有価証券報告書-第19期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/17 15:11
【資料】
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【項目】
155項目
2.偶発債務
(1) 債務保証
関係会社の事業所等賃貸契約に対する保証並びに関係会社及び従業員の金融機関からの借入金に伴う支払債務に対して債務保証を行っております。
前事業年度
(2023年3月31日)
当事業年度
(2024年3月31日)
第一三共Inc.9百万円10百万円
プレキシコンInc.5,4745,525
従業員(住宅資金等)180137
5,6635,672

(2) 訴訟
Seagen Inc.保有の米国特許に関する訴訟等
2020年10月、Seagen Inc.は、エンハーツを含む当社ADCがSeagen Inc.の保有する米国特許10,808,039を侵害するとして特許侵害訴訟をテキサス州東部地区連邦地方裁判所に提起しました。2022年4月、同裁判所で陪審審理が行われ、エンハーツが当該米国特許を侵害しているとの陪審評決が下されました。陪審員は、陪審審理に至る前の2020年10月から2022年3月までの期間のSeagen Inc.の損害額が41.8百万米ドルであると判断し、また、当該米国特許の故意侵害があったと認定しました。同年7月、同裁判所は、前記陪審評決を確認する判決を下しましたが、陪審が故意侵害であると認定した一方で、状況を総合的に判断し、損害賠償額を増額しませんでした。2023年10月、同裁判所は、2022年7月の判決を不服とする当社の申立(post-trial motions)を棄却し、当該判決で決定された41.8百万米ドルの損害賠償額に加え、2022年4月1日からSeagen Inc.の当該米国特許が満了する2024年11月4日までのエンハーツの米国売上に対する8%のロイヤリティーの支払を命じる一審判決を下しました。2023年11月、当社は、同年10月の一審判決に対し、米国連邦巡回区控訴裁判所に控訴を提起いたしました。なお、仮にSeagen Inc.に当該米国特許の侵害に係る賠償金及びロイヤリティーを支払うこととなった場合には、アストラゼネカ社と締結したエンハーツの共同開発及び販売提携に関する契約に基づき、これをアストラゼネカ社と折半して負担いたします。
一方で、2020年12月、当社らは、Seagen Inc.の当該米国特許が無効であるとして、米国特許商標庁に当該米国特許の有効性を審査する特許付与後レビュー(Post Grant Review、以下「PGR」という。)の請求手続を行いましたが、2021年6月、当該PGRの審理を開始しない旨の決定がなされておりました。当該決定を受け、同年7月、当社らは、米国特許商標庁への再審理請求を行うとともに、同年8月、バージニア州東部地区連邦地方裁判所に行政訴訟を提起し、その結果、2022年4月、米国特許商標庁は上記再審理請求を認めPGRの開始を決定しました。同年7月、米国特許商標庁はSeagen Inc.の再審理請求を認め、PGRを進めないことを決定しましたが、当社の再審理請求を受け、2023年2月、PGRの再開を決定しました。2024年1月、米国特許商標庁は、Seagen Inc.の当該米国特許は無効であるとの決定を下しました。同年2月、Seagen Inc.は、同年1月の米国特許商標庁の決定に対して長官レビューを申請しましたが、同年3月、米国特許商標庁は当該申請を棄却しました。
当該米国特許は、米国連邦巡回区控訴裁判所に控訴中の特許侵害訴訟においてSeagen Inc.が主張の根拠としている唯一の特許ですが、当社は、当該米国特許は無効であり、賠償金を支払う可能性は低いと考えているため、当該米国特許の侵害に係る賠償金の引当金を計上しておりません。