なパイプラインを獲得し開発及び販売を行うことができるようになります。加えて、当社グループは、日本及びAPAC地域以外においては、従来通り、当社の強固な創薬プラットフォームから生まれた新規候補化合物やプログラムについて、大手製薬企業との提携を目指します。
③ 取得日
2023年7月20日
④ 取得した議決権付資本持分割合
イドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社 100%
Idorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd. 100%
⑤ 取得方法
現金を対価とする株式の取得
⑥ 取得対価及びその内訳
現金 64,440百万円
企業結合に係る取得関連費用1,149百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(2)取得日現在における取得資産及び引受負債の公正価値、及びのれん
(単位:百万円)
金額
取得資産及び引受負債の公正価値
有形固定資産3,431
無形資産44,071
繰延税金資産2,279
営業債権及びその他の債権3,505
棚卸資産4,779
その他の資産2,735
リース負債△2,837
営業債務及びその他の債務△880
その他の負債△661
取得資産及び引受負債の公正価値(純額)56,422
のれん8,018
合計64,440

上記の無形資産に含まれる製品関連及び仕掛研究開発の公正価値は、将来キャッシュ・フローの割引現在価値で測定しており、用いられる仮定には、関連する医薬品の市場規模や市場占有率の予測及び割引率等が含まれます。
のれんは今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力及び既存事業とのシナジーを反映したものになります。認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはありません。
(3)子会社の取得に伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
金額
取得により支出した現金及び現金同等物64,440
取得時の資産のうち現金及び現金同等物△1,499
子会社の取得による支払額62,941

(4)業績に与える影響
当社グループの連結包括利益計算書には、取得日以降にイドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社及びIdorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.から生じた売上収益及び当期利益が、それぞれ7,609百万円及び623百万円含まれております。また、企業結合が期首に実施されたと仮定した場合、当連結会計年度における当社グループの売上収益及び当期損失は、それぞれ17,783百万円及び10,710百万円であったと算定されます。なお、当該プロフォーマ情報は監査を受けておりません。