有価証券報告書-第160期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「『愛の精神の実践』を経営の基本とし、人々の幸福と生活の向上に寄与する」を社是として、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign(リデザイン))」ことをパーパス(存在意義)に、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしに役立つ優良製品・サービスを提供することにより、積極的に社会に貢献していくことが使命であると認識しております。
人々の価値観の変化や企業に求められる社会的な役割を的確に捉え、お客様満足を最優先とする製品開発、サービスの提供に取り組むとともに、環境保全活動の推進やコーポレート・ガバナンス体制の充実を図り、株主、お客様、お取引先、地域・社会、従業員等のすべてのステークホルダーからの期待に応えられる信頼性の高い企業として、企業価値の一層の向上に努めてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2030年のありたい姿として経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げています。今般、事業環境が大きく変化し、企業が果たすべき社会的な役割、責任が一層増してきたことなどを背景に、将来に向けて自己変容し、事業を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への変革を加速させるため、中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」を策定しました。
<中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」の概要>◇経営ビジョン
「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」
◇3つの成長戦略の推進
事業成長を加速させるため、3つの成長戦略を推進します。
① 「4つの提供価値領域における成長加速」
② 「成長に向けた事業基盤への変革」
③ 「変革を実現するダイナミズムの創出」
◇サステナビリティ重要課題への取組み強化
「健康な生活習慣づくり」「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として、成長戦略と相乗的に推進してまいります。
<2030年の目指す業績イメージ>・連結売上高 6,000億円水準(海外事業の構成比50%程度)
・事業利益 ※1 500億円水準
・ROIC 8~12%
・ROE 10~14%
・EBITDAマージン ※2 10~14%
※1 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
※2 連結売上高に対する EBITDA(簡易的に事業利益と減価償却費を合算)の割合であり、キャッシュベースの収益性を測る指標です。
(3) 会社の対処すべき課題
経営ビジョン実現に向け、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign(リデザイン))」というパーパス(存在意義)を起点とした経営をより一層強化しながら、サステナビリティ重要課題への取組みと成長
戦略を相乗的に推進し、着実な成果につなげることが当社グループの課題であると認識しております。
◇経営ビジョン実現に向けた経営戦略
<3つの成長戦略の推進>①4つの提供価値領域における成長加速
ライオングループの成長の方向性として4つの提供価値領域(「オーラルヘルス」「インフェクションコントロール」「スマートハウスワーク」「ウェルビーイング」)にフォーカスし、事業の進化・新価値創造を図り、国内外のより一層の成長加速を目指します。
②成長に向けた事業基盤への変革
戦略的投資の継続・強化により、成長を促進する事業基盤への変革に取り組みます。
③変革を実現するダイナミズムの創出
コーポレートブランディング・働きがい改革・ダイバーシティ&オープンイノベーションの推進等により、持続的に成長する企業への変革の実現を目指します。
<サステナビリティ重要課題への取組み強化>①健康な生活習慣づくり
インクルーシブ・オーラルケア※3 などを通じて、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしの実現と健康寿命の延伸に貢献します。
※3 オーラルケアから健康格差へアプローチする活動
②サステナブルな地球環境への取組み推進
地球規模で広がる環境問題に対し、脱炭素社会と資源循環型社会の実現に向けてすべてのステークホルダーと協働しながら、取組みを加速させます。
国内外において、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上や健康寿命の延伸などヘルスケアに対する社会課題が顕在化する中、毎日の暮らしに身近な存在である当社グループの役割は今後益々大きくなると考えております。当社グループでは、上記の戦略を強力に推進することで、事業を通じて社会との共通価値を創出し、サステナブルな社会への幅広い貢献を通じて、企業価値の向上を目指してまいります。
(4) セグメント別の課題と戦略
①一般用消費財事業
一般用消費財事業は、主要分野において、付加価値の高い新製品の導入と育成により、市場地位の向上と収益性の強化に努めるとともに、衛生習慣の定着に向けた施策にも注力します。併せて、オーラルケア分野を中心に生産能力の拡充を進めます。
②産業用品事業
産業用品事業は、自動車、電気・電子等の主要分野で重点施策を着実に推進し、事業基盤の強化に努めます。また、業務用洗浄剤分野では、重点顧客との取組みを強化するとともに、衛生関連品の拡売にも注力します。
③海外事業
海外事業は、ホームケア分野の収益性向上に取り組むとともに、オーラルケア、ビューティケアなどパーソナルケア分野を中心にマーケティング施策を展開し、特に成長が続く中国を重点国として、事業規模の拡大に努めます。
(5) 中期経営計画の進捗状況
当社グループは、2018年~2020年の3ヵ年を期間とする中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)(2018年~2020年)」を推進いたしました。「LIVE計画」では、国内・海外において将来を見据えた成長のための取組みや体制整備を進めるとともに、経営効率の向上を更に加速させ、収益体質の強化に取り組みました。
①新価値創造による事業の拡張・進化
・主力分野において製品の高付加価値化に取り組み、市場地位の向上と収益性の強化に努めました。また、IoTを活用した製品とサービスを提供するなどお客様への新しい価値を提案しました。
・新規事業については、新しいビジネスの創出に向けた制度・仕組み等を整備し、事業創出へのチャレンジを加速させました。
②グローカライゼーションによる海外事業の成長加速
・グローバルブランドの育成やECを活用した中国事業の強化等により、事業規模の拡大を図るとともに、収益構造改革を推進し、収益性の向上に努めました。
③事業構造改革による経営基盤の強化
・ハブラシ、デンタルリンス、ハンドソープ等の生産能力の増強に加え、将来の成長に向けてハミガキ工場の新設や基幹システムの構築等の戦略的投資を行い、経営基盤の強化を図りました。
・殺虫剤ブランドの譲渡、皮膚用薬ブランドの譲受による事業ポートフォリオの見直しを進めました。
・国内の生産拠点再編や物流管理機能の統合等によるグループ機能の強化・効率化を推進しました。
④変革に向けたダイナミズムの創出
・「ライオン流働きがい改革」の推進により、従業員の自律と多彩な能力発揮を目指したワークマネジメントやワークスタイルの進化に向けた制度・施策の拡充を図りました。
・新環境目標「LION Eco Challenge 2050」を策定し、他社との協働による物流効率化や容器のリサイクル等サステナビリティに対する取組みを加速させました。
これらの諸施策を推進した結果、「LIVE計画」の業績目標に対して、売上高、事業利益は競争激化や地政学的リスクの影響等により未達となりましたが、固定資産の譲渡益等を含む営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、ROEは達成いたしました。
<業績推移>※2018年度よりIFRSを適用しています。2017年実績はIFRSに準拠して算定しています。
なお、2021年から次期中期経営計画を開始する予定としておりましたが、新型コロナウイルスの影響で事業環境が不透明な状況にあることから、2021年度は単年度計画とした上で、2030年に向けての「Vision(ビジョン)2030」に係る戦略を先行してスタートさせます。新中期経営計画は、2022年度からの実施を予定しています。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「『愛の精神の実践』を経営の基本とし、人々の幸福と生活の向上に寄与する」を社是として、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign(リデザイン))」ことをパーパス(存在意義)に、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしに役立つ優良製品・サービスを提供することにより、積極的に社会に貢献していくことが使命であると認識しております。
人々の価値観の変化や企業に求められる社会的な役割を的確に捉え、お客様満足を最優先とする製品開発、サービスの提供に取り組むとともに、環境保全活動の推進やコーポレート・ガバナンス体制の充実を図り、株主、お客様、お取引先、地域・社会、従業員等のすべてのステークホルダーからの期待に応えられる信頼性の高い企業として、企業価値の一層の向上に努めてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2030年のありたい姿として経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げています。今般、事業環境が大きく変化し、企業が果たすべき社会的な役割、責任が一層増してきたことなどを背景に、将来に向けて自己変容し、事業を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への変革を加速させるため、中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」を策定しました。
<中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」の概要>◇経営ビジョン
「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」
◇3つの成長戦略の推進
事業成長を加速させるため、3つの成長戦略を推進します。
① 「4つの提供価値領域における成長加速」
② 「成長に向けた事業基盤への変革」
③ 「変革を実現するダイナミズムの創出」
◇サステナビリティ重要課題への取組み強化
「健康な生活習慣づくり」「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として、成長戦略と相乗的に推進してまいります。
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<2030年の目指す業績イメージ>・連結売上高 6,000億円水準(海外事業の構成比50%程度)
・事業利益 ※1 500億円水準
・ROIC 8~12%
・ROE 10~14%
・EBITDAマージン ※2 10~14%
※1 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。
※2 連結売上高に対する EBITDA(簡易的に事業利益と減価償却費を合算)の割合であり、キャッシュベースの収益性を測る指標です。
(3) 会社の対処すべき課題
経営ビジョン実現に向け、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign(リデザイン))」というパーパス(存在意義)を起点とした経営をより一層強化しながら、サステナビリティ重要課題への取組みと成長
戦略を相乗的に推進し、着実な成果につなげることが当社グループの課題であると認識しております。
◇経営ビジョン実現に向けた経営戦略
<3つの成長戦略の推進>①4つの提供価値領域における成長加速
ライオングループの成長の方向性として4つの提供価値領域(「オーラルヘルス」「インフェクションコントロール」「スマートハウスワーク」「ウェルビーイング」)にフォーカスし、事業の進化・新価値創造を図り、国内外のより一層の成長加速を目指します。
②成長に向けた事業基盤への変革
戦略的投資の継続・強化により、成長を促進する事業基盤への変革に取り組みます。
③変革を実現するダイナミズムの創出
コーポレートブランディング・働きがい改革・ダイバーシティ&オープンイノベーションの推進等により、持続的に成長する企業への変革の実現を目指します。
<サステナビリティ重要課題への取組み強化>①健康な生活習慣づくり
インクルーシブ・オーラルケア※3 などを通じて、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしの実現と健康寿命の延伸に貢献します。
※3 オーラルケアから健康格差へアプローチする活動
②サステナブルな地球環境への取組み推進
地球規模で広がる環境問題に対し、脱炭素社会と資源循環型社会の実現に向けてすべてのステークホルダーと協働しながら、取組みを加速させます。
国内外において、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上や健康寿命の延伸などヘルスケアに対する社会課題が顕在化する中、毎日の暮らしに身近な存在である当社グループの役割は今後益々大きくなると考えております。当社グループでは、上記の戦略を強力に推進することで、事業を通じて社会との共通価値を創出し、サステナブルな社会への幅広い貢献を通じて、企業価値の向上を目指してまいります。
(4) セグメント別の課題と戦略
①一般用消費財事業
一般用消費財事業は、主要分野において、付加価値の高い新製品の導入と育成により、市場地位の向上と収益性の強化に努めるとともに、衛生習慣の定着に向けた施策にも注力します。併せて、オーラルケア分野を中心に生産能力の拡充を進めます。
②産業用品事業
産業用品事業は、自動車、電気・電子等の主要分野で重点施策を着実に推進し、事業基盤の強化に努めます。また、業務用洗浄剤分野では、重点顧客との取組みを強化するとともに、衛生関連品の拡売にも注力します。
③海外事業
海外事業は、ホームケア分野の収益性向上に取り組むとともに、オーラルケア、ビューティケアなどパーソナルケア分野を中心にマーケティング施策を展開し、特に成長が続く中国を重点国として、事業規模の拡大に努めます。
(5) 中期経営計画の進捗状況
当社グループは、2018年~2020年の3ヵ年を期間とする中期経営計画「LIVE(ライブ)計画(LION Value Evolution Plan)(2018年~2020年)」を推進いたしました。「LIVE計画」では、国内・海外において将来を見据えた成長のための取組みや体制整備を進めるとともに、経営効率の向上を更に加速させ、収益体質の強化に取り組みました。
①新価値創造による事業の拡張・進化
・主力分野において製品の高付加価値化に取り組み、市場地位の向上と収益性の強化に努めました。また、IoTを活用した製品とサービスを提供するなどお客様への新しい価値を提案しました。
・新規事業については、新しいビジネスの創出に向けた制度・仕組み等を整備し、事業創出へのチャレンジを加速させました。
②グローカライゼーションによる海外事業の成長加速
・グローバルブランドの育成やECを活用した中国事業の強化等により、事業規模の拡大を図るとともに、収益構造改革を推進し、収益性の向上に努めました。
③事業構造改革による経営基盤の強化
・ハブラシ、デンタルリンス、ハンドソープ等の生産能力の増強に加え、将来の成長に向けてハミガキ工場の新設や基幹システムの構築等の戦略的投資を行い、経営基盤の強化を図りました。
・殺虫剤ブランドの譲渡、皮膚用薬ブランドの譲受による事業ポートフォリオの見直しを進めました。
・国内の生産拠点再編や物流管理機能の統合等によるグループ機能の強化・効率化を推進しました。
④変革に向けたダイナミズムの創出
・「ライオン流働きがい改革」の推進により、従業員の自律と多彩な能力発揮を目指したワークマネジメントやワークスタイルの進化に向けた制度・施策の拡充を図りました。
・新環境目標「LION Eco Challenge 2050」を策定し、他社との協働による物流効率化や容器のリサイクル等サステナビリティに対する取組みを加速させました。
これらの諸施策を推進した結果、「LIVE計画」の業績目標に対して、売上高、事業利益は競争激化や地政学的リスクの影響等により未達となりましたが、固定資産の譲渡益等を含む営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、ROEは達成いたしました。
<業績推移>※2018年度よりIFRSを適用しています。2017年実績はIFRSに準拠して算定しています。
(億円) | V-2 計画 | LIVE計画 | 17年→20年 | (ご参考) LIVE 計画目標 | |||||||
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 増減額 | CAGR | ||||||
実績 | 前年比 | 実績 | 前年比 | 実績 | 前年比 | 計画比 | |||||
売上高 | 3,427.0 | 3,494.0 | 102.0% | 3,475.1 | 99.5% | 3,553.5 | 102.3% | 88.8% | 126.4 | +1.2% | 4,000 |
事業利益 | 288.0 | 283.7 | 98.5% | 300.4 | 105.9% | 359.3 | 119.6% | 89.8% | 71.3 | +7.7% | 400 |
営業利益 | 304.7 | 341.9 | 112.2% | 298.3 | 87.2% | 440.7 | 147.7% | 110.2% | 135.9 | +13.1% | 400 |
親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 208.8 | 256.0 | 122.6% | 205.5 | 80.3% | 298.7 | 145.3% | 106.7% | 89.8 | +12.7% | 280 |
事業利益率 | 8.4% | 8.1% | 8.6% | 10.1% | 101.1% | +1.7pt | 10.0% | ||||
ROE | 12.7% | 13.9% | 10.3% | 13.6% | 達成 | +0.9pt | 12%水準 |
なお、2021年から次期中期経営計画を開始する予定としておりましたが、新型コロナウイルスの影響で事業環境が不透明な状況にあることから、2021年度は単年度計画とした上で、2030年に向けての「Vision(ビジョン)2030」に係る戦略を先行してスタートさせます。新中期経営計画は、2022年度からの実施を予定しています。