有価証券報告書-第70期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/14 13:35
【資料】
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が堅調に推移し、米大統領選挙後には円安・株高が進行して景況感が改善するなど、緩やかな景気回復の動きがみられました。しかしながら物価上昇圧力の高まりが家計の実質購買力を抑制し、若年層を中心に消費性向が低下傾向にあることに加え、天候不順の影響もあり、個人消費は弱含みで推移しました。また、世界経済の減速は一服したものの、英国のEU離脱問題や米国の政策動向に対する懸念など、世界経済の先行きは不透明な状態が続いております。
こうした状況の中、当社グループは、絞り込みと集中、世にない商品の開発、スピード経営を継承しながら、「ブランド価値経営」を基本方針として掲げ、持続的成長を可能とするために「市場拡大」「シェア拡大」「利益志向」に注力し、事業部制の定着に向けた取り組みを進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は459億57百万円(前期比2.9%増)となりました。
利益面では、主力品と高付加価値商品の販売強化により売上総利益が増加した他、継続して取り組んでおります返品や製造コストの削減効果が現れたことなどにより営業利益は28億54百万円(同21.9%増)、経常利益は29億2百万円(同68.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億17百万円(同99.2%増)となりました。
なお、当社グループは当連結会計年度より、売上の計上基準について会計方針の変更を行っており、遡及適用後の数値で前連結会計年度との比較を行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
当社グループの事業セグメントは、「生活日用品事業」の単一セグメントですが、カテゴリー別の業績は以下のとおりであります。
エアケア(消臭芳香剤)は、上質な香りが香水瓶から広がる「シャルダン フレグランス」や「玄関・リビング用 消臭力 Premium Aroma」シリーズ、「消臭力 トイレ用 クエン酸プラス」等の機能プラスシリーズが売上の増加に寄与し、売上高は196億40百万円(前期比3.5%増)となりました。
衣類ケア(防虫剤)は、昨春に主力品「ムシューダ」の売上が好調に推移し、返品も大幅に削減できましたが、今年3月に全国各地で桜の開花が遅れるほど気温が低めに推移した影響で年度末の売上が伸びず、売上高は89億38百万円(同1.4%減)となりました。
サーモケア(カイロ)は、記録的な暖冬にみまわれた前期に比べて売上が回復した他、前シーズン終了後の返品が減少し、売上高は57億27百万円(同15.8%増)となりました。
ハンドケア(手袋)は、水が入りにくいセミロングスリーブの新製品「ファミリー ハンドフルール」が売上に寄与した他、業務用ニトリルゴム手袋の売上が伸長したこと等により、売上高は52億90百万円(同3.1%増)となりました。
湿気ケア(除湿剤)は、シートタイプの「ドライペット 引き出し・衣装ケース用」等の売上は伸長したものの、取引条件の見直しを行ったタンクタイプの「ドライペット スキット」の売上が減少したこと等により、売上高は29億66百万円(同5.4%減)となりました。
ホームケア(その他)は、お米の虫よけ「米唐番」や「ウルトラパワーズ 洗たく槽クリーナー」等の売上は堅調に推移したものの、クルマ用商品等の売上が減少し、売上高は33億94百万円(同0.4%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して38億44百万円増加し、113億96百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは51億50百万円の収入(前年同期は24億80百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益27億51百万円、減価償却費9億96百万円、たな卸資産の減少額8億38百万円、未払消費税等の増加額3億63百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは6億21百万円の支出(前年同期は6億24百万円の支出)となりました。主な支出としては有形固定資産の取得による支出4億48百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは6億39百万円の支出(前年同期は8億76百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、自己株式の処分による収入1億85百万円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払5億4百万円であります。