有価証券報告書-第70期(平成30年12月1日-令和1年11月30日)

【提出】
2020/02/26 15:00
【資料】
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【項目】
154項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「社会貢献」「環境」「技術」を経営のキーワードとし、全ての人々の幸せのため、食糧の安定供給に寄与する安全で安心な農薬製品および産業活動を幅広く支えるファインケミカル製品を社会に提供していくことを企業理念としています。
この企業理念のもと、立案した事業計画を着実に実行することにより、持続的かつ安定的な成長を実現し、国内外の産業の発展と豊かな社会づくりに貢献します。また、取締役会を中心とした経営の自己規律のもと、中長期的な企業価値の向上を図るとともに、社会に信頼される企業であり続けます。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、成長性の基準として「売上高」と「経常利益」、収益性の基準として「売上高経常利益率」、安全性の基準として「D/Eレシオ」を重要な経営指標と認識し、目標を設定しています。また、「自己資本比率」についても安全性を判断するための参考値として管理しています。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
世界的な人口増加や新興国の経済発展に伴う食糧需要の増加などを背景に、海外の農薬市場は長期的には拡大傾向にあります。一方、国内では、農業従事者の高齢化および後継者不足や耕作放棄地の増加などの影響により、市場縮小の継続が懸念されます。また、工業製品における製品ニーズの多様化に伴う多品種少量化の進行や求められる技術の高度化への対応など、当社グループを取り巻く環境は一段と厳しさが増していくと予想されます。
このような状況のもと、当社グループは、長期的な成長のイメージとして、近い将来に目指す企業規模のターゲットを定め、その実現の第一歩となる3ヵ年経営計画(2018/11期~2020/11期)「HOKKO Growing Plan 2020」を策定し、目標達成に向けた取組みをスタートしています。
[農薬事業]
国内販売におきましては、国内農薬市場の縮小傾向が続くため販売競争の激化がさらに進んでいくものと予想され、依然として厳しい状況が続くものと考えられます。海外販売におきましては、中長期的には拡大傾向で推移することが予想される農薬市場でのシェア拡大を目指してまいります。
[ファインケミカル事業]
品質と価格の両面において顧客の要望が高度化する医薬・農薬分野や、成長し続けているスマートフォンや電気自動車向けの電子材料分野においては、生き残りをかけた開発競争や価格競争が激しさを増しています。また化学品に対する世界的な規制の強化が進められるなど、ファインケミカル事業を取り巻く環境は、大きな変化が予想されます。
■長期成長イメージ・長期経営戦略
①長期成長イメージ
当社グループが近い将来に目指す企業規模のターゲット
売上高500億円
経常利益50億円

②長期経営戦略
[グループ共通]
・海外市場への取組み強化
・競争力向上に資する生産体制への整備推進
(製造コスト低減、付加価値拡大、安定供給強化等につながる体制)
[農薬事業]
・農業の環境変化を見据えた製品開発
・世界の食糧安定供給を支える新原体の開発
・変化する農業に寄与する製品サービスの提供
[ファインケミカル事業]
・付加価値の高い製品の受託製造拡大
・有機金属化合物群の拡大と独自新製品の開発
・アライアンス等による新規ビジネスの創出
■3ヵ年経営計画 「HOKKO Growing Plan 2020」
[Challenge to Change -未来を切り拓くため、あらゆる変化に挑戦する-]
①基本方針
3ヵ年経営計画では、3つの基本方針を定めています。この方針に沿った戦略を遂行することにより、Next Stageに向けてしっかりと成長軌道を描いていきます。
・既存事業の収益基盤強化
海外市場への取組み強化や業務プロセスの改革・改善等によって、収益性の向上を追求していきます。利益率向上と原価低減によって、コアビジネスとコア収益をさらに強化し、利益成長のドライバーといたします。
・事業分野、領域の拡張
既存事業の関連分野やシナジー効果が期待できる分野において、アライアンスやM&A等も活用して新たな業務への進出、展開を目指します。これにより新たな売上や付加価値を創出し、当社の成長路線を確実なものとしていきます。
・健全な財務体質の維持
製品開発までに長期間を要する当社の事業特性に鑑み、将来のリスク発現に備えた、成長を支える安定したフレームとしての健全な財務体質を維持することは不可欠です。成長投資や株主還元とのバランスを確保しながら、引き続き内部留保の拡充に努めます。
②目標とする経営指標
次の経営指標を2020年度までに達成すること、または計画期間中維持することを目標といたします。
判断ポイント基準とする数値・指標目標値
成長性売上高45,000百万円
経常利益3,500百万円
収益性売上高経常利益率7.8%以上
安全性D/Eレシオ
(参考値:自己資本比率)
0.4倍以内
(50%以上)

上記の基本方針並びに数値目標を実現させるための具体的な事業戦略については次のとおりです。
[農薬事業]
1.農業の環境変化を見据えた製品開発
・生産者の省力ニーズ、進化する栽培技術・農業機械に対応した製剤の開発のため委託試験や工場での実機製造により製造面での課題確認を行い、水田での拡散性、長期保存安定性、製造効率を考慮した処方の最適化に向けた研究を進めてまいります。
・高付加価値農産物の生産志向に対応し、新規園芸剤の国内外メーカーからの導入を推進いたします。
2.世界の食糧安定供給を支える新原体の開発
・作物の安定生産に寄与する原体の新規開発を加速するため、酵素試験法を用いたスクリーニングの省力化および外部機関との連携強化により、シード化合物の拡大を目指してまいります。
・熱帯地域に適合する薬剤開発のため、ベトナムに設置した試験農場を活用し、イプフェンカルバゾン剤の効果・薬害試験を実施いたします。
3.海外市場への取組み強化
・アジアの主要水稲栽培国でのイプフェンカルバゾン剤の農薬登録取得に向けて、現地試験等の対応を継続いたします。また、主要国以外での適用検討を開始いたします。
・東南アジア地域の主要水稲栽培国での自社開発製品の農薬登録取得および販売体制やマーケティング機能強化を目的として、ベトナム試験農場を活用するとともに、イプフェンカルバゾン剤の登録取得を見据えた普及戦略を策定いたします。
4.変化する農業に寄与する製品・サービスの提供
・農家経営や栽培技術等を総合的に判断し、最適な防除体系を構築してまいります。その一環として、2019年度に支店役職者および営業・技術担当者全員がJGAP指導員の資格を取得いたしました。
・新しい栽培・防除技術に対応した農薬の施用方法・散布技術を提供するため、将来のドローンによる防除を見込んだ現地散布試験および粒剤等の評価を実施いたします。
5.競争力向上に資する生産体制への整備推進
製造コスト削減を推進するために社内に設置された「造り方改革推進プロジェクト」を中心に、農薬製造設備の将来の基本構想を策定し、自社農薬製造工場における機能分担を明確にした上で、自社農薬生産拠点の最適化に向けた見直しを行い、それに伴う新工場の建設を検討してまいります。
[ファインケミカル事業]
1.付加価値の高い製品の受託製造の拡大
・顧客が求める高品質な製品の実現に向けて分析機器を拡充し、製造および検査の両面で高い品質の維持に努めてまいります。
・将来の収益拡大のため受託製造を主とする新工場(岡山工場合成第9工場)を2019年11月に竣工いたしました。高効率生産を実現し、業績貢献に努めてまいります。
・川下に近い医薬中間体の受託のために組織された専門チームを中心に、さらなるGMP管理の知識の習得と情報の蓄積を継続し、新規受託案件の獲得に積極的に取り組んでまいります。また、医薬分野での受注拡大を目指して、一部の通常生産においてGMP管理の高度化を推進しております。
2.有機金属化合物群の拡大と独自製品の開発
・自社ノウハウを活用し顧客ニーズに合わせた製品の開発・販売に注力いたします。
3.海外市場への取組み強化
・海外営業拠点の充実のため、ミュンヘン事務所の増員や新たな事務所の設置を目指し、語学研修の充実や海外での展示会・学会への積極的な参加など、海外で活躍できる人材の育成に注力いたします。
・積極的に国内外でPR活動を行い、欧米市場でのホスフィンリガンドの需要発掘や製造受託の獲得を目指してまいります。
4.アライアンス等による新規ビジネスの創出
・子会社北興産業㈱が取り扱っている防カビ剤について、新たに子会社となった村田長㈱のスキル・ノウハウ・ネットワークを利用して、繊維資材分野への新たな展開を目指してまいります。
5.競争力向上に資する生産体制への整備推進
・岡山工場では、新工場(合成第9工場)を加えた工場全体の組織再編を行いました。さらに製造委託先との連携を密にして、安定供給体制を強化してまいります。
[繊維資材事業]
村田長㈱の子会社化により、ユーザーニーズや需要動向を踏まえた素材の開発・生産・販売が可能になり、新たな付加価値の創造を目指してまいります。
[研究開発]
開発研究所・化成品研究所では、『新技術を開発し続ける~Challenge to Innovation』をスローガンとし、人材育成や新設備の導入による「研究・開発能力の向上」、工場・関係部門との連携強化による「研究開発の促進」に引き続き取り組んでまいります。
農薬事業については、世界の食糧の安定供給を支える「新規農薬原体創製」、「自社原体製造」、農業の環境変化を見据えた「新製品開発」を推進いたします。
ファインケミカル事業については、「高付加価値受託製品の開発」、「先端リガンドの開発」、「微量元素の対応」といった課題に対応するため、これまでの研究開発から創出した独自の合成技術を活かし、多様化する顧客のニーズに応えてまいります。

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